2018.09.19

フェルメール展 2500円はクレイジー!

Img_0001     ‘取り持ち女’((1656年 ドレスデン絵画館)

Img     ‘紳士とワインを飲む女’(ベルリン国立美)

開幕が迫ってきた上野の森美の‘フェルメール展’(10/5~2/3)、つい最近新たに1点が追加され出品作は全部で9点となった。この最後のピースがなんとも嬉しい絵、予想もしなかったドレスデン国立古典絵画館にある‘取り持ち女’。

2003年中欧を旅行したとき、ドレスデンの絵画館ではフェルメール(1632~1675)の‘窓辺で手紙を読む女’と‘取り持ち女’と会うのが楽しみだった。ところが、どういうわけか見たい度の強かった‘取り持ち女’のほうは姿を現してくれなかった。どこかの国で開かれた展覧会に貸し出し中とのこと。ガックリ!

この初期の風俗画色の強い作品を見逃したのは返す々も残念で二度目のドレスデンが頭をちらっとよぎるが、現状ではその可能性は低く幻の絵のままだろうなと諦めていた。だから、りカバリーが日本で実現することに喜んでいる。

この絵は来年の1/9から登場する。そのため、日時の予約は1月分がはじまる11/3以降にすることにした。いい情報が入ったのでめんどくさい時間指定の予約の仕方を知っておこうと上野の森美のHPにいくと、バッドニュースが飛び込んできた。

今回の入館料はな、なんと2500円!これは呆れた。上野の森美は前々から値段が高いことで好感度はよくなかったが、これでさらに低下した。高い人気を誇るフェルメールが9点、しかも初来日が3点もあるので1800円なら許容範囲。

それを平気で2500円もつける。クレイジー極まりない! 普通のブランド美術館の運営感覚からは大きく逸脱しており、フェルメールで大儲けしようとする本性丸出し。4ヶ月興行だから相当の利益をもくろんでいるのであろう。視聴率のとれないフジテレビ系の美術館がフェルメール展を開催すること自体が不幸のはじまりだった。

フェルメールが好きな人は多いからこれまで日本で行われたフェルメール作品がでてくる展覧会は皆せっせと足を運んでいる。だから、新規の作品が登場すれば心ははずむ。でも、今回は3点をみるためには大変な出費がかかる。

今回ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵の‘赤い帽子の娘’は10/5~12/20しか展示されない。同じく初来日の‘紳士とワインを飲む女’は通期の展示だが、‘取り持ち女’は1/9~2/3。そのため、3点全部目に焼きつけようとすると2回出動しなくてはならず5000円かかる。

コアなフェルメールファンならこのコストはなんともないだろうが、普通の絵画好きなら‘フェルメールには関心があるが、2500円も5000円もするのならやめとこう!と思うにちがいない。隣の方もフェルメールはいっぱいみたからパスすると、言っている。

本来ならビッグなイベントとして大いに盛り上がるところだが、これだけ料金が高い上にめんどうな日時予約があるため客足は意外に伸び悩む可能性がある。フェルメール展はこれまで何度も行われており、また海外旅行をして本物を見た人も増えているので、この条件だと観客の伸びしろはそれほど大きくない。

マーケティングセンスが悪いフジテレビ系の上野の森美だから美術ファンの心が読めずにいる。つくづく不愉快なことをするなと思う。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018.08.18

待望の‘藤田嗣治展’! その二

Img     ‘五人の裸婦’(1923年 東近美)

Img_0001  ‘フルール河岸 ノートル=ダム大聖堂’(1950年 ポンピドー)

Img_0002     ‘人形と少女’(1954年)

Img_0003     ‘礼拝’(1962~63年 パリ市立近美)

藤田嗣治(1886~1968)はパリで活躍した画家なのでその作品はフランスを中心にヨーロッパに多くあると思ってしまうが、どっこい日本の美術館や個人が結構もっている。今回出品されている絵画は全部で117点、そのうち96点が日本にあるもの。

日本の美術館で藤田の絵がすぐ思いだされるのは東近美、東芸大美、京近美、大原美、秋田の平野政吉コレクション、万代島美、ポーラ美といったところ。圧巻だったのは藤田の代名詞となった乳白色の裸婦が描かれた東近美の‘五人の裸婦’と大原の‘舞踏会の前’が隣り合わせで展示されていること。久しぶりにみたので感激した。

