2018.01.11

モネやゴッホのように回顧展の多い日本人画家!

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日本画家と洋画家を一緒に並べてみて、誰の回顧展がよく開かれているだろうか、今年はその筆頭にあげられる画家の作品がまた結集する。東近美が開催するのが横山大観(1868~1958)、会期は4/13~5/27。そして、もう一人のビッグネームは東山魁夷(1908~1999)。この回顧展については秋あたりと思っているが、いつ、、どこの美術館かまだ情報が入ってこない。

大観展は欠かさず足を運んでいるが、この前は2013年横浜美で開かれた‘横山大観展 良き師、良き友’。2年前多くあった図録は整理してMy大観図録を3冊つくったから、東近美へでかけても図録は購入しないことを今から決めている。

東山魁夷は大観や春草のように一生つきあっていく画家、これまで3回ほど大きな回顧展を体験した。最後にみたのが生誕100年となる節目の年、2008年に東近美で行われたもの。それからちょうど10年経った。また心にしみる風景画に出会えるのが嬉しくてたまらない。

今年は世界にその名を轟かした藤田嗣治(1886~1968)の回顧展も開催される。東京都美のつくったチラシによると今年が藤田の没後50年にあたっているので大回顧展を行うと気合が入っている。まだみていない作品がたくさんでてくる予感がするのですごく楽しみ。

この藤田嗣治展は21世紀に入ってからはよく行われている。ざっとふりかえってみると、
★2006年 ‘生誕120年 藤田嗣治展’(東近美)
★2008年 ‘没後40年 レオナール・フジタ展’(上野の森美)
★2009年 ‘レオナールフジタ展ーよみがえる幻の壁画たち’(そごう美)
★2010年 ‘藤田嗣治展ー東京・ニューヨーク・パリ’(目黒区美)
★2016年 ‘レオナール・フジタとモデルたち’(川村記念美)

2016年には出かけなかったが、名古屋市美と府中美でも回顧展があったと記憶している。


 


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2018.01.06

秋のお楽しみはムンクとフェルメール!

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Img_0001  フェルメールの‘牛乳を注ぐ女’(1659年 アムステルダム国立美)

Img_0002     フェルメールの‘音楽の稽古’(1659年 ベルリン国立美)

追っかけリストに載せている日本美術は時間が経つとともにペースは遅いがひとつふたつと済みマークがついていく。これに対し、西洋美術は幸運な鑑賞が訪れる機会は日本画とそう変わらないペースでやってくるが数が多いため夢の作品はまだ沢山残っている。

前半の展覧会に登場する待望の絵は4点、
★セザンヌの‘赤いチョッキの少年’  ビュールレコレクション展(2/14~5/7) 
★セザンヌの‘サント=ヴィクトワール山’  プーシキン美展(4/14~7/8)
★ゴッホの‘日没を背に種をまく人’  ビュールレコレクション展
★アンリ・ルソーの‘馬を襲うジャガー’   プーシキン美展

では、後半はどんなミューズの贈り物があるか、嬉しい絵に2点ありつける。東京都美で行われる‘ムンク展’(10/27~1/20)出品される‘叫び’。これはムンク美が所蔵するもの。美術の本に載っているのはオスロ国立美にある‘叫び’。このムンク美のものは初来日とあるが、10年以上前に出光美にやって来たとインプットされている。実際に展覧会をみていないので情報が混線しているのかもしれない。

もうひとつはフェルメールの‘紳士とワインを飲む女’、10月上野の森美にフェルメールが8点も集結する。会期は10/5~2/3、なんと4ヶ月のロングラン興行!これは大変な人気になりそう。このフェルメール展の目玉は最も有名な‘牛乳を注ぐ女’。そして、ありがたいのは8点のなかにベルリンにある‘紳士とワインを飲む女’が入っていること。

むろさんは2016年ベルリンでみられたというが、2年遅れで共有できそう。この絵が目に入るとフェルメールの未見は‘取り持ち女’(ドレスデン絵画館)と‘音楽の稽古’(バッキンガム宮殿王室コレクション)の2点だけになる。カラヴァッジョとちがいコンプリートにこだわっているわけではないのでじっと日本で待つ作戦。はたしてやって来るか。

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2018.01.04

謹賀新年 2018年前半展覧会プレビュー!

