2015.01.02

美術に魅せられて! ‘BBC地球伝説’の楽しみ

Img       ‘ファイアンス製のカバ像’(エジプト考古学博)

Img_0001     ‘魚形ガラス容器’(大英博)

Img_0002     ‘ラモーゼの墓の壁画’(エジプト ルクソール)

内外のTV局では美術や歴史を題材にした番組が数多く制作されている。そのため、わが家ではこれらの番組をみることが展覧会鑑賞同様大きな楽しみになっている。

番組表を入念にチェックしている番組はいろいろあるが、BS朝日で放送される‘BBC地球伝説’もそのひとつ。2年くらい前までは平日夜の7時から流れていたが、今は火曜の7~9時の2時間枠で一つのシリーズを連続で放送している。

昨年は11月に放送された‘古代エジプトの至宝’(2014年制作)が大変おもしろかった。番組の案内役は30代くらいの若い美術評論家、アラステア・スーク氏、2012年につくられた‘古代ローマの至宝’にも登場し、これが第2弾。

日本では古代エジプトの話となれば必ずでてくるのが吉村作治さん、この学者にエジプトのことはいっぱい教えてもらった。何度も古代エジプトをとりあげているのがTBSの‘ふしぎ発見’、だから、この番組が耳学問の情報源。

こうした日本で制作されるエジプトものは良くできているが、BBCの‘古代エジプトの至宝’で感心するのは日本の番組ではとりあげないものがいろいろでてくること。こういうエジプト物語があったのか!流石BBC目のつけどころが違うという感じ。

興味深くみたのはファイアンス製のウシャブティやガラスの魚の形をした容器を再現してみせるところ。これによってどんな材料が使われ、どうやってつくられるのかがよくわかるので古代エジプトの美術品がとても身近に感じられるようになる。

また、ルクソールにある墓の壁に刻まれた人物のレリーフにも目を奪われた。こんなすばらしい壁画の話は日本の番組ではお目にかかったことがない。

こういうシリーズは3弾まである。次が‘イスラム美術’とか‘ルネサンス’だったら嬉しいのだが。

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2014.12.15

今年手に入れたご機嫌な図録!

Img_0001      ‘ヴァロットン’ 6/14~9/23 三菱一号館美

Img

Img_0003     ‘日本国宝展’ 10/15~12/7 東博

Img_0002     ‘ボストン美浮世絵名品展 北斎’ 9/13~11/9 上野の森美

先週の10日にホイッスラー展など4か所を回ったが、今年の展覧会鑑賞はこれをもって終了、感想も書き上げたので今日からは今年一年の振り返りに入りたい。

例年だとすぐ‘お気に入り展覧会ベスト10’の検討をはじめその選択に悩まされるのだが、今年は新たな趣向として展覧会をみたあとミュージアムショップで手に入れた図録でとくに魅了されたものを3点選んでみた。

1年間にでかけた展覧会は全部で52回。ここ数年は月に一回のペースで出動し、4~5つの美術館をはしごする。だから、このくらいの数になる。図録は以前のように毎回購入しておらず、今年は30冊ほど。そのなかから選んだ‘お気に入り図録ベスト3’は次の通り(順位はつけない)。

★‘ヴァロットン’ (三菱一号館美)
★‘日本国宝展’ (東博)
★‘ボストン美浮世絵名品展 北斎’ (上野の森美)

本というものがとにかく好きで、いい本がそばにあると満ち足りた気分になる。だから、秀逸な図録が用意されていると展覧会の印象がより深くなると同時に美術館に対する好感度は一段と高まる。この3点はご機嫌な図録。

‘ヴァロットン’で感心するのは論考にでてくる作品の図版のすべてに色がついていること、たいていは白黒だからこういう図録にでくわすと心が浮き浮きしてくる。すばらしい!そして章のはじめの絵柄のデザインセンスがとてもいい。

ここにあげたのは3章 抑圧と嘘、この図録はパリ、アムステルダムで開かれたのと同じ絵柄を使い日本語に翻訳したもの、話題を呼んだ展覧会にふさわしい図録に仕上がっている。

