2020.07.08

美術館に乾杯! MOA美術館 その七

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    上村松園の‘虫の音’(20世紀)

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    鏑木清方の‘名月’(20世紀)

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    伊東深水の‘三千歳’(1951年)

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    小林古径の‘紅蜀葵と猫’(1935年)

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    前田青邨の‘西遊記’(1927年)

一人の画家の作品をたくさん集めて展示する回顧展がなんといっても展覧会
の華。だから、誰々の回顧展が開かれるというと心が踊る。理想は同じ画家
の回顧展に2回遭遇すること。すると、その画家の代表作はだいたい目の中
に入る。とくに執着している美人画では幸いにも上村松園(1875~
1949)、鏑木清方(1878~1972)、伊東深水(1898~
1972)はこれが達成されているのでいうことなし。

ところが、この3人の名画のラインナップに欠けている作品がある。それが
MOAでお目にかかった松園の‘虫の音’、清方の‘名月’、深水の‘三千歳’。市販
されている美術本には載っていないし何回も足を運んだ回顧展でみたことは
一度もない。もし、これらが夫々の回顧展にでたなら誰もが絵の前では息を呑
んでみるにちがいない。

回顧展に出かけるたびに図録を購入してきたので数がどんどん増えていく。
そこで多くなった図録をよかった展覧会のものをベースにして合体させた。
そして、これに回顧展ではなくほかの企画展でみた絵の図版を本の空き頁に
ぺたぺた貼っていく。こうしMy松園本、清方本、深水本が出来あがった。
これにより生まれたMyベストセレクションにMOAの絵は堂々と入ってい
る。つくづくMOAはいい美人画をもっているなと思う。

小林古径(1883~1957)の‘紅蜀葵と猫(白日)’と前田青邨(1885
~1977)の‘西遊記’は例外的に2人の回顧展に出品された。大観や春草の絵
は出さないのにこの2点はOKなのはMOAが所蔵作品のお宝度にランキング
をつけているから。

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2020.07.07

美術館に乾杯! MOA美術館 その六

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     横山大観の‘瀟湘夜雨’(1948年)

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     菱田春草の‘群鷺’(1901年)

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     川合玉堂の‘春色駘蕩’(20世紀)

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     竹内栖鳳の‘海幸’(1935年)

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     速水御舟の‘鼠’(1928年)

明治以降に活躍した日本画家の回顧展が開催されることがあるとよほど好み
が合わない場合を除いて出かけることにしている。代表的な絵をどどっと集
めた回顧展に足を運んだのだから、とりあげられた画家の名画はこれでおお
かた済みマークがつけられる。でも、これはカッコつき。その理由はMOA
のコレクションが入ってないから。浮世絵同様、ここが所蔵している近代
日本画はまったく他の美術館に貸し出さないし、美術本にも掲載されてない。

ミュージアムショップで販売されているで図録は琳派、岩佐又兵衛、浮世絵
・風俗画、近代日本画、中国美術、やきものなどの分冊になっている。
MOAと長いつきあいになりそうだからこれらを一括購入した。近代日本画
の本に掲載されている作品の質の高いことにびっくり、これまでみた回顧展
でお目にかかったこともないから気になってしょうがなかった。そして、
2007年に待ちわびた日本画コレクションが公開された。心に響く作品の
数々に大興奮だった。最近はHPをチェックしてないのでこのあと同じ日本
画展がいつあったか知らないが、一見の価値があることは請け合い。

何度も回顧展を体験した横山大観(1868~1958)の‘瀟湘夜雨’は絶品。
200%KOされた。そして、盟友の菱田春草(1874~1911)も本当
にいい絵。息を呑んでみた。MOAはこんないい春草をもっているのである。
そして、みた瞬間うわーっとなったのが川合玉堂(1873~1957)の
‘春色駘蕩’。玉堂は俯瞰の構図がとびっきり上手い。しかも春らしい明るい色
合い。My玉堂ベスト5に登録している。

