2017.07.28

三菱一号館美でミケランジェロの大理石像と対面!

Img   ミケランジェロの‘十字架を持つキリスト’(1514~1516年)

Img_0001  ミケランジェロの‘十字架を持つキリスト’(1519~1521年)

現在、三菱一号館美で行われている‘レオナルド×ミケランジェロ展’(6/17~9/24)。当初はパスのつもりだったが、7/11からミケランジェロ(1475~1564)の大理石像が登場したので出かけてきた。

レオナルド(1452~1519)とミケランジェロが描いた素描の数々を見終わったあと、導線にそって進むとミュージアムショップの手前の部屋にお目当ての‘十字架を持つキリスト’がどーんと置かれていた。ミケランジェロの大理石像をみるのは2010年、フィレンツェのアカデミア美で‘ダヴィデ’などをみて以来のこと。

2つの画像の上は今回三菱一号館にやって来た‘キリスト像’で普段はローマの郊外のサン・ヴィンチェンツォ修道院にある。じつはミケランジェロはこの像をはじめにつくったのだが、大理石の顔のところに黒い筋目がでたので彫るのをやめてしまった。

そして、リセットしつくり直したのが下の彫像。こちらはローマのサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ聖堂に飾られており、2010年ローマでベルニーニの彫刻巡りをしたときこのキリスト像も目のなかにおさめた。最初の作品とちがい余計なブロンズの腰布があるので(16世紀末以来)強く記憶されている。

では未完成のオリジナルヴァージョンはどうなったというと、注文したメッテロ・ヴァ―リというローマの貴族がもらいうけ邸宅の庭に古代作品のように展示していたという。また、作品は17世紀のはじめにほかの彫刻家によって仕上げられた。それから紆余曲折を経て、2000年修道院にある彫像がミケランジェロが手がけたものであることが確認された。

ミケランジェロの彫刻作品は2010年、幸運なことにコンプリートすることができた。そして、新たに1点が加わった。素直に嬉しい。

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2017.06.26

予想を上回る‘ジャコメッティ展’!

Img_0003  ‘森、広場、7人の人物とひとつの頭部’(1950年 マーグ財団美)

Img_0001     ‘犬’(1951年 マーグ財団美)

Img     ‘歩く男Ⅰ’(1960年 マーグ財団美)

Img_0002     ‘大きな頭部’(1960年 マーグ財団美)

モデイリアーニと同じようにジャコメッティ(1901~1966)の彫刻もその作風がすぐイメージできる。彫られた人物に厚みはなく細く長い棒がすっと伸びている感じ。しかもその表面はごつごつしたしており、噴火した火山の溶岩が固まったかのよう。

それまで誰もみたことのないユニークな彫刻を生み出したジャコメッティの回顧展(6/14~9/4)が今、国立新美で開催されている。回顧展に遭遇するのは2度目。10年くらい前、神奈川県近美葉山で運よく多くの作品をみたので、今回は前のめりの鑑賞でもない。

彫刻作品は同じ形のものが複数制作されるから、会場には以前にみたかな、というものが多い。群像彫刻の‘森’は2年前あったチューリヒ美展でお目にかかった。お馴染みのジャコメッティを確認しながら進んだが、後半になるとはじめてみるインパクトのある作品が現れてきた。

‘犬’、‘猫’、9体が三角形に並ぶ‘ヴェネツィアの女’、そして圧巻なのがチェース・マンハッタン銀行の広場のためのモニュメントとしてつくられた‘歩く男Ⅰ’、‘大きな頭部’、‘大きな女性立像Ⅱ’の巨大3部作。ここにあげた4点はすべて南フランスにあるマーグ財団美が所蔵するものだが、流石ジャコメッティの世界3大コレクションといわれるだけのことはある。

これほど大きなジャコメッティの彫刻をみたことがないので、ちょっと興奮した。前半は和紙でつくった薄っぺらなひな人形を連想させるものが続き刺激に乏しかったが、見終わってみたら強く印象に残るジャコメッティ展になった。ミューズに感謝!

