2010.12.08

パリ装飾芸術美でラリックのジュエリーと対面!

2167_2      ネックレス‘ハシバミの実’

2168_2     チョーカー‘セイヨウサンザシ’

2169_2     ブローチペンダント‘2羽のツバメ’

2170_2            櫛‘2羽の孔雀とゴシック式薔薇窓’

グラン・パレの‘モネ展’で思わぬ長ーい待ち行列を食らったため、あとの美術館めぐりの一部をカットせざるをえなくなった。組み換えはすぐ決まった。モネ展を満喫させてもらったので体験済みのマルモッタン美はパスにして、はじめてのパリ装飾美へ向かった。

昨年、ラリック展があったとき関連本を購入し、この美術館の場所を知った。チェルリー公園を横目にみながらルヴォリ通りをルーヴル美のほうへ進むと10分くらいで着く。ここは装飾芸術作品の蒐集で知られており、中世から現在までのジュエリーや家具調度品などの工芸全般、彫刻、絵画をみることができる。

今回は時間もおしているので、ラリック(1860~1945)のジュエリーがある2階の真っ暗な‘宝飾品室’だけに絞ってみた。入って右手奥に必見リスト(拙ブログ8/5)に載っているラリックの装身具細工の作品が目の前に現れた。もっともゴージャスな印象を受けるのが青と明るい緑のエナメルが目に飛び込んでくるネックレス‘ハシバミの実’。緑の実にはダイヤモンドの粒が埋め込まれている。

チョーカーの‘セイヨウサンザシ’は真珠が見所。よくみるとこの天然真珠は形が不揃いなのだが、それが気にならず真珠の素の美しさがうまく引き出されている。端正な意匠がとてもエレガントな感じで、うっとりながめていた。

ツバメのペンダントや孔雀の櫛は小さいものだが、細工は細部まで手がこんでいる。だから、顔が展示のガラスにくっつくように近づいていく。予定ではアザミと花の指輪と金銀のブローチもみることになっていたが、どういうわけか見当らなかった。

この部屋にはラリックのお宝以外にも目を奪われるジュエリーがずらっと並んでいるので、女性たちはちょっと興奮気味。相当気分がハイなことは仲間とのおしゃべりに声が段々大きくなっていくことで察しがつく。女性にとってジュエリーの魅力は格別なのだろう。

日本でイメージしたパリ装飾美のあとの流れはラリック本店だったが、これは時間がないので次の楽しみにした。念願のラリックのジュエリーをみれたので足取りも軽い。

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2010.03.19

レンピッカ展は傑作揃いのすごい展覧会!

1376          ‘緑の服の女’

1379            ‘マジョリー・フェリーの肖像’

1378    ‘エリストフ公の肖像’

1377              ‘タデウシュ・ド・レンピッキの肖像’

Bunkamuraの‘レンピッカ展’(3/6~5/9)は関心がすごくあったことは確かだが、期待値が高い展覧会というわけではなかった。というのも、美貌の女性画家レンピッカ
(1898~1980)の絵はこれまでたった2点しかみたことがないのである。だから、この画家は一体どんな絵を描いたのか?それを知りたくて出かけた。

作品の数は油彩69点と関連の素描。会場に入ってまもなくインパクトのある肖像画が続々登場する。レンピッカが最も輝いていた1925年から1935年の10年間に描かれた作品は傑作揃い。そのなかで心をとらえて離さないのが‘緑の服の女’(1930)。

チラシでみてから気になってしょうがなかった。この女性からすぐ連想したのが最近、女優復帰を宣言した沢尻エリカ。白い帽子のつばに手をかけ顔を傾き加減に前方をじっとみる姿が心をかきむしる。My好きな女性画に早速登録した。

1932年に描かれた‘マジョリー・フェリーの肖像’は5年前、東京都美であった‘アール・デコ展’でみた。レンピッカの存在を知ったのは娘のキゼットを描いた‘腕組みをする女’(メトロポリタン美)だが、これはアメリカへ移住した1939年ころの作品。だから、衣服の襞の表現や白の使い方には惹きつけられるところはあるが、絶頂期の作品に較べると印象が弱いことは否めない。