‘日本国宝展’をみられてこの図録を購入された方が多分同じ思いをされているのではなかろうか、手にとったときの皮のような触感がなんともいい。この素材の選択は大ヒット!弁当箱のなかの料理も箱も豪華といった感じ。

ボストン美の浮世絵名品展の図録は過去2回ともgood jobだったから、今回の‘北斎’も楽しみにしていた。これで浮世絵の立派な図録が3冊揃った。

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2014.12.07

美術に魅せられて!優秀な学芸員の仕事

Img     竹久夢二の‘黒船屋’(1919年 竹久夢二伊香保記念館)

Img_0002     ドンゲンの‘猫を抱く女’(1908年 ミルウォーキー美)

Img_0001             山村耕花の美人画

Img_0003    ヴァロットンの絵が載っている夢二のスクラップブック

今日の日曜美術館に登場したのは竹久夢二、TV番組ガイドでこの情報を知ったとき今なぜ夢二?という感じをもったのが正直なところ、横浜高島屋で開催された夢二展が巡回しているとはいえこれをとリあげるのはタイミングがちょっとずれている。

みてみると夢二の画業を真正面からとらえている、しかもその内容がとても新鮮。夢二ファンとしては一生忘れない美術番組になりそう。感謝のメールを送りたい気持ちにさせるのは番組を通して解説していた金沢21世紀美のキュレーター、高橋律子さん。

サプライズの話がでてきたのは竹久夢二(1884~1934)の代表作の‘黒船屋’、夢二がこの絵をオランダ人画家ドンゲン(1877~1968)の描いた‘猫を抱く女’を参考にしているということは夢二好きにとってはたぶん定説、ところが夢二はドンゲンだけに影響を受けていたわけではなかった!

それはなかなかいい美人画を描く日本の画家、山村耕花(1885~1942)の作品、ここからもしっかり構図のアイデアをいただいていた。この図版を高橋さんは夢二が使っていたスケッチブックのなかに見つけたという。いい仕事をされますね。拍手!

これまで夢二の展覧会を見逃さずにでかけ図録を沢山ため込んできたが、このスクラップブックのことは情報がなかった。夢二は歌麿などの浮世絵へ関心を寄せていただけでなく西洋画の吸収にもとても貪欲でスクラップブックにはゴッホ、ムンク、マティス、そして驚いたことに三菱一号館美であったヴァロットンの‘怠惰’まで切り貼りしていた。‘怠惰’には猫が描かれているので気になったのかもしれない。

常々、美術の研究には女性のほうがむいているのではないかと思っている。海外の美術館では女性の館長はとても多いし、日本の美術館で仕事をしている女性学芸員も最近はTVの美術番組によく登場し、鋭い分析を披露してくれる。今回の番組がそうであり、菱田春草展を担当した東近美の鶴見香織さんの話もとてもよかった。

日本美術の世界にはTV慣れし受け狙いのコメントに終始しfactsを示さないつまらない男性美術評論家が多いが、TV局もこうした人物にはもう出演を依頼しないで地道に研究し成果をだしている優秀な女性の学芸員たちにしゃべってもらうほうがいい。そうすれば番組の質はぐんとあがる。その動きが加速することを強く望みたい。

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2013.10.25

美術に魅せられて!  国宝絵画鑑賞の思い出

Img       国宝‘彦根屏風’(右隻 17世紀前半 彦根城博)

Img_0001_2     ‘彦根屏風’(左隻)

Img_0002_2     国宝 俵屋宗達の‘風神雷神図屏風’(17世紀 京都・建仁寺)

美術品をみることが野球と同様人生における大きな楽しみになってから、国宝の鑑賞にはこだわってきた。せっかく美術とかかわりをもったのだから、最高の作品を数多くみたい。そんな思いが絵画、彫刻、工芸の国宝との出会いに駆りたてる。

もう何年も前から追っかけ国宝リストをつくっており、思いの丈が叶ったものはそのつどニヤニヤしながら済みマークをつけている。今年の収穫は4~6月に東博で開催された‘国宝 大神社展’、蒔絵の手箱や神像など文字通り国宝のお宝がどどっと目の前に現れたから、展示室に入ってから退出するまで終始興奮状態だった。

