2020.09.28

西洋美の‘ロンドン・ナショナル・ギャラリー展’!(3)

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    レンブラントの‘34歳の自画像’(1640年)

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     ゴヤの‘ウェリントン公爵’(1814年)

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     ベラスケスの‘台所の情景’(1618年)

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     スルバランの‘アンテイオキアの聖マルガリータ’(1634年)

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  フェルメールの‘ヴァージナルの前に座る若い女性’(1672年)

肖像画をみるとき関心の大半は女性を描いたものにむかっている。男性に対
しては鑑賞のエネルギーの2割ほどしか注いでいない。これは西洋画も日本
画も同じ。ところが、西洋画家のなかで例外的に男性の肖像画に大変魅了さ
れる画家がいる。レンブラント(1606~1669)とゴヤ(1746
~1828)。今回、ナショナル・ギャラリーからやって来た作品の中に
二人のとてもいい絵がある。

レンブラントが34歳のとき描いた自画像は裕福な貴族の姿の感じが強く、
ルーベンスの自画像をみてるよう。このころレンブラントは画家として絶頂
期をむかえていたから表情にも余裕がみられ後年の渋い自画像とはだいぶ異
なっている。この絵の2年後にあの代表作‘夜警’を描いた。

このレンブラントとゴヤ(1746~1828)の‘ウェリントン公爵’をみせ
られたら、もうほかの女性画は影がうすくなるかもしれない。ナショナル・
ギャラリーにはじめて行ったとき、ゴヤのこのウェリントンと堂々としたマハ
を描いた‘イサベラ・デ・ポルセール’に大変感動した。ゴヤは宮廷画家だった
から国王をはじめ権力を握る男性たちだけでなく有名な実業家や角界の名士
などを多く描いている。これまでの体験からいうと惹かれた肖像画で女性と
男性の割合は半々といったところ。

ベラスケス(1599~1660)は‘ヴィーナスの化粧’を期待していたが、
これはやはり無理だった。でも、若い頃のボデコン、‘台所の情景、マルタと
マリアの家のキリスト’が日本でみれたのだから大満足。若い女がニンニクを
すりつぶしている金属のすり鉢やてかてか光る魚のリアルな質感描写に目が
点になった。

画家の評価は一枚の絵で決まることがある。スルバラン(1598~
1664)の場合、‘アンティオキアの聖マルガリータ’はそんな女性画。
プラドにあるこれと並ぶ名画‘ポルトガルの聖女イザベル’同様、ぐっときて
いる。2点あるフェルメール(1632~1675)は‘ヴァージナルの前に
座る若い女性’が日本に初お目見えした。いつものようにみている女性の視線
が熱い。

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2020.09.26

西洋美の‘ロンドン・ナショナル・ギャラリー展’!(2)

Img_20200926222801   クリヴェッリの‘聖エミデイウスを伴う受胎告知’(1486年)

Img_0001_20200926222801   ティツィアーノの‘ノリ・メ・タンゲㇾ’(1514年)

Img_0002_20200926222801   ティントレットの‘天の川の起源’(1575年)

Img_0004_20200926222901    エル・グレコの‘神殿から商人を追放するキリスト’(1600年)

Img_0003_20200926222901    ダイクの‘シンべビーとドロシーの肖像’(1637年)

ナショナル・ギャラリー展の開催を知って手にしたPRチラシにクリヴェッリ
(1430年代~1494)の‘聖エミディウスを伴う受胎告知’が載ってい
るのをみて、‘いやー、ずいぶん渋い絵をもってくるね’と思った。日本で海外
の美術館が所蔵する西洋古典絵画はこれまで多数披露されたが、クリヴェッ
リをみた記憶がない。

この画家のイメージは女性の着ている衣裳や宝飾品を豪華で緻密に表現す
ることと、その魔性を秘めた目があまりにゾクッとさせられるので当時の
画家の世界では規格外の表現だっただろうと思わせるところ。ナショナル・
ギャラリーにもそのタイプの絵があるが、今回やって来たのはそれではなく、
オーソドックスなマリアの受胎告知の絵。遠近法が駆使された画面で視線が
集中するのは精霊の鳩が飛んできたことを示す金色の光線。これほど明確に
光線が輝いている受胎告知の絵はあまりない。また、この場面に孔雀が登場
するというのも珍しい。

ヴェネツィア派のティツィアーノ(1485~1576)の‘ノリ・メ・タン
ゲル(我に触れるなかれ)’とティントレット(1518~1596)の‘天の
川の起源’は大収穫。ともに美術品によく掲載されている名画だから、ダ・ヴ
ィンチとラファエロがなくてもOKマークは出せる。この美術館にはいいヴェ
ロネーゼがあるのから1枚でも展示してくれたら申し分なかったが。