藤田の子どもの絵に大変魅了されているが、収穫の一枚があった。はじめてお目にかかる‘人形と少女’、子どもの絵はポーラ美が一手に引き受けていると思っていたが、こんないい絵を個人がもっていたとは。個人蔵ではもう一点、初期の肖像画‘座る女’にもKOされた。白い肌に浮かび上がる黒髪、黒い目、そして身につけた黒い衣装。この黒のインパクトにたじたじだった。

海外の美術館ではポンピドーの風景画‘フルール河岸 ノートル=ダム大聖堂’に思わず足がとまった。一瞬、ユトリロのパリの絵が頭をよぎる。だが、ユトリロとはちがい静けさよりは落ち着いたパリの街の居心地のよさが感じられる。ああー、パリが呼んでいる。

フランスに帰化した藤田が晩年に描いた‘礼拝’はヨーロッパの画家の描く宗教画とは明らかにちがっている。両側にいる修道士の藤田と修道女の君代の間を数羽の鳥が動き回っている。そして、聖母マリアの左手のところから右の肩にむかって小さく描かれた鳥が群れをなして飛んでいっている。また、右ではウサギが跳びはねている。聖母マリアがでてくる絵に鳥や生き物がこれほど目立つ絵はほとんどみない。

キリスト教へ改宗したとはいえ藤田は花鳥風月の心をもち続けており、横に並んでいる‘キリスト降架’でも画面下に草花がたくさん描きこまれている。藤田はやはり日本の画家。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.08.17

待望の‘藤田嗣治展’! その一

Img_0002     ‘カフェ’(1949年 ポンピドーセンター)

Img   ‘エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像’(1922年 シカゴ美)

Img_0003     ‘美しいスペインの女’(1949年 豊田市美)

Img_0001     ‘人魚’(1940年)

現在、上野の東京都美で開かれている‘没後50年 藤田嗣治展’(7/31~10/8)をみてきた。藤田嗣治(1886~1968)の回顧展をみるのは今回で5度目。これだけ出かけてるのは藤田の絵に大変魅了されているから。

チラシによると‘質量ともに史上最大級の大回顧展’という力強い訴求。一般の物売りだと大げさなに盛ったキャッチフレーズはよくあることだからそう驚かないが、展覧会ではまじめに展示内容のスゴさを伝えていることが多い。作品に自信があるときは主催者のどや顔はこういうフレーズに変わる。

作品をみるとその通りだった。東京都美は相変わらずホームランを打ち続ける。本当に感心する。出かける前は図録を買うのはやめて絵葉書で済ますつもりだったが、初見の作品が続々登場するのでそうもいかなくなった。

どうしても最初に載せたいのがチラシにどんと使われている‘カフェ’。この絵は3つのヴァージョンがあり、ポンピドー蔵のこの絵は2度目の来日。ドガの描いた男女のいるカフェの絵ほどうら寂しくひんやりしてないが、この女性はなにか心配事があり気が晴れない様子。

後ろにいる2人の男性の後ろ向きと横向きに対して、手を顎にあててぼんやりしている女性は真正面からとらえられている。仮に女性だけがこのポーズで描かれたものを想像してみると、3人が登場する場面のほうが女性の内面により肉薄できる。カフェには同じ時間が流れていて男性には平穏に進むのに女性には重苦しい雰囲気が固定されたまま。そんな感じがよく描かれている。

2008年シカゴ美でみた‘エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像’と再会した。当時、美術館感想記にこの絵を紹介したかったのに絵葉書がなく写真が撮れなかったため、それが叶わなかった。これは藤田36歳のときの作品。背後に銀箔を使用するなどとても見栄えのする肖像画に仕上がっている。

‘カフェ’同様、藤田がNYに滞在しているときに制作されたのが‘美しいスペインの女’、この絵はどういうわけか過去の回顧展に出品されなかった。海外の美術館がもっているのではなく豐田市美にあるのだからいつかでてくると思っていたが予想外に時間がかかった。図版でみるより数倍いい。すっきり顔の美しい女性だった。

