夢の‘日本美術里帰り展’! 喜多川歌麿
‘霞織娘雛形 夏衣装’(1795年ブリュッセル王立美術歴博)
‘吉原の花’(1793年 ハートフォード ワーズワース・アテネウム)
夢の‘日本美術里帰り展’!の最後は回顧展の開催を首を長くして待っている喜多川
歌麿(1753~1806)。
千葉市美が開館記念展として歌麿の回顧展をしたのは96年の1月、それから15年の月日が流れた。このときは広島にいたので残念ながらみれなかった。で、ずーっと歌麿の回顧展を待ち続けている。そろそろかなと思うのだがまだ情報がない。期待しているのは東博。大北斎展を05年にやり、そして今年がこれまた超一級の写楽展。次はやはり歌麿だろう。
これまでどの浮世絵師の回顧展を体験したか、レビューしてみると、
★鈴木春信:02年山口県立萩美・浦上記念館
★鳥居清長:07年千葉市美
★東洲斎写楽:95年東武美(今は無し) 11年東博
★葛飾北斎:93年東武美 05年東博 07年江戸東博 08年日本橋三越
10年太田記念美
★渓斎英泉:97年太田記念美
★歌川広重:97年太田記念美 06年千葉市美 07年神奈川県歴博
★歌川国芳:96年下関大丸 97年サントリー美 04年東京ステーションギャラリー
10年府中市美 11年太田記念美
東博の写楽展にびっくり仰天の歌麿の絵が里帰りした。ホノルル美蔵の‘ポペンを吹く娘’と‘難波屋おきた’、そしてギメ美からは‘高島おひさ’、‘物思恋’、‘深く忍恋’。期待する回顧展ではこういう浮世絵の本に載っている絵との対面を夢見ている。
‘当時三美人’はほかの美術館が所蔵するものをいくつかみているが、ボストンの極上の摺りのものをみないと済みにならない。女が透かし物を通してみえる‘夏衣装’に大変魅せられている。このシリーズは3点あるらしい。また、蚊帳のなかで母親が幼児に乳を飲ます場面を描いた‘幌蚊帳’(ニューヨーク市立図書館)にもいつか遭遇したい。
‘吉原の花’と‘月見の座敷図’は肉筆画で‘雪月花’の三幅対の二枚、もうひとつの‘深川の雪’も海外に流出した。08年フリーア美へ行ったとき、‘月見の座敷図’に会えるかと心がときめいたがやはりダメだった。そう上手くはいかない。‘吉原の花’は千葉市美の回顧展のとき展示されている。その華やかな花見の様子に心打たれるが、また里帰りしてくれるだろうか? ミューズにひたすらお願いするほかない。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
最近のコメント