エル・グレコ(1541~1614)の‘神殿から商人を追う払うキリスト’は
描かれた人物の姿をひとり々みていると神殿に奥行き感がでてくる。前かが
みになっている者、右手を横にふるキリストと呼応するように手を曲げたり
頭の方にもっていく者もいる。右側では話し込むグループが前後に2組みられ
る。その表情、手振りはダ・ヴィンチの‘最後の晩餐’の人物表現を連想させる。

会場で一際輝いている肖像画が目にとまった。それはヴァン・ダイク
(1599~1641)の‘レデイ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァ
ー子爵夫人ドロシー’。同じような顔つきでとても綺麗に描かれた二人は姉妹。
右のキューピッドからバラを受け取っているのが姉でアンドーヴァー子爵夫人
ドロシー。これは彼女の結婚を記念して描かれたもの。

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2020.09.25

西洋美の‘ロンドン・ナショナル・ギャラリー展’!(1)

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      ゴッホの‘ひまわり’(1888年)

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    モネの‘睡蓮の池’(1899年)

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     ルノワールの‘劇場にて’(1877年)

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    ゴーギャンの‘花瓶の花’(1896年)

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    コローの‘西方より望むアヴィニョン’(1836年)

開幕が新型コロナ感染の影響で3ヶ月遅れた‘ロンドン・ナショナル・ギャラ
リー展’(西洋美)をみてきた。当初は3/3から約3ヶ月の大興行の予定だっ
たが、仕切り直し(6/18再スタート)の展示では10/18までと1ヶ月
長く飾られることになった。コロナ禍で海外旅行ができない状況なので、
ロンドン・ナショナル・ギャラリーが世界に誇る西洋絵画の傑作の数々を
日本でみられるのは貴重な鑑賞体験である。太っ腹のロンドン・ナショナル
・ギャラリーに感謝!

この展覧会のお目当ては何といってもゴッホ(1853~1890)の‘ひま
わり’、展示の導線の最後となる‘イギリスにおけるフランス近代美術の受容’
のコーナーにデーンと飾られている。ロンドンは若い頃2ヶ月くらい滞在し
たことがあり‘ひまわり’との縁は深いが前回みたのは10年前のこと。何度
みてもゴッホの‘イエローパワー’に200%魅了される。日本で再会できた
幸せをかみしめている。

今回出品されているのは61点、スポットが当てられているのはイタリア・
ルネサンス、オランダ絵画、ヴァン・ダイクらイギリス肖像画、カナレット
らの海洋画、スペイン絵画、そしてフランス近代絵画。この美術館はメト
ロポリタンやエルミタージュと同じように西洋絵画の古典から近代まで何
でも揃っているから、どんな切り口でも立派な企画展がつくれる。

この美術館は‘ナショナル・ギャラリー コンパニオンガイド’(1994年
発行)という優れもの図録をつくっているが、ここに掲載されている200
点あまりの作品のうち14点が今回の出品作に含まれている。フランス近代
絵画では‘ひまわり’とモネ(1840~1926)の‘睡蓮の池’、そしてゴー
ギャン(1848~1903)の‘花瓶の花’が載っている。

ルノワール(1841~1919)の‘劇場にて(はじめてのお出かけ)’は
お気に入りの絵。カサット(1844~1926)が1年後に描いた‘桟敷
席にて’は構図がよく似ているから、この絵を意識したのかもしれない。
コロー(1796~1903)の‘西方より望むアヴィニョン’はあまり大き
くない風景画だが、日差しの強い光景に思わず足がとまった。

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2020.09.24

大倉集古館の‘近代日本画の華’展!

Img_20200924222301     竹内栖鳳の‘蹴合’(1929年)

Img_0001_20200924222301     橋本関雪の‘暖日’(1929年)

Img_0004_20200924222301        川合玉堂の‘暮るる山家’(1918年)

Img_0002_20200924222401        菱田春草の‘かけす’(1910年)

Img_0005_20200924222401     横山大観の‘山四趣・風 秋’(1925年)

台風12号の影響で出動がダメになるかと心配されたが、進路がそれ大雨に
ならなかったので予定通り西洋美の‘ロンドンナショナルギャラリー展’と
大倉集古館の‘近代日本画の華’をみてきた。美術館へ行くのは6/18の
Bunkamura以来、3ヶ月ぶり。今年はまだ5回しか展覧会をみていないので
例年とは様変わり。