2013年東近美で大回顧展があったた竹内栖鳳(1864~1942)、
MOAでみた鯛の絵でこの画家に開眼した。そして、速水御舟(1894
~1935)の鼠も忘れられない。

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2020.07.06

美術館に乾杯! MOA美術館 その五

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    菱川師宣の‘大江山物語’(17世紀)

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    奥村政信の‘市村座内部図’(18世紀)

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    鈴木春信の‘機織り’(1767年頃)

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    勝川春章の‘婦女風俗十二ヶ月図’(重文 18世紀)

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    喜多川歌麿の‘入浴図’(1799年)

MOAがスゴイなと思うのはミニ東博のようなところがあって日本画、浮世
絵、やきものなどいろいろ楽しめるところ。定期的に公開されている浮世絵
については時々里帰りする海外の美術館にあるコレクションをみているよう
な気分。というのも、ここにある浮世絵がほかの美術館で行われる浮世絵展
にはほとんど出品されないから。そのため、熱海に出かけないとこの質の
高い絵はお目にかかれない。

浮世絵は版を重ねたりするので同じ絵を複数の美術館が所蔵していることが
よくある。そうなると浮世絵コレクターは自分のところにしかないものが
あると胸が張れる。MOAでは○○にこんな絵があったの?ということが多
いので海外の美術館のものをみているような感じになるのである。

5,6点ある菱川師宣(?~1694)は12枚の揃物になっている‘大江山
物語’がおもしろい。この場面は大江山に住む鬼の頭領酒天童子に源頼光ら
が酒でもてなしている場面。くっきりした人物描写が印象的。

奥村政信(1686~1764)の遠近法をつかって芝居小屋の内部を描い
たものは江戸における初期の歌舞伎の人気ぶりをリアルに伝えてくれる。
遠近法で空間を表現する効果が西洋画ではない日本の浮世絵によって実感さ
れるというのがおもしろい。

鈴木春信(1725~1770)の‘機織り’、肉筆画の勝川春草(1726
~1792)の‘婦女風俗十二ヶ月図’、喜多川歌麿(1753~1806)の
‘入浴図’は美術館自慢の美人画。勝川春章に開眼したのはここでこの絵
と‘雪月花図’(ともに重文)に遭遇したおかげ。以来、春章の描く美人画に
病みつきになった。画像は左から七月 七夕図、八月 名月図、九月 重陽
図。そして、あっけにとられるのが歌麿の女の入浴図。やはり歌麿はただも
のではない。

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2020.07.05

美術館に乾杯! MOA美術館 その四

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    海北友松の‘楼閣山水図屏風’(重文 17世紀)

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    岩佐又兵衛の‘柿本人麿・紀貫之図’(重文 17世紀)

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    岩佐又兵衛の‘山中常盤物語絵巻’(重文 17世紀)

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    岩佐又兵衛の‘浄瑠璃物語絵巻’(重文 17世紀)

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    池大雅の‘四季山水図巻 春’(1755年)

日本画をみるとき名前を知っている絵師の作品が目の前に現われればすぐみ
るぞ!モードになるが、知らない絵師の場合いい絵ならその印象は強く残り
記憶される。作品が先行して名前は取り残されるというパターン。2017
年に京博で大回顧展があった海北友松(1533~1615)は後者。かな
り前にあった建仁寺展(京博)ではじめて海北友松の存在を知り、そのあと
MOAで遭遇してようやくその画風が記憶領域の一角を占めるようになった。

回顧展で久しぶりに‘楼閣山水図屏風’と‘四季山水図屏風’(ともに重文)をみ
て、名前と作品が一致しない状態だったMOAでの鑑賞体験を思い出した。
その頃は回顧展が開かれることなど頭が回らなかった。時が流れ、海北友松
は狩野永徳、長谷川等伯とならぶビッグな絵師に昇格した。