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2015.06.06

とってもサプライズのギリシャ神話彫刻!

Img     チェッリーニの‘ペルセウス’(1545~53年 フィレンツェ)

Img_0001   ベルリーニの‘アポロンとダフネ’(1625年 ボルゲーゼ美)

Img_0002 ベルニーニの‘プロセルピナの略奪’(1622年 ボルゲーゼ美)

Img_0004 ジャンボローニャの‘マーキュリー’(1580年 国立バルジェッロ美)

心のなかに強く刻まれている西洋彫刻はいくつもあるが、仮にベスト10を選んでみるとそこにはギリシャ神話をテーマにしてつくられたものが多く入ってくる。

そのサプライズ体験を鑑賞した時間の流れで並べてみると、まず最初はチェッリーニ(1500~1571)の‘ペルセウス’がくる。この傑作が設置してあるのはフィレンツェのシニョリーア広場の一角にあるロッジア・デイ・ランツイ、はじめてこの街を訪れたとき、なんともカッコいいペルセウスに200%目を奪われた。当時はまだ彫刻家チェッリーニの名前がインプットされてなかったから、作品だけを体に覚え込ませた。

そして、ローマのボルゲーゼ美でも衝撃的な出会いがあった。それは美術館のお宝中のお宝となっているベルニーニ(1598~1680)が彫り上げた‘アポロンとダフネ’と‘プロセルピナの略奪’、大げさないいかたをするとこの2体で美術をみる見方が変わった。こんなスゴイ技術をもった彫刻家がいたのか!以来、美術に興味をもっている人と話をすることがあるとボルゲーゼ美を訪問することを薦めている。

バロックの天才彫刻家ベルニーニに完璧にはまったのが2006年、その4年後、フィレンツェの国立バルジェッロ美で嬉しい対面があったのがジャンボローニャ(1529~1608)の‘マーキュリー’、この軽やかな造形に思わず見惚れてしまった。

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2013.09.09

初日に出かけた‘ミケランジェロ展’!

Img_0001           フィレンツェの地図(拡大で)

Img_0003        ‘階段の聖母’(1490年頃)

Img_0006      ‘レダの頭部習作’(1530年頃)

Img_0005     ‘クレオパトラ’(1535年頃)

上野の西洋美ではじまった‘ミケランジェロ展 天才の軌跡’(9/6~11/17)を初日にみてきた。I LOVE ミケランジェロなので、3年前お目にかかった‘階段の聖母’(拙ブログ10/2/18)であってもひとりでに足が美術館に向く。

今回展示されるミケランジェロ(1475~1564)の初期の彫刻作品や素描など60点はフィレンツェにあるカーサ・ブオナローテイ(拡大地図で)が所蔵しているもの。日本でミケランジェロの彫刻が公開されたのは過去一度だけあった。だが、これは木彫の磔刑のキリスト像、大理石の彫刻がやって来たのは‘階段の聖母’がはじめて。だから、今回の展示はちょっとした‘事件’といっていい。こんなことはこの先まずないだろう。

‘階段の聖母’はミケランジェロ15歳のころの作品。この歳でこんな作品をつくりあげるのだからまったく恐れ入る。現地でも感じたことだが、顔をみて次に視線を子どもを抱いている手に移すと手が異常に大きいことがわかる。一方、足をみるとこれは普通の足。じつに生な感じがするのが親指裏のうしろのふくらみ。これは新発見だった。

素描で目を惹くのは‘レダの頭部’、こういうのをみるとミケランジェロが絵を描いている姿が頭に浮かび、彫刻作品に対する思い入れが心のなかに積み重ねられていく。作品として描かれた‘クレオパトラ’は3年前みたかどうかは定かでない、みてないような気がする。クレオパトラのインパクトのある思いつめた目をしばらくみていた。

この展覧会へ出かけたのは‘階段の聖母’と再会し、図録をゲットするためだった。彫刻作品をコンプリートしたミケランジェロとは一生つきあうつもりなので、こうした素描や関連資料を収録した図録はとても貴重。時間をつくりじっくり読もうと思っている。

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2013.08.08

予想に反して収穫の多かった‘ルーヴル美展’!

