2018.04.14

東近美で楽しむ傑作日本画!

Img        菱田春草の‘賢首菩薩’(重文 1907年)

Img_0001     小林古径の‘機織(はたおり)’(1926年)

Img_0002     冨田渓仙の‘紙漉き’(1928年)

Img_0003     小倉遊亀の‘O夫人坐像’(1953年)

最近は年に一度くらいしか足を運ばなくなった東近美。以前と較べて驚いたことがある。それは外国人が多くいること。この人たちはおそらく企画展の大観展ではなく展示されている日本画や西洋画をみるためにやって来た人。

ガイドブックには東京にある大きな美術館は載っているだろうから、観光客の数が増えるとこういう光景は当たり前なのかもしれない。4階の10室で日本画をみていたら、片岡球子の舞楽のようすを描いた‘渇仰’をアジアではない地域から来たとおぼしき男性が熱心にみていた。われわれと同じようにこのパワーのある絵に惹かれているのかと思うと同志的なつながりを感じてしまう。

所蔵品はだいたいみているのでとくに大きな刺激をうけることはないが、いい絵がずらっと並ぶと気分がだんだんハイになってくる。菱田春草(1874~1911)の‘賢首菩薩’はいつものように点描の色彩に視線がむかう。一見するとよく描かれる仏教画だが、目をこらしてみると袈裟の橙色の強さに目を奪われる。春草が補色の効果や点描によって色彩の印象を強めることに腐心したことがよくわかる。

いい風俗画が2点でていた。小林古径(1883~1957)の‘機織(はたおり)’と冨田渓仙(1879~1936)の‘紙漉き’、はじめてみたとき本当によく描けた絵だなと感心した。とくにいいのは仕事に集中している女性の姿。‘機織’では右の女性の腰をかがめて手で織を確認するポーズ。そして、‘紙漉き’は水のなかで手を勢いよく動かし越前和紙を漉いているところ。

小倉遊亀(1895~2000)の‘O夫人坐像’は久しぶりにお目にかかった。図録の解説文を読んでいたらこの肖像画を描いたころから安井曾太郎の肖像に似ていると評されたとあった。今まで気づかなかったが、確かにそんな風にみえる。

ここにあげた作品は5/27まで展示されている。

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2017.12.31

2017年 My‘好きな女性画’に加わった作品!

Img_0001     上村松園の‘うつろふ春’(霊友会妙一コレクション)

Img     北野恒富の‘ポスター:サクラビール’(1913年)

Img_0003     菊川英山の‘新吉原新宅図 ひともと’(1813年)

手帳を持ち歩く習慣はないが、家にいるときはソファーに置いてある‘座右のファイル’を毎日ながめている。そこに入っているのは展覧会のチラシ、TVの番組表、海外旅行のパンフレット、そして最後のほうにまとめて並べているお気に入り女性画の絵葉書や図版。

どんな女性といつも向き合っているかというと、西洋画では

★エル・グレコの‘白テンの毛皮をまとう貴婦人’(グラスゴー美)
★フェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’(マウリッツハイス美)
★マネの‘鉄道’(ワシントンナショナルギャラリー)
★ルノワールの‘桟敷席’(コートールド美)
★ルノワールの‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’(オルセー美)
★ルノワールの‘舟遊びをする人たちの昼食’(フィリップスコレクション)

★ゴーギャンンの‘アベ・マリア’(メトロポリタン美)
★クリムトの‘接吻’(国立オーストリア美)
★ルブランの‘自画像’(エルミタージュ美)
★マティスの‘赤い衣装の婦人’(フィラデルフィア美)
★ピカソの‘夢’(ガンツコレクション)

日本画に描かれたうっとり美人は、
★鈴木春信の‘見立菊慈童’(東博)
★勝川春章の‘美人鑑賞図’(出光美)
★上村松園の‘楚蓮香’
★鏑木清方の‘築地明石町’

★安田靫彦の‘花の酔’(宮城県美)
★小林古径の‘花’(コスモ石油)
★岸田劉生の‘麗子像’(東博)
★竹久夢二の‘黒船屋’(竹久夢二美)

というわけで女性の絵をみるのはもう生活の一部になっている。今年、My‘好きな女性画’に登録されたのは3点。残念なことに西洋画はなく、全部日本の女性。

上村松園(1875~1949)の‘うつろふ春’は恒例のホテルオークラのチャリテイイベント(7/13~8/24)に出品された。チラシでみて気になってしょうがなかったので久しぶりにこの展示会に足を運んだが、期待通りのグッとくる美人画だった。これまでこの絵は回顧展に出てこなかったので余計に嬉しい。

