BIOMBO/屏風 日本の美展



現在、サントリー美術館で開催中の“BIOMBO/屏風 日本の美”(9/1~10/21)は想像以上にすごい展覧会。国内および海外の美術館から質の高い作品が沢山結集している。東博の京都五山展同様、日本美術では十年に一度クラスの展覧会といっていい。
余談だが、実はもうひとつすごいのが今、奈良博で行われている。同館が95年、開館百年記念として行った“日本仏教美術名宝展”の再現かと思わせるほど国宝をいっぱい集めた“美麗 院政期の絵画展”(9/1~9/30)。そして、10月になると、京博でビッグイベント“狩野永徳展”(10/16~11/18)がある。
だから、終了した五山展のあと、東京、京都、奈良で行われる3つの展覧会へ足を運ぶと、美術本に載っている日本画のトップクラスの名作が大変効率よく鑑賞できることになる。これはまたとない機会。長く日本画をみているが、これほど次から次と大展覧会が連続するのは珍しい。
前置きが長くなったが、この展覧会の見所はどの作品か。例によって、出品作101点は7期に振り分けられているから(HPに掲載中)、是非とも見たい絵を軸にして訪問する回数と日を決めなくてはいけない。何点かある追っかけ作品との対面を考えると、どうしても3回の訪問が必要になりそう。今回の料金は前回より300円アップの1300円。2回目以降は割高な鑑賞となるが仕方ない。
章立ては6つ。1章 屏風の成立と展開、2章 儀礼の屏風、3章 BIOMBOの時代 屏風に見る南蛮交流、4章 近世屏風の百花繚乱、5章 異国に贈られた屏風、6章 海を越えた襖絵と屏風絵。 9/1~10と9/12~17にでている屏風のなかで目を見張らせるのは1章、3章、6章に多くある。
上と真ん中は再会を待ち望んでいた“日月山水図屏風”(じつげつさんずい、重文、室町時代、大阪・金剛寺)。上が右隻(春の景色)で真ん中が左隻(冬の景色)。加山又造の“雪月花”(拙ブログ06/3/11)と“春秋波濤”(07/2/20)はこの絵に霊感を得て描かれた。
目に焼くつくのが幾重にも重なった緑の山の親しみやすい形。山は逆遠近法で描かれ、遠くの山のほうが大きい。目を皿のようにしてみたのが左右隻の大半を占める波形。横にのびる波の所々にみられる波頭は様式化され工芸的なイメージなので、見てて楽しい。右隻の左上に金の切箔が残っているものの、その隣に散らされた銀箔は歳月でくすみ暗くなっている。
制作された頃は銀や金が輝き、桜の白と山の緑、そして真ん中の金の日輪がまばゆいばかりに華やかな画面をつくっていたことだろう。また、リズミカルに響きあう左隻の雪山、松の枝、波の曲線フォルムにも魅了される。ここには銀箔の三日月があるのだが、退色しているのでうっかりすると見落とす。
1章では追っかけていた“厩図”(三の丸尚蔵館)と対面した。山口晃が参考にした“厩図屏風”(重文、東博)は9/26~10/1と10/3~8に展示される。下の風俗画は人物描写や着物の柄や色に大変魅了された“邸内遊楽図屏風”。サントリー美にも同名の絵があるが、どちらもいい遊興図で甲乙つけがたい。
今回のいちばんのハイライトは全期間展示される6章の“祇園祭礼図屏風”(ケルン東洋美、サントリー美)、“社頭図屏風”(メトロポリタン美)、“賀茂競馬図屏風”(クリ-ブランド美)かもしれない。これらは4階の階段を下りたところに展示してある。次回、詳しく書くつもりだが、浮き浮きするくらい楽しい屏風絵。見てのお楽しみ!
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