岩佐又兵衛(1578~1650)をみたかったらMOAへ行け!これが
又兵衛好きの合言葉。ユーモラスな水墨画‘柿本人麿・紀貫之図’も楽しいが、
心がワクワクするのは絵巻の‘山中常盤物語’、‘浄瑠璃物語'、‘堀江物語’。
MOAではこの絵巻を長めの間隔をとり公開している。美術館が開館30年
を迎えた2012年の春に3つが全巻展示された。山中常盤物語については
2004年の岩佐又兵衛展(千葉市美)で3巻みたが、これから2,3年経
って全巻お目にかかったような気がする。だから、2012年は浄瑠璃物語
と堀江物語をみるためにクルマを熱海まで走らせた。

このところご無沙汰しているので絵巻の展示をチェックしてないが、この
8年で披露された?3,4年前の改築が終わったとき展示された?その可能
性はある。とにかくここの絵巻をみるのは長期戦を覚悟していたほうがいい。

池大雅(1723~1776)の‘四季山水図巻’をみたのは熱海ではなく京博
であった大回顧展(2018年)。MOAに大雅があることがはじめてわか
った。与謝蕪村の絵はみたことがないので蕪村よりは大雅の方が好みだった
のかもしれない。

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2020.07.04

美術館に乾杯! MOA美術館 その三

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        牧谿の‘叭々鳥図’(南宋時代・13世紀)

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        馬遠の‘高士観月図’(重文 南宋時代・13世紀)

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    馬麟の‘寒江独釣図’(重文 南宋~元時代・13世紀)

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       梁楷の‘寒山拾得図’(南宋時代・13世紀)

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       雪舟の‘山水図’(室町時代・15世紀)

これまで数多く足を運んだ展覧会の中には強く記憶にとどまっているエポッ
ク的な企画展がある。根津美で2004年に行われた南宋絵画展もそのひと
つ。この展覧会によって足利将軍家が夢中になって集めた牧谿、馬遠など
日本にある南宋絵画の全体像をつかむことができた。だから、このときの
図録は中国絵画のバイブル。ときどきながめているのでどの名画がどこの
美術館におさまっているかはだいだい頭に入っている。

MOAは流石というくらいいい絵を所蔵している。コレクターたちが競って
集めた牧谿は3,4点ある。‘叭々鳥図’はもともと3幅1組で足利将軍家が
もっていたもの。今はMOA、五島、出光にある。牧谿は画僧だったが、
馬遠、梁楷は牧谿より前に活躍した画院画家。馬遠の‘高士観月図’で目を惹
くのは月とそれをながめる高士の間に途中で折れたような松が三角形のフォ
ルムで表現されているところ。下にのびる松は意表をつく。

馬遠の息子の馬麟の‘寒江独釣図’はお気に入りの中国絵画。漁師が体をまる
めて水上に仕掛けた網をじっとみている。釣りの趣味がないので魚が釣れる
のをじっと待つときの心境が実感できないが、こういう風俗画をみると静か
でリラックスできそうに映る。

梁楷の‘寒山拾得図’は馬麟の絵同様、根津美の展覧会に出品された。いろい
ろ描かれた寒山拾得のなかではもっともユーモラスなもの。二人は向きをた
がえて一体化しなぜか笑っている。この笑顔がじつにいい。
ちょっと々、何がそんなに嬉しいの?、と声をかけたくなる。

画聖、雪舟の絵もMOAは1点もっている。‘山水図’。ぬかりがない。これは
破墨の技法で描かれており、墨の濃淡と多用されるぼかしによってうみださ
れるモノトーンの調子は一種の抽象画のようなところがある。

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2020.07.03

美術館に乾杯! MOA美術館 その二

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    野々村仁清の国宝‘色絵藤花文茶壺’(17世紀)

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   本阿弥光悦の‘樵夫蒔絵硯箱’(重文 17世紀)

