2026.10.08

追っかけラストピース! MoMA

Img_0005_20261008230001   MoMA、METの分厚い縦長図録(日本語版)

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バッラの‘アマツバメたち’(1913年)

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ミロの‘美しい鳥が恋人たちに未知なるものを明かす’(1941年)

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ピカビアの‘私は記憶の中で愛しいウドニーと再会する’(1914年)

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カーロの‘髪を刈った自画像’(1940年)

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カッツの‘パッシング’(1962~63年)

ニューヨークにあるMoMA(2004年)とメトロポリタン美(1994年)
のガイド本(日本語版)はともに手にどっしりくる縦長タイプのもの。分厚
いがコンパクト版なのでページをめくる回数は多く、お気に入りの図録のひ
とつになっている。同じタイプのものはロンドンのナショナルギャラリーと
マドリードのプラド美でも手に入れた。MET本は難点がひとつある。それは
作品のタイトルのあとに制作された時期がなぜか書いてないので、いちいち
解説文を読まないといけないこと。

ブックオフで偶然ゲットしたMoMA本には現地で購入したほかのタイプの図
録に比べると載っている作品の数が350と多く、手元の美術本にないものがいろいろでてくるから、近現代アートの貴重な情報源になっている。で、とくに関心の高い絵画について、いつかMoMAを再訪する機会が訪れたとき、見逃せない作品をピックアップしてみた。

鑑賞欲を強く刺激するのはイタリア未来派のバッラ(1871~1958)の‘アマツバメたち:動きの軌跡+ダイナミックな連続’、MoMAにあるボッチョーニなどは以前出かけたときにどどっと姿をみせてくれたが、これはダメだった。なんとしてもリカバリーしたい。同様に対面を強く願っているのが、ミロ(1893~1983)が描いた‘星座シリーズ’の一枚 ‘美しい鳥が恋人たちに未知なるものを明かす’。右下にいるライオン?が気になってしょうがない。恋物語を連想させるタイトルのついたピカビア(1879~1953)の‘私は記憶の中で愛しいウドニーと再会する’は抽象画なのにとても惹かれる。

回顧展に遭遇するのを首を長くして待っているメキシコの女性画家、フリーダ・カーロの‘髪を刈った自画像’に強い関心を寄せている。そして、人物をポップ感覚で大きく描き存在感をつくりだすのが特徴となっているカッツ(1927~)の‘パッシング’にも一度会ってみたい。

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2026.09.01

追っかけラストピース! ピカソ

Img_20260901230501   ‘夢’(1932年 ガンツコレクション)

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‘アンブロワーズ・ヴォラールの肖像’(1910年 プーシキン美)

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‘肘掛椅子のシュミーズの女’(1913年)

Img_0001_20260901230501   ‘恋人たち’(1923年 ワシントン国立美)

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‘アルジェの女たち’(1955年)

国立新美で現在、回顧展が行われているピカソ(1881~1973)のよ
うにビッグネームの画家だと、過去に何度も回顧展に出かけているのに、ど
うしても足が美術館のほうに向かっていく。これはモネやゴッホでも
同じ。‘名画は何度みてもまた新しい発見がある’といわれるが、今回のピカ
ソの絵でも違った刺激がいろいろあった。

好きな絵に再会して違った楽しみをみつけると、やっぱりピカソはいい!と
なり、まだお目にかかってない作品への期待に火がつく。追っかけ作品の
リストを引っ張り出し、この絵は〇〇の美術館にある、あの絵は個人のコレ
クションと再確認する。さらに、対面が実現する可能性を勝手に妄想する。

ピカソの追っかけラストピースの一番はなんといっても、‘夢’。2013年、
あるTVの美術番組で‘高額絵画ベスト3’がでてきて、‘夢’は2位で153億円
だった。美術品のオークション情報は新聞に載ったりするので、それをファ
イルしているが、ドラクロアに元づいて描いた‘アルジェの女たち’は2015
年クリスティ―ズのオークションで215億円で落札された。さて、この2
点をみる機会が訪れるか、‘ミューズ様、夢を叶えて下さい!’

