2026.02.20

大阪中之島美に日本にあるシュルレアリスム絵画が集結!

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  デ・キリコの‘福音書的な静物Ⅰ’(1916年 大阪中之島美)

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  マグリットの‘レディ・メイドの花束’(1957年 大阪中之島美)

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  マグリットの‘王様の美術館’(1966年 横浜美)

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  デルヴォーの‘立てる女(左) 女神(右)’(1954~56年 姫路市美)

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  エルンストの‘偉大なる無知の人’(1974年 岡崎市美博)

8月にやって來るフェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’の詳しい話が発表され
たか確認するため、開催される大阪中之島美のHPをのぞいてみたが、情報は
まだ開示されてなかった。予告通り下旬の案内になるようだ。しばらく展覧
会の予定をみていたら、現在‘拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、
ファッション、インテリアへ’(12/13~3/8)が行われていることがわ
かった。

ちょうどシュルレアリス絵画を連続的にとりあげたところなので、敏感に反
応した。タイトルでうたっている視点にそって日本にある作品で構成されて
おり、美術館自慢の作品がどどっと出品されている。たとえば、主催する
大阪中之島美はデ・キリコ(1888~1978)の主要作品として知られ
ている‘福音書的な静物Ⅰ’と2015年、国立新美で開催された決定版の‘マグ
リット展’にどーんと展示された‘レディ・メイドの花束’。

横浜美からは中之島美の後ろ向きの帽子の男とは違って青装束につつまれた男
が正面向きで描かれた‘王様の美術館’がやって来ている。ともに回顧展にも登
場しマグリット(1898~1967)の画風をイメージさせるには欠かせな
いピースなので、納得の展示が実現している。すばらしい!

そして、マグリットとくれば当然同じベルギー人のデルヴォー(1897~
1994)もみたくなる。その願いに応えてくれるのが姫路市美が所蔵する
‘立てる女、女神、乙女達の行進’。これは同じような企画展がほかの美術館
であったときに運よく遭遇したが、縦1.96mの大きな絵なのでデルヴォ
ーに最接近した感じのする作品。また、マックス・エルンスト(1891~
1976)もぬかりなく、横浜美であった回顧展に出品された‘偉大なる無知
の人’が岡崎市美博から馳せ参じている。
 

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2026.02.14

ダリ ベスト&ベスト!

Img_20260214230401    ‘記憶の固執’(1931年 MoMA)

Img_0001_20260214230501    ‘ナルシスの変貌’(1937年 テートモダン)

Img_0003_20260214230501   ‘目覚めの一瞬前の夢’(1944年 ティッセン=ボルネミッサ美)

Img_0004_20260214230501   ‘果てしない謎’(1938年 ソフィア王妃アートセンター)

Img_0002_20260214230501   ‘パン籠’(1926年 サルバドール・ダリ美)

過去に経験したことが楽しい出来事としては記憶に残っているものはどんな
ことが多いだろうか。わが家で話が弾むのはやはり、食べ物のこと。どこの
店のバゲットやメロンパンが美味しいとか、イタリア・フィレンツェで食べ
たステーキが忘れられないとかでよく盛り上がる。でも、どんなものでも美
味しく食べれるほどバランスがとれた食欲になっていないから、グルメのグ
ループにはとても入れそうにない。たとえば、あのネバネバ納豆や餃子は口
に入れたことがないし、東南アジアやインドへはよく出かけたが、辛いものが
ダメだから食事に苦労することがしばしば。

このように食欲にはかなり偏りがあるが、美欲(My造語)についてはオールオーヴァ(中心を決めずに)に広げて楽しんでいる。これは海外の美術館を運よく数多く訪問することができたことが関係している。美術品の鑑賞は視覚体験の連続だから、ブランド美術館が所蔵している名品をみる機会が多くなれば、好みは固定されずにあれもこれも楽しいという風になっていく。それにより食べ物とちがって、偏りの少ない美欲が身についてきた。

