2012.11.30

音楽が誘う絵画の世界! ショパン‘ポロネーズ英雄’

4510_2     ピアニスト 仲道郁代                ショパン

4509_2 アルトドルファーの‘アレクサンドロス大王の戦い’(1529年 アルテ・ピナコテーク)

4508_2     ダヴィッドの‘サン・ベルナール峠を越えるボナパルト’(1800年)

4506_2     ジェンティレスキの‘ユディットと待女’(1625年 デトロイト美)

4507_2     アングルの‘ジャンヌ・ダルク’(1851~54年 ルーヴル美)

クラシックで‘英雄’というとまずはベートーベンの交響曲3番を思い浮かべる。でも、ショパン(1810~1849)が大好きな方は♪♪‘ポロネーズ変イ長調 英雄’のほうが先かもしれない。ベートーベンの英雄が国家元首が亡くなったとき国営放送が終日流す音楽というイメージがあるのに対し、ショパンの英雄はじつに華やかな表現でなにか憧れの存在をみせつけるという感じ。

絵画の世界では英雄を描いた作品は沢山ある。最も多いのはギリシャ神話に登場する英雄、ヘラクレス、ペルセウス、アキレウス、またアマゾンという女傑も描かれる。では、歴史画にでてくる英雄は誰れか?すぐ思いつくのはアレクサンドロス大王。

印象深い絵が2点ある。ナポリ考古博にある大きな‘アレクサンドロス・モザイク’(拙ブログ9/3)と南ドイツで活躍した画家アルトドルファー(1480~1538)が描いた‘アレクサンドロス大王の戦い’。30年くらい前に訪問したミュンヘンのアルテ・ピナコテークで唖然としてみていたのがアルトドルファーの絵。

つい最近、BS朝日の‘世界の名画’でこの画家にスポットを当てていた。当時、画面に描き込まれた兵士の数の多さと上空の青の輝きに圧倒され、中央に描かれているアレクサンドロスをはっきりとみてない。だから、この美術館を再訪する機会があれば、敗走するダレイオス3世ともどもしっかり目にやきつけようと思う。

このマケドニアの王よりもっと強烈に英雄のイメージが心に刻み込まれているのがナポレオン。ダヴィッド(1748~1825)の‘サン・ベルナール峠を越えるボナパルト’ほど見栄えのする英雄の絵はない。ナポレオンが実際には驢馬に乗って峠を越えたことをダヴィッドは百も承知だが、まさか英雄を驢馬に乗せて描くわけにはいかない。
当然本当のようなウソをつく。腕が確かだから神のようなナポレオンを描く専属画家に選ばれた。ダヴィッドも演出が必要なことくらいはわかっている。

カラヴァッジョ派のジェンティレスキ(1593~1653)は西洋絵画史上最強の女流画家、敵軍の司令官ホロフェルネスの首を切り落とし祖国を救ったヒロイン、ユディットを描いたこの作品はいつかみたいと願っている一枚。Bunkamuraがデトロイト美展を開催してくれそのなかにこの絵が入っていることを勝手に妄想している。

ジャンヌ・ダルクは見た目はか弱い女性だが、戦場にでると男以上の働きをする。アングル(1780~1867)の絵をみると強い意志の持ち主であることが充分に伝わってくる。

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2012.11.27

音楽が誘う絵画の世界! ドビュッシー‘牧神の午後への前奏曲’

4497   フルート奏者のエマニュエル・パユ          ドビュッシー

4494     コローの‘マチネー、ニンフの踊り’(1850年 オルセー美)

4495     ルーベンスの‘サテュロスとニンフ’(部分 1638年 プラド美)

4496     コレッジョの‘ヴィーナス、サテュロス、キューピッド’(1526年 ルーヴル美)

日々の暮らしのなかでクラシックを聴く頻度は以前に比べるとだいぶ少ない。大きな違いは長い交響曲を最初から聴くことがなくなったこと。で、もっぱらピアノソロなど短い曲が中心になっている。今日とりあげるドビュッシー(1862~1918)の♪♪‘牧神の午後への前奏曲’もときどき聴いている。