‘キュビスムの時代’でとくに惹かれているのがプーシキン美にある‘アンブロワーズ・ヴォラールの肖像’。ロシア、ウクライナの戦争がはじまる前はエルミタージュ美やプーシキン美が所蔵する名品展がよく開催されていたから、美術本にでてくる印象派などの名画を楽しむことができた。2度目のエルミタージュやプーシキン美への旅を考えていたが、それは当分実現しない。世の中、思い通りにいかない。ピカソ本にはよく載っている‘肱掛椅子のシュミーズの女’も鑑賞欲を強く刺激する。ワシントン国立美はこれまで縁が何回もあったが、どういうわけか‘新古典主義の時代’の‘恋人たち’が姿をみせてくれない。この絵はなんとか目の中に入れたいのだが、果たして。

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2026.08.11

追っかけラストピース! 藤島武二

Img_0001_20260811234101   ‘芳蕙’(1926年)

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鏑木清方の‘築地明石町’(1927年 東近美)

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‘旭日照六合’(1937年 三の丸尚蔵館)

Img_0002_20260811234101   ‘東海旭日’(1932年 アーティゾン美)

東京ステーションギャラリーで関心を寄せていた前田寛治の回顧展をみることができたので、洋画家についてはひと段落ついた。これから先プラスαで幸運があるならば、古賀春江、福沢一郎の回顧展に遭遇したいのだが、実現するだろうか。

日本画に較べると洋画の特別展が開催される回数はかなり少ない。そのため、画家とつきあいが密になるのに長い時間がかかる。たとえば、ビッグネームの安井曾太郎や梅原龍三郎でさえ、まだ東近美でおこなわれる回顧展には縁がない。長年待っているのに、東近美は開催してくれない。どうして?

藤島武二(1867~1943)も東近美で期待したい画家。かりに実現したなら、作品の構成には抜かりがないはずだから、みたくてしょうがない‘芳蕙’にひょうとして会えるかもしれない。この絵は鏑木清方の‘築地明石町’同様、絵の存在を知ってから、ずーっと対面を願っているもの。‘築地明石町’のほうはなんと2019年に再発見され、奇跡の出会いが叶った。同じことが‘芳蕙’でおこることを強く願っている。

武二の風景画では旭日画のいいのが2点残っている。三の丸尚蔵館にある‘旭日照六合’となぜかアーティゾン美の平常展示で巡り合わない‘東海旭日’。‘室戸遠望’(泉屋博古館東京)などをみているが、この2点を目のなかにいれないと、‘済みマーク’がつけられない。

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2026.07.31

追っかけラストピース! ミレイ

Img_0001_20260731230001   ‘シャボン玉’(1886年 A&Fピアーズ社)

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‘メヌエット’(1866年 エルトン・ホール・コレクション)

Img_20260731230001   ‘落葉’(1856年 マンチェスター市美)

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 ‘エーリアル に惑わされるファーデイナンド’(1849年 メイキング・コレクション)

Img_0003_20260731230101   ‘ロレンツォとイザベル’(1849年 ウォーカー美)

西洋絵画と長く付き合っていると名画のなかでも特別扱いにしたくなる名画
があることに気づく。たとえば、イギリスの画家、ミレイ(1829~
1896)が描いた‘オフィーリア’。ミレイはこの絵を23歳のとき描いたと
いうのだから、恐れ入る。いつもはロンドンのテート・ブリテンに飾られて
いるが、日本にも確か2度やって来た。2008年のときはBunkamuraで開
催された‘ミレイ展’の超目玉作品として、多くの人々の目を楽しませてくれた。

ここで3度目の‘オフィーリア’とともに出品を期待していたのが、‘シャボン玉’。でも、これは欲張りすぎだった。欧米で描かれた子ども絵のなかではこれが一番いいのでないかと思っている。モデルはのちに海軍大将になった孫のウィリーで雑誌に掲載され大人気を博したという。2回目の回顧展があるなら、運よく遭遇したいが、、、