千葉市で行われた北野恒富(1880~1947)の特別展(11/3~12/17)ではビールのポスターに描かれた美人に思わず足がとまった。このポスターの効果でビールが売れたにちがいない。

最後に会ったのが菊川英山(1787~1867)のゾクッとするほど色香の漂う遊女、前から英山の美人画に惹かれていたが、太田記念美の回顧展(11/3~12/20)のおかげでまた惚れ直した。

今年も拙ブログにおつきあいいただきありがとうございます。
皆様良いお年をお迎え下さい。

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2017.11.10

期待の‘北野恒富展’!

Img_0003         ‘鏡の前’(1915年 滋賀県近美)

Img_0002     ‘戯れ’(1929年 東近美)

Img_0001     ‘阿波踊り’(1930年 徳島城博)

Img     ‘松風’(1941年)

西洋画でも日本画でも女性を描いた絵に大変魅了されている。おおげさにいうと女性画を楽しむために絵画をみているといってもいい。だから、明治以降活躍した日本画家では誰が美人画の名手かはだいたいわかっている。

回顧展がよく開催されるのが京都画壇の上村松園(1875~1949)、そして東京の人気画家は鏑木清方(1878~1972)と伊東深水(1898~1972)。では大阪は誰か、生まれは金沢だが大阪で名をあげた北野恒富(1880~1947)。千葉市美では今、北野恒富の大回顧展(11/3~12/17)が開かれている。

今年は恒富の没後70年にあたる。で、回顧展が先月でかけたあべのハルカス美で6月に開催された。この情報を昨年知ったときは心が動いたが大阪なのでまあいいか、だった。だが、嬉しいことに千葉市美にも巡回することがわかり、楽しみにしていた。美術館に対する好感度がまた上がった。

恒富の代表的な作品は8割がたみているが、それらは前期(11/3~11/26)と後期(11/28~12/17)にわけて展示される。図録をみると恒富全部みせます!という感じ。最初の部屋にいいのが並んでいた。チラシに載っている‘鏡の前’、じっとみてしまう女性の立ち姿。黒の着物と赤の帯が目の大きい色白の女性をぐっとひきたてている。

北野恒富という画家を胸に刻ませるきっかけとなった絵が東近美にある‘戯れ’、久しぶりにみた。恒富の女性をとらえる視点はじつにユニーク、ここではカメラをいじっている日本髪姿の女性を斜め上からみている。こういうアングルで女性を描くという発想がスゴイ。そして、きれいなのが背景の緑のグラデーションで表現した楓。

‘松風’もいい感じの絵。足をだらっと前にのばした二人は画面の上に顔をだす松の木をみているのか、それともただ空をながめているのかわからないが、こんな光景を視線を後ろにとると家族のあたたかさと自然の美しさが伝わってくる。絵画には大きな力がある。

思わず足がとまったのが‘阿波踊り’、TVでよく映し出されるリズミカルな踊りの様子がよくとらえられている。これも正面とか横からではなく、報道のカメラマンが脚立の上にあがってシャッターをきるように上からの目線で描いている。

期待を上回るすばらしい回顧展だった。後期も出かけるかもしれない。

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2017.08.22

全生庵の‘円朝まつり’!

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Img_0002      ‘円朝まつり’が行われている全生庵

Img 鏑木清方の‘茶を献じるお菊さん’(1904~05年) 朝日新聞の記事より

Img_0001        鏑木清方の‘三遊亭圓朝像’(重文 1930年 東近美)

朝日新聞やNHKのニュースで報じられた鏑木清方の幽霊画をみるため、台東区の全生庵へ行ってきた。地下鉄千代田線の千駄木駅に降りるのははじめてのこと。略図でもわかるようにここから全生庵までは約5分、谷中墓地のほうに向かって進むとすぐ着く。

途中、銭湯があった。東京で銭湯をみたのは学生時代のとき利用して以来。台東区という名前は知っているが地元の住人ではないので広さや範囲が皆目見当がつかない。でも、銭湯にでくわすのだからここらがいわゆる東京の下町なのだろう。これが下町の風情かと想いながら歩いていた。

驚いたのはガイドブックを手にした男性の外国人観光客が4人もいたこと。アメリカ人かヨーロッパから来た様子だが、こんなところに興味があるのだろうか。外国人は今どんどん地方にも足をのばしているとよく耳にするが、ここでみた光景はその流れの現れかもしれない。

