2016.07.28

幻の国宝 可翁の‘寒山図’が目の前にあらわれた!

Img_0001   可翁の国宝‘寒山図’(南北朝時代 14世紀 サンリツ美)

Img_0003     周文の‘望海楼図’(重文 室町時代 15世紀)

Img     ‘玳皮盞天目’(重文 南宋時代 13世紀)

Img_0002     ‘唐物茄子茶入 銘 紹鷗’(重美 南宋時代 13世紀)

6月にみどりがめさんから教えてもらったサンリツ美の‘禅宗と茶の湯の美’展(7/10~9/4)をみるため長野県の諏訪湖までクルマを走らせた。東名の海老名JCTから圏央道に入り八王子JCTで中央道に合流、カーブの多い中央道を走るのは10年ぶりくらいなので慎重に運転した。

諏訪ICは甲府からすぐのイメージだったがこれは大きく狂った。諏訪湖は少し走ると名古屋と長野の分岐点というところだった。走っているうちにだんだん記憶がもどってきたが、家を出てから2時間半でサンリツ美に到着。この美術館のすぐ向こうがガレのコレクションで有名な北澤美、以前来たときのことがすっかり消えており、ずっと先だったような気がした。

サンリツ美は本阿弥光悦の国宝‘白楽茶碗 銘 不二山’をみるために一度訪問しているが、今回のお目当ては可翁の国宝‘寒山図’、この絵の存在はだいぶ前から知っているが、これが服部一郎が所蔵していたものとは知らなかった。服部家と記されていたがサンリツ美と結びつかなかった。だから、この絵がこれまで展覧会にでたという情報がなく個人が所蔵するものなので、残念だが一生縁がないだろうと思っていた。

ところが、みどりがめさんの情報ではじめて公開されることがわかった。国宝に指定されたのが昭和27年(1952)、それ以降一度も展示されたことがないのか不明だが、幻の国宝ということだからそうなのかもしれない。とにかくお目にかかれるチャンスが巡ってきた。すぐ諏訪湖行きを決めた。

可翁は14世紀の前半に活躍したといわれる日本の禅僧画家だが、詳しいことはわかっていない。図版では気づかないのが寒山の頭の髪と足にはいているぞうりの墨の色、すごく濃い。水墨画をたくさんみてきたが、こういう強い墨の色はなかなかみれない。そして、寒山の立ち姿がとてもいい、これまでみた寒山ではこれが一番ぐっとくる。一生の思い出になりそう。

ほかの出品作で足がとまったのが周文の山水画と茶碗の外側と内側にべっこうをイメージさせる黄斑が浮かぶ‘玳皮戔(たいひさん)天目’、そして唐物茄子茶入‘銘 紹鷗’。この美術館の所蔵品はよその美術館で行われる展覧会にほとんどでてこないのでコレクションの全貌がつかめないが、2回の経験からすると質の高い名品が揃っている。満ち足りた気分で館をあとにした。

なお‘寒山図’は前期(7/10~8/2)のみの展示で、‘白楽茶碗 銘 不二山’は後期(8/4~9/4)に登場する。

みどりがめさん、情報ありがとうございました。お陰様で‘寒山図’がみれましたので、国宝絵画の追っかけは終了となりました。

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2011.09.26

個人コレクション 夢の傑作選!(19)

3108_2     徽宗の‘桃鳩図’(国宝 北宋時代 1107年)

3107_4               可翁の‘寒山図’(国宝 14世紀)

3109_2                狩野正信の‘山水図’(15世紀後半)

3110_2      狩野山楽の‘山水図屏風’

国宝に指定されている絵画のうち個人が所蔵しているものは5点。3点みたが、あと2点はなかなか縁がない。ひとつは中国で描かれた徽宗の‘桃鳩図’、もう一点は南北朝時代に生きた可翁(かおう)の‘寒山図’。

長いこと国宝の絵を追っかけているが、幸運なことにリストに残っているのは5点だけになった。その中で見たい度の強いのが中国絵画2点、‘桃鳩図’と‘孔雀明王像’(北宋時代 11世紀)。‘孔雀明王像’は仁和寺にあるので、春秋に開催される特別展をじっと待っておればいつかはみれる可能性がある。