この曲は昨日の‘交響詩モルダウ’同様、フルートの美しい音色が心の響く作品。現在、最も人気のあるフルート奏者はベルリンフィルにいるエマニュエル・パユ、大変なイケメンで1970年ジュネーブ生まれの42歳。ジュネーブは若い頃住んでいたことがあるのでこの才能豊かなパユには親近感を覚える。

この人のフルートで聴く‘牧神の午後’はもう最高!夢うつつの牧神(パン)の前方には水浴する白い妖精がいるようないないような、こういう静かで幻想的な世界につつまれて心がザワザワするような夢をみてみたいが、実際はどうしてあの人がでてきたの?というような変な夢ばかり。

この曲を聴いてイメージする絵はコロー(1796~1875)の‘マチネー、ニンフの踊り’。ここにいるのは純粋無垢な乙女たち。ところが、ギリシャ神話に登場するパンは上半身人間&下半身山羊のハイブリッド野獣、仲間のバッカスの従者サテュロスやシレノスと変わることなく好色の獣。女とみれば欲望丸出しで突進していく。

だから、音楽で表現された‘牧神’のイメージと絵画に描かれた世界とはまったくちがう。ルーベンス(1577~1640)の絵でもコレッジョ(1489~1534)の絵でもパンやサテュロスはまさに美女と野獣といった感じ。ドビュッシーの書いた曖昧でぼやっとした旋律がパンの野獣のイメージを消しているのがとてもおもしろい。

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2012.11.26

音楽が誘う絵画の世界! スメタナ‘交響詩モルダウ’

4489_2      フルート                            スメタナ

4490_2     ホーマーの‘カヌー下り’(1897年 ボストン フォッグ美)

4491_2     シスレーの‘モールジーのダム’(1874年 スコットランド国立美)

4492_2        ホードラーの‘森の小川’(1902年 スイス ソレール美)

4493_2     コローの‘緑の岸辺’(1865年 ワシントンナショナルギャラリー)

クラシックCDの中には演奏時間があまり長くない名曲をいろいろ集めたものがある。販売促進のためにはネーミングがとても大事、そこで‘元気のでるクラシック名曲選’とか‘癒される名曲20選’とかちょっと買ってみようかなという気にさせる名前がついている。

この癒し系名曲の定番のひとつがチェコの国民的作曲家スメタナ(1824~1884)がつくった♪♪‘交響詩モルダウ’。チェコの首都プラハは9年前訪問し、この街を流れる母なる川、モルダウ川をみた。これがあのモルダウ川かという感じで、自然に哀愁を感じる交響詩のメロディを口ずさんでいた。

この曲、出だしのフルートの奏でる旋律がとても耳に心地いい。スメタナは音楽で川の流れを表現しており、フルートとそれに続くクラリネットが二つの源流のせせらぎを奏でる。そして、これらの支流は合流し森や緑の牧草地を通りぬけ、チェコの南から北へと流れていく。

川やそこに架かる橋を描いた風景画は沢山あるが、川の流れをリアルに表現した作品はそう多くはない。そのなかで動きのある海洋画を得意としたホーマー(1836~1910)の描いた‘カヌー下り’はお気に入りの一枚。流れの激しい川の真ん中にカヌーを描く構成がなんともいい。

シスレー(1839~1899)の絵は5,6年前Bunkamuraであったスコットランド国立美展で遭遇した。穏やかな印象派らしい風景画を描くシスレーにしては珍しい激しい水流をとらえた絵なのでしっかり目に焼きついている。

川の源流の景色がよく伝わってくるのがホードラー(1853~1918)の作品。これは08年オルセーであった回顧展でみたのだが、高い木が林立するなかきよらかな水がごつごつした大きな石の間を滑るように流れていく様が見事に描かれている。

コロー(1796~1875)には川の絵がいくつもあるが、川の流れを一番感じるこの作品に最も惹かれている。これはワシントンのナショナルギャラリーの所蔵。現地と西洋美であったコロー展(08年)と2度みる機会があった。

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2012.11.25

音楽が誘う絵画の世界! マーラー‘交響曲5番 アダージョ’

4484_2     ヴァイオリン                ハープ

4486_2        クノップフの‘見捨てられた町’(1904年 ベルギー王立美)

4485_2     ベックリーンの‘死の島’(1880年 メトロポリタン美)

4487_2     ホイッスラーの‘青と銀色のノクターン’(1872年 テートブリテン)

