洋画家・日本画家 遊女で共演!
片岡球子の‘面構 国貞改め三代豊国’(1976年 神奈川県近美)
日本の洋画家で高橋由一(1828~1894)は特別の存在という思いが
強いのは美術の教科書に載っていた‘鮭’の真に迫る写実が目に焼きついてい
るから。鮭の絵は重文指定のほかにヴァリエーションが3点あることを
知ったのは2012年東芸大美で開催された大規模な回顧展。そして、この
特別展でもうひとつの重文の‘花魁’に遭遇した。由一の作品は普段はみる機会
がないので、この花魁との対面は大きな収穫だった。こんな絵があったとは!
昨年の‘大吉原展’でこの絵と3度目の対面を果たしたとき、まわりにたくさん
遊女の浮世絵が満ち溢れていたので、あらためてじっくりみた。明治時代、
実際にいた花魁の肖像画だから、妙に艶めかしかった。歌麿の美人大首絵とは
ちがってやはり生の存在感がある。特別展でお目にかかってから12年経っ
たが、重文に値する作品であることを実感した。
明治以降に活躍した日本画家で美人画といえば、上村松園、鏑木清方
(1878~1972)、伊東深水が知られているが、遊女の絵ですぐ思い浮
かぶのは清方が描いた横浜美蔵のものだけ。はじめみたとき200%KOされた。
清方の描く女性には二つのタイプがある。多くは目の細い美人だが、目がぱっ
ちりした美形の女性も描いている。この‘遊女’は後者で顔だけをみるとフィギ
ュアの浅田真央ちゃんがかぶってくる。
片岡球子(1905~2008)の‘面構’シリーズにも遊女が登場する。‘国貞
改め三代豊国’に描かれた花魁は癖のある遊女に描かれており、菊川英山、渓斎
英泉と同じ特徴をもち遊女をリアルにイメージさせるように表現している。
‘博物学者 平賀源内’も折角だから一緒に登場してもらった。
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