ダリ(1904~1989)のシュルレアリスム絵画にぐんぐんとりつかれていったのは、NYのMoMAで代表作の‘記憶の固執’を、ロンドンのテートブリテン(以前は近現代アートは今のテートモダンではなくここに展示されていた)で傑作‘記憶のナルシス’をみたから。‘最高の瞬間!’はまだある。それはマドリードにあるティッセン=ボルネミッサ美(プラドから徒歩約10分で到着する)でお目にかかった‘ざくろの周囲の蜜蜂の飛翔によって生まれた目覚めの一瞬前の夢’(ダリの絵には長いタイトルがつくことがあるのが特徴)。美術本で絵の存在を知ったときはスイスの個人蔵となっていたが、現在はこの美術館の至宝の一枚になっている。絵の魅力度からいうと‘ナルシスの変貌’と双璧かもしれない。

日本の美術館(たしか渋谷のBunkamura)で遭遇したダリの傑作はマドリードのソフィア王妃アートセンターが所蔵する‘果てしない謎’。ダリ本の解説によると、この絵は6通りの読み方ができる多イメージのシュール画。ダリのスーパー脳からは複雑な意味をもたせる造形がでてくる。本当にスゴイ。そして、その卓越した画力はシュルレアリスム表現だけでなく緻密な写実技法で描かれた静物画でも発揮される。

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2026.02.13

ダリの映画に登場した未見の絵画!

Img_20260213232901   

‘亡き兄の肖像’(1963年)

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Img_0005_20260213232901   ‘サンチャゴ・エル・クレンディ’(1955~59年頃)

ピカソ同様、ダリ(1904~1989)のドキュメンタリー映画
‘SALVADOR DALI 世界を愛した芸術家ダリの超現実的な人生’(1987年
 イギリスBBC製作)にも、ダリ本(岩波書店とTASCHEN)やMy図録
(5冊)をフルチェックしても載っていなかった未見の作品が数多く登場
した。だから、ダリのことをより深く知るのに貴重な媒体となった。

最初の絵は白黒の図版はみたことのある‘亡き兄の肖像’。‘岩波 世界の美術 ダリ’(ロバート・ラフォード著 2002年)に載っている同じ年に描かれた別ヴァージョンより、こちらのほうが点描で表現された兄の顔がすっきりしている。次の小さいモチーフを配置してシュールさを表現した作品は一見するとイヴ・タンギーのシュルレアリスムを彷彿とさせる。

青の背景にガラの顔が画面いっぱいに浮き上がる作品はすごい存在感を放っている。一体誰が持っているのだろうか。ほかにも画集に必ず載っているラファエロの聖母像を連想させる‘ポルト・リガトの聖母’がでてくる。収穫はまだ続く。古代エジプト文明をすぐ思い浮かべるスフィンクスを少女の顔に変奏したものに大変惹かれた。頭に蝙蝠がとまり、手足のまわりには頭蓋骨や骨が散乱している。その不気味さが強烈なインパクトで迫ってくるので心臓がちょっとバクバクする。

一番のサプライズ作品は1955~59年頃に描かれた超巨大絵画‘サンチャゴ・エル・クランデイ’。制作を手伝った人物がインタビューに応えている。‘ダリは一人では完成までに3年はかかることに気づいた。それで私に声がかかった。この絵の背景には巨大なゴシック調の天井が描かれている。色を塗っていくだけでも、ダリ一人では1ヶ月ほどかかってしまう。で、慣れている私は10日前後で仕上げた。ダリは色塗りを私に任せ、図案や細部の描写に専念した。私はダリの指示通りに作業を進めていった’。

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2024.07.07

クレー 人物画傑作選!

