メキシコ20世紀絵画展のフリーダ・カーロ



‘メキシコ20世紀絵画展’(7/4~8/30)を見るため世田谷美を訪問した。この美術館は最寄りの用賀駅(東急田園都市線)からのアクセスがあまりよくない。美術館行きのバス停に近づくと待っている人は誰もいない。イヤな予感、バスは3:05に出発したばかり。つぎは3:45、35分も待つはめになった。
美術館までは歩いて20分だが、エコバッグは図録やら購入した本でずしっと重くなっているので、その元気はない。入館する前、帰りのバスの時刻を確認して、その時間内で見終わることにした。この展覧会ははじめからフリーダ・カーロ(1907~54)の‘メダリオンをつけた自画像’(1948、上の画像)を見るのが目的だから、時間はかからない。
お目当ての絵は最初に展示してあった。彼女の絵をみるのはこれがはじめて。03年Bunkamuraで回顧展があり、そのころ日曜美術館か美の巨人たちで取り上げられたような記憶がある。確か、小さい頃小児麻痺のため足の発育が止まり、さらに大きな事故に遭遇し足や腰椎を骨折するなど、人生の大半を肉体的な苦痛に見舞われて過ごし、47歳で亡くなったという話だった。
驚かされるのがその画風。メキシコにもこんなすごいシュルレアリストがいたとは!目に焼きついているのが‘折れた背骨’と‘ふたりのフリーダ’。ダリの体がくり抜かれた彫刻作品を彷彿とさせる‘折れた背骨’で、小さな涙の粒が描かれていたが印象的。この自画像でも涙が3粒みられる。
白のレース編みのテーブルクロスに大きな丸い穴を開けてそこから顔を出している感じのフリーダはぱっとみると男性にみえる。まゆげが濃くうっすら口ひげがはえているから、男と錯覚する。この絵は番組かほかの美術本にでていたので有名な絵だと思うが、シュールな表現という感じはしない。次回は仰天させられたあのシュールな作品に囲まれてみたい。
1点買いの絵を見たので、あとはスルスルと導線を進んだ。足が止まったのが真ん中のシケイロス作、‘進歩の寓意’(1950)。画面上部に飛行船とトンネルから出てきた列車、飛行機、そして右の黄色の大地にはトラクターが描かれている。斜めの線とか列車や煙のスピード感あふれるフォルムをみると、未来派のバッラやボッチョーニの絵を連想する。
メキシコ市にシケイロス(1896~1974)が制作した‘地上での、そして宇宙へ向かう人類の行進’(1971)と題された周囲150m、高さ15mの大壁画があるらしい。夢に終わるかもしれないが、いつか見てみたい。
下はイスキエルドの‘マリア・アスンソロの肖像’。画家の名前は全然知らなかったが、女性の内面をよくとらえているこの絵にぐっと惹きこまれた。また、白で描かれた人物描写とハッとする構図が心を打つロメロの‘ホロコースト’の前にも長くいた。
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