国宝の美術品はクラシック音楽みたいなもの。モーツァルトやベートーベンの曲を何回聴いても飽きることなく聴くたびに感動するように、日本画や仏像の国宝をみると美の輝きに心が強く揺さぶられる。2日前、来年行われる展覧会で思いもよらなかった国宝が展示されることがわかった。

それは来年正月早々に開幕する‘大浮世絵展’(1/2~3/2 江戸東博)に出品される‘彦根屏風’。遊里の日常のひとこまを描いたこの風俗画は一度みたことがある。が、なぜかいつだったか思い出せない。これは浮世絵の展覧会にでてきても不思議ではないのだが、思い描いていた作品にはまったく入ってなかったからすごいプレゼントをもらったような気分。期待の展覧会の楽しみがひとつ増えた。

俵屋宗達の‘風神雷神図’はやはり特別な絵。宗達にぞっこん参っているので、このちょっとユーモラスな風神雷神とは定期的に会いたくなる。嬉しいことにその願いが来年3月叶う、京都へ出向かず東京で、見逃せないその特別展は‘栄西と建仁寺’(3/25~5/18 東博)。

‘建仁寺展’は京博で何年前かにあった。だから、展示品は同じようなものがでてくるのかなと想像しているが、‘風神雷神図’はクラシック。何度でも公開されるのは望むところ。とても楽しみにしている。

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2013.10.04

美術に魅せられて! 来年大きな期待を寄せている展覧会

Img_0003      台北の故宮博物院

Img_0001     葛飾北斎の‘恋夢艋(ゆめのうきはし)’(1809年)

Img_0004     鈴木長吉の‘鋳銅置物’(1900年頃 ハリリコレクション)

TVの美術番組をみているとアーティストが生み出した名品の数々に遭遇するだけでなく、新しくできた美術館や改築が終了した美術館のこととか開催されている展覧会、またこれから行なわれる展覧会などいろいろな情報に接することできる。

来年開催される展覧会については今のところ4月くらいまでしかわからない。そのなかには楽しみにしているもの、例えば‘ウォーホル展’(2/1~5/6 森美)や‘バルテュス展’(4/19~6/22 東京都美)があるので感動袋の準備に怠りない。

情報が早く欲しいのはそのあとに予定されているもの。大きな期待を寄せている展覧会が3つあるのだが、時期および美術館については正確なことはわからない。

★‘台北故宮博物院展’  時期:夏 美術館:東博
★‘大春画展’        時期:? 美術館:?
★‘ハリリコレクション展’  時期:? 美術館:?

‘故宮博物院展’は昨年3月に新聞報道されているものだから開催は間違いないのだが、予定通り7月か8月に開幕するのだろうか?なにしろ中国美術の殿堂からの出品だから、期待は否が応でも高まる。やきもの、水墨画、工芸品、どんな宝物がでてくるだろうか、ものすごく楽しみ。

‘大春画展’は2月の番組で知ったもの。大英博物館で昨日10/3から3ヶ月開催されたあと日本に巡回することになっているらしい。大英博で春画の展覧会をやるとは、じぇじぇじぇ!日本ではどこの美術館で開催されるのか?

‘ハリリコレクション展’は来年あるかどうかはじつは?昨年12月に放送されたBSプレミアムに登場したハリリ氏(イギリス在住イラン人)は‘いつか日本で鈴木長吉や柴田是真などのコレクションを公開したい’と語っていたので、今関係者が開催の実現にむけて動いているのだと思う。

ハリリ氏が蒐集した日本の明治工芸品は1000点以上、コレクションの目玉となるものが2011年11月の‘BSプレミアム 極上美の饗宴’で紹介されが、その質の高さに驚愕した。もしそれらが里帰りしたら大きな話題になるにちがいない。来年、それとも2年後?

