ブリューゲルとルーベンスの風景画!
ブリューゲルの‘穀物の収穫’(1565年 メトロポリタン美)
ルーベンスの‘虹のある風景’(1636年 ウォレスコレクション)
先週、東京都美でみたブリューゲル(1526~1569)の‘バベルの塔’の感激の余韻に今浸っている。まだみれてないブリューゲルの作品はツアー旅行に参加すれば美術館と縁がありそうな都市とは違いたどりつくまでに苦労のいる街ばかり。だから、ロッテルダムからやって来た‘バベルの塔’のようなあこがれの作品がみれると感激もひとしお。
これまで日本で公開されたブリューゲルで楽しい思い出があるのはプラハ国立美が所蔵する‘干し草の収穫’、農民画家としてのイメージは古典絵画ではブリューゲル、そして近代では日本において人気の高いミレー。では、どちらに強い思い入れがあるかというとブリューゲルのほう。
農民の生活がリアルに表現されると絵画の魅力が増すかというとそうでもない。そこに多少のデフォルメがあって生き生きとした風俗になっていると画面にぐっと惹きこまれる。ブリューゲルの農民の働く姿と風景がミックされた作品でお気に入りはもう一枚ある。メトロポリタン美の‘穀物の収穫’。
この2点をみるたびに思う起こすのがルーベンス(1577~1640)が晩年に描いた風景画、そのなかでとくに‘干し草の収穫’との強い関連性が感じられるのが‘虹のある風景’と‘野良の帰り’、ルーベンスは‘干し草’に描かれた母親と二人の娘の歩く姿を意識したことはまちがいない。
ブリューゲルつながりでルーベンスの風景画に大変魅了されている。‘虹のある風景’はすでにウォレスコレクションで思いの丈を叶えた。‘野良の帰り’については、フィレンツェを訪問したときピッテイ宮殿にも足を運んだのでお目にかかっているはずだが、じつはみたという実感がない。
そのときはたぶんラファエロの‘小椅子の聖母’と会うことに気が張っていたから、みれどみずの状態だったのだろう。この先、フィレンツェへ行く機会があったら、じっくりみてみたい。
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