4488_2     ムンクの‘月の光’(1895年 オスロ国立美)

クラシックとのつきあいは人夫々。小さい頃から父親の影響などで家にクラシックがいつも流れていた人と違って、クラシックを聴く機会といえば学校の音楽の時間とかNHKで10分くらい流れるクラシックアワーくらいのものだった。だから、クラシックへの耳の反応はごく普通。

その状態に変化が起こる契機となったのが社会人になってから聴いたマーラー(1860~1911)の交響曲。クラシックの本を読みアバド、ショルテイ、ハイティングらが指揮した有名な演奏が収録されたCDをあれこれ集めた。以来、ずっとマーラー愛好が続いている。最も好きなのは5番!もう耳にたこができるくらい聴いた。

この5番で何か別の曲が入ってきたのではと思わせるのが弦とハープのために書かれた第4楽章の♪♪アダージョ。このアダージョというとマーラー好きの方はこれが使われた映画‘ベニスに死す’(1971年 ルキノ・ヴィスコンティ監督 トーマス・マン原作)を条件反射的に連想するにちがいない。

この映画をみてからもうだいぶ時間が経つのでどういう話の展開だったか記憶がうすくなっているが、びっくりするくらい美しい若い男性がでてきたことは今でもよく覚えている。どうでもいいことだが、2年前ロンドンの地下鉄でワイワイしゃべっている高校生のグループのなかに映画に登場した人物を彷彿とさせるような子がいた。別にそういう趣味はないのだが、ヨーロッパを旅行していると女の子のような綺麗な顔をした男の子にときどき出会う。

この♪♪アダージョの曲想は映画のイメージとダブっているので、思いつく絵画も死の観念とか滅びの美学をテーマにした象徴主義や表現主義の作品が多い。その代表がクノップス(1858~1921)の‘見捨てられた町’とベックリーン(1827~1901)の‘死の島’。クノップスの絵は昨年ベルギー王立美を再訪したときリカバリー作品のリストに入れていたのに、またしても会えなかった。この画家とはどうも相性が悪い。

アダージョのかもし出す不安や苦悩の心情を少し和らげると、ホイッスラー(1834~1903)の静謐で幻想的な‘青と銀色のノクターン’とかムンク(1863~1944)の‘月の光’といった作品が目の前をよぎる。いずれの絵でも描かれるのは暗い海や川。その退廃的で甘美さの漂う光景が心の奥底のひだにまで溶けていく。

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2012.11.23

音楽が誘う絵画の世界! マーラー‘交響曲1番 巨人’

4478_2     コントラバス                    マーラー

4481_2     プッサンの‘日の出を探し求める盲目のオリオン’(1658年 メトロポリタン美)

4479_2     ベックリーンの‘オデュッセウスとポリュフェモス’(部分 1896年)

4482_2     ルドンの‘キュクロプス’(部分 1914年 クレラー=ミュラー美)

4480_2         レーニの‘勝ちほこるダヴィデ’(1603~04年 ウフィツィ美)

マーラー(1860~1911)の交響曲で聴く回数が多いのは1番、2番、5番、9番、今日はその1番の巨人。この曲はマーラーの曲のなかでは短いほうだから、マーラーが聴きたくなったときは耳が寄っていく。

最も耳に馴染んでいるのが第3楽章のコントラバスが奏でる♪♪物憂く葬送風のメロディ、これはまさに巨人が暗闇のなかをのっしのっしと歩いていくイメージ。とても重々しく恐怖心を駆り立てられる、ここはしばらく物陰に隠れてこの怪物が通りすぎるのを待つしかない。

巨人を描いた絵ですぐ思いつくのはプッサンの‘日の出を探し求める盲目のオリオン’。小さい頃は巨人というと条件反射的にガリバーをイメージした。そして、絵画をみるようになって最初に出会った巨人はゴヤの‘巨人’。だが、この絵は3年前ゴヤの作品ではなく、ゴヤの弟子が描いたことがわかった。

プッサン(1594~1665)の盲目の巨人オリオンは4年前、METであった大プッサン展でお目にかかった。見上げるような大きさだった。この場面は目を潰されたオリオンが道案内の少年を肩に乗せて視力をとりもどすため日の出を求めて出かけるところ。

