2025.09.16

丸紅コレクションの友禅染!

Img_0005_20250916225201   ‘縹縮緬地流水筏桜模様小袖’(19世紀前半)

Img_0001_20250916225201   ‘萌黄平絹地富士巻狩模様振袖’(19世紀前半)

Img_0002_20250916225201   ‘薄浅葱綾地楓幔幕大太鼓模様振袖’(19世紀前半 国立歴史民俗博)

Img_0003_20250916225201   ‘牡丹金鶏図友禅染掛幅’(19世紀前半)

Img_0004_20250916225201   木村雨山の‘染分変り織地菊秋草鶏模様’(1935年)

先月京近美でみた友禅展の余韻にまだひたっており、図録をながめいい気持
になっているが、9月のはじめ頃、丸紅ギャラリー(大手町の丸紅ビル3階)
で丸紅が所蔵する友禅染を披露する特別展が開催されていることを新聞で知
った。これは嬉しい友禅コラボ、見逃すわけにはいかない。有名なボッティ
チェリの‘美しきシモネッタ’が展示されたとき、新しくできた丸紅ギャラリー
に足を運ぶ機会があったのになんとなく見逃してしまった。それもあって、
12日の美術館巡りのなかに組み込んだ。

‘華麗にして繊細 友禅染の真髄ー丸紅コレクションの友禅染ー’(8/5~
9/25)は9/1から後期に入っており、図録に前期にでたものを含めると
全部で36点。このうち5点はほかの美術館からの出品。通期ででているも
のがあるので、9/25までにでかけると23点が楽しめる。

予想以上に魅了されるものがずらっと並んでいる。流石、丸紅である。思わ
ず足がとまる絵柄がいくつもある。琳派狂いだからすぐ反応するのが流水、
筏、桜を綺麗に見せる小袖。源頼朝が富士裾野で行った巻狩りは歌川国芳の
浮世絵で強く記憶されているが、この巻狩りが振袖の模様に使われている
とは。猪や鹿が捕獲されるところをじっくりみた。そして、国立歴史民俗博
から出品された華やかな楓、幔幕、大太鼓が描かれた振袖にも魅了される。

大きな収穫だったのは金沢でつくられた友禅染掛幅。これは本紙にあたる
部分だけでなく、表具にあたる部分まですべて友禅染で表されている。牡丹
と金鶏をモチーフにしたものがとてもいい。明治以降に活躍した金沢生まれ
の友禅染作家、木村雨山(人間国宝)の作品3点も絵画のような色彩の強さ
があり、つい長くみてしまう。

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2025.08.24

もっとみたい友禅!

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  ‘帷子 納戸麻地春秋景に御所車殿舎模様’(19世紀初期 千總)

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  今尾景年下絵‘友禅染裂 干網千鳥に松’(1873年 千總)

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  ‘舞風’(19世紀後期∼20世紀初期 千總)

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  森口華弘の‘友禅訪問着「彩華」’(1985年 京近美)

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  森口華弘の‘友禅訪問着「菊華文様」’(1976年 京近美)

首都圏で開催される展覧会だと、展示期間が前期と後期で出品作が異なって
も気になる作品があると2度の出動もいとわない。ところが、京都や大阪の
美術館で実施される特別展ではそこまで熱心にはなれない。京近美で行われ
ている‘きもののヒミツ 友禅のうまれるところ’は後期(8/19~9/15)
でも入館だったので、図録に掲載されている前期に登場した作品はみること
ができなかった。

そのなかに気になるのはいくつもある。前期に12点飾られた江戸時代の
中期や後期につくられたものでとくに鑑賞欲を刺激するのが‘帷子 納戸麻地春
秋景に御所車殿舎模様’。2007年、茨城県の五浦美であった‘千總コレクシ
ョン 京の優雅~小袖と屏風’ではお目にかかれなった。残りの多くも見逃し
たくないという思いが強い。それほど千總のコレクションはスゴイ!