1866年に描かれた女の子の絵‘メヌエット’のモデルをつとめているのはミ
レイの娘。Bunkamuraでお目にかかった‘初めての説教’があまりに可愛くて忘
れられないので、この子にも会いたくてたまらない。

そして、マンチェスター市美が所蔵する女の子が4人も登場する‘落葉’やシェークスピアの夢幻劇‘テンペスト’に想を得て、見えない妖精の歌声に耳を傾けている王子の姿を描いた‘エーリアルに惑わされるファーディナンド’にも心は向かう。また、ミレイがラファエロ前派のスタイルで描いた最初の作品‘ロレンツォとイザベル’にも強く惹かれる。

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2026.07.28

追っかけラストピース! ブレイク

Img_0005_20260728225901   テート美制作 2007年 英語版のみ(3000円くらい)

Img_0001_20260728225901   ‘好色の輪’(1824~27年 バーミンガム市美)

Img_0003_20260728225901   ‘歓ばしき日’(1795年 大英博)

Img_0004_20260728225901   ‘アダムとイヴの愛撫をみるサタン’(1808年 ボストン美)

Img_20260728225901   ‘巨大なドラゴンと太陽を纏う女’(1805年 ワシントン国立美)

Img_0002_20260728225901   ‘リヴァイアサンを導くネルソンの精神’(1805~09年 テート美)

詩人としても画家としても超一流だったブレイク(1757~1827)は
子どもの頃、強烈な幻視体験、たとえば、深夜に家の庭の木に天使が舞い降
りてキラキラ輝いているのを見たという。本当かいな?だが、この‘超能力’が
あればこそ、幻想的かつ独創的な絵画が生まれたのだと受け止めたほうがい
いかもしれない。ブレイクの描く水彩、版画はどれも強いインパクトをもっ
てみる者に迫ってくる。

2008年テート美を訪問したとき、美術館が前年に発行したブレイク本を
購入した。このなかに主要作品がずらっと載っており、どこの美術館へ足を
運ぶとお目にかかれるかインプットされる。追っかけラストピースの一番
はバーミンガム市美が所蔵する‘好色の輪’。大勢の裸の男女が太くて長い透明
のビニール管のようなものにびっしり詰め込まれぐるぐる回転している。
すごく興味の湧く絵である。

大英博にある版画の‘歓ばしき日’はシェークスピアの‘ロミオとジュリエット’
の一節、‘楽しい一日はつま先で霧の山頂に立つ’にヒントを得たともいわれて
いる。楽しい気分が色彩の美しさに現れている。こういう柔らかくてとっつき
やすい絵がある一方、魔術的でちょっと怖い雰囲気につつまれた作品も数多く
ある。‘アダムとイヴの愛撫をみるサタン’は下半分にたくさん描かれている落下した花のつぼみがとても不気味。

お化けのようなな姿で描かれたドラゴンが登場する‘巨大なドラゴンと太陽を纏う女’はもうホラー映画のワンシーン。小さい頃採って遊んだ鬼ヤンマの怪物をイメージさせる龍と対決する女が太陽を味方にするという発想がおもしろい。‘リヴァイアサンを導くネルソンの精神’はかなりこみいった構想のもとに表現されている。スペインとフランスの連合艦隊を破ったネルソン提督は絶対君主の王国イギリス(リヴァイアサン)を守り、その表情はインドなどの神にどこか似せて描かれている。

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2026.07.26

追っかけラストピース! バーン=ジョーンズ

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 ウォーターズ著‘バーン=ジョーンズの芸術’(1989年改訂版)全訳(1997年)

Img_0004_20260726223701   ‘受胎告知’(1876~79年 リヴァプール美)

Img_0002_20260726223701   ‘ヴィーナスの鏡’(1873~77年 グルベンキアン美)