ファッショナブルな衣装をまとい、滑らかな肌をみせるマジョリー・フェリーを強い陰影と輝く白で描いたこの絵は20世紀モダンを象徴するアールデコの香りに満ち満ちている。今となってはこういう時代はノスタルジックな感覚でしか蘇ってこないのだが、映像を観るよりは一枚の絵画のほうが大きな力をもっている。

今回の収穫は女性画のほかにいくつかある男性の肖像画。息を呑んでみたのが‘エリストフ公’(1925)。青紫の服と背景の緑のカーテンがとても印象的。そして、胸のポケットの白いハンカチが強いアクセントになっている。この絵には200%KOされた。レンピッカの最初の夫だったタデウシュの肖像(1928)は目にすごい力がある。左手は完成してないが、仕立てのいいコートの質感描写と目力がそんなことを忘れさせる。

女性は目が大きくその姿態は多くが角張ったヴォリューム感のある形態で描かれている。だから、肌の露出が多い場合、アングルの‘トルコ風呂’に描かれた裸婦とか東郷青児の女性が頭をよぎる。取り上げた女性の絵2点はそのあたりはそれほど印象つけられないが、例えば、パンケーキを乗せたみたいにみえる頭の髪やオッパイがじょうろのような形をした‘シュジー・ソリドールの肖像’などは好き嫌いがわかれるかもしれない。

Bunkamuraの企画展を高く評価しているのは、TASCHEN本などに載っている画家の代表作をドッと集めてくれるところ。作品の質を高いところにおき、‘一級の回顧展あるいはテーマ展にするんだ!’という意気込みが展示内容に現れている。

たまにロートレック・コネクションのような目玉のないのもあるが、年間を通してみれば拍手をしたくなるものが多い。昨年のだまし絵展ではアンチンボルドの‘ルドルフ2世’を展示してくれたり、今回もレンピッカの代表作を沢山集めてくれた。これからも大いに期待したい。

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2009.06.27

酔いしれるルネ・ラリック展!

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魅惑的なジュエリーやガラス工芸を数多く創作したルネ・ラリックの回顧展(6/24~
9/7、国立新美)を楽しんだ。作品数は400点とラリックの代表作をかなり集めてきているから、大きな満足が得られた。そのなかで見たくてしょうがなかったのがリスボンにあるグルベンキアン美術館が所蔵する‘ティアラ・雄鶏の頭’(上の画像)。

この展覧会の情報に接したとき、ラリック作品のコレクションで有名なあのグルベンキアン美のお宝が入っていることがわかり、胸が高鳴った。この美術館は数年前、NHKで放映された‘世界の美術館’で紹介され、‘グロテスクな装飾の精華’や‘エナメルの鱗をまとった9匹の蛇’といったすばらしい胸元飾りが目に焼き付いている。

これは流石に出さないだろうが、同じくらい惹きつけられるティアラを日本で見られたのは本当に幸せなこと。ジュエリーのコーナーにあるものでは、この‘雄鶏の頭’とオルセー美から出品されたハットピン‘ケシ’が大きさ、装飾性、細工の緻密さの点で群をぬいていい。

ラリックのモティーフで気に入っているのがトンボ。ペンダント、指輪など4点あり、真ん中はペンダント‘四匹のトンボ’。透明感のある羽根がトンボ捕りに夢中になって遊んだ子供の頃を思い出させてくれた。宝飾品は小さいものが多いから見過ごしやすいが、女性だと顔の形、昆虫だと表面の質感などその精緻なつくり込みにおもわず惹きこまれる。そして、女の顔がケシやスミレ、木の枝、水流に変容するところはシュールで夢幻的なイメージが漂う。

