光る鉱物とアートの響き合い!
珪亜鉛鉱 方解石(通常光)産地:米国ニュージャージー州フランクリン鉱山
ポロックの‘収斂’(1952年 バッファロー オルブライト=ノックス美)
国立科学博物館で行われている‘ヒカリ展’(2/22まで)を滑り込みでみてきた。昨年の10月末からはじまったこの展覧会、天文学に特別関心が高いわけではないが、絵画に求めているものが光と色彩なので、漠然とした動機ではあるがなかに入ってみることにした。
所々に設置してある4,5分のビデオ解説を見ながら進んでいくと光の正体(波か粒か)や宇宙から地球に降り注ぐ光のことをがわかるようになっている。そのなかで時間をかけてみたのが蛍光鉱物が並べられているコーナー、紫外線を照射すると蛍光を発する鉱物が全部で34もある。
10秒の通常光のあと紫外線照射が20秒、鉱物は赤、紫、緑、黄色などに美しく変化する。蛍石、オパール、方解石、珪亜鉛鉱、ルビー、、、このように光る鉱物をこれほど多くみたことがない。そのなかに一際鮮やかな色彩を放つ鉱物があった。
アメリカのニュージャージー州にあるスターリング鉱山から産出した珪亜鉛鉱と方解石、短波長の紫外線をあてると茶色の珪亜鉛鉱は強い緑色になり、白い方解石の部分が強烈な赤色に変わる。これは楽しい世界。じっとみていたらポロックの絵が浮かんできた。光る鉱物と抽象絵画が響き合っている。
そして、目に飛び込んでくる赤が河井寛次郎のやきもののなかでとくに魅了されている三色釉扁壺を思い出させてくれた。普通の光のなかではとりたてて関心をいだく石ではないのに、紫外線があたると鮮やかな色がでてくる不思議さ、ヒカリ展は忘れられない展覧会になった。
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