初見ではっとしたのが1940年に描かれ二科展に出品された‘人魚’、こんな絵が藤田にあったとは!現在は香港在住の個人が所蔵している。こういう想定外の作品に遭遇するのが回顧展の醍醐味。収穫の一枚だった。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018.07.29

ビッグニュース! 来春 ‘クリムト展’

Img_0001    ‘ユディトⅠ’(1901年 ベルべデーレ宮オーストリア絵画館)

今日の朝日新聞に嬉しい記事が載っていた。来年の4月、‘クリムト展’が行われるそうだ。場所は東京都美で会期は4/23~7/10。作品の数はなんと過去最大級の20点。

クリムトがウィーンに生まれたのは1862年、そして亡くなったのは1918年。そう、今年はクリムトの没後100年の節目の年、そのためすでに入手していた情報によると国立新美が来年4/24~8/5にクリムトとシーレを軸にした‘ウイーン モダン’を開催することが決まっている。

クリムト好きなのでこの展覧会にすごく期待していたが、もうひとつ同じ時期に上野でオールクリムトがあるのだからたまらない。20点のなかに‘ユディトⅠ’が入っていることはわかったが、ほかはどんな作品がやって来るのだろうか。追っかけ作品が多く含まれていればテンションがぐっと上がるのだが。

日本で行われたクリムト展は過去4,5回みた。5年前、生誕150年を記念した‘クリムト 黄金の騎士をめぐる物語’をみるためJRに乗って宇都宮美に馳せ参じた。2012年ウィーンではクリムト一色になったそうだが、これは海外旅行のタイミングは合わなかったのでそれなら日本でクリムトを楽しもうという思いだった。

収穫はワシントンのナショナルギャラリーにある‘赤子(揺りかご)’と豐田市美蔵の‘オイゲーニア・プリマヴェ―ジ’、2013年はNYのノイエギャラリーを訪問し‘アデーレ・ブロッホバウアーⅠ’などもみたのでわが家はクリムトイヤーだった。来年は2つの美術館にクリムトがやって来る。今年がムンクで来年はクリムト、いい流れが続く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.07.02

出光美の‘歌仙と古筆’!

Img_0001 ‘佐竹本三十六歌仙絵 柿本人磨’(重文 鎌倉時代 出光美)

Img     ‘佐竹本三十六歌仙絵 山邊赤人’(鎌倉時代)

Img_0003     俵屋宗達の‘歌仙図色紙 大伴家持’(17世紀 出光美)

Img_0004     鈴木其一の‘三十六歌仙図屏風’(部分 1835年)

出光美で行われている‘歌仙と古筆’(6/16~7/22)をみてきた。この展覧会は2006年の‘歌仙の饗宴’を楽しんだのでパスのつもりだったが、みどりがめさんから‘佐竹本’の‘山邊赤人’(個人蔵)が出品されている(7/1まで)ことを教えてもらい30日(土)急遽でかけた。

‘佐竹本三十六歌仙絵’の37点を命があるまで一点でも多くみたいと強く願っている。だが、これまでお目にかかったのはまだ17点。だから、未見の‘山邊赤人’がでているならなんとしてもという気になる。左を向いて座っているいる歌聖の‘柿本人磨’が右に、右向きの‘山邊赤人’が左とペアで展示。よく似た図柄でともに硯箱が描かれている。どうみても2人は別格扱い。

展示の最初にお目当ての作品がでてきたのであとは見覚えのある歌仙図や屏風をさらっとみた。そのなかで足がとまったのが俵屋宗達の‘歌仙図色紙 大伴家持’と2年前の回顧展にでてきた鈴木其一(1796~1858)の‘三十六歌仙図屏風’。

今年が‘人磨影供’がはじまって900年にあたる年というのは展示の内容を企画する学芸員しか思いつかないことだと思うが、2006年にでた‘柿本人磨像’とはちがう絵師が描いたものがでていた。狩野永納、土佐光起、住吉広行、そして出光美定番の岩佐又兵衛。

久しぶりに出光美を訪問したが、やはりこの美術館は根津美同様、ブランド美術館。なかなかみれない作品をもってきてくれるのは本当にありがたい。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2018.07.01

2018年後半展覧会プレビュー!