ガラス工芸は箱根のラリック美術館で目が慣れているから、ゆったりした気分で見て回った。美しい裸婦像に心がふわっとなる‘三足鉢・セイレン’(拙ブログ05/3/29)や‘花瓶・ナディカ’&‘バッカスの巫女’、量感のあるダリア、雀のフォルムを釘付けになってみた。

今回の収穫は1925年のアールデコ博覧会(パリ)に出品された野外噴水塔‘フランスの水源’。全部で16種類、128体あった河川と泉を象徴する女神像のうち12体が飾られている。これは圧巻!下はそのなかの4点。こういうタイプのガラスの立像は東京都庭園美の玄関にあるものしか見たことがないので、すごく新鮮だった。大半が日本のコレクターが所蔵しているもの。あらためて日本にはガレやラリックの作品を熱心に集めている人が多くいることがわかった。これほど美しいのだから、目の色が変わるのは無理もない。

この先の展示はカーマスコット、置物、テーブルセット、香水瓶、装飾パネル、テーブルセンターピースなど。その中に‘常夜灯・二羽に孔雀’(05/5/5)があった。再会した北澤美の‘センターピース・二人の騎士’に嬉しくなると同時にセットで並べてある初見の‘三羽に孔雀’も息を呑んで見た。

ラリックはこれで一休みできるが、秋に世田谷美で‘オルセー美展 パリのアールヌーヴォー’(9/12~11/29)があるから、そこでもラリックの名品がみれるかもしれない。期待したい。

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2006.10.23

アール・デコ・ジュエリー展のポショワール

516現在、東京都庭園美術館で行われている“アール・デコ・ジュエリー展-宝飾デザインの鬼才シャルル・ジャコーと輝ける時代”(07/1/14まで)は事前にイメージした展示内容と異なっていたので、面食らった。

これはチラシをよく読まず、勝手な期待をしたことによるアンマッチ。てっきり、ジャコーがデザイナーした宝飾品がゴージャスにずらっと飾ってあるものと思い、それを期待して1階と2階の部屋を進んだのだが、その気配はない?!だんだん状況がつかめてきた。

今回のメインは166点あるジャコーの描いたデザイン画だった。“カルティエの宝飾品コレクションではなかったのー!”、なんという勘違い。チラシにはちゃんとそう書いてあるが、もう遅い。でも、ブシェロン、ラリックの作品、カルティエのコレクションなどアール・デコ様式の宝飾品、装身具も35点でているので、頭を切り替えて、これらを楽しむことにした。デザインや形の美しさ、光の輝きにうっとりしたのは、ラリックの“ブローチ、4匹の魚”、フーケの“バンドー”、ブシェロンの“ブレスレット”、そしてジャコーのデザインでカルティエが製作した“ブローチ、棕櫚(しゅろ)”。

シャルル・ジャコーのデザイン画に興味深いのがあった。中国の古美術や日本の漆芸、印籠などからもジャコーはヒントを得たようで、1914年頃描かれた“ヴァニティ・ケース”(小物入れ)には印籠の収納機能を取り入れている。円筒状の箱を三つに区切り、胴部に巻きたばこのパイプと煙草を入れ、下にはマッチ、上には白粉箱と口紅を収納する。女性の喜びそうなデザインを生み出すことに創作のエネルギーを注ぐだけでなく、使い勝手にも気を配る親切設計になっているのが面白い。ジャポニスムブームではじまった日本の工芸品への関心がアール・デコの時代ではさらに、細かいところにまで及んでいたことに驚かされる。

ジャコーのデザイン画より見てて数倍楽しかったのが、アール・デコ期に発行された“ガゼット・デュ・ボントン”など高級ファッション雑誌のポショワール(ステンシル版画)。ポショワールは型紙に色をつけたい部分に穴をあけ、そこにインクを含ませた筆やスポンジで色を塗る方法。今回、ルパープ、バルビエら一流イラストレーターが制作したファッションプレートが58点でている。