Img_0001_20260726223701   ‘欺かれるマーリン’(1874年 レディ・リーヴァ―美)

Img_20260726223701   ‘眠り姫’(1873~90年 ファリンドン・コレクション・トラスト)

Img_0003_20260726223701   ‘アヴァロンのアーサー王の眠り’(1881~98年 ポンセ美)

ロセッティ同様、魅了され続けているバーン=ジョーンズ(1833~
1898)と縁があった展覧会で忘れられないのは次の2つ。
☆‘ウィンスロップ・コレクション’ 2002年 西洋美
☆‘バーン=ジョーンズ展’     2012年 三菱一号館美

ウィンスロップ・コレクションはハーヴァード大のフォッグ美が所蔵する
19世紀イギリス・フランス絵画のことで、バーン=ジョーンズの絵をまと
まった形でみることができ、これをきっかけにこの画家にのめり込んでいっ
た。作品の数をぐんと増やしてくれたのが三菱一号館美で開催されたワール
ドクラスの回顧展。跳び上がるほど嬉しかった。

そして、バーン=ジョーンズの画業全般についての情報がたくさん得られた
のが、1997年晶文社から出版された‘バーン=ジョーンズの芸術’(ビル
・ウォーターズ著 1973年初版 1989年改訂版をもとにした翻訳
 6300円)。ここに鑑賞欲を刺激する作品がたくさん載っており、イギ
リスの美術館へ足を運ぼうという思いが高まった(まだ実現してないが)。

三菱一号館美の回顧展により美術本などに載っている主要作品あるいは別
ヴァージョンが数多くみれ、バーン・ジョーンズとの距離がだいぶ縮まった
が、まだみたい絵がある。イギリスへ行けば本物との対面が叶うのが
‘受胎告知’、‘欺かれるマーリン’、‘眠り姫’。以前ポルトガルを旅行したとき、
首都のリスボンで自由時間がなくて訪問できなかったグルベンキアン美にあ
る‘ヴィーナスの鏡’も大変惹かれている。プエルトリコのポンセ美が所蔵す
る‘アヴァロンのアーサー王の眠り’は夢のなかでの鑑賞が続きそう。

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2026.07.25

追っかけラストピース! ロセッティ

Img_0005_20260725222901  ラングラード著‘D・G・ロセッティ’(1985年)の全訳(1990年)

Img_20260725222901   ‘ダンテの夢’(1871年 ウォーカー・アート・ギャラリー)

Img_0002_20260725222901   ‘レディ・リリス’(1868年 デラウェア美)

Img_0004_20260725222901   ‘青い部屋’(1865年 バーミンガム大)

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‘アスタルテ・シリアカ’(1877年 マンチェスター市美)

Img_0003_20260725222901   ‘ベアトリーチェの一周忌’(1853年 アシュモリアン美)

画家や彫刻家の物語を綴った本をいろいろ読んだが、‘D・G・ロセッティ’
(1985年)は手放せない一冊になっている。みすず書房から全訳が
1990年に出版されたが(定価4944円)、鎌倉の行きつけの古本屋で
偶然見つけ2000円で購入した。この本のお陰でラファエロ前派のリーダ
ーであるロセッティ(1828~1882)の画業全般の流れ、主要作品、
女性関係のことがおおよそ頭に入った。

日本でもロセッティが好きな人は多く、これまで大きなラファエロ前派展は
結構開催されており、代表作‘プロセルピナ’(テート美)など主要作品がか
なりの数披露されている。そのなかで見逃したのがマンチェスター市美が所
蔵する‘アスタルテ・シリアカ’。古代シリアの愛の女神アスタルテのモデル
は‘プロセルピナ’と同じジェーン・モリス。

ロセッティが描く女性像の特徴はどれも圧を強く感じること。妖艶な女性を
みているというのではなく、とても美しい女性が目の前にいるのだが、あま
りに美の圧力がありすぎて軽々しく近づけないという感じ。また、おもしろ
いのがその圧をびしびし感じる女性たちがみな同じ人物にみえてしまう。
浮世絵の喜多川歌麿の美人画で体験することと似ている。