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Img_0001_2      円山応挙の‘狗子図屏風’

今年も拙ブログをよろしくお願いします。まずは出かける可能性の高い展覧会の情報から。
★西洋美術
ビュールレコレクション展  2/14~5/7       国立新美
プラド美展         2/24~5/27      西洋美
ヌード展          3/24~6/24      横浜美
プーシキン美展       4/14~7/8       東京都美
ターナー展         4/24~7/1       損保ジャパン美
ブラック展         4/28~6/24      パナソニック美
肖像芸術展          5/30~9/3      国立新美
エッシャー展         6/6~7/26      上野の森美
ミケランジェロ展       6/19~9/24     西洋美

★日本美術
仁和寺展           1/16~3/11     東博
美人画展           3/31~5/6      東芸大美
池大雅展           4/7~5/20      京博
横山大観展          4/13~5/27     東近美
名作誕生           4/13~5/27     東博
光琳と乾山展         4/14~5/13     根津美
竹久夢二展          5/19~7/1      東京駅美

(注目の展覧会)
昨年と同じく関心の高い展覧会は西洋画のほうに多い。とくに期待しているのは‘ビュールレコレクション展’、セザンヌの‘赤いチョッキの少年’にもうすぐ会えると思うとワクワクする。セザンヌは‘プーシキン美展’でも‘サント=ヴィクトワール山’が登場する。とても楽しみ。

‘ブラック展’は待ち望んだもの。どんな作品がでてくるのか、また、以前紹介した‘ターナー展’は幸運なことに損保ジャパン美に巡回してくる。ターナーの海洋画に最接近したい。

日本画は待望の‘池大雅展’が京博で行われる。隣の方はそのあと伏見稲荷に行こうといっている。外国人観光客に高い人気を誇る観光スポットだから、その様子も肌で感じてみたい。

今年の干支は狗、犬といえば円山応挙がすぐ思い出される。応挙が描く犬は本当に可愛い。

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2017.12.23

魅了される定番の浮世絵展示!

Img_0001    歌川国芳の‘誠忠義士伝 富守祐右衛門正固’(1847年)

Img_0003    歌川広重の‘名所江戸百景 愛宕下藪小路’(1857年)

Img_0002     歌川広重の‘名所江戸百景 びくにはし雪中’(1858年)

Img     木喰の‘自身像’(1804年)

年の終盤になると出かける展覧会が少なくなるので、東博ではお目当ての‘刀剣展’を鑑賞した後ほかの部屋もあちこちまわってみた。

2階の10室はお馴染みの浮世絵があるところ。今でているのは大半が歌川国芳(1797~1861)の忠臣蔵関連のもの。今年は確か府中市美で国芳をやっていたが(?)、まあいいかとパスした。でも、国芳への関心は衰えていない。最後の出動で収穫だったのはここに展示されている‘仮名手本忠臣蔵’、このシリーズはみたという記憶がない。

それに対し‘誠忠義士伝’は目が慣れている。とくにカッコいい姿で描かれているのが‘富守祐右衛門正固’、こういう中国歌舞伎のようアクロバチックな手足の動きは視線を釘づけにする。

国芳と同じ年に生まれた歌川広重(1797~1858)の最晩年の傑作‘名所江戸百景’が5点並んでいた。前にみてから間隔があいたが、やはりこの江戸百景は心に響く。季節柄雪の光景を描いた‘愛宕下藪小路’と‘びくにはし雪中’を長くみていた。‘びくにはし雪中’で目に飛び込んでくる‘山くじら’の看板はご存知のように猪の肉のこと。展示は25日(月)まで。

本館に入って右に進んだ最初の部屋が11室。ここにおやっという彫刻があった。お気に入りの木喰(1718~1810)の‘自身像’。この頬がぷくっとふくれた笑貌をみるたびに人生笑って生きていこうと思う。ここの仏像は来年2/4まで展示されている。

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2017.12.22

久しぶりの是真・暁斎!

Img_0001      柴田是眞の‘四季花鳥図屏風’(部分 19世紀)

Img     河鍋暁斎の‘地獄極楽図’(部分 1888年以前)

Img_0004        寺崎廣業の‘秋園’(1899年)

Img_0003           伊藤若冲の‘松上白鶴図’(18世紀)

今年東博で行われた特別展はヒットが続いた。‘ベスト10!’に入れた‘春日大社展’と‘運慶展’だけでなく‘茶の湯展’(4月)と‘タイ展’(7月)も充実した内容だった。さて、来年はどうだろうか。