そして、五浦美で多く出品されていた今尾景年のみてて楽しい‘友禅染裂 干網
千鳥に松’とも再会したかった。模様としてはっとさせられたのがアールヌー
ヴォー調と風神雷神図がミックスされたような‘舞風’。渦巻や曲水に葵の模様
も良かったが、これに最も惹かれた。

最後に登場した人間国宝の作品では、森口華弘の‘友禅訪問着「彩華」’と‘友禅
訪問着「菊華文様」’が展示替えだったのはなんとも痛い。京都のあと巡回
する静岡市美(10/25~12/21)の出品作を事前にチェックし、この
2点がみられれば、再度JRに乗って静岡旅行をしようと思っている。

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2025.08.20

よろいで‘最高の瞬間、大鎧展’!

Img_20250820231601  国宝‘赤糸威鎧(菊一文字の鎧兜)’(13~14世紀 櫛引八幡宮)

Img_0001_20250820231601  国宝‘赤糸威大鎧(竹虎雀飾)’(13~14世紀 春日大社)

Img_0002_20250820231601  国宝‘赤糸威大鎧(梅鶯飾)’(13世紀 春日大社)

Img_0003_20250820231601  国宝‘赤韋威鎧’(12世紀 岡山県博)

Img_0004_20250820231601  国宝‘黒韋威胴丸’(14世紀 春日大社)

奈良の春日大社で行われている‘究極の国宝 大鎧展’(7/5~9/5)をみてき
た。今年、関心が最も高かった特別展だから、朝早く起きて新幹線に乗り込
んだ。お目当ては青森・八戸市にある櫛引八幡宮が所蔵する‘赤糸威鎧(菊一
文字の鎧兜)’。国宝のファイルをもっているので、これが八戸市の八幡宮に
あることは知っているが、ここは遠いから実際に目にすることができるとは
思ってないし、鎧の世界で‘東の横綱’と評されることはインプットされてなかった。

今年の展覧会の情報が入って来たとき、春日大社で‘西の横綱’と呼ばれる‘赤糸威大鎧(竹虎雀飾)’と一緒に飾られることがわかった。史上初という。即、奈良行きが決まった。これには2017年に東博で行われた‘春日大社 千年の至宝’が大きく関わっている。目の前に現れた‘赤糸威大鎧(竹虎雀飾)’のすばらしさにびっくり仰天。これまで国宝の鎧をいくつもみてきたが、これは群を抜いてカッコよく美しい。鎧で‘最高の瞬間!’だった。

これがまたみれて、横に期待の‘赤糸威鎧(菊一文字の鎧兜)’は並んでいる。夢のような瞬間だった。‘竹虎雀飾’は大袖の虎と竹の金細工が目を惹くのに対して、‘菊一文字の鎧兜’では模様のモチーフは菊のみ。華麗に表現された菊の模様が鍬形、吹返、大袖、草摺に緻密に装飾されている。どちらも日本の工芸の高さを見せつける大傑作である。ミューズに感謝々!

今回、国宝の鎧は8点出品されているが、後期(8/9~9/7)は通期出っぱなしの東西の横綱、‘赤糸威大鎧(梅鶯飾)’と後期のみの‘赤韋威鎧’、‘黒韋威胴丸’の5点。そして、会場となっている国宝殿で常設展示されている舞楽を演奏するときの‘鼉太鼓’(左方、右方)をみることができたのも大収穫だった。こんな大きな太鼓(6m58cm)があったとは。

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2022.10.29

三井記念美の‘大蒔絵展’!