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2013.09.23

美術に魅せられて! 高額絵画ベスト3

Img_0005_2     セザンヌの‘カード遊びをする人たち’(1892~96年)

Img_0002_2     ピカソの‘夢’(1932年 NY ガンツコレクション)

Img              ポロックの‘No.5 1948’(LA ジェフェンコレクション)

世界的に有名な画家が描いた絵画の値段は一体どのくらいなのか?美術ファンなら誰しも気になるところ。コレクターは絵画マーケットの常連だから、どの絵に高値がつくということは知っており相場の動きにも敏感。でも、普通のアート愛好家にはこの金額情報は縁がうすく、時々メデイアで報じられたオークションでの高額落札を耳にするくらい。

先週の金曜、偶然みたTV番組に‘高額絵画ベスト3’というのがでてきた。だが、この番組はいつもみている美術番組ではなく日テレの‘ネプ&イモトの世界番付’。こういうバラエティ番組で知りたかった絵画のお値段がわかるのだから、情報のチャンネルは広くしておくことに限る。そのびっくり仰天の金額とは!

1位 セザンヌの‘カード遊びをする人たち’   246億円
2位 ピカソの‘夢’                  153億円
3位 ポロックの‘No.5 1948’          138億円

2010年ロンドンのコートールド美を訪問したとき‘セザンヌ カード遊びをする人たち’展に遭遇した。展覧会の図録には展示されてない作品も載っており、これによって画像の絵の存在を知った。これはセザンヌ(1839~1906)が5点描いた‘カード遊びをする人たち’のなかの1枚で、個人が所蔵している。

番組によるとこの絵があるのは中東、確かカタール?よく覚えてない。アラブの富豪コレクターがなんと245億円で手に入れていた!

ピカソ(1881~1973)の‘夢’はお気に入りの絵。この金額に即納得。NYでこの絵と対面するのが一生の夢だが、ガンツコレクションが公開されることがあるのかまだ確認していない。何年か先に計画しているNYのギャラリーめぐりのときまでには情報を入手するつもり。

ポロック(1912~1956)もオークションで高値がつくアーティスト、まだ縁がない‘No.5 1948’は138億円でLAのアメリカ人コレクターが購入している。

ベスト3は皆個人の所有だから、縁遠い絵であることはわかっている。が、ひょっとしてお目にかかれるかもしれないという気持ちをなくしたら、その瞬間に絵は闇のなかに消えていく。だから、追っかけマインドだけは切らさないようにしている。

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2013.09.20

美術に魅せられて! サージェント展、ホイッスラー展をみたい

Img_0001     サージェントの‘エドワード・ポイトの娘たち’(1882年 ボストン美)

Img_0008  サージェントの‘カーネーション、ユリ、ユリ、バラ’(1885年 テートブリテン)

Img_0009     ホイッスラーの‘白衣の少女’(1864年 テートブリテン)

Img_0010     ホイッスラーの‘画家の母’(1883年 オルセー美)

美術館が催す展覧会には一人の作家の作品を沢山並べる回顧展やテーマ型の作品展示、そして海外の美術館が所蔵する名品を集めたものといろいろなタイプがある。このなかで楽しみの大半は回顧展で占められている。だから、この画家の代表作やあの陶芸家の名品はそろそろみれるだろうとか勝手に妄想を膨らませている。

西洋絵画の画家の回顧展については、意外な画家をとりあげることがすこしでてきた。意外というのは日本で開催されることはこれまでなかったとか過去に行われてから随分な時が経つという意味で。例えば、10/8からはブリジストン美で‘カイユボット展’がはじまるし、来年春には‘バルテュス展’(東京都美)がある。この二人は開催してくれればありがたいがその可能性となると?というものだった。

こういう回顧展が実現するとじゃあー、こんな画家もとりあげてくれない!となる。その筆頭がサージェント(1851~1925)とホイッスラー(1834~1903)。ともにアメリカ生まれの二人の作品は1月NYやワシントンで美術館めぐりをしたとき結構な数出会ったので、今はもっと近づきしたいと思うようになった。

サージェントの回顧展がある場合、目玉にしてほしい作品というとやはりボストン美蔵の‘エドワード・ダーリー・ボイトの娘たち’。でも、これは夢みたいな話。なにしろこの絵は美術館にとってはお宝扱いの作品で図録の表紙を飾っているほど。ボストン美展は日本でこれまで何回か体験したが、この絵はいつもダメ。貸し出さないという内規があるのかもしれない。

テートブリテンにある花々と少女を描いた絵もとても気に入っている。15年前東京都美であった展覧会にも出品されたが、みるたびにのめりこんでいく。これも目玉作品の候補。そして、METの‘マダムX’も魅力満点の絵なので出品されたらどっと人が集まりそう。東京都美、国立新美、Bunkamura、三菱一号館美のどこかでサージェントに光をあてて欲しい!