これに対し、個人が所蔵する‘桃鳩図’は80%くらいは夢の絵画。一度この絵にかすったことがある。それは7年前根津美で開かれた‘南宋絵画展’。たしか5日くらい展示されたが、残念ながら日程があわず(当時は広島にいた)対面が叶わなかった。

風流天子といわれた北宋最後の皇帝、徽宗(1082~1135)がこの絵を描いたのは
26歳のとき。桃の枝にとまる鳩の安定感がじつにいい。この傑作の前に立つことを念じ続けている。あと3年経つと前回登場してから10年、そろそろでてきてもいい頃だが。‘寒山図’の展覧会出品情報はまったくない。遠い存在のままで終わりそう。

狩野派の始祖正信(1434~1530)の絵はこれまで国宝の‘周茂叔愛蓮図’(九博)など2,3点くらいしかみたことがない。‘山水図’は画集によく載っている絵だが、個人蔵なので果たしてみる機会があるか。

狩野山楽(1559~1635)は息子の山雪とセットで大きな回顧展が開催されないかとひそかに期待している。妙心寺にある古代中国の人物を画題にした作品などはみているが、とても気になる六曲一双の‘山水図屏風’はまだ遭遇してない。図版だとコンディションはどうかなというき気もするが、一度お目にかかりたい。

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2011.09.25

個人コレクション 夢の傑作選!(18)

3106_2                 与謝蕪村の‘竹渓防隠図’(重文)

3105_2     長沢芦雪の‘白象唐子遊戯図屏風’(右隻 18世紀)

3104_2       長沢芦雪の‘童子・猫・雀図’(18世紀)

3103_2     久隅守景の‘鍋冠祭図押絵貼屏風’(17世紀後半)

信楽のMIHO MUSEUMはここ4年のうちに江戸絵画のビッグな回顧展を3回実施した。08年‘与謝蕪村’、09年‘若冲ワンダーランド’、そして今年は‘長沢芦雪’。

若冲と芦雪は複数回クルマを走らせ思いの丈を叶えられたが、与謝蕪村(1716~
1783)のときは1回のみ。だから、展示替えで見逃したのがいくつもでた。最大のお目当てだった‘夜色楼台図’(国宝)と‘鳶・鴉図’(重文 北村美)がみれたので満ち足りた気分だったのだが、対面できなかった重文クラスの絵にはやはり未練が残る。

そのなかの1点は出光美でまもなくリカバリーできる。それは‘大雅・蕪村・玉堂と仙厓’展(9/10~10/23)に展示されている‘山水図屏風’(重文)。出光には随分通っているのに、この絵とは相性が悪かったが漸く会えそう。これに続きたいのが個人コレクションの‘竹渓防隠図’と‘寒林孤亭図’。果たして遭遇できるだろうか?

今年の大きな収穫は長沢芦雪(1754~1799)。06年の‘応挙と芦雪’(奈良県美)も体験したから、芦雪は済みマークがつけられる。残った未見の作品でこれだけはお目にかかりたいと思っているのは5点くらい。その筆頭が唐子の赤の衣裳に惹きつけられる‘白象唐子遊戯図’。所蔵している鐵斎堂は?展覧会に貸し出したことがあるのだろうか。

真ん中に右手に鼠をのせた童子、左右に猫と雀を描いた絵も楽しい絵。もう一点長いこと待っているのが逸翁美にある‘降雪狗児図’。回顧展には2回とも出品されなかった。こういう絵は現地を訪ねるしかないのだろうか。

久隅守景(寛永~元禄頃)のユーモラスな‘鍋冠祭図’は15年くらい前、サントリー美であった展覧会に出たのだが、展示替えで会えなかった。それからもうだいぶ経っているのにまだ姿を現してくれない。画集に載っている個人蔵の名画は一度見逃すと鑑賞の機会が永遠に遠のくような気がする。

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2011.09.24

個人コレクション 夢の傑作選!(17)

3101_2     谷文晁の‘山水図屏風’(1812年)

3100_2            宋紫石の‘仙蓮図’(1751~64年)

3099_2               佐竹曙山の‘松の唐鳥図’(18世紀後半)

3102_2            田能村竹田の‘歳寒三友双鶴図’(重文 1831年)