今、どこの美術館でどんな回顧展やテーマ展が行われるか情報を集めているが、東博は今年に比べると期待度はだいぶ落ちるかもしれない。1/16からはじまる‘仁和寺と御室派のみほとけ’、‘名作誕生 つながる日本美術’(4/13~5/27)、そして夏の‘縄文展’(7/3~9/2)はどれも鑑賞済みが多そうなのでパスもありかなという感じ。

本館1階18室で久しぶりに柴田是眞(1807~1891)と河鍋暁斎(1831~1889)の大作と遭遇した。是真は六曲一双の‘四季花鳥図屏風’、過去に2度柴田是眞展(三井記念美と根津美)をみたが、この絵は出品されなかったので、10年ぶりくらいにみたかもしれない。だから、はじめは是真にこんないい花鳥画があったのか、と思ったほど。

度肝をぬかれる暁斎の‘地獄極楽図’は2年に一度くらいのペースでお目にかかっているという印象が強い。怖い鬼に責められて顔をゆがめ悲鳴をあげる罪人にみれば地獄行きだけは勘弁してもらおうと思う。この二点と再会した寺崎廣業(1866~1919)の‘秋園’は25日(月)までの展示。

2階の8室(18室の真上)では伊藤若冲(1716~1800)の‘松上白鶴図’に会った。今年はたまった若冲の図録を大整理し極上のMy若冲図録を数冊つくったので、この鶴がどの本に載っているかすぐわかる。この部屋の作品は来年の2/14まででている。

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2017.12.19

2017年 感動の日本美術 ベスト10!(3)

Img_0001_2     運慶の国宝‘毘沙門天立像’(1186年 静岡・願成就院)

Img_2      国宝‘曜変天目’(南宋時代 12~13世紀 京都・龍光院)

Img_0002_2     葛飾北斎の‘雪中虎図’(1849年)

Img_0003      北野恒富の‘鏡の前’(1915年 滋賀県近美)

日本で彫刻家というと誰もがすぐ思い浮かべるのが運慶(?~1223)と快慶(?~1227)、そして東大寺にある‘金剛力士像 吽形・阿形’はどっちが運慶でどっちが快慶だった?と迷う。今年その二人の大規模な回顧展が行われた。春は奈良博で海外からの里帰りも含む‘快慶展’(4/8~6/4)があり、秋の‘運慶展’(9/26~11/26 東博)でも傑作がずらっと並んだ。

はじめてお目にかかった運慶でググッと惹きこまれたのが国宝の‘毘沙門天立像’、とくに迫力があるのはにらみつけるような目、まるで歌舞伎役者が見えをきるような感じ。この緊迫感、リアリティの強さが貴族にかわって台頭してきた武士たちの心をわしづかみする。芸術の様式が時代の空気を反映したものであることがこういう彫刻をみるとよくわかる。

京都の‘国宝展’(10/3~11/26)で念願の国宝‘曜変天目’がみれたのは大きな喜び。この龍光院にある曜変が国宝展にでるという話は急にでてきたので、天にも昇るような気持だった。これで長年心に思っていた国宝はコンプリートした。

対面するのに長い時間がかかったのは徽宗の‘桃鳩図’、フリーア美にある宗達の‘松島図’、そして今回公開された龍光院の曜変天目茶碗。まさに‘待てば海路の日和あり’、美術鑑賞はとにかく長期戦、健康でなくては願いは叶わない。

京都の後、向かったあべのハルカス美の‘北斎展’(10/6~11/19)でも忘れられない一枚があった。‘雪中虎図’、これはNYのコレクターの所蔵だからこの機会を見逃すと二度と縁がない。国宝展に曜変が出品されたので、この愛嬌のある虎をみることができた。二つには不思議なつながりがあったのだろう。

千葉市美で開催された北野恒富(1880~1947)の回顧展(11/3~12/17)は予想以上にいい絵が並んでいた。‘鏡の前’をみて即、恒富を美人画の名手の第一列に格上げした。

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2017.12.18

2017年 感動の日本美術 ベスト10!(2)

Img     喜多川歌麿の‘吉原の花’(1791~92年 ワズワース・アセーニアム美)

Img_0001          英一蝶の‘涅槃図’(1713年 ボストン美)

Img_0004     陳容の‘九龍図’(部分 南宋時代 1244年ボストン美)

Img_0003          ‘九龍図’(部分)

日本美術関連の展覧会を1年を通してふりかえってみると、毎年々数は少ないが長年追っかけていた名品との遭遇がある。それが今年は例年以上に多かった。しかも、屏風、浮世絵、彫刻、工芸といろんなジャンルにわたるという運の良さ。ミューズに感謝の気持ちをこめてお歳暮を贈っておいた。