そのなかで、何点もあるジョルジュ・バルビエの美しいポショワールに魅了された。1920年代のアール・デコファッションで着飾りや煌く装身具をつけた女性のハイカラで洒落た感じがなんともいい。右は中国趣味を取り入れた豪奢な絵、“無慈悲な美しき上流婦人”(1921)。額に優美な幅広バンドームをつけた目鼻立ちの整った女性の背景にはピンクや黄色で着色された大きな鳳凰が描かれている。この絵と空を飛ぶ鳳凰を背にし、ベールのイブニングドレスを着た女性が描かれた“魔力”(1922)を見れたのが一番の収穫だった。

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2006.07.15

旧朝香宮邸とルネ・ラリック

434一日にいくつかの展覧会を観るときは西洋美術、日本美術を混ぜず、今日は西洋もの、次は日本ものという風に美術館をまわっている。

今回の“エミール・ガレとドーム兄弟展”(Bunkamura)のあとに行った東京都庭園美術館の“旧朝香宮邸のアール・デコ展”(10/1まで)は理想的な流れだった。二つの展覧会の接点はアール・デコのガラス工芸作家、ルネ・ラリック。

ラリックの作品は昨年、集中的に観て、ガレと同じくらい好きになった。Bunkamuraでは最後にラリックの“バッカスの巫女たち”に出会い、気分がプラトー状態で庭園美術館に足を運んだら、ここにもラリックの名品があった。展覧会は予備知識・情報を必要以上にもたないで見ることにしているので、こうした思わぬ作品のコラボレーションに遭遇すると腹の底から喜びがこみ上げてくる。ミューズに感謝。

今回の展覧会は正面入り口の隣にある“小客室”の改修工事が完了したのを機に、アール・デコの館、旧朝香宮邸をじっくり観てもらおうと企画されたもの。建物を公開するのは3年ぶりらしい。1933年に竣工したこの旧朝香宮邸に当時、アール・デコの顔だったアンリ・ラパンとラリックが関わった。装飾家のラパンは大客室、大食堂、小客室などの内装設計や壁画を手がけ、ラリックは右の大客室のシャンデリア、大食堂にあるパイナップルとざくろが描かれた天井灯、正面玄関のガラスレリーフ扉などを制作した。

この美術館へは過去2回来たことがあるが、企画展にでている作品を見るのに夢中で、部屋の内装とか、つくりに目がいってなかった。もちろん、立派な邸宅であることは体いっぱいで感じていたが、シャンデリアなどがラリック作とはつゆ知らなかった。一番感動したのが見栄えのする玄関のガラスレリーフ扉。いつもあったのだろうが、ラリックが頭にないものだから、見過ごしていた。ラリックの提示した4種類のデザインから選ばれたのが翼のある女性像。が、宮邸の玄関に裸婦はふさわしくないので、女性は薄布で覆われたという。

部屋にラリックのガラス作品がいくつか飾ってあった。いずれも名品。1階の“花瓶、大きなダイア”、2階の“フォルモーズ、金魚文”、“バッカスの巫女たち”、“雀”、“香水瓶”。その中で心を揺すぶられたのが、光の角度で色調が変化するオパルセントガラスでつくられた“バッカスの巫女たち”と香水の香りの魅力をつたえるのにぴったりの丸い形と深い青が美しい“香水瓶・真夜中”。

2階の部屋では“ボンボニエール”という小さなキャンディーボックスにはじめてお目にかかった。ヨーロッパでは子供の誕生祝いや結婚式、復活祭などの祝い事のとき、砂糖菓子をこの箱に入れて、卓上に飾る習慣があり、明治以降、天皇家や宮家でも特注のボンボニエールをつくり、贈答品にしたという。精巧に細工された“鶴亀”、“犬張子”などの“慶びの小箱”を時間を忘れてみた。

予想だにしなかったラリックの名品が見れ、ボンボニエールという初ものまであった。大げさにいうほどではないが、ミニエポック的な展覧会になった。

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2005.05.10

箱根のラリック

426先週のNHK日曜美術館ではラリックを取り上げていた。見る前は今、東京都美術館で開催中のアール・デコ展を紹介するのかなと思ったが、女性司会者の二人と人気の華道家が箱根ラリック美術館を訪れるという趣向だった。