日本絵画の追っかけは思い入れの強い絵をおおよそ目のなかに入れたので、今はリラックスモード。で、リストを定期的に眺めまだ残っているものとの遭遇を念じている。

仕事でも遊びでも目標を実現するという意識が薄れると、とたんに運が逃げていく。やはり‘求めよ、さらば与えられん’である。だから、見たい絵が美術館にあろうと個人の所蔵であろうと、いつか見るぞ!という気持ちを切らさないことにしている。

先般、板橋区美の展覧会で念願だった円山応挙の‘群獣図屏風’(三の丸尚蔵館)の象と対面したが、これで満ち足りた気分だったのに思いもよらぬオマケがついていた。それはずっと待っていた歌川広重の‘武相名所手鑑’(平木浮世絵財団)。三の丸尚蔵館蔵の絵で残るはあと2点。なかなか姿を現してくれない‘南蛮屏風’と海北友松の‘網干図屏風’。

画集をみていて個人コレクターの所蔵になっているのが多いのが江戸絵画。ここにあげた作品と運良く対面することができるだろうか?

谷文晁(1763~1840)の回顧展は板橋区美で4年前体験したが、数が少なかったので東博がどーんと開催してくれないかなと期待している。そうしたらこの‘山水図’に会えるかもしれない。

3点の掛け軸もいつかこの目でという思いが強い。宋紫石(1715~1786、本名は
橋本幸八郎)の花の絵で魅せられるのは精緻な描写と鮮やかな赤と白。この絵では胡粉の白が輝いているが、目の覚める鳥の赤と大きな松を大胆に配した構図が気を引く佐竹曙山(1748~85)の‘松の唐鳥図’もいつかみてみたい。

田能村竹田(1777~1835)の回顧展はまだ縁がない。期待しているのは重文の‘梅花書屋図’をはじめいい絵を沢山所蔵している出光美。一度はまとまった形で竹田をみたい。

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2011.09.11

個人コレクション 夢の傑作選!(16)

3066_2             ミロの‘避難ばしご’(1939年)

3065_2     オキーフの‘ふたつのチョウセンアサガオ’(1938年)

3064_2     ポロックの‘ナンバーⅠ、1952’(1952年)

3063_2     ロスコの‘サフラン色’(1957年)

お気に入りの画家は美術館で開かれる展覧会へいそいそと足を運ぶし、画集や図録を何度も何度もみて感動の再生産をする。バルセロナ生まれのミロ(1893~1983)もそんな画家のひとり。

ミロの当面のターゲットはNYのMoMAにある作品。前回ここを訪れたのは1993年だから、ずいぶんご無沙汰している。画集にある絵の一部はみたかどうか怪しいところがあり、そうした絵をあらためてみようという作戦。そのあとは個人コレクション。

でも、これは夢の世界。粗いジュートの布に描かれた‘避難ばしご’はいつかこの目でという気にさせる絵だが、縁があるだろうか。画集で判然としないのが○○ギャラリーというやつ。例えば、NYにあるピエール・マティス・ギャラリーはミロの絵を所蔵している。ギャラリーの一角にこの絵を展示しているのだろうか。一度NYでギャラリーめぐりをしてみたい。

ニューメキシコ州のサンタフェにはオキーフ(1887~1986)の絵が沢山みれる美術館(1997年開館)がある。行ってみたい気持ちは20%、 サンタフェはやはり遠い。ここも夢の美術館。画面いっぱいに巨大なチョウセンアサガオが描かれた絵はサンタフェ在住のコレクターが所蔵している。

抽象表現主義のポロックとロスコはアメリカの画家では特別な存在だから、その作品はできるだけ多くみたい。ロスコの作品が画集に載っているものの半分くらいが個人蔵なのに対して、ポロックは意外にも美術館におさまっているものが多い。

ポロック(1912~1956)が表出する感情のうごめきは地底でぐらぐら揺らめくマグマをイメージさせる。黄土色の地の画面に端から端まで太く力強い線がうねる‘ナンバーⅠ、1952’は大爆発の前の予兆の段階。いずれ暴れまくるのだろう。

ロスコ(1903~1970)の個人コレクションにはみたいのがいくつもある。ポロックが地底なら、ロスコは宇宙のイメージ。サフラン色の大きな面は境界がぼやけており、音の無い大宇宙をオーロラにように揺れ動いている感じ。その神秘的な雰囲気にとても魅せられる。

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2011.09.10

個人コレクション 夢の傑作選!(15)