全生庵では年中行事として‘円朝まつり’(8/1~8/31)が開催され、三遊亭円朝(1839~1900)が蒐集した幽霊画が公開されている。例えば名の通った画家でいうと、円山応挙、川端玉章など、でも、お目当てはこれらの絵ではなく、94年ぶりに発見された鏑木清方(1878~1972)が26~27歳ころに描いたとされる‘茶を献じるお菊さん’。

予想していた通りこの絵の絵はがきは用意されてない。そのため、朝日の記事に載ったものを使っているが、本物も色的にはこんなもの。そして、お菊さんは顔をみせていない。美人画を得意とした清方が幽霊画とはいえ女性の顔を描かないというのはどういう意図があったのだろうか、

清方は17歳のとき円朝に誘われて一週間栃木を旅している。脚気を患った清方を円朝が転地療養に連れて行ったのである。二人は40も年が離れている。清方の父は粋人で円朝を支援していたため円朝が手助けしたというわけ、お蔭で清方の足は東京に帰って来たときはすっかり治っていたという。

それから35年経った1930年に美人画の人気画家になった清方が描いたのが‘三遊亭円朝像’、以前東近美によく通っていたころはときどき飾ってあった。久しぶりにみたくなった。

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2017.08.15

鏑木清方の幻の幽霊画が存在していた!

Img_3    鏑木清方の‘茶を献ずるお菊さん’(朝日新聞の記事より)

先週ホテルオークラで久しぶりに鏑木清方(1878~1972)の美人画をみて、やはり清方の描く女性はいいなと惚れ直したところだったが、今日の朝日新聞に清方の作品に関するおもしろい話が載っていた。また、NHKのニュースでも取り上げていた。

東京都台東区の全生庵では今、清方が怪談‘皿屋敷’にでてくる幽霊お菊をモチーフにして描いた‘茶を献ずるお菊さん’が展示されているという。展示は8/31まで。手元に清方の美術本や過去に開催された回顧展の図録がかなりの数あるが、この絵のことはまったくでてこない。

この幽霊画がいつ頃描かれたものか正確な情報がないが、1906年清方がお世話になった三遊亭円朝(1839~1900)の法要の際には絵葉書の図柄にこの絵が使われていたようだ。そして、絵は1923年の関東大震災で焼失したといわれていた。

ところが、実際は無事で残っており、記事によるとつい最近都内の画廊が手に入れたとのこと。清方好きとしてはこれを見逃すわけにはいかない。全生庵は地下鉄千代田線千駄木駅の団子坂下出口から徒歩5分のところにあるそうなので、日程を調整して出かけることにした。

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2017.08.13

アートコレクション展 ‘佳人礼賛’!

Img     上村松園の‘うつろう春’(霊友会妙一コレクション)

Img_0001     鏑木清方の‘七夕’(左隻 大倉集古館)


Img_0002     鏑木清方の‘雨月物語 蛇身’(霊友会妙一コレクション)

Img_0004    モデイリアーニの‘婦人像’

地下鉄銀座線の虎ノ門駅で下車しホテルオークラをめざした。今このブランドホテルは増改築の真っ最中、2年後の2019年にオーフンの予定だという。どんなホテルに生まれ変わるのかと想像しながら、ちょっとしんどい坂道を進み横の別館にたどり着いた。

現在、ここで恒例のチャリティーイベント、‘第23回 秘蔵の名品 アートコレクション展 佳人礼賛’(7/31~8/24)が行われている。長らく鑑賞が途絶えていたが、何かの情報に載った上村松園の美人画が気になってしょうがなかったので、1点買いで足を運んだ。

これまで上村松園(1875~1949)の回顧展は何度も出くわしたが、今回出品されている‘うつろう春’は縁がなく画集でもみたことがなかった。所蔵しているのは霊友会妙一コレクション、このようなぐっと惹きこまれる作品がどうしてこれまで公開されなかったのだろうか、いい絵ほど所有者は出したがらないという法則が働いたのかもしれない。すぐMy‘好きな美人画’に登録した。

直感通りの傑作をみたのであとは気軽にみた。日本画で佳人をモデルに描く画家というとすぐ頭に浮かぶのは上r村松園、鏑木清方(1878~1972)、そして伊東深水(1898~1972)。清方は大倉集古館にある‘七夕’と‘雨月物語’(8点)が一際輝いている。

ふたつとも前回いつどこでみたか思い出せないが、清方作品では忘れられないものなのでいい気持でみていた。深水は‘楽屋’(明治座)の画面いっぱいに描かれた着物姿の女性に体が吸いこまれていく。まさにうっとりするほどの佳人。

西洋画の女性画で思わず足がとまったのがモディリアーニの‘婦人像’とキスリングの‘スペインの女’、日本にこんないいモディやキスリングがあったの!という感じ。‘うつろう春’のプラスαにこれがついてくれば元はとれた。以前のように毎年でかけたほうがいいかなという気になっている。

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2016.04.26

平成28年新指定の国宝、重文の展示!