Img_0006_2     ‘アラバストロン(壺)’紀元前874~850年)

Img_0005_2     ‘ローマ皇帝ハドリアヌスの胸像’(127~28年)

Img_2     ‘ギャビーのディアナ’(100年頃)

Img_0001         コローの‘ギリシャの若い女’(1870~72年)

東京都美で開かれている‘ルーヴル美展 地中海四千年のものがたり’(7/20~9/23)、これまで何度かこのブランド美術館の所蔵展を体験したから今回はお休みにするつもりだった。ところが、ひょんなことで招待券が手に入ったので気が変わり出動することにした。

展覧会の目玉はチラシに大きく載っている‘ギャビーのディアナ’、現地でみた覚えがないのでまずはこの大理石彫刻との対面に鑑賞エネルギーの多くを注ごうと思っていた。ふつう自慢のお宝は展示全体の真ん中あたりにでてくるが、序と4章からなるテーマ‘地中海’の3章に進んでもまだお目にかかれない。これまでみた部屋で見逃したのかなと不安な気持ちになっていたら、最後の4章に特別のしつらえで展示してあった。

そのため、ここへ着くまでにギリシャの赤像式の壺やら古代エジプトの石像、ローマ皇帝の胸像、北アフリカのモザイクなどを結構熱心にみることになった。歴史好きにとって、‘地中海’という枠組みで四千年の歴史をみたとき、どの民族や国が主役の座につき、それがどのように変わっていったのかが残された文物によって知ることができるのは大きな収穫。各章の冒頭に飾ってある地図をじっくりみたあと、作品と対面した。

そのなかで足がとまったのは量感たっぷりの方解石でできたエジプトの大きな壺。表面のツルツル感がいい。ローマ皇帝の胸像は3つ、アウグストゥス、ハドリアヌス、セプティミウス・セウェルス、はじめて髭をはやしたハドリアヌスに引き寄せられたが、残念なことに顔の両サイドが欠けている。このあと、びっくりする彫刻が待っている。何がサプライズだったかは見てのお楽しみ!

さて、お目当ての‘ギャビーのディアナ’は狩りの女神アルテミス、ぐるぐるまわってみたが、みればみるほどその美しい顔に惹かれた。顔の長さを2本の指で測り、身長に対していくつあるかチェックしたら理想的な八頭身になっていた。美しいはずである。現地ではギリシャローマ彫刻の部屋はもう何年もみていないから、こうしたローマ時代につくられた傑作模刻に会えるのは幸運なめぐりあわせ。ミューズに感謝!

絵画作品ではコロー(1796~1875)の‘ギリシャの若い娘’の前に長くいた。日本であったコローの回顧展(08年 西洋美)でもみたが、ここで再会するとは思ってもみなかった。見終わったあと購入した図録は宝物を手にいれたような気分、じっくり読み込むつもり。

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2013.03.31

MoMA(9) ビッグネームが続々登場!