Img

Img_0002

いつものように今年後半出かける可能性の高い展覧会をまとめてみた。
★西洋美術
 モネ展           7/14~9/24     横浜美
 藤田嗣治展         7/31~10/8     東京都美
 ボナール展         9/26~12/7     国立新美
 デュシャンと日本美術    10/2~12/9     東博
 
 フェルメール展       10/5~2/3      上野の森美
 ルーベンス展        10/16~1/20    西洋美
 フィリップスコレクション  10/17~2/11    三菱一号館美
 ムンク展          10/27~1/20    東京都美

★日本美術
 琉球展           7/18~9/2      サントリー美
 醍醐寺展          9/19~11/11    サントリー美
 快慶・定慶展        10/2~12/9     東博
 
 新・桃山の茶陶       10/20~12/16   根津美
 東西数寄者の審美眼     10/20~12/9    五島美
 東山魁夷展         10/24~12/3    国立新美 

(注目の展覧会)
5月オスロ国立美でムンクの‘叫び’に会い、わが家はムンクで盛り上がっている。秋に東京都美にやって来る‘叫び’はムンク美が所蔵するもの。このヴァージョンは美術館では常時展示されていないのでいいめぐり合わせ。今年はこのムンク展をあちこちでPRしている。

上野の森美の‘フェルメール展’には大勢の人が押し寄せそう。今回は時間指定制を導入するらしいが、そろそろ予約がはじまるのだろうか。

日本美術のほうはサントリーの‘琉球展’に念願の龍が描かれた紅型(国宝)が登場する(7/18~7/30の限定展示)。とても楽しみ。

五島美で行われる‘東西好数寄者の審美眼’は関西の逸翁美のコレクションが公開される。このなかに長澤芦雪に犬の絵が入っている。ずっと追っかけていたがようやく会えそう。

    
 


| | コメント (8) | トラックバック (0)

2018.06.21

ビッグニュース! 来年秋 ‘コートールド美展’

Img_0002     ロンドンにあるコートールド美

Img_0001     マネの‘フォリー=ベルジェールのバー’(1881~82年)

Img     セザンヌの‘カード遊びをする人たち’(1892~96年)

Img_0003     ゴーギャンの‘ネヴァーモア’(1897年)

昨日の朝日新聞に嬉しい記事が載っていた。印象派やポスト印象派のコレクションで世界的に名が知られているロンドンのコートールド美の名品展が日本で行われることが決定したという。主催は朝日新聞で場所はまたまた東京都美。会期は来年9/10~12/15で3ヶ月のロングラン興行、そのあと2020年に愛知県美と神戸市博にも巡回する。

印象派好きにとってはたまらない展覧会だが、コートールドが改修のため2年間休館するためこんな夢のような美術館展が実現する。本当にすばらしい!この美術館のコレクションが公開されるのは3度目。過去2回は最初が1984年1~5月で東京(日本橋高島屋)、京都、大阪で開催され、1997年12~1998年2月にまたやってきた。このときも日本橋高島屋でみたが、東京以外に巡回したかは不明。どちらも主催したのは日本経済新聞経。

出品作の情報としてはマネの‘フォリー=ベルジェールのバー’、セザンヌの‘カード遊びをする人たち’、ゴーギャンの‘ネヴァーモアの3点を含む油彩50点ということだが、これからチラシがつくられこのほかの作品もわかってくるだろう。どの名画がラインナップされるか興味津々。

2010年にロンドン訪問したとき念願のコートールドへ足をのばしたので、展示されている名画の数々は目に焼きついている。とにかくすごい絵があそこにもここにもあるという感じ。古典絵画やバロックはちょっと横において印象派とポスト印象派にしぼって画家をあげてみると。

マネ、モネ、ルノワール、セザンヌ、ピサロ、ドガ、ロートレック、スーラ、ゴッホ、ゴーギャン、いずれも美術本によく載っているものばかり。とにかく傑作揃いなのでオルセーにいるような気分になる。今度は東京都美での開催となるので大勢の美術ファンが押し寄せることだろう。開幕はだいぶ先だがとても楽しみ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.04.26

府中市美の春の定番、江戸絵画展!