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   ‘もくろみ’(1938年 パウル・クレー・センター)

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   ‘喪に服して’(1934年 パウル・クレー・センター)

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 ‘天使というよりむしろ鳥’(1939年 パウル・クレー・センター)

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  ‘聖歌隊の女性歌手’(1939年 パウル・クレー・センター)

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   ‘重さ’(1939年)

パウル・クレー(1883~1940)の図録の整理がようやく終わった。
完成したMyクレー本は全部で3冊。ほかのところにあった図版や解説文など
を張り付けていくのに使った図録は‘パウル・クレーの芸術’(1993年 
愛知県美)、‘パウル・クレー 創造の物語’(2006年 川村記念美)、
‘パウル・クレー おわらないアトリエ’(2011年 東近美)のとき手に
入れたもの。図版にダブりがないので収録された作品はかなりの数になった。

こう作業では手にした図版をどこに落ち着かせるかに時間を食う。ベースに
なっている図版のなかに似ている作品があり近くに空きのスペースがあれば
そこに張り付ける。無い場合は割愛できる作品を見つけ思い切って取り換え
る。頁をめくっていると作品を何度も見ることになる。その結果、いい絵と
平均的な絵がだんだんグルーピングされ、以前ならそれほど魅了されてなか
ったものが急にこちらにぐっと向かってくることがある。ここにとりあげた
作品はそれを強く感じたもの。

2005年6月に開館したベルンのパウル・クレー・センターにある‘もくろ
み’にみ入ってしまった。中央で記号的に表現された人物の表情がタイトルをよ
く表している感じ。一見シュールな描き方だが、ドキッとさせるのはダリ以上
に深いかもしれない。愛知県美でお目にかかったとき200%KOされたの
が‘喪に服して’。モザイク画の描き方でこんな真に迫る顔がつくりだせるのか。
色彩の濃淡をつけ曲線で上半身を形づくる。クレーはやはりスゴイ画家である。

漫画チックな‘天使’シリーズは惹かれるものが多い。お気に入りは‘天使という
よりはむしろ鳥’とか‘忘れっぽい天使’。同じ年に描かれた‘聖歌隊の女性歌手’も
いい感じ。体を後ろにのけぞらして歌う姿に目が点になる。‘重さ’は公園のベ
ンチでこんな姿でうずくまっている老人を時々見かける。

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2022.03.29

ミロ展の楽しみ!

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 ‘カタツムリ、女、花、星’(1934年 国立ソフィア王妃センター)

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 ‘焼けた森の中の人物たち’(1931年 ジュアン・ミロ財団)

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  ‘女’(1958年 草月会)

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  ‘ゴシック聖堂の踊り子’(1957年 福岡市美)

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  ‘絵画’(1966年 ピラール&ジュアン・ミロ財団)

渋谷のBunkamuraで行われている‘ミロ展’(2/11~4/17)をみてきた。
もっと早く出かけたかったが、東京都における新型コロナウイルスの感染
者の数がなかなか減らないため出動が1カ月も遅れてしまった。ここは平日
の金曜日は予約は要らないことがきいてるのか館内には予想以上の人がい
た。驚いたのは子どもを多くみかけたこと。もう春休み?ミロ(1893
~1983)が1934年に描いた‘カタツムリ、女、花、星’を母親と一緒
に来ていた小学校高学年の男の子が熱心にみており、‘あそこは顔に見える
ね’と右上のフォルムをしっかりとらえていた。これには感心した。

ミロは一生つきあっていく画家だからこれまで回顧展が開かれたときは見
逃さずにでかけてきた。5回くらいみたと思うが、会場に小さい子がいたの
は今回がはじめて。ミロの絵はシュルレアリスム絵画のなかではダリと違っ
て一見子どものいたずら書きみたいな素朴さとユーモラスなところがある
から、子どもは大人以上に楽しく反応できるかもしれない。

ミロの大きな回顧展は世田谷美で行われた2002年以来だから20年ぶ
りの開催となる。このとき出品されたバルセロナのミロ美が所蔵する‘焼け
た森の中の人物たちによる構成’がまたやって来た。これは‘カタツムリ’と比
べ線がすっきりのび、中心の塊は安定感のある三角形と円によってうまく
ミックスされているため心に強く印象づけられる。抑え気味の色使いも落
ち着いてみられる。

今回の収穫は‘女(勅使河原宗蒼風のために)’だった。‘焼けた森’をさらに
洗練させた感じでフォルムに丸みをつけたり傾かせたりして画面に動きを
生み出している。すぐビビッときた。‘ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞い
ている踊り子’はミロ展には欠かせない定番の作品、日本にあるミロでは
これが一番の傑作。黒字の背景に描かれた大作でここにはよくみると4人
が描き込まれているのがイメージできる。上の方に横に倒された人物が
いて、庭石を連想させる灰色のところには黒で縁取られた目をもつ3人が
姿をみせている。さて、誰が踊り子なのだろうか?