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  国宝‘澤千鳥螺鈿蒔絵小から唐櫃’(平安・12世紀 金剛峯寺)

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  国宝‘浮線綾螺鈿蒔絵手箱’(鎌倉・13世紀 サントリー美)

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  国宝‘初音蒔絵十二手箱’(江戸・1639年 徳川美)

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  尾形光琳の‘松山茶花蒔絵硯箱’(江戸・17~18世紀)

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  松田権六の‘赤とんぼ蒔絵箱’(1969年 京近美)

今年ひらかれる日本美術関連の特別展でとくに関心が高かったのが、
日本橋の三井記念美で10/1からはじまった‘大蒔絵展 漆と金の千年物語’
(11/13まで)。春に熱海のMOA美で行われたものが、所を変えて日
本橋にやって来た。三井記念美を訪問するのは3年ぶり。この美術館のい
いところはほかでやっている展覧会のポスターがたくさん飾られ、チラシ
がどっさりおいてあること。だから、これからの美術館訪問を検討するの
に大変役立つ。

今回日程(前期、後期)のチェックをせず出かけたが、質数ともに予想を
上回る出品内容となっている。会期中に国宝7点、重文32点が並ぶのだか
ら東博、京博で開かれてもおかしくない特別展である。蒔絵の国宝は運がい
いことにすべてお目にかかることができた。だから、どこが見どころかを思
い出しながら、‘澤千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃’、‘浮線綾螺鈿蒔絵手箱’、‘初音蒔絵十
二手箱’をじっくりみた。

螺鈿と出会ったときいつもしていることがある。それはつま先立ちでなるべ
く目の位置を高くして貝殻の薄緑やピンクの輝きをとらえること。また、
光が螺鈿にあたって色がよくみえるようしゃがみ体を左右に動かしてみる
ようにしている。これで螺鈿蒔絵の美しさが堪能できる。丸い模様が規則的
に並んだ‘浮線綾’は貝殻の光り具合が多いのでこの方法が功を奏しいい気持に
なった。徳川美にある‘初音蒔絵’は金色に輝く鶯をみるのが一番の楽しみ。

今回思わぬ収穫だったのが尾形光琳(1658~1716)の‘松山茶花蒔絵
硯箱(まつさざんか)’。この模様をあしらった硯箱は手元の琳派本にも載っ
てなくはじめてみた。個人コレクターが羨ましい。明治以降に活躍した漆芸
家ではやはり松田権六(1896~1986)の‘赤とんぼ蒔絵箱’に惹かれる。
久しぶりにみたが、格調の高い蒔絵の美が心をとらえて離さない。

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2019.11.21

2度目の‘正倉院展’!

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     ‘平螺鈿背八角鏡’(唐時代 8世紀)

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     ‘紫檀木画槽琵琶’(唐時代 8世紀)

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      ‘白瑠璃碗’(ササン朝ペルシア 6世紀)

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      ‘伎楽面 迦楼羅’(奈良時代 8世紀)

東博で開催中の‘正倉院展’は会期が残り4日となり、来場者の数が一段と増
えている。今日は2時時点で40分の待ち時間だった。23,24日は1時
間を超えるにちがいない。前期みた‘螺鈿紫檀五絃琵琶’の感動の余韻がまだ
続く中、後期に登場した正倉院宝物にもどうしてもお目にかかりたお宝があ
った。

その筆頭が‘平螺鈿背八角鏡’。前期に飾られた‘平螺鈿背円鏡’同様、夜光貝を
使ってびっしり描かれた花や鳥の文様の輝きが心をとらえて離さない。そし
て、単眼鏡でピントをあわせると埋め込まれた青のトルコ石の小さな粒が鏡
の華やかさを一層浮き上がらせている。これほど豪華な螺鈿細工に遭遇でき
たのは一生の思い出。

図録をみるたびに裏表紙に使われている‘紫檀木画槽琵琶’の絵柄が気になっ
てしょうがなかった。これは四絃琵琶の背面でたくさん飛んでいる鴛鴦の生
き生きした姿に強く惹きつけられる。鳥が左右対称に配置され長い尾っぽの
緑と背面の濃いこげ茶のコントラストがとてもいい。こげ茶色の美に乾杯!