昨年、北澤美術館のガレにスポットライトをあて、今回はラリック。NHKのスタッフはアール・ヌーボーがよほど好きとみえる。

3月、開館直後の箱根ラリック美術館を訪れたときは、ラリックの制作した宝飾
品に魅せられた。ブローチ、ペンダント、ネックレス、ブレスレッドなどの形、色
合いにラリックの繊細な美意識、センスの良さを感じる。女性と蝶を合体させた
ブローチや黄金の蛇をあしらったバックルなどはっとする造形がいくつもあった。
女性と蝶のブローチはあまりの小ささにスタッフもがっかりしたのか、スタートの
タイトルのバックに使っていたが、本編のなかではカットされていた。

右の作品は1900年万国博覧会に出品した“ショーウインドウの装飾棚・蝶の
女”。ショーウインドウを囲んだブロンズ製のオブジェ。2階に展示してある。形は
ブローチと同じタイプで女性が蝶の羽のマントを羽織ってる感じ。

これをじっとみていた時、昔見た映画の一シーンを思い出した。それは羊たちの
沈黙。鉄の檻から脱出した噛み切り男、レクターが警察官を殺害し、このオブジ
ェのような形で天井に吊り上げてた場面。

この番組をみて後悔したことがある。美術館へ入る途中にクラシックカーが展示
してあり、そのカーマスコットはしっかり見たのだが、豪華列車「コート・ダジュー
ル」号のために造られた装飾パネルを見逃してしまった。入って左側のレストラ
ンは覚えてるが、その向こうにわざわざフランスから運んできた列車があった
とは。うかつだった。パンフレットをみるとちゃんと載っている。

でも、注意が必要。この中でコーヒーが飲めるのだが、完全予約制(専用予約
カウンターで予約)。料金は一人2100円(デザート付き)。次回、箱根に行く時
は是非、ラリックの美しいパネルに囲まれてコーヒーを飲んでみたい。

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2005.05.05

アール・デコ展のルネ・ラリック

225現在、東京都美術館で開催中の“アール・デコ展”(6/26まで)は2ヶ月前京都でルネ・ラリックを鑑賞したときからチェックしていた。料金は1400円。ちょっととりすぎのような気がする。

アール・ヌーボーについては、自然をモティーフにした曲線の装飾美をガレやミュシャ、ラリックの作品に見た。今回のアール・デコは西も東のわからないので、ルネ・ラリックの作品がみれれば儲けものと思い入場した。

ファッション関係の人、デザイナー、アートディレクターなどにとってはたまらない
展覧会かもしれない。作家の名前は知らないほうが多い。チラシにのってる
“電話Ⅱ”を描いたレンピッカ。はじめて観る絵。パリの匂いがぷんぷんする。
こういうときは馴染みの名前をみつけるとほっとする。マッキントッシュの煙草用
キャビネット、フランク・ロイド・ライトが制作したステンド・グラス、絵ではマリー・
ローランサン、ソニア・ドローネー、レジェ、デュフィ。

アール・デコは世界中の美術品から霊感をうけており、それを多面的にみせて
くれる。古代エジプト、アフリカのプリミティブ美術、中国、日本、中米にヒントを
えて作った装飾品や置物などはみててあきない。時間があるとじっくりみたいの
だが、この美術館は階段をいくつも登らされるので本当に疲れる。これがなけ
ればどんなに楽か。

お目当てのルネ・ラリックの作品は3点あった。いずれもロンドン、ヴィクトリア&
アルバート美術館からの出品。“バッカントの花瓶”、右の“ランプ・二羽の孔雀”、
“オレンジの花瓶”。さすがヴィクトリア&アルバートの所蔵だけあって名品。京都
でみた作品よりランクがひとつ上の感じ。孔雀のランプも見事な出来栄え。孔雀
はラリックの日本趣味の表れ。こんなランプを部屋においてみたい。