3059_2     ‘座っているズワーヴ兵’(1888年)

3060_2     ‘パシアンス・エスカリエの肖像’(1888年)

3061_2       ‘パイプをくわえる包帯の自画像’(1889年)

3062_2     ‘医師ガシェの肖像’(1890年)

本日の個人コレクションはオールゴッホ(1853~1890)。手元にある印象派の画集や図録で最も多いのがゴッホとモネ。そのゴッホ本の中から魅了され続けているものを選んだ。

美術館にあるものでも個人がもっているものでも、とにかくゴッホの絵は一点でも多くみたい。美術館で狙いを定めているのはオッテルローのクレラー=ミュラー、アムステルダム市立美、そしてモスクワのプーシキン。

今年は横浜美にプーシキンの5,6点あるコレクションから‘医師フェリックス・レーの肖像’がやってくることになっていたが、残念なことに東日本大震災の影響で展覧会自体が消えてしまった。こうなったら、もう現地に乗り込むほかない。

さて、個人コレクションのゴッホの絵。ゴッホは身近にいた人の肖像を沢山描いているが、ぐっと惹きこまれる傑作のうちかなりの数がコレクターの手のなかにある。ここにとりあげたのはみたくてしょうがない絵ばかり。

赤の衣裳が目にとびこんでくる‘座っているズワーブ兵’ははじめてみたとき、まだこんなすばらしい絵があったのかと興奮した。これはアルゼンチンにある。そして、写楽の大首役者絵のような‘パシアンス・エスカリエの肖像’にもKOされた。これはアテネのニアルコス・コレクションの一枚。ほかにも画集によく載っている‘タンギー爺さん’をもっている。

このニアルコス・コレクションはアテネの街中にギャラリーのようなものがあり、作品を展示しているのだろうか。アテネは再訪する予定があるので、一般公開されているのなら是非寄ってみたい。関連する情報をいろいろ当たってみようと思う。

‘パイプをくわえる包帯の自画像’は長いこと図版でおつきあいしているが、本物はシカゴにある。ロンドンのコートールド蔵の‘耳を切った自画像’(拙ブログ10/12/20)と比べると、こちらのほうが元気そう。いつかみてみたい。

オルセーにあるポール・ガシェ医師の肖像画(08/2/19)はお気に入りの絵。ゴッホはほぼ同じポーズでもう一枚描いている。こちらは現在個人の所蔵。1990年、日本人コレクターが125億円で落札し話題になった絵だが、今は誰の手に?みる機会があるだろうか。

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2011.09.09

個人コレクション 夢の傑作選!(14)

3057_2     セザンヌの‘収穫’(1876~77年)

3055_2     スーラの‘グランキャンの舟’(1885年)

3058_2     モリゾの‘かくれんぼ’(1873年)

3056_2     ロートレックの‘娼家の女’(1894年)

セザンヌ(1839~1906)の作品を好きな順番からならべると、まず静物画、次がカード遊びをする男たち、そのあとにサント=ヴィクトワール山、人物画、風景画、水浴画が続く。追っかけ画に対するのめり込み度もこの順番で濃淡がついている。

個人蔵の‘収穫’は人物が登場する珍しい風景画。もとはゴーギャンがもっていた。両サイドの垂直の木々と収穫物を手前から奥にむかって平行線を引くように置いていく構成が画面に安定感を与えている。目の前に広々とした空間があり、視線は眠っている農夫から鎌をいれる男、そして遠方の丘の上の建物に移っていく。

点描画家、スーラ(1859~1891)の全点制覇を夢見ている。最も有名な絵はもちろんシカゴ美にある‘グランド・ジャット島の日曜日の午後’。これを3年前みたので、なんだか大仕事をしたような気分。思い入れの深い絵との対面を果たすと誰しもこんな気持ちになるかもしれない

でも、未見の作品がまだ残っているからここで気を抜くわけにはいかない。美しい点描画のヴァリエーションが1点でもふえることをミューズに祈るばかり。ヨットが何隻も浮かぶ静かな海の風景を描いた‘グランキャンの舟’はNYのコレクターの所蔵。