夏にドライブを兼ねてクルマで出かけた箱根の岡田美(7/28~10/29)で心が踊る浮世絵と対面した。存在を知ってからみたくてしょうがなかった喜多川歌麿(1753~1806)の‘吉原の花’、この肉筆画を所蔵しているのはアメリカのワズワース・アセーニアム美(コネチカット州ハートフォード)。

千葉市美で行われた歌麿展に一度里帰りしているので、再来日は無理だろうなと思っていた。ところが、突然いい風が吹いてきた。2012年日本で発見された‘雪月花’のひとつ‘深川の雪’が強い磁力を放ち、再びアメリカから呼び寄せてくれた。このニュースを聞いたときは飛び上がるほど嬉しかった。

フリーアの‘品川の月’を加えた三部作のなかでこれがもっとも心を浮き浮きさせる。艶やかな衣裳に身をつつみ桜の花と美の競演を繰り広げる女性たちの姿を生き生きと活写したこの‘吉原の花’は歌麿の最高傑作かもしれない。

‘ボストン美の至宝展’(7/20~10/9 東京都美)に登場した英一蝶(1652~1724)の‘涅槃図’も目を楽しませてくれた。図版では絵のサイズが実感できないので、大きな本物とむきあうと描かれた天女や動物たちを隅から隅までみてしまう。また、170年振りに修理が行われ描かれたときの状態でみれるというのは幸運なめぐり合わせ。

ボストン美蔵で圧倒されたのがもうひとつある、南宋時代に活躍した陳容によって描かれた‘九龍図’、横9.58mの画面に9頭の龍が雲のなかを超スピードで飛びまわっている。正面向きの姿があり、そして胴体を大きくくねらせる躍動的な動きは風に渦をまきおこす。強く印象に残る龍だった。

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2017.12.17

2017年 感動の日本美術 ベスト10!(1)

Img      国宝‘赤糸威大鎧’(13~14世紀 春日大社)

Img_0004     ‘五葉松 銘 日暮し’(大宮盆栽美)

Img_0002  海北友松の‘月下渓流図屏風’(左隻 17世紀 ネルソン・アトキンス美)

Img_0001      ‘月下渓流図屏風’(右隻 部分) 

後半に内容の充実した展覧会が目白押しだった日本美術関連の特別展、東博では1月の‘春日大社展’(1/17~3/10)と秋の‘運慶展’(9/25~11/26)がお宝満載の展示だった。

国宝の追っかけを長く続けているが、奈良の春日大社はまだ訪問したことがなく、有名な‘蒔絵箏’や威大鎧などとまったく縁がなかった。それが今年一気に解消された。これが春日大社のお宝か、という感じ。‘蒔絵箏’にも大感激だったが、もっと気持ちがハイになったのが‘赤糸威大鎧’、めぼしい国宝の鎧はだいたいみていたが、これほど見事な鎧があったとは!200%KOされた。

4月、大宮盆栽美でみた盆栽の傑作、‘五葉松 銘 日暮し’も忘れられない一品になった。TVのニュースにときどき大宮にやって来る海外の盆栽愛好家がでてくるが、出かけた日も大勢の外国人がいた。大宮は盆栽の聖地になっているようで、どの愛好家も満足げな顔つきで目が輝いていたのが印象的。

京博の海北友松展(4/11~5/23)で大きな収穫があった。最後にでてきた‘月下渓流図屏風’、海北友松(1533~1615)の最晩年の屏風が日本ではなくアメリカのネルソン・アトキンス美におさまっていたことはまったく知らなかった。日本にあったら国宝に指定されてもおかしくない。この絵によって友松の位置づけが永徳、等伯と同じになった。


   


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2017.12.16

2017年 感動の西洋美術 ベスト10!(3)

Img     ジャコメッティの‘歩く男Ⅰ’(1960年 マーグ財団美)

Img_0002     ゴッホの‘タラスコンの乗合馬車’(1888年 プリンストン大美)

Img_0001     カサットの‘母と子ども’(1889年 シンシナティ美)

Img_0003     ‘セーヴル磁器 壺 ポプリ・ポンパドゥール’(1753年)

一人の作家の回顧展に2回遭遇するのが理想だが、今年はジャコメッティ(1901~1966)でそれが実現した。場所は毎年数回足を運ぶ国立新美(6/14~9/4)、一度みているので薄くて細長い女性立像などを軽くみながら進んでいたら、最後の方にサプライズが用意されていた。