先月放送されたNHKスペシャルがとりあげた正倉院宝物のなかで興味深か
ったのは6世紀ごろササン朝ペルシアでつくられたガラスの‘白瑠璃碗’。
解説によると土の中から発掘されたものはガラスの成分が溶け変色する。
これに対し、正倉院にある‘白瑠璃碗’ははじめから建物で保管されていたので
つくられたときの姿のまま。本物はまさにその通りだった。美しすぎる碗を
目に焼きつけた。

後期にでてきた伎楽面は‘迦楼羅(かるら)’。この顔面力は半端ではない。
それは顔の大半と頭に彩色された緑のインパクトが強烈だから。さらに鶏冠
と頬の赤がエキゾチックさ倍増させる。迦楼羅はインドの古代神話でお馴染
みのカルダに由来するが、お面のイメージは顔にペインティングをほどこす
アフリカやニューギニアの現地人を連想させる。

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2019.11.15

初物 ‘竹工芸名品展’!

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    初代田辺竹雲斎の‘柳里恭式釣置花籃’(1900~1920年)

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    四代田辺竹雲斎の‘舟形花籃出帆’(2015年)

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    門田篁玉の‘維新’(1981年)

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    飯塚小玕斎の‘白錆花籃雲龍’(1990年)

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    本間秀昭の‘流紋’(2014年)

日本の竹工芸は欧米ではバンブーアートと呼ばれ人気があるらしい。2年前
メトロポリタンでアビーコレクション展が開催され47万人が押しかけたと
いう。嬉しいことにそこで披露された作品がごそっと里帰りし、東近美工芸
館で9月から展示されている(12/8まで)。

日常生活のなかにかごや竹べらなど竹製品はあふれている。だから、鑑賞
用あるいアートとしてつくられた竹工芸にもすっと入っていける。ところが
日本伝統工芸展のような展覧会にでかけることがないので作品を見る機会が
ほとんどない。そのため竹工芸はまったくの初心者。でも、日本の竹工芸界
にすごい才能をもった作家がいることはTVの美術番組をみて知っている。

その人物は四代田辺竹雲斎(1973~)、4年くらい前まだ田辺小竹と名
のっていたころ竹をつかった巨大なインスタレーションを創作していた。
アビーコレクションにも‘舟形花籃出帆’があった。本物をみるのははじめて
なのでしっかりみた。やはりその才能は‘ものが違う’という感じ。初代田辺
竹雲斎の‘柳里恭式釣置花籃’は前衛的な作品。まるで竹工芸のアールヌーヴォ
ー。ガレがみたら唸ったにちがいない。

門田篁玉(1916~)の‘維新’はアートの爆発をイメージさせる。細い竹を
たくさん集めてきて毛糸の塊みたいに表現するところがおもしろい。また、
頭の毛がかぼちゃのようにふさふさしている犬を思い出した。

竹の質感がすごく感じられるのが飯塚小玗斎(1919~2004)の‘白錆
花籃雲龍’。以前出光美で同じような作品に大変魅了されたことがあるが、
それは父親のつくったものだった。こういう竹はおもわず触ってみたくなる。

本間秀昭(1959~)の‘流紋’は前衛的なフォルムが備前焼の陶芸家で‘聖衣’
などの作品で一世を風靡した金重晃介(1943~)の作品とシンクロした。
これは刺激的すぎる。竹工芸家にも鬼才がいた。

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2019.10.24

驚きのお宝‘螺鈿紫檀五絃琵琶’!

Img_0004_20191024220801      ‘螺鈿紫檀五絃琵琶(表面)’(唐時代 8世紀 正倉院)

 

Img_20191024220801      ‘螺鈿紫檀五絃琵琶(背面)’

 

Img_0002_20191024220801      ‘墨画仏像’(奈良時代 8世紀 正倉院)

 

Img_0003_20191024220801      ‘伎楽面 酔胡王’(奈良時代 8世紀 正倉院)

 

Img_0001_20191024220801      ‘瑠璃壺’(西アジア 11世紀以前 正倉院)

 