ロセッティの追っかけラストピース!で一番はみたくてしょうがない‘ダンテの夢’。リヴァプールのウォーカー・アート・ギャラリーへなんとしても行ってみたい。アメリカのデラウエア美にある‘レディ・リリス’にも照準がぴたっとあたっている。モデルはアレクサ・ワイルディング。バーミンガム大学が所蔵している‘青い部屋’に描かれた女性はとても華やかで惹きこまれる。 ロセッティの愛人だったファニー・コーンフォースがモデルになっている。若い頃、ロンドンに3ヶ月滞在したとき、オックスフォードへでかけたが、当時は美術鑑賞は普通並みだったのでアシュモリアン美に‘ベアトリーチェの一周忌’が飾ってあったことは知る由もなかった。

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2026.07.24

追っかけラストピース! ゴーギャン

Img_0001_20260724225701   ‘マンゴーをもつ女’(1892年 ボルチモア美)

Img_20260724225701   ‘チェロ奏者シュネークルード’(1894年 ボルチモア美)

Img_0003_20260724225701   ‘いつ結婚するの’(1892年)

Img_0002_20260724225801   ‘キリスト降誕’(1896年 ノイエ・ピナコテーク)

Img_0004_20260724225801   ‘アルルのカフェ’(1888年 プーシキン美)

お気に入りの画家ができると美術本に載っている作品を1点でも多く鑑賞し
たいという思いが強くなっていく。今年は追っかけリストに登録している
絵を2点みることができた。宇都宮美にドイツのケルンにあるヴァルラフ
=リヒャルツ美の自慢のコレクションがどどっとやって来て(4/19~
6/21)、目玉の絵としてゴッホ(1853~1890)の‘跳ね橋’が披
露された。ゴッホ好きにはたまらない絵であるが、ゴーギャン(1848
~1903)もいい絵が出品された。ゴーギャンがパリを離れフランス北
西部のブルターニュに滞在していたころ描かれた‘ブルターニュの少年’。

少年は一度見たら忘れられなくなるほど怖い目をしているので、本物とい
つか対面してみたいと思っていた。その願いがようやく叶った。なんだか一
仕事したような気分。こういう嬉しい巡り合いがあるから、絵画鑑賞はや
められない。リストからひとつ減ったが、鑑賞欲を強く刺激し続けている絵
はまだある。

なんとしても夢を叶えたいのはアメリカのボルチモア美が所蔵する‘マンゴー
をもつ女’と‘チェロ奏者ウパウパ・シュネークルード’。画面いっぱいに描か
れた堂々たる肖像画である。どちらも色の力が半端なく強く、女の着ている
衣服の紫とチェロ奏者の青のジャケットとチェロの赤茶色のコントラスに目
を奪われる。

2015年のオークションで360億円で落札された‘いつ結婚するの’は中東
カタールの美術館におさまっている。大きなゴーギャン展に運よく遭遇する
とみることができるが、そのときは来るだろうか。そして、ミュンヘンのノイエ・ピナコテークにある‘キリスト降誕’はドイツ旅行を企画するとなんとかお目にかかれるが、‘アルルのカフェ(ジヌー夫人)’はプーシキン美からよく名画が来日してた頃のようにロシアとの関係が悪くなかったら可能性があったが、今は無理。残念でならない。

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2026.07.23

追っかけラストピース! やきもの

Img_20260723231801   尾形乾山の‘銹絵雪笹文手鉢’(18世紀 滴翠美)

Img_0001_20260723231801   

‘青磁鎬文有蓋壺(重文 13世紀後半 金沢文庫)

Img_0002_20260723231801   ‘絵唐津松文大皿’(重文 17世紀初期 梅澤記念館)

Img_0003_20260723231801   ‘擂座花生 銘 芙蓉’(重文 16世紀)

Img_0004_20260723231801   ‘備前花生’(重文 16世紀)