Img_0001_2     ウォーホルの‘ゴールド・マリリン・モンロー’(1962年)

Img_0002_2     ローゼンクィストの‘マリリン・モンロー Ⅰ’(1962年)

Img_0005_2     コーネルの‘マリー’(1940年代はじめ)

Img_0004_2     シーガルの‘バスの運転手’(1962年)

MoMAはアメリカで生まれた現代アートの殿堂だから、ビッグネームの作品が次から次と現れる。その中で最も有名なのがウォーホル(1928~1987)の代名詞ともいえる‘ゴールド・マリリン・モンロー’、もうずいぶんご無沙汰しているからとても新鮮にみえる。

ワシントンのナショナルギャラリーにあった‘グリーン・マリリン’は写楽の大首絵のように画面いっぱいに描かれているのに対し、このマリリンの顔はとても小さい。でも、ゴールドを背景にした小さい顔にはすごいインパクトがある。マリリンの死のショックがまだ尾をひいているときにこの作品をみた人たちはマリリンが聖母マリアのようにみえ、涙がまたとめどもなく流れたにちがいない。

同様にマリリン・モンローをモチーフに使ったローゼンクィスト(1933~)の作品はすぐにはマリリンとむすびつかない。中央に文字が書かれているからマリリンのことだなと気がつくが、これがなかったら化粧品のポスターにでてくるモデルが逆さになっているのね、で終わり。図録だと動かせば人物の表情が読み取れるが、本物の前で上下が逆転した口と目をみてマリリンにみえる人はまずいない。これはひねりのアート。今、ローゼンクィストに開眼しつつある。

コーネル(1903~1972)は何点か川村記念美に展示されているので多少目が慣れている。ところが、20年前はこの作家は知らなかったから‘マリー’とはまったく縁がなかった。これは少女おたくの部屋に飾ってある作り物のよう。コーネルは少女趣味があったの?少女はかわいらしい顔をしているがこの情景はとても怖い。細い草木にぐるっととり囲まれるマリーはホラー映画に出てくる人形を思わせ、腹の底からじわじわ怖くなってくる感じ。

シーガル(1924~2000)の彫刻をみたのはこれまでほんの数点しかないから、‘バスの運転手’に出会ったのは貴重な体験。シーガルは1960年代に人体から直接型取りして石膏像をつくった。顔の型を取るとき目が開けられないのでどの作品も目をつぶっている。このバスの運転手も目をつぶって運転をしている。大丈夫かなぁー。

これでMoMAは終了。残すはグッゲンハイムとノイエ・ギャラリー。

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2013.03.22

メトロポリタン美(11) 追っかけ西洋彫刻はこれ!

Img_0002_2     ‘クーロス(若者の像)’(BC600~580年頃)

Img_0003_2     カノーヴァの‘メドゥーサの頭をもつペルセウス’(1808年)

Img_0005_2     俵屋宗達の‘燕子花に鴨’(江戸時代 17世紀)

Img_0004_2     河鍋暁斎の‘猿を襲う鷹図’(明治時代)

絵画をみおえたあと最後のひと踏ん張りと思って西洋彫刻のある部屋へ向かった。お目当てはギリシャの大理石像‘クーロス(若者の像)’。1階の正面左にあるギリシャ・ローマ美術の部屋に入るのは久しぶり、20年前ここにある彫刻の数々は一通りみたはずだがほとんど忘れている。

今回の目的は‘クーロス’1点のみ、これはギリシャ彫刻の歴史のなかではとても大事な作品。左足を一歩前に出したこの若者像は人間の体より大きく身長は193センチもある。ギリシャでつくられていた像はそれまで小さなものだったが、紀元前6世紀の初頭、こういう大きな彫刻をつくるようになる。お手本は当時盛んに交易していたエジプトの石の像。サイズはエジプトと同じだが、肉体の表現はまだ図形的なところもあるがだいぶ写実的になっている。やがてあの美の頂点を極めるギリシャ彫刻が生まれてくる。

これをみたあと目指したのがベルニーニの彫刻、ところが展示室は改装中でクローズ、ううーん、これは想定外。残念だが頭を切り替えてほかの作品をみた。ここのコーナーは以前みたかどうかあやふや、だからどれも新鮮、とくに魅せられたのがカノーヴァ(1757~1822)のペルセウス。そのみごたえのある造形に言葉を失ってみていた。3年前ローマの国立近代美でヘラクレスの像に遭遇しこの彫刻家に開眼、カノーヴァの天才ぶりがだんだんわかってきた。