東博で開催中の‘正倉院の世界ー皇室がまもり伝えた美ー’
(10/14~11/24)に出かけ正倉院宝物中、屈指の名品‘螺鈿紫檀五絃
琵琶’をみてきた。手元にある正倉院の本でながめていたこの世界に一つしか
残ってない五絃琵琶にやっとお目にかかることができた。25年くらい待っ
たので天にも昇るような気分。

10年前、今の上皇の天皇即位20年を記念した‘皇室の名宝展’があり、正倉
院からやって来た‘平螺鈿背円鏡’の螺鈿細工の美しさに大感激した。そして、
この度新天皇即位によりまたその上をいく螺鈿の名品と遭遇することになっ
た。これほど嬉しいことはない。‘螺鈿紫檀五絃琵琶’と‘平螺鈿背円鏡’は前期
(10/14~11/4)、‘平螺鈿背八角鏡’は後期(11/6~11/24)に
登場する。

螺鈿のうすピンクやうす緑の美しい輝きを楽しむコツは体をかがめて下からみ
たり、つま先立ちして上からのぞきこむようにみること。こうすると光に反射
していっそう輝く螺鈿装飾が目に焼きつく。とくに五絃琵琶の背面の宝相華、
雲、鳥の文様の螺鈿細工に目を奪われた。これは一生の思い出。

今回は五絃琵琶がお目当てなのでほかの美術品はさらさらとみた。そのなかで
、目が吸い寄せられたのがふっくっらした顔が印象深い‘墨画仏像’と大きな鼻
が強烈なインパクトを放つ‘伎楽面 酔胡王’。後期にでてくるもうひとつの面
‘迦楼羅’も楽しみ。

鮮やかな青の‘瑠璃壺’を長くみていた。西アジアからシルクロードを通って
日本に伝わったガラスのお宝が正倉院におさまる。ロマンあふれる東西の文化
交流である。

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2018.07.26

魅了される紅型の美!

Img    国宝‘紅色地龍宝珠瑞雲模様衣裳’(18~19世紀 那覇市歴史博)

Img_0003  ‘白地流水蛇籠に桜葵菖蒲小鳥模様衣裳’(19世紀 沖縄県博・美)

Img_0002    ‘黒漆雲龍螺鈿大盆’(18~19世紀 浦添市美)

Img_0001     ‘朱漆椿密陀絵沈金椀’(16~17世紀 サントリー美)

サントリー美で行われている‘琉球 美の宝庫’展(7/18~9/2)をみてきた。出動を早めたのは紅型の最高傑作、国宝‘紅色地龍宝珠瑞雲模様衣裳’(那覇市歴史博)が7/18~7/30しか展示されないから。

6年前ここで紅型展が開かれたとき、期待に反してこの宝珠を追っかける龍が描かれた紅型はやって来なかった。国宝に指定された2006年にTVの美術番組でこれが紹介されいつかこの目でと思ってきたが、やっと願いが叶った。ミューズに感謝!

紅型の魅力はこの強烈な色彩、紅色は鉱物を砕いてつくる顔料のため粒子が粗く光をより反射する。そのため、植物からつくる染料と較べて倍以上の鮮やかな色になる。まさに光あふれる沖縄ならではの染織。この地に黄色と青で表現された龍が3つの姿でダイナミックに躍動している。絵柄からすると中国のものと変わらないが、濁りのない鮮やかな色彩は沖縄オリジナル。長いことみていた。

狙いは龍の一点買いなので、あとは紅型展にも出品された木綿の‘白地流水蛇籠に桜葵菖蒲小鳥模様衣裳’などをさらっとみて、ずらっと並んだ‘国宝 琉球国王尚家関係資料’を楽しんだ。チラシに大きく載っている‘王冠(付簪)’は今はレプリカがでており、本物は後半の8/22~9/2に登場する。

また、雲龍がどんと描かれた大きな黒漆螺鈿盆にも魅了された。光のあたり具合でいろいろな表情をみせる螺鈿細工もこれくらい大きいと見ごたえがある。視線を上下させて螺鈿の輝きを目に焼きつけた。

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2017.12.21

東博の‘刀剣鑑賞の歴史’!

