2018.03.07

見逃せないプラド美のベラスケス!

Img_0002     ‘王太子バルタサール・カルロス騎馬像’(1635年)

Img_0001     ‘東方三博士の礼拝’(1619年)

Img     ‘軍神マルス’(1638年)

Img_0003     ‘彫刻家モンタ二ェースの肖像’(1635年)

スペインのマドリードにあるプラド美はルーヴルやエルミタージュ同様、日本との相性がとてもよく、過去に何度も名品展が開催された。西洋美では2011年にゴヤ展があり、あの‘着衣のマハ’がやって来た。今回、西洋美がスポットをあてたのはベラスケス(1599~1660)。なんと7点出品された。だから、この‘プラド美展 ベラスケスと絵画の栄光’(2/24~5/27)は見逃すわけにはいかない。

マドリード観光の目玉になっているのがプラドでの絵画鑑賞、ここで誰もが必見名画としてチェックしているのがベラスケスの‘ラス・メニーナス’、絵画にあまり縁がないひとでも話の種にこの絵にはしっかり食いつく。ルーヴルでダ・ヴィンチの‘モナリザ’と同じようにこの絵は美術館の至宝中の至宝。

じゃあ、ベラスケスで2番目にいいのはどれか、ほかの人の好みは横に置くとして即座に答えたくなるのは今回来日した‘王太子バルタサール・カルロス騎馬像’。ベラスケスはフェリペ4世やイサベル、オリバーレス公伯爵の騎馬像も描いているが、いずれも横向きの構図。これより正面をむいたカルロスのほうについ見惚れてしまう。可愛くてカッコいい騎馬像に乾杯!

ツアーでプラドの入館するときは時間が限られているので忙しい鑑賞になってしまうが、ホームグランドに来てくれると一点々をじっくり楽しめるという利点がある。しかも、今回は7点も揃った。だから、ベラスケスの豊かな才能にふれられる絶好の機会となった。

‘東方三博士の礼拝’は光の描写がカラヴァッジョの絵を連想させるが、ベラスケスはこれを描いたのは20歳のとき。やはりベラスケスはものがちがう。息を呑む写実表現が心をとらえて離さない絵でまだみていないのが1点ある。この絵と同じころに描かれた‘セビーリャの水売り’(ロンドン ウエリントン美)。会えるだろうか。

ベラスケスの肖像画の魅力は人物の生身の感覚が伝わってくること。‘軍神マルス’に荒々しさやいかめしさは無くちょっと疲れた表情をした寂しげに座っているよう。一方、‘彫刻家フアン・マルティネスモンタニェースの肖像’は腕のいい彫刻家の気合の入った姿が目に焼きつく。


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2014.08.22

久しぶりのクールベ、ミレー!

Img     クールベの‘市から帰るフラジェの農民’(1850年)

Img_0004     ミレーの‘晩鐘’(1857~59年)

Img_0003     ルパージュの‘干草’(1877年)

Img_0001     カイユボットの‘床のかんなかけ’(1875年)

パリを毎年訪問し東博や国立新美へ行く感覚でオルセーやルーヴルに入館できたらこれほど幸せなことはないが、世の中そう思い通りにはいかない。だから、現地へ足を運ばす日本にいてオルセーの名画と対面できるのはとても有難い。

海外の美術館でオルセー美はアメリカのボストン美とともに所蔵作品が頻繁に公開される美術館。20年くらいのスパンでみたら、かりにパリに縁がなかったとしてもこの美術館にある名画はかなりの数が日本にいてみれる。ミレーや印象派、ポスト印象派のファンのなかには関連の展覧会に欠かさず出かけ名画を楽しんでいる人たちがいるにちがいない。

会場に入ってすぐびっくりする作品が目の前に現れた。クールベ(1819~1877)の大作‘市から帰るフラジェの農民たち’、ええー、これがやって来たの、という感じ。クールベは6年前、パリのプラン・パレで大回顧展を体験したので特別の思い入れがある。先頭を進む二頭の牛とその隣の豚をまたじっとみていた。

ミレー(1814~1875)の‘晩鐘’は西洋美術史における定番の絵画、ミレーといったら条件反射的に‘晩鐘’か‘落ち穂拾い’を思い浮かべる。そして、この‘晩鐘’はある音楽と強く結びついている。それはドヴォルザークの‘新世界・家路’、じっとみていたらあの牧歌的なメロデイーが聴こえてきた。

自然主義の画家、ルパージュ(1848~1884)の‘干草’は確か日本初登場。この絵が気になったのは2度目のオルセーのとき。足と手を前にのばして地べたに座る女の姿が目に焼き付いた。きつい仕事からちょっと解放され一休みしている様子が写実性豊かに表現されている。人物の素の感じがこの絵の魅力。

昨年ブリジストン美で回顧展があったカイユボット(1848~1894)、画業全般がおおよそわかったから再会した‘床のかんなかけ’にも目に力が入る。右の男の横にワインの瓶が置いてあるのがおもしろい。かんなかけを続けるのがしんどくなったら一杯やるのだろう。

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