熱い思いはホイッスラー(1834~1903)も同じ。いい人物画が沢山あるし、浮世絵の影響を受けた霞のかかった風景画にも心が揺すぶられる。過去みた作品の数は日本でも公開された‘画家の母’をはじめすこしずつ増えているが、まだまだ少ない。テートブリテンが所蔵する‘白のシンフォニーNo.2:白衣の少女’はまだお目にかかてない。‘No.1’のほうはワシントンナショナルギャラリーで運よく遭遇したので、こちらも是非みてみたい。

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2013.09.16

美術に魅せられて! コンスタブル展は実現するだろうか?

Img_0002_2       ‘干草車’(1821年 ロンドンナショナルギャラリー)

Img_0001_2    ‘水門を通るボート’(1826年 ロンドン ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ)

Img_2       ‘跳ねる馬’(1825年 ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ)

先週の‘美の巨人たち ターナー’をみていたら、‘イギリスでみることのできる最も偉大な絵画’なるアンケート調査(2005年 BBCラジオ 回答者12万人))が番組の冒頭にでてきた。

この美術番組は人気があるからご存知の方も多いと思うが、みてない人のために
ベスト10を再掲してみたい。
1 ターナー   ‘戦艦テメレール’(1839年)
2 コンスタブル ‘干草車’(1821年)
3 マネ      ‘フォリー=ベルジェールのバー’(1882年)
4 ファン・エイク ‘アルノルフィーニ夫妻の肖像’(1434年)
5 ホックニー   ‘クラーク夫妻とパーシー’(1970~71年)
6 ゴッホ     ‘ひまわり’(1888年)
7 レイバートン ‘スケートに興じるウォーカー師’(1795年)
8 ブラウン   ‘イギリスの見納め’(1852~55年)
9 デラ・フランチェスカ ‘キリストの洗礼’(1450年頃)
10 ホガース   ‘放蕩息子の一代記’(1733年)

番組のスタッフは10/8から東京都美ではじまる‘ターナー展’を意識して今日の一枚に‘戦艦テメレール’を選んだのだろうが、この順位は意外だった。ターナーの絵だったら、同じくナショナルギャラリーが所蔵する‘雨、蒸気、速度 グレートウエスタン鉄道’(1844年以前)が一番好まれていると思っていた。

1位と2位がイギリス人画家というのがイギリスらしい。それだけターナーとコンスタブルがイギリス国民に愛されているということだろう。おもしろいのがラファエロ前派、ブラウンがベスト10に入っているのに、ミレイの‘オフィーリア’もロセッティの‘プロセルピナ’もでてこない。

ターナー(1775~1851)の回顧展がもうすぐ開幕するのでワクワクしている。1998年‘テートギャラリー展’が東京都美で開かれたときターナーの作品は‘ノラム城、日の出’など4点、今回は油彩が30点以上やって来るからテンションが相当上がりそう。

展覧会がまだはじまっていないのに次の画家の回顧展にも気が回る。期待したいのはなんといってもコンスタブル(1776~1837)、この画家に開眼したのは森美の開館記念展に出品された‘水門を通るボート’。その後ナショナルギャラリーやテートブリテン、そしてV&Aで作品に遭遇し目がだいぶ慣れてきたが、まだまだ見足りない。また、不運だったのが3年前‘跳ねる馬’をみようと意気込んで出かけたロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ、ところがこの絵は常設展示されてなかった。

東京都美かBunkamuraでコンスタブル展を開催してくれると最高なのだが、さて実現するだろうか?

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2013.09.11

美術に魅せられて! 美術館で外国人を多くみるようになった?!

Img

先週出かけた‘竹内栖鳳展’(東近美)で強く印象づけられることがあった。日本人女性と外国人男性のカップルが横で作品をみており、女性が英語で男性に絵のことを説明している。それが別にうるさいわけでもないので、しばらくいくつかの作品をこの二人と入れ替わりながらみることになった。

日本画の展覧会をこれまで数多くみてきたが、このように外国人が熱心にみている光景に出くわすことはあまりない。竹内栖鳳は巨匠だが一般の美術ファンの知名度としては高くない画家。その回顧展が開かれる初日に外国人と一緒になるとは思ってもみなかった。この二人は円安のため増えた外国人観光客?それとも日本で暮らしている人?