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   尾形乾山の‘色絵吉野山図透鉢’(18世紀)

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       ‘染付花卉文瓶’(重文 1610~30年代)

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   ‘色絵桃文大皿 鍋島’(重文 1690~1730年代)

MOAは4、5年前?展示室を一部改築したが、これでどういう風に変わっ
たのかはTVの美術番組でちらっとみただけなので詳しいことはわからない。
頭になかにある鑑賞の流れとしてはまず入口のある2階からスタートする。
ここで光琳の‘紅白梅図’をみて1階へ降りていき、ガードマンが立ってるモネ
の睡蓮の絵とレンブラントの自画像をみてやきものの部屋へ進んでいく。
そして、その先がミュージアムショップ。

紅白梅図の手前の部屋に飾られている野々村仁清の‘色絵藤花文茶壺’も忘れら
れない鑑賞体験。これはやきものなので常時展示してある。しかも国宝だか
らMOAを訪れた人はこの存在感のある見事な壺に魅了されるにちがいない。
球体の茶壺の表面に華やかな藤の花が装飾性豊かに描かれている。

本阿弥光悦(1558~1651)の‘樵夫蒔絵硯箱’、山形の蓋をした硯箱の
モチーフに樵夫(きこり)を使うというのは意表をつく選択。はじめてみた
とき螺鈿で細工された樵夫の顔が幽霊の様にはっきりせず違和感があったが、
今はそれは消えた。

尾形光琳の弟、乾山(1663~1743)のやきものはここにはいくつも
ある。お気に入りは光琳との合作で数多くつくった角皿と透彫りが施された
反鉢。この反鉢は乾山の得意とする意匠で絵柄として吉野山の満開の桜の木
が描かれている。とても洒落ていて女性的な感じのする鉢に仕上がっている。

やきものはローテーションをして展示してありタイミングがいいと‘染付花卉
文瓶’や鍋島の傑作‘色絵桃文大皿’(ともに重文)などと遭遇することができる。
日本のやきものだけでなく、中国の青磁や朝鮮のものもあるがこちらのほうは
いつ出かけても同じものが並んでいたような気がする。

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2020.07.02

美術館に乾杯! MOA美術館 その一

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        MOA美術館

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   尾形光琳の国宝‘紅白梅図屏風’(18世紀)

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     尾形光琳の‘琴高仙人図’(18世紀)

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 本阿弥光悦・俵屋宗達の‘鹿下絵新古今集和歌巻’(17世紀)

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    酒井抱一の‘雪月花図’(1820年)

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  鈴木其一の‘草花十二ヶ月画帖・7月8月’(19世紀)

熱海にあるMOA美はこれまで何度も出かけたのでとても愛着がある。ここ
にはすばらしい美術品がドドーンと飾られている。有名な尾形光琳の‘紅白梅
図屏風’をはじめとする琳派の数々、岩佐又兵衛の絵巻、明治以降の日本画、
そして野々村仁清、尾形乾山、鍋島などのやきもの、またモネやレンブラン
トの絵まで所蔵しているのだから恐れ入る。

東博や京博は横において琳派のコレクションで知られている美術館はMOA,
光琳の‘燕子花図屏風’をもっている根津、静嘉堂文庫、そして出光と畠山。
これらの美術館で開催された琳派展の図録を重ねるとかなりの高さになる。
春、梅の季節になると公開される尾形光琳(1658~1716)の‘紅白梅
図’、美術の教科書に載っている作品に対面するというのはやはり特別な出来事
である。右の紅梅がどんと踏ん張った外またの足にみえてしょうがない。

本阿弥光悦(1558~1637)の書と俵屋宗達の鹿の絵がコラボする
‘新古今集和歌巻’はいろいろヴァージョンがあり、MOA,サントリー、山種、
五島、そしてアメリカのシアトル美がもっている。一頭々動きの違う姿で描か
れた鹿をみるのはとても心地いい。