モリゾ(1841~95)の絵もロートレック(1864~1901)の絵もNYの個人がもっている。4,5年前損保ジャパンで美貌の女流画家モリゾの回顧展があったが、この浮世絵の構図を思い起こさせる‘かくれんぼ’は展示されなかった。モリゾの画集をもってなく、その作品情報は回顧展の図録だけだが、この絵は完成度からすると上位に位置づけられる名画ではなかろうか。

ロートレックの画面の大部分を使って描かれたこの横向きの娼婦にとても惹かれている。ロートレックの追っかけ画はこの絵を含めてあと5点くらい。これからは1点々に長い時間を要しついには見れずじまいになるかもしれないが、希望の火だけは絶やさないようにしたい。

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2011.09.08

個人コレクション 夢の傑作選!(13)

3054_2     モネの‘ベレー帽をかぶった自画像’(1886年)

3050_2           ルノワールの‘パラソルをもった少女’(1883年)

3052_2     ホッパーの‘チェア・カー’(1965年)

3053_2     ワイエスの‘オルソン嬢’(1952年)

印象派・ポスト印象派とは一生つきあうことにしているから、モネにしてもルノワールにしても画集に載っている名画は体のなかに沁み込んでおり、次のターゲットとそれを鑑賞する段取りはおおよそのイメージができている。

モネ(1840~1926)は昨年パリで大回顧展を体験したお陰で心からみたいものは片手くらいになった。モスクワのプーシキンの2点、シカゴ美の前回みれなかった積み藁
1点、そしてマルモッタンの2点。ほかにもあることはあるが、所蔵する美術館を実際に訪問する可能性を考えるとこんなところに落ち着く。

モネが若い頃に描いた自画像はなかなかいいので見たい度は強いが、これは個人のコレクションだからこの先も縁がなさそう。一体どこの誰がもっているの? 過去展覧会に出品されたかどうかについてはまったく知らない。

ルノワール(1841~1919)が描く女性像との遭遇はここ数年いいことが続いている。今年は年初マドリードでクラーク美蔵の2点が突然目の前に現れてくれた。年内にお目当ての絵ともう1点会うことになっている。数冊の画集に載っている女性画のなかで、なんとしてもこの目でと思っているのはあと3点くらい。そのひとつが‘パラソルをもった少女’。ミューズが微笑んでくれるか?

ホッパー(1882~1967)の絵をみる機会がもうすぐやってくる。それは国立新美で
9/28から開催される‘モダン・アート、アメリカ’展、日本で初公開されるワシントンのフィリップスコレクションのなかにホッパーが2点入っている。これをみたあとはNYのホイットニー美。数年のうちに再訪問して沢山あるホッパーの絵との対面という流れだが、予定通りにいくか。

また、日本の美術館に対しても少しだけ期待している。こういうときすぐ頭に浮かぶのはBunkamura。この画家の回顧展を企画してくれそのなかに個人蔵の‘チェア・カー’が入っていたりして、過大な妄想をしてもいけないが帆だけは高くかかげておきたい。

2年前に亡くなったワイエス(1917~2009)の‘オルソン嬢’を所蔵しているのはロックフェラー家。ワイエスはクリスチーナの姿をいろいろ描いているが、猫を抱くこの絵にはとても魅了される。

クリスチーナは親しかったワイエスの妻に宛てた手紙にこんなことを書いている。‘私と私の猫の絵が大富豪の邸宅に掛けられているなんて、とても想像できません。アンディー(ワイエスの愛称)は絵を売るとき、なんて無頓着なのでしょう’

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2011.09.07

個人コレクション 夢の傑作選!(12)

3047_2            ピカソの‘夢’(1932年)

3048_2     ブラックの‘イーゼルの前の女’(1936年)

3049_3        シャガールの‘青色の恋人たち’(1914年)

3046_2     バルテュスの‘コメルス・サンタンドレ小路’(1952~54年)

ピカソ(1881~1973)は超ビッグな画家だから、日本でもしばしば展覧会が開かれる。国立新美とサントリー美の共同企画による回顧展があったのは3年前。アバウト
3,4年に1度くらいのペースでピカソ展が行われている感じ。だから、来年あたりまたどこかの美術館が準備しているかもしれない。

ピカソの追っかけ画は2点、どちらも個人が所有する‘夢’と‘アルジェの女たち(ドラクロアによる)’。これをみたらピカソは済みマークがつけられるのだが、個人コレクションとあってはいかんともしがたく、鑑賞の可能性はかぎりなく小さい。