2020年に東京で五輪が開催されることが決まったので、これから日本にやってくる外国人はどんどんふえてくることが予想される。政府は2020年に観光客が2000万人になることを目標として掲げている。今年が1000万人くらいだから、その倍。

ここ数年展覧会へ出かける回数がだいぶ減ったので、美術館で会う外国人美術ファンの数が傾向として増えているかどうかはわからない。例えば、東博にやって来る外国人観光客はかなり増えているのだろうか?特別展ではない本館で行っている総合文化展にはヨーロッパやアメリカからきた人をよくみるが、以前と比べて随分多くなったという感じでもない。でも、観光客が現在の2倍になると館内の風景が変わり、外国人の姿が目立つようになるかもしれない。

たぶんそういう時代が来ることを想定しているためだと思うが、東博でも東近美でも従来の展示方法や照明の当て方を大幅に改善し、作品が見やすく美術を心から楽しめる展示空間に変えている。で、今東博の漆器や刀のコーナーは見事な展示になっており、外国人が熱心にみている光景によく出くわす。そして、まだ訪問していない新東洋館でも展示の仕方がすごくよくなったらしい。

昨年から現代アートのビッグネームの回顧展が続いている。東近美の‘ポロック展’と‘ベーコン展’、そして、今年はウォーホルやリキテンスタインらの作品が並んだ‘アメリカン・ポップ・アート展’(国立新美)、3つの展覧会で目についたのがアメリカ人。来年森美で開催される‘ウォーホル展’にも相当数のアメリカ人やヨーロッパの人が押し寄せるにちがいない。

観光客の増加にともなって美術館にやって来る観客のグローバル化が進めば、その対応も必要になってくる。おもてなしの心で運営のできる美術館とできない美術館、どの美術館に外国人が集まるか、興味津々である。

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2013.08.20

美術に魅せられて! 新装ゴッホ美の壁の色

Img_2     2011年秋に全面リニューアルされたオルセー美

Img_0001_2      ゴッホルーム

Img_0002_2     2013年5月リニューアルオープンしたゴッホ美

Img_0003      壁の色が変わった展示室

7月13日に放送された‘美の巨人たち’はゴッホの絵をとりあげていた。5月にアムステルダムにあるゴッホ美はリニューアルオープンしたので、番組のスタッフはこれがみたくてここにある‘ゴーギャンの肘掛け椅子’に焦点をあてたゴッホ、ゴーギャン友情物語を思いついたのかもしれない。

今日の話はこの絵のことではなく、展示室の変更された壁の色のこと。展示室の映像は‘火のついた煙草をくわえる骸骨’と‘ゴーギャンの肘掛け椅子’の2ヶ所だったが、壁の色は青紫に変わっていた。この色をみてすぐ思い出したのが、2011年秋にリニューアルが完成した新装オルセー美。壁の色は以前のものから印象派がよく使った色が最も引き立てられる青みがかった濃いグレーに変わった。変更の効果は昨年の2月にあったBSプレミアムの特集番組で詳しく解説していた。

オルセーにあるゴッホの作品が展示してあるのはルノワールの‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’などのある5階ではなく2階だが、壁の色は同じ。この新オルセーの壁の色に刺激されてゴッホ美はリニューアルにあたって同じ色か似たような色を採用したのだろう。

オルセーの展示室と同じような感じになっているの日本の美術館にもある。それはで東近美の平常展示の部屋。特別展をみたあと、いつものように近代日本画にある部屋に足を運んだらまったく展示の仕方が変わっていた。しかも壁の色はオルセーとそっくり。この効果は大きく、これまで見慣れた作品が全然違う作品のように輝いていた。新オルセーはまだ体験してないが、現地ではたぶん東近美で味わったのと同じことを感じるにちがいない。

次のパリやアムステルダムがいつになるかわからないが、オルセー、ゴッホ美では輝きを取り戻した印象派の作品をまたじっくりみてみたい。印象派とのつきあいはライフワーク、楽しみはつきることがない。

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