集合の時間まで残りわずか、走りながら日本美術をぐるっとみた。収穫は結構あった。宗達の‘燕子花に鴨’、河鍋暁斎(1831~1889)の獲物を襲う鷹の絵4点、長澤芦雪の‘鶴図’、柴田是真の‘三羽黒鳥図’、そして昨年日本にやって来た尾形光琳の‘八橋図’。このなかでぐっと引き込まれたのが暁斎の鷹の絵。鷹の鋭い爪に掴まれて猿は身動きできない。瞬時に蕭白が描いた鶴を追っかける鷹が頭をよぎった。

これでメトロポリタンは終了、明日からはMoMA。

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2012.10.07

心に刻まれるカエサルの言葉!

4324     ‘ユリウス・カサルの肖像’(BC30~20年頃 ヴァティカン博)

今、塩野七生さんの‘ローマ人の物語’(新潮社)を集中的に読んでいる。文庫本の最後、‘43  ローマ世界の終焉(下)’が出版されたのは昨年の9月。‘1 ローマは一日にしてならず(上)’が92年6月にでて以来、ようやく文庫本化が終了した。その間、ひたすらためこんでいた。

一冊々はページ数とか活字の大きさからみてヘビーではないので、時間さえ確保すれば一日で一冊読み終えるのも十分可能。だから、この本だけに集中すれば2ヶ月もあれば43冊全部読破できる。ただ、全冊に等しく関心がいっているわけではないからエネルギーを強く注ぎ込むのは‘賢帝の世紀’(24~26)、そして‘すべての道はローマに通ず’(27~28)あたりまで。

ユリウス・カエサル(BC100~BC44)の発した言葉で最もドラマチックなのは暗殺されたときつぶやいた‘ブルータスよ、お前もか!’、英語は知っているが、イタリア語ではどういうのだろう?

そして、もうひとつは‘賽は投げられた!’、時はBC49年1月12日の朝方、こう大声で叫んでカエサルは4500人の兵士たちの先頭に立ってルビコン川を渡った。塩野さんはおもしろいことを言っている。‘三つのタイプの人間がいる。ルビコン川を渡らない人、ルビコン川を渡るが立ち止まる人、これはブルータス、ルビコン川を渡るとその後は迷わない人、カエサル’。

人生には大きなルビコン川もあるし、小さなルビコン川もある。大は大なりに、そして小は小なりに決心してあることをやる時は迷わないで進んでいくのがいいかもしれない。

簡潔な表現で戦況報告をした‘来た、見た、勝った’も有名。‘(私は戦場に)来た、(私は戦場で敵を)見た、(私は敵と戦った)、(私は敵に)勝った’

サラリーマンならいい企画書をあげたのに採用されなかったときはカエサルのこの言葉を思い出すにちがいない。‘人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない’

だが、現実が行きづまったとき、新しい世界はそう簡単には見えない。いつの時代でも人より早くあわてて行動し、多くの人が気づかなかった市場を切り開いた者だけが大きな富を手にすることができる。

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2012.09.21

ローマ史に輝く名将ハンニバルと女王クレオパトラ!

4309_2     ‘ハンニバルの胸像’(ナポリ博)

4308  ターナーの‘吹雪 アルプスを越えるハンニバル軍’(1812年 テート・ブリテン)

4307     トレヴィサーニの‘アントニウスとクレオパトラの饗宴’(17世紀 ウフィツィ美)

4306     カニャッチの‘クレオパトラの自殺’(1659~63年 ウィーン美術史美)

西洋史にでてくる武将の名将列伝をつくるとすれば絶対にはずせないのがマケドニアのアレクサンドロス大王(BC356~323)と古代カルタゴの名将ハンニバル(BC247~183)。