Img          円山応挙の‘鯉魚図’(1781年)

Img_0002     円山応挙の‘龍虎図’(1778年)

Img_0001         渡辺崋山の‘市河米庵像’(重文 1837年 京博)

Img_0003     司馬江漢の‘七里ヶ浜図’(18世紀後半)

府中市美で行われている江戸絵画展‘リアル 最大の奇抜’(3/10~5/6)をみてきた。前期をパスし後期(4/10~5/6)に出動したのはお目当ての絵をみるため。作品は通期で119点、出ずっぱりがあるのでその半分よりは多い68点が飾られていた。

圧巻は最後の部屋に登場する円山応挙(1733~1795)と府中市美が数多く所蔵している司馬江漢(1747~1818)。チラシに使われている応挙の‘鯉魚図’(通期展示)が気になってしょうがなかった。これまで応挙の描いた鯉はかなりの数みてきたが、リアルな描写ということではこのアクロバチックに跳びはねる鯉の印象が一番強いかもしれない。こんないい絵がまだあったのか、という感じ。大きな収穫だった。

‘龍虎図’もはじめてみる絵。府中市美はこれまで開催してきた江戸絵画シリーズでサイズはそれほど大きくはない初見の応挙をたくさんみせてくれたが、その大半は個人蔵。だから、学芸員の作品を揃えてくる力は本当にすばらしい。

じつはお楽しみの絵は渡辺崋山(1793~1841)の‘市河米庵像’だった。この絵をみたくて府中まで遠征したといっていい。描かれた人物の顔の横のこぶが目に焼きついているこの肖像画を所蔵しているのは京博。以前よく京都へ行ってたときはいずれ平常展にでてくるだろうと期待していたが、全然姿をみせてくれなかった。

そのうち京都が遠くなるとこの絵のことはだんだん薄れてきていた。
だが、‘待てば海路の日和あり’である。崋山の写実力は尋常ではなくまるで本人と対面しているよう。これで崋山にも済みマークがつけられる。

16点展示された江漢のなかで心を揺すぶるのは‘七里ヶ浜図’と‘馬入川富士遠望図’。西洋画の遠近法を上手く消化し誰もが知っている富士を描くというのは江漢の逞しい画家魂の証。この新しい絵へ挑戦する気持ちが北斎に受け継がれ、傑作‘富嶽三十六景’が生まれた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.09

ルドンの色彩美!

Img     ‘グラン・ブーケ(大きな花束)’(1901年 三菱一号館美)

Img_0003     ‘花とナナカマドの実’(1901年 オルセー美)

Img_0001     ‘蝶’(1910年 MoMA)

Img_0002     ‘ドムシー男爵夫人の肖像’(1900年 オルセー美)

三菱一号館美では現在、‘ルドンー秘密の花園’(2/8~5/20)が開催されている。ルドン(1840~1916)は二つの顔をもつ画家、一つ目の怪物や蜘蛛がでてくる怪奇的な世界を描いた‘黒の画家’のイメージ、そしてその色彩の美しさから別人かと思わせる‘花や蝶々の画家’。

今、三菱一号館に世界中のブランド美術館からルドンのカラリストぶりを存分に楽しめる作品が集結している。そのなかでとくにグッとくるのがパステルの大作‘グラン・ブーケ(大きな花束)’、今回は特別の演出がある。この絵と一緒に飾られていたドムシー城の食堂に飾られていた花の装飾画がどーんと15点もオルセー美からやって来た。

例えば、‘グラン・ブーケ’と同じくらいの大きさがある‘黄色の背景の樹’や赤のアクセントが目に心地いい横長の‘花とナナカマドの実’など。この部屋では‘ドムシー男爵夫人の肖像’にも思わず足がとまる。この肖像画はオルセーでまだみたことがなかったので大きな収穫だった。

最後のほうの部屋にもいいのが現れてくる。MoMAのルドンは日本でも展示された‘沈黙’と‘花瓶と花’は知っていたが、ほかにも絵の中にすいこまれる‘蝶’があったとは!これはいいめぐり合わせ。また、嬉しかったのが現地で捜したのに会えなかったㇷ゚ティ・パレの‘蝶と花’。

予想以上に収穫の多いルドン展だった。これでルドンは済みマークがつけられそう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.01.11

モネやゴッホのように回顧展の多い日本人画家!