ベックリーン(1827~1901)の絵も目に焼きついている作品、気持ちよく眠っていたのにオデュッセウスに目を突き刺されたポリュフェモスは怒り狂って大暴れ、島を脱出しようとするオデュッセウスたちの乗った船にめがけて大きな岩をぶん投げている。

ポリュフェモスと比べればルドン(1840~1916)の描く一つ目巨人のキュクロプスはやさしいもの。裸で眠るガラテイアに恋し、何度もアプローチするが相手にされない。まあ、一つ目では仕方ないか、高望みというもの。

レーニ(1576~1642)が描いた‘勝ちほこるダヴィデ’はウフィッティとルーヴルでみた。石の台におかれたゴリアテの顔の大きいこと!ダヴィデは‘おいらもデカイことをやっちまったよ、どうだいこんな巨人を倒したんだぜ、今頃足が震えてきたよ’といっているかもしれない。

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2012.11.21

音楽が誘う絵画の世界!サン・サーンス‘動物の謝肉祭 白鳥’

4472_2       チェロ                    サン・サーンス

4473_2            デルヴォーの‘レダ’(1938年 ロンドン テートモダン)

4476_2         ダリの‘レダ・アトミカ’(1949年 フィゲラス ダリ劇場美)

4474_3        ソドマ派の‘レダと白鳥’(1505年 ローマ ボルゲーゼ美)

4475_2     アセレインの‘威嚇する白鳥’(17世紀前半 アムステルダム国立美)

サン・サーンス(1835~1921)が作曲した組曲‘動物の謝肉祭’は知らなくても、チェロ独奏曲としても演奏される♪♪‘白鳥’といえば、ああーあの美しいメロディねと相槌ちを打つ人は多いかもしれない。チェロの曲としては最も愛されている音楽ではなかろうか。

心を静めて聴いていると広い湖の水面を一羽の白鳥がゆっくりと進んでいる景色が目に浮かんでくる。こういう珠玉のメロディが流れてくると脳から放出されるα波がじわーっとでてきていることはすぐ実感できるからいい気分になるのも速い。音楽療法でどんな曲が使われているのか詳しくないが、この‘白鳥’ほど心の安寧をもたらす曲はないかもしれない。

白鳥が描かれた絵ですぐ思いつくのはギリシャ神話の‘レダと白鳥’。ゼウスはお気に入りの女性を見つけると得意の変身術を使って動物になりすまし、美女に近づいていく。レダへのアプローチに使った手は美しい白鳥。白鳥だと警戒心をもちようがないからレダはすぐアウトになる。

最初にみた‘レダと白鳥’はダヴィンチの影響をうけた人物が描いたもの。これはローマのボルゲーゼ美に飾ってあった。何年か前この美術館の所蔵品が日本にやって来たときにも確か展示されたような気がするが?

デルヴォー(1897~1994)の‘レダ’はもう長いこと対面を願っているのにまだ縁がない。これまでテートギャラリーのとき1回、そしてテートモダンになってから2回と都合3回足を運んだのにまったく姿をみせてくれない。こういうときは心が折れる。

ダリ(1904~1989)が妻のガラをモデルにして描いた‘レダ・アトミカ’もとても気になる絵。フィゲラスにあるダリ劇場美を訪問する計画は一応あるのだが、当面のスケジュールのなかでは優先順位はあがってこない。

サプライズの絵はアムステルダム国立美にあるアセレイン(1610~1652)の‘威嚇する白鳥’。これは動物画としては異色の作品。画面のなかから興奮した白鳥がとびだしてきそうで思わずのけぞった。

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2012.11.19

音楽が誘う絵画の世界! ムソルグスキー‘展覧会の絵’

4466_3   トランペットが奏でるプロムナード         ムソルグスキー

4467_2  ロベールの‘1796年のルーヴルの改造計画’(部分 1796年 ルーヴル美)

4469_2  テニールスの‘レオポルト・ヴィルヘルム大公の画廊’(1651年 ウィーン美術史美)

4468_2  パンニーニの‘現代ローマの景観図の画廊’(1759年 ルーヴル美)

ロシアの作曲家ムソルグスキー(1839~1881)がつくった組曲‘展覧会の絵’は好きなクラシックのひとつ、以前はショルティ指揮シカゴ響の演奏を収録ビデオで定期的に聴いていた。