MOAの光琳への思い入れは強く美術館の横に京都・相国寺のすぐ北の所にあ
った光琳屋敷を再現している。これまで何回となく開かれたミニ琳派展でMOA
にある光琳は紅白梅図・琴高仙人図を入れて15点くらいお目にかかった。

酒井抱一(1761~1828)は‘雪月花図’が絶品。この構図のとり方が最高、
描けそうで描けない。鈴木其一(1796~1858)は少なく‘草花十二ヶ月
画帖’など数点。色が綺麗なこの画帖は7月(右)と8月(左)をピックアップ
した。

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2020.07.01

美術館に乾杯! 修善寺町・伊豆市

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Img_0006_20200701231201       横山大観の‘白鷺’(1909年 修善寺町)

Img_0003_20200701231201     安田靫彦の‘春生’(1930年 修善寺町)

Img_0004_20200701231201       菱田春草の‘秋郊帰牧’(1909年 伊豆市)

Img_20200701231201     川端龍子の‘湯浴’(1927年 伊豆市)

Img_0002_20200701231301     小林古径の‘箏三線’(1909年 伊豆市)

絵描きや小説家は伊豆にアトリエや仕事部屋をもって創作活動をしていると
いうことは容易に想像できる。温泉もあるから適度な休養にもなる。明治末
頃から日本美術院の画家たちは修善寺の新井旅館と懇意にしていた。
1930年4月ローマで横山大観らの作品を揃えた日本美術展が開催されて
いるが、1月には新井旅館で壮行会も行われた。そんなこともあり、修善寺
町や伊豆市にビッグネームのいい絵がいくつも所蔵されている。

これまで回顧展などで修善寺の名前がよくでてきたのは横山大観(1868
~1988)と安田靫彦(1884~1978)。ともに‘白鷺’や‘春生’など
4,5点お目にかかった。靫彦は1934年新井旅館のために浴室を設計し
天平風呂と名づけている。つくしが描かれた‘春生’をみるたびに日本画の優し
さを感じる。

伊豆市にあるのも傑作揃い。菱田春草(1874~1911)の‘秋郊帰牧’
は2014年の大回顧展に出品されたし、小林古径(1883~1957)
の初期の作品‘箏三線’も2005年にあった小林古径展で披露された。同じ
く出品された画帖‘伊勢物語’も伊豆市がもっている。普段は倉庫のなかだろ
うが、こういう晴れ舞台に展示される作品があるというが芸術家に好まれる伊豆の証かもしれない。

また、伊豆市には川端龍子(1885~1966)も‘湯浴’や小品の鶴や
海老を描いたものなど5,6点ある。龍子は若い頃から温泉が好きでよく
新井旅館を利用していた。‘湯浴’はそれをもとにして描かれた。

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2020.06.30

美術館に乾杯! 佐野美術館

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Img_0001_20200630222601       佐野美術館

Img_20200630222601  国宝‘薙刀 銘備前国長船住人長光造’(鎌倉時代・13世紀)

Img_0003_20200630222701    ‘短刀 無銘 正宗’(鎌倉時代・14世紀)

Img_0004_20200630222901    ‘刀 無銘 吉岡一文字’(重文 鎌倉時代末期)

Img_0002_20200630222801    ‘刀 金象嵌銘 備前国兼光’(重文 南北朝時代・14世紀)

Img_0006_20200630223501           澤田政廣の‘白鳳’(1929年)

三島にある佐野美術館は日本刀の鑑賞の仕方を指南してもらった美術館。
2007年ここで‘備前一文字展’があり、喜び勇んで新幹線に乗りこんだ。
こじんまりとした美術館のなかにたまたま刀剣愛好家のような小グルー
プがいて渡邉妙子館長の解説を聞きながら名刀の数々をみていた。で、
これ幸いとばかりここにくっついて館長の話に耳をかたむけた。すべて
を理解したわけではないが、‘日本刀は素敵’(2008年 静岡新聞社)
を書かれている有名な館長からじかに刀の見方を教えてもらった
のは大きな収穫だった。