Img     ‘太刀 銘 光忠’(重文 鎌倉時代・13世紀)

Img_0001     国宝‘刀 無銘 正宗(名物 観世正宗’(鎌倉時代・14世紀)

Img_0002     国宝‘短刀 銘 行光’(鎌倉時代・14世紀)

現在、東博本館では特集展‘刀剣鑑賞の歴史’(12/5~2/25)が行われている。場所は1階の14室(正面向かって右奥角っこの部屋)。たまたま東博のHPを開いたら、目に入ったので忘年会がはじまる前に出かけてきた。

東博へ定期的に通っていたころは刀剣が飾ってあるところには必ず行っていた。そのため、東博が所蔵する国宝、重文は数点を残してだいたい目に入っている。刀をみるときとくに関心を寄せているのは刃文、本を読んだりしてその種類を頭に入れた。

ここにあげた国宝‘短刀 銘 行光’が‘直刃(すぐは)’で、見事な‘のたれ’がみられるのが相州正宗の国宝‘刀 無銘 正宗(名物 観世正宗)’、そして長船光忠の‘太刀 銘 光忠’で目が釘付けになるのが‘丁子刃(ちょうじば)’や‘互の目(ぐのめ)’。

覚えることはまだある。刀工がいた場所とその時代。いろいろなところで刀はつくられてきたが、備前と相州をおさえておけばまあ安心。日本最大の刀剣生産地である備前には平安後期に興った古備前派、鎌倉前期の一文字派、そして鎌倉中期に不動の地位を築いた長船派の三派がある。光忠は長船派の祖、その子どもが長光。

鎌倉中期に京や備前から集まってきた刀工たちによってはじまったのが相州鍛冶。祖は新藤五国光、その子どもとも弟子ともいわれるのが行光、正宗。今回は国宝が4点、行光の短刀、正宗(名物観世正宗と金象嵌銘正宗)、正宗の子どもの貞宗の名物亀甲貞宗がみられる。見ごたえのある刀剣に魅了された。

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2017.05.26

武蔵御嶽神社の国宝‘赤糸威鎧’!

Img_0002    日本茜 BSプレミアム5月10日 ‘失われた色を求めて’より

Img_0003    日本茜の根

今月の10日、BSプレミアムで放送された‘失われた色を求めて~植物染め・伝統100色を今の世に~’(90分)を興味深く見た。番組の主役、染織家吉岡幸雄氏(70歳)は以前から美術番組で知っており、2008年日本橋高島屋で開催された‘千年紀ー源氏物語の色’展にも足を運んだ。

この吉岡氏と志村ふくみさんのおかげで植物染めの理解が進み、古来からある日本の色の美しさを強く感じるようになった。番組はその植物染めの再現がどのように行われたかを詳細に追っかけていた。吉岡氏はイギリスのヴィクトリア&アルバート博物館から植物染めを永久保存したいという依頼を受け、この2年間に50色を再現し納品している。

色は紫、茜、藍、紅、黄の4色がでてきたが、そのなかで熱く反応したのが茜(あかね)。武蔵御嶽神社(青梅市)にある国宝‘赤糸威鎧’では平安時代に染められた茜がみられるということがわかった。威の真ん中に残っている赤色が黄色がまじったような深い赤の茜で左右の薄い赤は明治36年に化学染料を使って修理されたもの。色はだいぶ褪色している。

茜は再現が難しい色、吉岡氏は奈良の五條市で3年がかりで農家の人と一緒になって日本茜を育て草の根から茜色を染めている。でもとれる量は少ないようだ。3年かけてまた育て何度も染めて濃い茜色を生み出していく計画とのこと。

今年は年初にあった‘春日大社展’(東博)で見事な鎧を4点もみることができた(いずれも国宝)。そして、武蔵御嶽神社にも日本茜がみられる鎧があるという情報を得た。俄然、この鎧をみたくなった。遠足がてら訪問するかもしれない。

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