Img_0001

日本画家と洋画家を一緒に並べてみて、誰の回顧展がよく開かれているだろうか、今年はその筆頭にあげられる画家の作品がまた結集する。東近美が開催するのが横山大観(1868~1958)、会期は4/13~5/27。そして、もう一人のビッグネームは東山魁夷(1908~1999)。この回顧展については秋あたりと思っているが、いつ、、どこの美術館かまだ情報が入ってこない。

大観展は欠かさず足を運んでいるが、この前は2013年横浜美で開かれた‘横山大観展 良き師、良き友’。2年前多くあった図録は整理してMy大観図録を3冊つくったから、東近美へでかけても図録は購入しないことを今から決めている。

東山魁夷は大観や春草のように一生つきあっていく画家、これまで3回ほど大きな回顧展を体験した。最後にみたのが生誕100年となる節目の年、2008年に東近美で行われたもの。それからちょうど10年経った。また心にしみる風景画に出会えるのが嬉しくてたまらない。

今年は世界にその名を轟かした藤田嗣治(1886~1968)の回顧展も開催される。東京都美のつくったチラシによると今年が藤田の没後50年にあたっているので大回顧展を行うと気合が入っている。まだみていない作品がたくさんでてくる予感がするのですごく楽しみ。

この藤田嗣治展は21世紀に入ってからはよく行われている。ざっとふりかえってみると、
★2006年 ‘生誕120年 藤田嗣治展’(東近美)
★2008年 ‘没後40年 レオナール・フジタ展’(上野の森美)
★2009年 ‘レオナールフジタ展ーよみがえる幻の壁画たち’(そごう美)
★2010年 ‘藤田嗣治展ー東京・ニューヨーク・パリ’(目黒区美)
★2016年 ‘レオナール・フジタとモデルたち’(川村記念美)

2016年には出かけなかったが、名古屋市美と府中美でも回顧展があったと記憶している。


 


| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

やまと絵 | アメリカ絵画 | アートに乾杯! | アール・デコ | アール・ヌーヴォー | イギリス絵画 | ウィーン世紀末 | エコール・ド・パリ | オペラ | オリンピック | キュビスム | ギリシャ・ローマ史 | クラシック音楽 | サイエンスの森! | サッカー | シュルレアリスム | ジャズ | スペイン絵画 | スポーツ | ズームアップ 名画の響き合い! | ダダ | テニス | ナビ派 | バルビゾン派 | バロック | ファッション | フォーヴィスム | マニエリスム | マラソン | ミュージカル | ミューズに願いを! | ラファエロ前派 | ルネサンス | ロココ絵画 | ロマン派 | 中国絵画 | 仏画 | 個人コレクション 夢の傑作選! | 円山四条派 | 写実派 | 北方絵画 | 印象派 | 古代遺跡 | 夢の‘日本美術里帰り展’! | 夢の展覧会 | 奇想派 | 学問・資格 | 工芸 | 建築 | 抽象絵画 | 文人画 | 文化・芸術 | 新古典派 | 旅行・地域 | 日本の歌 | 日本の洋画 | 日本の美術館 | 日本の美! | 日本映画 | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | | 書籍・雑誌 | 未来派 | 東洋・日本彫刻 | 民画 | 水墨画 | 洋風画 | 浮世絵 | 海外の美術館 | 海外の音楽 | 海外映画 | 満足のキメ手はリファレンス作品! | 狩野派 | 現代アート | 琳派 | 癒しのアートにつつまれて! | 相撲 | 素朴派 | 絵巻 | 美術に魅せられて! | 美術館に乾杯! | | 芸能・アイドル | 行動経済学 | 街角ウォッチング | 表現主義 | 西洋彫刻 | 西洋画・日本画比較シリーズ | 象徴派 | 近代日本画(古典・歴史画) | 近代日本画(女性画) | 近代日本画(花鳥画) | 近代日本画(風景画) | 近代日本美術の煌き! | 近代西洋絵画 | 野球 | 陶磁器 | 音楽が誘う絵画の世界! | 風俗画 | 食べ物