料金が高いのと疲れる展示レイアウトにうんざりだったが、ルネ・ラリックの作品
と蓼科から出品されたマリー・ローランサンのいい絵に救われた。

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2005.03.29

ルネ・ラリック展

224京都駅ビルに入っている伊勢丹の7階でルネ・ラリク展というのをやっていた(3/28まで)。正確には美術館「えき」KYOTOの企画展。こんなところに美術館があるとは知らなかった。箱根でみたラリック作品がいまひとつぐっとこなかったので、口直しのつもりで入ってみた。

展示の大半はガラス工芸。魅力的なのが一杯ある。箱根の専門館にもガラス工芸の名品が揃ってたが、ここの造形の美しさ
にも釘づけになる。ラリックは宝飾品で名をなした後、50歳頃からガラス工芸
作家に転向し、透明ガラスで光の表現を追求する。造形に多く使われたのが
裸体の女性。

そのなかで魅せられたのが右の“三足鉢・セイレン”。ギリシャ神話にでてくる
美しい歌声で船乗りを誘惑するセイレンを、透明ガラスのなかに人魚の姿で
表現している。これは代表作のひとつだそうだ。じっと見てると目の前に人魚が
ゆらゆら動いてるように見える。

この作品のとなりにはオウムやインコをモティーフにした綺麗な花瓶がある。
また、光の角度でガラスの色がブルーになったり、オレンジ色になったりする
オパルセント・ガラスを使った作品が素晴らしい。裸婦を形どった花瓶や立像
は見る位置により色が変わる。このオパルセント・ガラスは1925年頃から
ラリックが使い、アール・デコ期に大流行したらしい。

このほかにも、香水瓶、カーマスコット、時計などにラリックが創作した優雅で
モダンな造形美をみることができる。この展覧会はこの後、日本橋高島屋に
巡回する(3/30~4/11まで)。

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2005.03.23

箱根ラリック美術館

34箱根、仙石原にルネ・ラリック専門の美術館が出来たというので行ってみた。今までラリックの宝飾やガラス工芸をまとまった形で見たことがないので、期待して観た。清里にも北澤コレクションがあるそうだが、まだ訪れてないのでこの新美術館が所蔵する作品のレベルがどのくらいなのか分からない。

2階建ての美術館はガレと並ぶアール・ヌーボーの旗手であるルネ・ラリックの創作活動の全貌がわかる展示になっている。ジュエリー、香水瓶、花器、置物、建築装飾など目を奪われる作品が
綺麗に展示してある。その中で、美しいと感じたのが右のブローチ“風の精あるい
は羽のあるセイレーン”。女性と蝶を組み合わせた造形がなかなか魅力的。世界
美術館紀行で紹介されたグルベンキアン美術館(リスボン)に“蜻蛉の女”という
素晴らしいブローチがあった。ここのも同じタイプだが、ちょっと小さい。

3/17の新聞に載ったオープン通知広告にこれが使われていたので、期待を膨
らませて観たが、ありゃら。。こんなに小さいのというくらい小さい。残念。。。学芸
員の人が“皆さん、そう言われるんですよね。館長のお気に入りでして”と恐縮し
ていた。確かに、いいブローチだと思う。でも、小さすぎる。これを言ってはいけな
いが、騙されたような気分。見ごたえがあるのは2階にあるガラス工芸。なかでも
斬新なデザインの花器が秀逸。

料金は1500円。そして、またまた駐車料金を300円とってくれる。近くのポーラ
美術館が500円とるのでここも右に習えしたのだろう。これではリピート客には
なれない。

なお、日本橋高島屋でも3/30から4/11までルネ・ラリック展が開催される。この
美術館の宝飾品は全般的に小ぶりで、満足感はいまいちだった。展覧会で一番
必要な、これが目玉というのがない。ここでの消化不良が高島屋の展示品で解消
されればいいのだが。

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