目の前に現れた3つの作品、‘女性立像’、‘歩く男’、‘頭部’はどれもお馴染みのものだが、びっくりしたのはその大きさ、‘歩く男’は実際の人間同じくらいある。絵画もそうだが、彫刻でも大きいとモチーフの存在感がぐんと増す。ジャコメッティのこんな大きな作品はみたことないので立ち尽くしてみていた。

現在、東京都美で開催中のゴッホ展(10/24~1/8)、新規の作品が5点ほど登場した。そのなかで大変魅了されたのが‘タラスコンの乗合馬車’、昨年はデトロイト美の自画像がやって来て今年はゴッホ展、そして年が明けると2月、国立新美にチューリヒのビュールレコレクションが所蔵する‘沈む太陽と種まく人’(東京都美に展示されているゴッホ美蔵の別ヴァージョン)がでてくる。ゴッホ好きにとってはいい流れが続く。

来年の1/28まで行われる西洋美の‘北斎とジャポニスム’、ここに嬉しい作品があった。カサット(1844~1926)の‘母と子ども’、この幼子の可愛いこと!カサットがまた好きになった。

サントリー美のセーヴル展(11/22~1/18)に手元にある世界のやきものを集めた本に載っている有名な壺‘ポプリ・ポンパドゥール’がでていた。モザイク展示を相変わらず行うのでサントリーに対する好感度は高くはないが、こういうセーヴル磁器の傑作をみせられるとこの美術館のもっている企画力はスゴいなと思う。

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2017.12.15

2017年 感動の西洋美術 ベスト10!(2)

Img_0003 ミュシャの‘スラブ叙事詩 原故郷のスラブ民族’(1912年 プラハ市美)

Img_0002     ブリューゲルの‘バベルの塔’(1568年 ボイマンス美)

Img_0001アルチンボルドの‘春’(1563年 サン・フェルナン美術アカデミー美)

3月から6月にかけて多くの美術ファンの関心を集めた西洋絵画が3つ登場した。まず、ミュシャ(1860~1939)の‘スラブ叙事詩’(3/8~6/5 国立新美)、次がブリューゲル(1525~1569)の‘バベルの塔’(4/18~7/2 東京都美)、そして、アルチンボルド(1527~1593)の‘四季’と‘四大元素’(6/20~9/24 西洋美)。

国立新美のあの広い展示室でミュシャの‘スラブ叙事詩’(20点)をみれたことは生涯の思い出。この連作はミュシャ物語には欠かせない最後の大事なピースだが、作品があるのは日本からは遠いチェコの地。どうみたって縁はなさそうと思っていた。

じつは縁ができる手前までは行った。2003年中欧を旅行し、プラハの国立美でミュシャの‘スラーヴィア’と対面したのである。日本にやって来るアールヌーヴォ調の華やかな女性画にこのすばらしい絵が加わったのでもって瞑すべしというところ。

それから14年経った今年奇跡が起こった。なんと、図版でながめていた‘原故郷のスラブ民族’や‘スラブ式典礼の導入’などが目の前に現られたのである。縦6m、横8mという超大作の威力もあって感動袋が破れる寸前だった。こんな嬉しいことがあると夢を見続けているほかの作品についてもついミューズにお願いしたくなる。

ブリューゲルが描いた2作目の‘バベルの塔’も忘れられない一枚。普段この絵が展示されているロッテルダムのボイマンス美はボスやダリもあるため気になっていた美術館。そこからわざわざブリューゲルの傑作とボス2点がお出ましいただいたのだから有り難い。

ブリューゲルで残っているのはベルリンにある‘ネーデルランドの諺’と‘野外での農民の婚礼の踊り’(デトロイト美)、会えるだろうか。二度目のベルリンは可能性があるが、デトロイトは無理かもしれない。

西洋美のアルチンボルド展も大ヒット。なかでもマドリードで美術館巡りをしたとき王立サン・フェルナンド美術アカデミー美で姿をみせてくれなかった‘四季 春’をリカバリーできたのは幸運だった。アルチンボルドとブリューゲルはほぼ同世代。ブリューゲルがバベルの塔の細かいところまで信じられないほど細密に描いたのに対し、アルチンボルドは奇抜な発想によるシュールな人物画で人々をあっと言わせた。その稀有な天才に乾杯!

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