最後の部屋に飾ってあるインパクトのある水墨画風の作品‘絵画’にお目に
かかれたのもミロの想い出になりそう。マジョルカ島にはどう考えても縁
がないのでこうした太い黒の線が目に飛び込む大きな絵が4点も登場した
のは本当に嬉しい。Bunkamuraに拍手!

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2021.11.14

来年2月 Bunkamuraでミロ展!

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    ‘アルルカンのカーニバル’(1924年 オルブライト・ノックス・アート・ギャラリー)

先日出かけた渋谷のBunkamuraで嬉しい展覧会情報にぶちあたった。
来年2月、ここでミロ展(2/11~4/17)が開催されるという。まさに、
犬も歩けば棒にあたる、である。日本でミロ(1893~1983)の回顧
展が開かれるのは20年ぶりのこと。じつはその2002年に世田谷美で
回顧展が行われたとき広島で仕事をしていたが、無理やり東京出張をつくり
休日の土曜を利用して世田谷に足を運び思いの丈をとげた。ミロ狂を何年も
やっているからこのチャンスを見逃すわけにはいかない。

この回顧展をふくめてこれまで3回くらいミロと縁があったが、世田谷美以
降はどこの美術館のミロ展を企画してくれないので、シャガール同様、ミロ
への関心が薄くなっているのかと心配になっていたところ。ようやくBunka
muraが動いてくれた。期待に応えてくれる美術館に対してはやはり好感度が
ぐんとアップするし、Bunkamuraとの相性の良さをあらためて感じる。

チラシに載っている絵はスペイン・マドリードの国立ソフィア王妃芸術セン
ターが所蔵している‘絵画、カタツムリ、女、花、星’(1934年)。ソフィ
アセンターはピカソの有名な‘ゲルニカ’を展示している美術館だが、ミロの絵
もダリ同様多くの作品が展示されており、4つくらいの部屋で全部で20点
くらいお目にかかった。そのなかでもっとも人気の高いのがこの絵で美術館
のカタログにもとりあげられている。再会が楽しみ!

アメリカのオルブライト・ノックス・アート・ギャラリーにある‘アルルカン
のカーニバル’は2002年のとき世田谷美のあと巡回した愛知県美での展示
だったため、みれなかった。ミロ本に必ず出てくる傑作なので残念でならな
いが、世の中思い通りにはいかない。来年、縁があることをかすかに期待し
ているが、まず無いだろう。

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2020.04.29

エスニックジョーク 日本人なら!

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  マグリットの‘ゴルコンダ'(1953年 メニル・コレクション)

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  マグリットの‘リスニングルーム'(1958年)

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  マグリットの‘幸福な手'(1958年)

行動経済学が専門の明治大学の友野典男教授がお書きになった‘感情と勘定の
経済学'(潮出版社 2016年)のなかにとてもおもしろい話がでてくる。
それはパーティなどでの笑い話、エスニックジョーク。豪華客船が事故に遭
い沈没しそうになったので乗客を海に飛び込ませなくてはならなくなった。
船には多くの国の人が乗っている。その人たちにどう言えば飛び込んでくれ
るか。

アメリカ人に対してはこう言う。‘今飛び込めばヒーローになりますよ'、うん、
よくわかる。イタリア人だと‘美女も一緒に飛び込みますよ'、イタリアの男
を動かすにはこのフレーズが一番かもしれない。では、同じヨーロッパの
ドイツ人にはどう言うか、‘飛び込めと規則に書かれています'。これも納得!
ルフトハンザ航空は時間通り飛び立つのは世界の常識だから。