ハンニバルが象を率きつれてアルプスを越えローマ軍を打ち負かしたという話を聞いたのは中学生の頃だった高校生の頃だったか忘れたが、とにかくすごいことをやった武将がアフリカの北にいたことはしっかりインプットされた。

でも、それがBC218年に起きたことであり、カルタゴが当時地中海を支配していた大国でローマはまだ新興国にすぎなかったことなどはもちろん深く理解していない。関心は一点、厳しい冬の時期にどうやってあのアルプスを象が登ったのかだった。事実イタリアにたどりついた象はたったの1頭だけだった。

少年画報などでみた絵にくらべるとターナー(1775~1851)の描いた‘吹雪 アルプスを越えるハンニバルとその軍勢’はだいぶ趣がちがう。ここでの主役は吹雪、これまでどういうわけかこの絵に縁がないので早く真近でみてみたい。

エジプトの女王クレオパトラはローマ史には欠かせない大スター。クレオパトラをエリザベス・テーラー、カエサルをレックス・ハリソンが演じたハリウッド映画がいまでも強烈に目に焼きついている。カエサルが暗殺されたあと、クレオパトラはアントニウスを操りエジプトに君臨しようとする。トレヴィサーニ(1656~1746)の絵ではクレオパトラをどうしても魔性の女にみてしまう。

ウィーンの美術史美にあるカニャッチ(1601~1663)の‘クレオパトラの自殺’は映画の最後のシーンで蛇が床をくにゃくにゃ這いまわるのをよく覚えているから、クレオパトラの死がすーっと腹に落ちていく。蛇は大の苦手、お付きの女はよくも顔をあんなに近づけてみれること。

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2012.09.05

キリスト教を公認したコンスタンティヌス帝!

4247_2      ‘コンスタンティヌス帝の像’(4世紀 ローマ カピトリーニ美)

4248_2     ‘コンスタンティヌスの凱旋門’(4世紀初め ローマ)

4249_2     現在のイスタンブール(ローマ帝国のコンスタンティノープル)

古代コーマの歴史を集中的にスタディーしていると、過去に体験した名所旧跡や絵画、彫像などの美術品がいろいろ思い出されてくる。今日はローマのカピトリーニ美で度肝を抜かれた皇帝の彫像のことを。

この美術館には中庭があり、そこに石でできた巨大な顔が置いてある。高さは2.8m。体全体の像がつくられ、首から下はどこかへいったのかこのあたりはよくわからない。展示室に人物の彫像がある場合はプレートに名前が記されているからそれがインプットされるのだが、この大きな顔は誰れなのかわからずじまい。

それがようやくわかった。ローマ皇帝コンスタンティヌス(272~337)だった。じつは美術館のほかの部屋にもうひとつこの皇帝の像がある。それが画像のブロンズ像。まあ首の太いこと!コンスタンティヌスは長身だったらしいが、首はプロレスラーみたいな頑丈な首だったのだろうか?これだけインパクトがあると忘れようがない。

コロッセオの隣にあるのがコンスタンティヌスの戦勝を記念して建てられた‘コンスタンティヌスの凱旋門’。定番の観光名所だから、写真を撮られたかたも多いはず。皇帝の名前がついた凱旋門はフォロ・ロマーナにもある。北アフリカ出身の皇帝セプティミウス・セウェルス(146~211)がパルティアとの戦いに勝利したことを称える凱旋門。

コンスタンティヌスはキリスト教に出会う前はアポロンや太陽神を崇拝することもあったが、313年にキリスト教を公認し厚く保護していくことになる。そして、ローマのサン・ピエトロ大聖堂やエルサレムの聖墳墓教会など数々の教会をつくった。

コンスタンティヌスが行ったもうひとつの大事業が330年のコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)への遷都。これによってローマ帝国の政治、経済の中心が東方に移った。この街は2001年に訪れたが、感動する観光名所が多くにじつに楽しい旅だった。またアヤソフィアのなかに入ってみたい。

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