Img_0002        竹内栖鳳の‘絵になる最初’(1913年 京都市美)

Img     能阿弥の‘蓮図’(室町時代 正木美)

Img_0001     ‘粉引茶碗(三好)’(朝鮮時代16世紀 三井記念美)

東博の平成館で行われている黒田清輝美をみたあと、いつもの流れで本館に寄り道した。現在、2階で今年新たに指定された国宝、重文が展示されている(4/19~5/8)。

どんな絵や彫刻、工芸が新たに日本のお宝に加わったかは3/12の新聞によりおおまかに知っていたが、見落としていたものが目の前に現れた。それは福田平八郎の‘漣(さざなみ)’の横に並んでいた竹内栖鳳(1864~1941)の‘絵になる最初’、ええー、これも重文になるの!?という感じ。

栖鳳が女性を描いた絵は数点しかないのですぐ栖鳳ファイルからでてくる。この絵の4年前に描かれた‘アレ夕立に’は舞妓の顔を扇で隠した姿なのでちょっともどかしい、これに対して‘絵になる最初’は女性は顔を見せてくれてはいるが、手で半分隠している。恥じらいのポーズだからこれで我慢するほかない。

これが重文になるとは思ってもいなかったが、栖鳳の作品では‘班猫’についで2点目。1937年(昭和12)に第1回の文化勲章を一緒の受賞した横山大観には重文が2点あるし弟子の上村松園も2点あるので、文化審議会はバランスをとったのかもしれない。

2008年の秋、新橋の東京美術倶楽部で大阪府にある正木美の名品展が開催された。そのとき出品された能阿弥(1397~1471)の‘蓮図’がこのたび重文に指定されることになった。描かれた蓮華の位置が歌とうまく調和がとれていてほわっとした花びらが心を沈めてくれる。

やきものは3点、三井記念美の‘粉引茶碗(三好)’は2,3回みたが、三代道入の‘黒楽茶碗(青山)’はお目にかかったかどうか半々だった。家に帰ってこれまでみた黒楽茶碗をチェックしたらどの図録にも‘青山’は載ってなかった。所有している楽美術館は名碗だから特別のことがないかぎり外へは出さないのかもしれない。

京博が所蔵している尾形光琳・乾山の合作‘銹絵寒山拾得図角皿’も縁がない。角皿は結構見たが、まだいいものが残っていた。やきものは奥が深い。

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2015.08.04

画家たちの夏!

Img     小倉遊亀の‘径’(1966年 東芸大美)

Img_0001     小倉遊亀の‘娘’(1951年 滋賀県近美)

Img_0002     伊東深水の‘宵’(1933年 埼玉県近美)

Img_0004     竹久夢二の‘日本の夜’(1931~32年 夢二郷土美)

画家が人物を描くとき季節をどこに設定するかということは作品の出来上がりに関係してくる。日本人は四季の移り変わりに敏感だから、みてる絵でもその季節感を感じとる。

日本画家の小倉遊亀(1895~2000)が亡くなったのは2000年。105歳の長寿を全うして天国へ旅立った。その2年後に東近美で大規模な回顧展が開催された。これを体験したので小倉遊亀がぐっと近くなった。作品は人物画と静物画が半々くらい。

身近な人物が描かれたもののなかにお気に入りの一枚がある。心がとても和む‘径’、お母さんの後を女の子、そして犬が同じような歩き方で続いている。母親は日よけの傘をさしているから、季節は暑い夏。横断歩道でこういう親子の光景をよくみる。そしてこの絵がすぐ目の前をよぎる。

小倉遊亀にはもうひとつ、夏らしい絵がある。浴衣をきたモダンガール風の女性が藤椅子に座っている。これが描かれたのは終戦から6年後の昭和26年、この年東博でマチス展がありマチスやピカソに傾倒していた小倉はマチスの作品に大きな衝撃を受けた。この‘娘’にはマチスの影響が色濃くでている。

最近ネットで知ったのだが朝丘雪路(72)が老人性うつ病になっているらしい。この女優の父親がご承知のように伊東深水(1898~1972)、‘宵’は親しみを覚える絵。暑い夏、人々が家にいるときはこんな恰好、横になっているときが一番気持ちがいい。

竹久夢二(1884~1934)の‘日本の夜’は夢二がアメリカとヨーロッパを旅行していたときに描いた作品。夜空には花火が勢いよくはじけているのに川面や団扇をもった女性がいる橋の上はいたって静か。ついいろんな物語を想像してしまう。

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2015.07.11

小林古径のとっておきの女性画!