以前にもとりあげた‘夢’(拙ブログ09/2/28)にぞっこん惚れているが文字通り夢の絵。これはNYのガンツ夫妻の所蔵、過去NYやパリで回顧展があったときにはこれほどの絵だから出品されたと思うが、実際はどうなのだろう。本当にこの絵はみたい。

ピカソの回顧展は何度も体験しているのに、キュビスムの盟友ブラック(1882~
1963)の回顧展にはまったく縁がない。一度くらいは開かれているだろうが、ここ十年のスパンではお目にかかってない。‘イーゼルの前に立つ女’はMoMAで見逃した‘マンドリンを持つ女’同様とても魅せられる絵。国内でも海外でも一回はブラック展を体験したい。

シャガール(1887~1985)はポンピドーにある作品はかなりみたから、今は一息いれてるところ。あとはプラスαをどのくらい積み上げられるか。鮮やかな青が目に沁みる‘青色の恋人たち’はとても気になる絵なので、ミューズにお願いしている。姿を現わしてくれるか?

今から10年前92歳で亡くなったバルテュス(1908~2001)の絵をまとまった形でみる機会に恵まれないかと願っているが、まだ実現してない。この画家の回顧展は過去に日本で開かれた?これまでみた絵はメトロポリタン、MoMA、そしてポンピドーで片手くらい。

代表作の‘コメルス・サンタンドレ小路’は長いこと画集でみている。もう24年のつきあい。この大作は01年ヴェネツィアで開かれた大規模な回顧展に出品されている。所蔵しているのはリヒテンシュタインのコレクター。

バルテュスが生涯に描いた350点の多くは個人が秘蔵している。この展覧会にはバルテュスが生前直接申し入れたこともあり、230点が出品されたという。‘コメルス・サンタドレ小路’はこの先当分でてこないだろう。夢でみるしかない。

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2011.09.06

個人コレクション 夢の傑作選!(11)

3042_2        マティスの‘帽子の女’(1905年)

3044_2           クリムトの‘アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱ’(1912年)

3045_2     シーレの‘ヌードの少女’(1917年)

3043_2     ボッチョーニの‘現代のアイドル’(1911年)

マティス(1869~1954)が35歳の頃描いた‘帽子の女’は画集でもう何年もお付き合いしているから、目に焼きついている。コペンハーゲン国立美にある‘緑の筋のある女:マティス夫人の肖像’同様死ぬまでには一度みてみたいのだが、果たして縁があるだろうか。

固有の肌色はどこへやらといった感じの‘帽子の女’はサンフランシスコ在住の個人の所蔵。サンフランシスコ美でみれるという情報もあるので、この街を旅行する機会があれば対面できるかもしれない。じつはアメリカの西海岸はまだ行ったことがない。隣の方の話だとLAはビッグシティでサンフランシスコはシーフードが美味しいらしい。アメリカでこの2都市をはずすわけにはいかないから、なんとかしたい。

クリムト(1862~1918)の‘アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱ’は6年前まではウィーンのヴェルベデーレ宮殿にあったが、現在は個人が所有している。同じくウィーンにあった‘肖像Ⅰ’(拙ブログ09/6/28)はNYのノイエ・ギャラリーにおさまった。このギャラリーはメトロポリタン美のすぐ近くにあり、この絵はみれるらしい。

肖像Ⅰは運良く03年ベルヴェデーレで遭遇したが、Ⅱのほうは縁がなかった。所蔵先が逆、つまりⅡがノイエにあれば鑑賞の機会もあったのだが、Ⅱとの距離はこの先も縮まりそうもない。今はBunkamuraあたりがこの絵をクリムト展に展示してくれることをかすかに夢見ている。

不健康で毒を含んだ人物画を描く画家というイメージが出来上がっているシーレ
(1890~1918)はいい作品を個人コレクターがかなりもっている。内面がよくでている‘ヌードの少女’はその鋭い眼差しに圧倒される。

シーレの描く女性よりさらに強いインパクトをもっているのがボッチョーニ(1882~
1916)の‘現代のアイドル’。未来派の絵は画面に光があふれスピード感を感じるのが特徴。この絵をはじめてみたとき、大きなイベント会場でミュージカル‘キャッツ’が近未来的な演出で上演されているのかと思った。

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