ミューズに願いを! 近代日本画
絵画や仏像、やきものなどの工芸品でとびっきりの名品を楽しむためにはまずそれらがどこの美術館やお寺にあるかを知る必要がある。その情報は画集とか美術本にでているから、これを手に入れればいい。美術の本を定期的に購入しているのはまだ知らない作品の情報が得られるから。
明治以降に活躍した日本画家が残した名画に関しては、わが家には一冊のバイブルがある。それは1989年に刊行された‘昭和の日本画100選展’(朝日新聞社)、展覧会は鑑賞しなかったががこの図録が運よく手に入った。以来この本に載っている作品を全点みることをライフワークにしている。
現在までに86点みることができた。残り14点のなかでみたい度の上位にあるのが稗田一穂(1920~)の‘帰り路’と寺島紫明(1892~1975)の‘彼岸’、ともに関西の美術館が所蔵している。京近美は結構足を運んでいるが、紫明のこの絵とは相性が悪く予想外に手間取っている。
‘帰り路’があるのは和歌山県近美、和歌山へ旅行する計画は今のところないので、稗田一穂の回顧展にでも遭遇しないかぎりみれない。ちょっとデ・キリコの画風を感じさせるこの絵との対面はいつやって来るのだろうか。
‘100選’に選ばれた加山又造(1927~2004)の作品は‘千羽鶴’(東近美)と‘白い・黒いバラの裸婦’、過去3回回顧展を体験したから美術本にのっているものはかなり済マークがついた。今、追っかけているのは‘群鶴図’、又造は鶴の名手なのでこの絵ともいつかお目にかかりたい。
加山又造とうまが合った横山操(1920~1973)、回顧展の開催を待ち望んでいるがまだ実現しない。横山操も又造同様‘100選’に‘ウオール街’(東近美)と傑作の‘雪原’(佐久市近美)の2点が選ばれている。回顧展に縁がないので見残している作品が多くあるが、最も魅せられているのは個人が所蔵している‘ふるさと’。会えるだろうか。
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