わが家では定期的に‘追っかけ美術品’のファイルをながめている。ファイルに
書き込まれているのは絵画、彫刻、やきものなどの工芸、建築物。そのリス
トから運よくお目にかかれたものは‘済みマーク’がつけられ姿を消す。その数
は年に数点。それでも美術鑑賞は長くやっているから、たとえば10年くら
いのスパンでみると数が減っていく。

やきものは根津、五島、三井記念美といったブランド美術館が特別展を開催
してくれるので、思わぬ幸運に恵まれ長年追っかけていた茶道具に遭遇す
ることもある。待っていた時間が長ければ長いほど、大きな喜びになる。

今追っかけラストピースとして残っているのは5点。みたい度の強さで並んでいる。筆頭は尾形乾山(1663~1743)の‘銹絵雪笹文手鉢’。この雪笹鉢の美しさに魅了され続けているが、所蔵する滴翠美との相性が良くない。以前みどりがめさんから展示情報をもらったのに日程があわなかった。

国宝と重文に指定されている青磁は1点を除いてすべて目のなかに入った。残っているラストピースが金沢文庫のある‘青磁鎬文有蓋壺’。金沢文庫は縁を重ねているのに、なぜかこの青磁の壺とはすれ違いが多い。そろそろそれを解消し、長年の思いの丈を叶えたい。梅澤記念館蔵の‘絵唐津松文大皿’(重文)と個人蔵の‘古伊賀の花生’と‘備前花生’(ともに重文)は1994年に愛知県陶磁資料館で行われた‘東洋陶磁名品展’でみたことになっているが、当時はまだやきもの鑑賞の初心者だったから、有名な名品でもしかとみたという実感が残ってない。リカバリーが実現するだろうか。

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2026.05.22

追っかけラストピース! ロートレック

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  ‘ムーラン街のサロン’(1894年 トゥールーズ=ロートレック美)

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  ‘ソファ’(1894年 メトロポリタン美)

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  ‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットにて’(1889年 シカゴ美)

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 ‘ムーランルージュから出るジャンヌ・アヴリル’(1892年 ワーズワース美)

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  ‘酒場のイギリス娘’(1899年 トゥールーズ=ロートレック美)

画家の描く人物をみてとても惹かれることが多いのは、肖像画よりはスナッ
プ写真のように風俗画的にその姿をとらえたもの。印象派でその名手といわ
れるほど上手いのはマネ(1832~1883)、ドガ(1834~
1917)、ロートレック(1864~1901)。印象派の作品をみる機
会が増えるたびにその思いが強くなっている。

ロートレックはポスター画より油絵のほうに惹かれているのはアメリカの美
術館でロートレックをたくさんみることができたから。数が多いのが娼婦た
ちを描いたもの。その最もみたい絵が数点残っている。メトロポリタンで
なぜか姿をみせてくれない‘ソファ’はおしゃべりしている二人の娼婦の目つき
がじつにリアルで映画のワンシーンをみるような感じ。

客を待つ娼婦たちを絶妙な構図で表現した‘ムーラン街のサロン’でロートレッ
クはクセがあり気持ちがすわっている女性を威厳のある姿で描いている。
彼女たちと寝起きを共にしていたから、心情的に寄り添う姿勢がそのまま出
ている。シカゴ美で残念ながらお目にかかれなかった‘ムーラン・ド・ラ・
ギャレットにて’は手前で大きく描かれている三人の女性と一人の男性の間に
流れる空気感が娼婦の群像描写とどこか似ている。

ポスターによく登場するロートレックのお気に入りの踊り子ジャンヌ・アヴ
リルの素の表情がうかがえる‘ムーランルージュから出るジャンヌ・アヴリル’
に鑑賞欲を強く刺激される。舞台でみせる顔とはまるで違い、なにか思いに
ふける内面性がでている。これに対し、‘ル・アーブルの「スター」のイギリ
ス娘’は画面いっぱいに描かれた娘のはじける笑顔が印象深い。

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