2019.06.03

初お目見えの‘ドービニー展’!

Img_74      コローの‘地中海沿岸の思い出’(1873年 ランス美)

 

Img_0002_68      ドービニーの‘オワーズ河畔’(1865年 ランス美)

 

Img_0001_71      ドービニーの‘ボッタン号’(1869年)

 

Img_0003_64     ドービニーの‘ブドウの収穫’(1863年)

 

展覧会の一番の楽しみが画家の回顧展。現在、新宿の損保ジャパン日本興亜
美では国内初となる‘ドービニー展’(4/20~6/30)が開かれている。
とくに前のめりになっているわけではないが、ドービニー(1817~
1878)はバルビゾン派のミレーやテオドール・ルソーらの風景画と一緒
に展示されることが多いのでその作品は昔から心に刻まれている。

前菜として最初の部屋にはドービニーの師匠であるコロー(1796~
1875)の‘地中海沿岸の思い出’やルソー、クールベがあったが、これらは
軽く見てメインディッシュのドービニーをチラシに載っている作品に注目し
てみてまわった。

足がとまったのは構図がコローと似ている‘オワーズ河畔’。左にみえる2頭の牛の配置がびしっと決まっている。大きな絵ではないからうっかりすると見逃すが、完成度からいうとこれがいいかなという感じ。ドービニーは1856年からオワーズ川の風景を描くため宿泊可能なボートをアトリエとして利用しこの絵を制作した。

そのボートが‘ボッタン号’でそのアトリエ風景を題材にしている。光輝く川面
と空の白い雲が目に心地がよく縦長の大画面にボートをおさめる見事な構成に
大変魅了された。ドービニーのこういうモチーフを最接近してドーンと描く
作品ははじめてお目にかかったので敏感に反応した。これが回顧展ならではの
醍醐味。

明るい色調と農民たちの生き生きした仕事ぶりが印象深い‘ブドウの収穫’も記憶に定着しそうな一枚。ミレー同様、農民画には限りない愛着がある。ドービニーは1860年からオーヴェール・シュル・オワーズに居を構えており、一家総出で行うブドウの収穫を熱い共感をこめて描写している。

 

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2014.08.22

久しぶりのクールベ、ミレー!

Img     クールベの‘市から帰るフラジェの農民’(1850年)

Img_0004     ミレーの‘晩鐘’(1857~59年)

Img_0003     ルパージュの‘干草’(1877年)

Img_0001     カイユボットの‘床のかんなかけ’(1875年)

パリを毎年訪問し東博や国立新美へ行く感覚でオルセーやルーヴルに入館できたらこれほど幸せなことはないが、世の中そう思い通りにはいかない。だから、現地へ足を運ばす日本にいてオルセーの名画と対面できるのはとても有難い。

海外の美術館でオルセー美はアメリカのボストン美とともに所蔵作品が頻繁に公開される美術館。20年くらいのスパンでみたら、かりにパリに縁がなかったとしてもこの美術館にある名画はかなりの数が日本にいてみれる。ミレーや印象派、ポスト印象派のファンのなかには関連の展覧会に欠かさず出かけ名画を楽しんでいる人たちがいるにちがいない。

会場に入ってすぐびっくりする作品が目の前に現れた。クールベ(1819~1877)の大作‘市から帰るフラジェの農民たち’、ええー、これがやって来たの、という感じ。クールベは6年前、パリのプラン・パレで大回顧展を体験したので特別の思い入れがある。先頭を進む二頭の牛とその隣の豚をまたじっとみていた。

ミレー(1814~1875)の‘晩鐘’は西洋美術史における定番の絵画、ミレーといったら条件反射的に‘晩鐘’か‘落ち穂拾い’を思い浮かべる。そして、この‘晩鐘’はある音楽と強く結びついている。それはドヴォルザークの‘新世界・家路’、じっとみていたらあの牧歌的なメロデイーが聴こえてきた。

自然主義の画家、ルパージュ(1848~1884)の‘干草’は確か日本初登場。この絵が気になったのは2度目のオルセーのとき。足と手を前にのばして地べたに座る女の姿が目に焼き付いた。きつい仕事からちょっと解放され一休みしている様子が写実性豊かに表現されている。人物の素の感じがこの絵の魅力。

昨年ブリジストン美で回顧展があったカイユボット(1848~1894)、画業全般がおおよそわかったから再会した‘床のかんなかけ’にも目に力が入る。右の男の横にワインの瓶が置いてあるのがおもしろい。かんなかけを続けるのがしんどくなったら一杯やるのだろう。

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