では、日本人ならどう言われるか、‘ほかのみんなも飛び込んでいますよ' 
ううーん、外国の人は日本人の行動性向をよく知ってるわ!日本人は自分の
感情は横においてまわりのものがどう行動するかをみてそれにあわせる。そう
いう風にみられている。

最近はMy散歩コースでもウォーキングをする人とすれちがうことが多くなっ
た。また、お父さんやお母さんと一緒に走っている男の子や女の子にもよく出
会う。さらにかなり本格的に走る若年層も増えた。テレワークをし終わったの
で外で手足を動かして気分転換をはかっているのだろう。今はほかのみんな
と同じように人と会わないように自粛していなければいけない。それをこうや
って歩いたり走る人をみて確認しているともいえる。

厳しい外出規制がひかれているパリでは人々が家のベランダにでてまわりの
人たちと手をふったり声をかけあったりしている。その光景をTVでみてマグ
リットの‘ゴルコンダ'というシュール画を思い浮かべた。パリっ子はこうやっ
て空中でつながっている感じがする。

同じくマグリットが描いた‘リスニングルーム'や‘幸福な手'は部屋のなかでも
無邪気に物とむきあい想像をふくらませればあっと驚く光景が生まれてくるこ
とをみせてくれる。でも、マグリットを真似てみたが刺激が足りないのかやは
りいつもの見慣れた部屋のままだった。

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2019.08.21

マドリードで石田徹也展!

Img_0001_20190821215701     ‘囚人’(1999年)

 

Img_20190821215701     ‘燃料補給のような食事’(1996年)

 

昨日の朝日新聞に興味深い記事が載っていた。今年の4月からスペインの
マドリードにある国立ソフィア王妃芸術センターで31歳の若さで亡くな
った石田徹也(1973~2005)の個展が開かれているようだ。開幕
から7月の下旬までに31万3千人がみたというからすごい。関心を寄せ
ている石田徹也が海外で注目を集めていることを耳にすると嬉しくなる。

記事には出品された70点のなかから‘囚人’と‘回収’が紹介されていたが、
美術教師と一緒に‘囚人’をみた17歳の女子生徒は‘自分と同じ感情だ’と語
っている。2007年この絵を所蔵するCBコレクションがおこなったミニ
回顧展(16点)でみたとき、あっけにとられてみていた。男の生徒が
校舎に体をがんじがらめにされて横たわっている。極端でかなり過激な
表現だが、子どもたちを囚人に見立てるのはなるほどと思わせるところが
ある。スペインの女の子はわが意を得たりだったのかもしれない。

2010年に画家の没後5年に合わせて全作品集が出版された。喜び勇ん
で銀座の小さなギャラリーにでかけ購入した。石田は10年間で217点
の作品を生み出している。なかにはあまり長くみたくないものもあるが、
関心の強さはずっと維持されたまま。本物をみたのはこのときが最後だが、
こうして海外から石田徹也のホットなニュースが飛び込んでくると日本で
の回顧展を期待したくなる。

最初の出会いで石田徹也は‘日本のマグリット’だと思った。それを200%
実感させるのが‘燃料補給のような食事’。これは日本の現代美術に燦然と輝く
傑作。マドリードで出品されてるはずだが、みた人は同じ印象をもつにち
がいない。マグリットが生き返ってこれに遭遇したら裸足で逃げ
るだろう。

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2018.04.15

デルヴォーのヴィーナス!