耳に心地いい旋律がトランペットが奏でる♪♪‘プロムナード(散歩)’、この短い間奏曲が10の曲をつないでいく。小人からはじまって、古城、チュイレリー宮殿の花園、牛車、かえらぬ雛の舞踏、サムエル・ゴールデンベルクとシュミーレ、リモージュの市場、墓地、鶏の脚のついた小屋、そして最後が大迫力のキエフの大門。

タイトルがズバリ‘展覧会の絵’だから、音楽は絵画と完全にコラボしている。ムソルグスキーには親しくしていたハルトマンという建築家がいたが、その友人が39歳の若さで亡くなった。故人をしのぶために開かれた水彩画や設計図などの展覧に着想を得てつくられたのがこの組曲。

この曲を聴いていると美術館の内部やギャラリーを描いた作品が目の前をよぎる。その一つがルーヴルにあるロベールが描いた‘1796年のルーヴルの改造計画’。1793年に国民の美術館になったルーヴル、当時の館内の様子がうかがえる。

17世紀、フランドル絵画を愛好する人々の間で画廊を描いた作品が流行した。テニールスの‘レオポルト・ヴィルヘルム大公の画廊’もそうした絵の一枚。大公レオポルト・ヴヴィルヘルムはパプスブルク王朝では名の知れた絵画コレクターだった人物。部屋の壁には収集した作品がびっちり飾られている。これらの作品はほとんどがウィーン美術史美にあり美術ファンの目を楽しませている。

ローマの景観を描いたものが沢山壁に掛けられているパンニーニの絵は当時の絵画に対する需要が古代ローマ建築を賞賛する時代の空気を反映していることを示している。

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2012.11.15

音楽が誘う絵画の世界! ドヴォルザーク‘新世界’

4457_2     イングリッシュホルン            ドヴォルザーク

4456_2     ミレーの‘晩鐘’(1857~59年 オルセー美)

4454_2     ブリューゲルの‘干草の収穫’(1565年 プラハ国立美)

4455_2     ルーベンスの‘虹のある風景’(1636年 ロンドン ウォレス・コレクション)

わが家では今クラシック音楽やオペラを聴く時間はとても少ないのだが、昨年TVを地デジ対応に切り替えてからはゆっくりだがクラシックが復活しつつある。

これには理由がある。古いTVのときはN響アワーやBSのオペラ番組はビデオデッキで録画し再生していたが、新しく購入したTVでは内蔵されているハードディスクに録画されるので再生が大変簡単。リモコンのボタンをポンポンと押せばお気に入りの名曲がすぐ流れてくる。

このいう便利な状況が生まれたので昨年熱心に聴いたBSプレミアムの‘名曲探偵 アマデウス’をちょっとした軽作業、例えば、古い図録をばらばらにして画集に載っている絵とダブらないものを整理しているときなどに再生して楽しんでいる。

そして、おもしろいことを感じるようになった。それはお馴染みの名曲を聴いていると以前はそんなことはなかったのだが、その曲想と響きあう絵のことを思い浮かべるようになったこと。

心のなかでおこる音楽と絵画のコラボがどう展開していくのか、で、新シリーズ‘音楽が誘う絵画の世界!’を立ち上げることにした。一回目はドヴォルザーク(1841~1904)の‘交響曲第9番・新世界’。

誰もが郷愁をそそられる第2楽章の第1主題。中学校では下校のときこのイングリッシュホルンが奏でる美しい旋律が流れていた。これを聴くたびに音楽に国境はないなと思う。今でもこの曲が流れているのだろうか?

この音楽との親和性をとても感じるのがミレー(1814~1875)の‘晩鐘’。ドヴォルザークの故郷チェコのボヘミア地方とフランスのバルビゾン。祈りを捧げる農夫と妻の姿をみていると自然に新世界の旋律が聴こえてくる。

ブリューゲル(1525~1569)の‘干草の収穫’とルーベンス(1577~1640)の‘虹のある風景’も下校の音楽と重なる作品。仕事を終えて帰る女たちの楽しげな様子がじつにストレートに伝わってくる。‘干草の収穫’は幸運なことに日本でみる機会があった。そして、‘虹のある風景’も2年前ウォレス・コレクションを訪問し長年の思いの丈を叶えることができた。この2点に出会ったのは生涯の喜び。

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