Img_0003         ‘花’(1919年 コスモ石油)

Img_2        ‘河風’(1915年 山種美)

Img_0001_2      ‘琴’(1927年 京近美)

2年前、沢山たまった展覧会図録の大整理を行い、複数ある日本画家の図録を一冊ないし二冊に集約しここにダブってない作品を貼り付けていった。だから、今は‘Myベスト図録’がずらっと本棚に並んでいる。

この図録づくりにはひとつ副産物がある。それは余分になった図版からとくにお気に入りの女性画をぬきだしこれをまとめたファイル。称して‘MYベスト女性画ファイル’の出来上がり、心をときめかせる浮世絵、近代日本画、洋画、西洋絵画がずらっと並んでいる。

その近代日本画、洋画のとっておきの女性画は6人の画家の作品、上村松園、鏑木清方、小林古径、小倉遊亀、竹久夢二、岸田劉生が描いたもの。お気に入りの絵には図録から切り出せないものもあるが、これらがベストラインナップに近い。

意外かもしれないがここに小林古径(1883~1957)が2点入っている。‘花’と‘河風’、どちらも真っ赤な口紅に目が釘付けになる。とにかくこの二人にぞっこん参っている。そしてもう一点、はっとさせられるのが‘琴’、若い女性が着た衣装の赤い柄が強く印象に残る。

いずれも2005年東近美で開催された‘小林古径展’に出品された。2年後の2017年は古径の没後60年にあたる。だから、どこかの美術館が回顧展を企画してくれないかとひそかに期待している。回顧展は2回みるのが理想、夢が叶うと嬉しいのだが、はたして?

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2015.06.26

竹久夢二、小林かいち どちらがお好き?

Img_0001        竹久夢二の‘ツキノセカイヘノボルユメ’(1923年)

Img     竹久夢二の‘七夕’(1926年)

Img_0002      小林かいちの‘二号街の女’(1915~1930年)

Img_0003      小林かいちの‘闇の花’(1915~1930年)

昨年は竹久夢二(1884~1934)の生誕130年の節目の年だったこともあり、横浜そごうで回顧展が開催されTVの美術番組にも数回とりあげられた。

夢二とのつきあいはまだ20年くらいなのだが、この間幸運にも回顧展を6回くらい体験した。女性を中心に人気の高い画家だから、美術館で展覧会が開催される機会も多い。おかげで横山大観、上村松園、東山魁夷、棟方志功同様図録がどんどんたまっていく。

夢二は藤田嗣治とともに子ども絵の名手。子どもにとって夜空にきらめく星は願いをかなえてくれる神様のようなもの、だから少しでも近づきたい。映画‘ET’の日本版をみているようなのが‘ツキノセカイヘノボルユメ’、日本の大正時代にも子どもが主役を演じるこんなファンタジックな世界があった。

女性は大人になっても少女のころみた夢をもち続ける。そんなことを思わせる一枚が大正15年の婦人グラフ3月号の表紙を飾った‘七夕’、‘今年の願いはと、、なんといってもあのイケメン君とのことを書かなくちゃあ’、女性は恋をしているときが一番輝いている。

大正ロマンの象徴のような存在だった夢二よりひとまわり若いのが京都で活躍した天才デザイナー、小林かいち(1896~1968)。絵葉書のデザインとして描かれた‘二号街の女’は衝撃的な作品、このアールデコ調の表現には度肝をぬかれる。レンピッカがこの絵をみたら裸足で逃げたにちがいない。そして思っただろう。‘すごい日本人がいる!’と、このモダンさはエッジが立ちすぎるほど立っている。

星がたびたびでてくるかいちのデザイン、ギリシャのスタイルをした女性の切ない姿を描いた‘闇の花’もじわーっと心をゆすぶる。これまで小林かいちの回顧展を2回みたが、またみたくなった。

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