エピソード記憶として忘れられないピカソの絵!
‘黄色い髪の女’(1931年 グッゲンハイム美)
過去におこった出来事や旅行などの思い出がエピソード記憶として長く残っ
ていることはいろいろある。たとえば、絵画や彫刻の傑作に出会ったこと、そのときの大きな感動は長い年月を経てもすぐよみがえってくる。ピカソの絵にはそれがいくつもある。
ピカソの代表作である大作‘ゲルニカ’は現在、マドリードの国立ソフィア王妃芸術センターで展示されている。この絵とは運よく3回縁があった。はじめてみたのは1990年仕事でスペインに出張したとき。プラド美の別館で長年の思いの丈を叶えたが、なんと防弾ガラスのなかに閉じ込められていた!これほど警備が厳しいとは思ってもみなかった。1981年NYのMoMAからスペインに帰って来てここに展示され、1991年にソフィア王妃センターに移った。だから、ピリピリしながらこの絵をみる最後の年だった。
1997年、東京都現美で開催された‘ポンピドー・コレクション展’でお目にかかった‘バレエ「パラード」の幕’(縦10.5m、横16.4m)も忘れられない‘ピカソ事件’。ロシア・バレエ団の演目「パラード」にピカソは舞台装置と衣装のデザインの担当で参画した。パリのポンピドーへ出かけても、普段はみれないから貴重な鑑賞体験である。
ピカソの静物画で一番のお気に入りはNYのグッゲンハイム美が所蔵する‘水差しと果物鉢’。これは1991年池袋にあったセゾン美(現在はなし)で行われたすばらしい‘グッゲンハイム美展’でめぐりあった。強いインパクトをもった傑作で緑、黄色、紫と好きな色が全部でてくるので心が晴れ晴れする。おもしろいことに、お世話になっている歯科医院の待合室にコピーが飾ってあったので治療の痛みが緩和された。
優しいピカソの絵の代表といっていい‘黄色い髪の女’はNYと渋谷のBunkamuraで遭遇した。この絵はいつもマチスの‘夢’(1940年)と一緒に楽しんでいる。ピカソの主要作品で最初に衝撃を受けたのはロンドンのテート・ギャラリー(現在のテートブリテン)でみた‘3人の踊り子’。キュビスムで描かれた人物像なのに、踊りに夢中になる男女の生き生きした姿を目の当たりにしている気分。そのキュビスム流動感描写に感心した。

































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