ここにある刀でお宝中のお宝は国宝に指定されている‘薙刀(なぎなた)’。
造ったのは備前長船派の二代目棟梁長光。昔は女性の薙刀の全国大会が
スポーツニュースで流れるとか、時代劇で大奥に忍び込む者がいたりする
と奥女中たちが薙刀であいまみえるシーンをみるようなことがあったから、
薙刀に目が馴染んでいた。でも、今の若い人は薙刀って何?だろうな。

ほかにもいい刀はたくさんある。浅いのたれの刃文の美しい正宗の短刀、
長光の孫で長船四代目を継いだ兼光の大太刀、そして徳川将軍家に伝来
した吉岡一文字派などに思わず足がとまる。日本刀の展覧会は2011年
根津美でもあったが、それから10年近くになる。もし3回目に遭遇した
ら、まわりは刀剣女子に囲まれることになりそう。刀人気が女性にまで浸透
するとは想像だにしなかった。

刀以外で大変魅了される作品がある。熱海生まれの彫刻家、澤田政廣
(1894~1988)の‘白鳳’。高さ2.63mもある木彫の仏像で
両手を鳥の翼のように広げる姿が印象的。

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2020.06.29

美術館に乾杯! ベルナール・ビュフェ美術館

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      ‘アトリエ’(1947年)

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         ‘ピエロ’(1961年)

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         ‘狂女たち’(1970年)

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     ‘コンコルド広場’(1989年)

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     ‘フィレンツェ ポンテ・ヴェッキオ’(1991年)

日本の美術館のなかには海外の有名な画家や作家の作品をごそっともってい
る美術館がある。思いつくままあげてみると、出光美とパナソニック汐留美
のルオー、北澤美のガレ、岐阜県美のルドン、諸橋美のダリ、川村記念美の
ロスコ、そして静岡県の長泉町(三島市の北)にもベルナール・ビュフェ美
がある。こうしたコレクター物語をまとめると一冊の本になる。

ベルナール・ビュフェ(1928~1999)という画家を知ったのは21
世紀になってから。だから、つきあいは短いが相性はどういうわけは良くこ
れまで何回も回顧展に遭遇し作品の数が増えていった。きっかけはホテル
ニューオータニのなかにある美術館(今はない)でみた絵。ドン・キホ
ーテが絵画化されていたり、二羽の鶴の絵もあったりして強いインパクトを
感じた。

このあと損保ジャパン美やそごう美、目黒区美でベルナールビュフェ美蔵の
作品を軸に構成された回顧展をみた。昨年の夏、この気になるビュフェの絵
を銀座のギャルリーためながが披露するという情報が入ってきたので出かけ
た。大谷コレクション同様、この画廊のオーナーもビュフェのコレクターだ
った。

1973年に開館したベルナール・ビュフェ美は2000点くらい所蔵して
いる。ひとりのコレクターがフランスの有名な画家の絵がこれほどたくさん
蒐集するというのは本当にスゴイこと。ビュフェの作品は3つくらいに分け
られる。‘アトリエ’のようにペタッとして平面的に表現された部屋とそこに
いる人物を描いたもの、‘ピエロ’などサーカスをテーマにしたもの、そして
200%嵌っている風景画。

人物描写は妻のアナベルや小さい子どもたちはきりっとした表情で写実的に
描かれているが、‘狂女’のような場合は痩せた体で道化師に同化させている。
晩年になるとパーキンソン病の影響で死の影が忍び寄り骸骨が登場してくる。

ビュフェの描く風景画に魅了され続けており、広々とした光景の‘コンコルド
広場’や‘フィレンツェ ポンテ・ヴェッキオ’が目に焼きついている。はかに
もパリのサクレ・クール寺院、ヴェニス、NYのマンハッタンなどが忘れら
れない。

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