Img     デルヴォーの‘眠れるヴィーナス’(1944年)

Img_0004     ドレイパーの‘イカロス哀悼’(1898年)

Img_0002     ルノワールの‘ソファに横たわる裸婦’(1915年)

Img_0001     マティスの‘布をまとう裸婦’1936年)

横浜美では現在、テートコレクションで構成された‘ヌード展’(3/24~6/24)が行われている。テーマを設け作品を集めてくる企画展は今ではひとりの作家をとりあげる回顧展、海外の美術館の名品を持ってくる美術館展と並んで定番の展示方式。

好みの順番でいうとテーマ展は回顧展、美術館展のあと。そのためこのヌード展はあるひとつの絵をどうしてもみたくて出かけた。その1点買いの絵はデルヴォー(1897~1994)の‘眠れるヴィーナス’、ロンドンにあるテートコレクションはテートギャラリーと呼ばれていたときに2度、そしてテートモダンになって1度足を運んだが、いずれもこの絵は姿を見せてくれなかった。

そんな縁の薄かったシュルレアリスム絵画と日本で遭遇することになるのだから美術館巡りはやめられない。横浜美に万歳!デルヴォーがこの絵を制作したの大戦のさなかでブリュッセルが爆撃されているころ。ヴィーナスの周りにいる女性たちが手をあげたりして悲しみの表情をみせているのはこの緊迫した状況を意識しているから。

左にはおなじみの骸骨を描き中央に眠れるヴィーナスを配置する構成はとても意味深。今街はひどいことが起こっていてもヴィーナスは裸婦の美を象徴し続ける存在であり、骸骨は博物館の部屋から出てきて‘死を忘れるな’と人々に警告する。長くみていた。

チラシに大きく扱われていたマティス(1869~1954)の‘布をまとう裸婦’は拍子抜けするほど小さめの絵。これよりは2度目の来日となるドレイパー(1863~1920)の‘イカロス哀悼’のほうが画面に吸い込まれる。ギリシャ神話に親しんでいるので、こういうリアルに表現された神話画は夢中にさせる。

ルノワール(1841~1919)の‘ソファに横たわる裸婦’はロンドンでみたという記憶がない。ふだんは倉庫にしまってあるのだろう。チラシをみてどうかなと思っていたが、本物はルノワールらしさがよくでていた。

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2017.09.08

ダリに子どもはいなかった!

Img     ダリの生地フィゲラス(美の巨人たちより)

Img_0001     フィゲラスにある‘ダリ劇場美術館’

Img_0003  ‘アパルトマンとして使えるメ―・ウエストの顔’(1934~35年)

2ヶ月前から気になっていたダリ(1904~1989)の娘騒動。7月に掘り起こされたダリの遺体の一部を使って行われたDNA関係の結果がでて、娘だと主張していた61歳の女性(霊媒師)の訴えが退けられた。やはりダリに子どもはいなかった。

この騒動が報じられたときダリはインポテンツだということがインプットされていたので、それはないだろうと思っていた。さらに娘を名乗る女性が霊媒師とくればどうしても胡散臭い話になってくる。莫大な遺産が絡むだけにダリ財団としてもやれやれ、と素直に喜んでいるだろう。

昨年12月TV東京の人気番組‘簿の巨人たち’でダリの生地フィゲラスにある‘ダリ劇場美’が紹介された。ダリ好きにとって、この美術館はダリの聖地みたいなところ。なんとしても訪問を実現しようと長年思い続けている。そのにため、交通情報がでてくると旅の実行計画が一歩進んだような気になる。

番組によるとバルセロナからフィゲラスまではAVE(スペイン高速鉄道)を利用すると1時間で行くらしい。新幹線なら横浜から名古屋へ行く感覚だから、フィゲラスは簡単に出かけられる街というイメージがわいてきた。

昨年のちょうど今頃国立新美で行われたダリ展のように、ダリ劇場美が所蔵する作品は過去に何度となくやって来た。それらを集めてみると、コレクションの半分くらいはすでにみているかもしれない。でも、一度もきていないいい絵もまだ沢山ある。例えば、‘セックス・アピールの亡霊’とか‘レダ・アトミカ’。

そもそも日本にもってこれないもので興味をそそられるのは‘メ―・ウエストの部屋’、この部屋を外からみるとダブルイメージがきいて‘アパルトマンとして使えるメ―・ウエストの顔’となる。この有名な作品をいつか目の中に入れたい。機が熟すのを待つばかり。

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