大倉集古館の特別展は9/27(日)までなので滑り込みこみセーフだった。
展示されている日本画の大半は1930年ローマで開催された日本美術展に
出品された日本画。全部で25点ある(すべて大倉集古館蔵)。その一部
の横山大観(1868~1958)の‘夜桜’などは‘美術館に乾杯!大倉集
古館’で紹介したが、ここにとりあげた竹内栖鳳(1864~1942)の
‘蹴合’、橋本関雪(1883~1945)の‘暖日’、大観の‘山四趣’も一緒に
飾られた。

軍鶏(しゃも)の闘鶏を描いた栖鳳の‘蹴合’は本物の軍鶏が目の前に大喧嘩
しているみたい。これほどリアルに鶏の動きを表現するというのは並みの
画技ではとうていできない。栖鳳は生き物が大好きだったから、軍鶏の
表情や動き方を徹底的に観察し、この見事な生き物画を完成させた。一方、
関雪が‘暖日’で描いたのは猫の王様、ペルシャ猫。日本画にペルシャ猫が
登場したのでイタリアの人たちはびっくりしたにちがいない。

川合玉堂(1873~1957)の‘暮るる山家’は心温まる作品。仕事の終
わった荷馬を主人が熱い湯で体をふいてやっている。この湯気の描写が目に
焼きついている。馬の絵はたくさんみたが、馬と一緒に生きている人間の
やさしさがこれほど強く感じられるものはほかにみたことがない。

菱田春草(1874~1911)の‘かけす’は亡くなる1年前の絵。これは
江戸琳派の鈴木其一の絵を意識したもので鳥の種類をかけすに変えて描か
れている。やわらかい色彩と墨のぼかしを葉や幹のところどころにいれる
描写は春草が琳派の装飾性に傾注していたことをうかがわせる。大観の
‘山四趣・風 秋’は手前の薄野が秋の情景にぴったり。My散歩道にはまだ
すすきがでてこないが、10月になるとぐっと秋らしくなるからBコース
を選択したときは風に吹かれてちょっと傾いた姿をみせてくれるだろう。

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2020.01.04

謹賀新年 2020年前半展覧会プレビュー!

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今年も拙ブログをよろしくお願いします。2020年というのは20が2度
続きなにか気分がいい。偶数は奇数にくらべると数字の形に安定感があると
いうイメージは小さいころからもっている。2回目の東京オリンピックが
ある特別な年の前半に開催される展覧会で関心を寄せているものをまとめて
みた。

出雲と大和      1/15~3/8    東博
開館記念展      1/18~3/31   ア―ティゾン美
関根正二展      2/1~3/22    神奈川県近美
ロンドンナショナルギャラリー展  3/3~6/14    西洋美
若冲展        3/8~4/6     日本橋高島屋

法隆寺金堂壁画    3/13~5/10   東博
超写実絵画の襲来   3/18~5/11   Bunkamura
きもの        4/14~6/7    東博
芸術×力        4/16~7/5    東京都美
おいしい浮世絵展   4/17~6/7    森アーツセンター

(注目の展覧会)
前半でもっとも期待しているのは西洋美で3/3から開催される‘ロンドンナ
ショナルギャラリー展’。これまで所蔵品を海外に貸し出さなかったナショ
ナルギャラリーが方針転換し、ルーヴルやプラド同様に古典絵画の傑作や
ゴッホの‘ひまわり’を披露してくれる。これほど嬉しいことはない。昨年
から西洋絵画好きの知人友人に最大限PRしてきた。とても楽しみ!

西洋画関連で足を運ぼうと思っているのはこの展覧会と1/18に名前を
ア―ティゾン美に変えてオープンする旧ブリジストン美。どんな展示空間
に変貌したのだろうか。お馴染みの印象派の名画や青木繁の絵との再会が
待ち遠しい。

日本美術で大きな話題になりそうなのが東博の‘法隆寺金堂壁画と百済観音’。
百済観音はそうたびたびみれるものでもないので目に気合を入れて彫像の
前に立つつもり。

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2019.12.28

2019年 感動のアート ベスト10!(1)

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    フェルメールの‘取り持ち女’(1656年 ドレスデン国立美)

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      クリムトの‘女ともだち’(1907年 クリムト財団)

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    マカルトの‘女優シャーロット・ヴォルター’(1875年 ウイーンミュージアム)

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      鈴木其一の‘百鳥百獣図’(1843年 エドソンコレクション)

今年遭遇した‘感動の展覧会 ベスト10!’に引き続き美術品そのものに焦点
をあてた‘感動のアート ベスト10!’を選んでみた。選好の基準ははじめて
お目にかかるもので大きな感動が得られた作品(鑑賞した順番で3回にわけ
て)。

人気の画家、フェルメール(1632~1675)の回顧展(上野の森美)
は昨年の10/5から今年の2/3までもロングラン興行。1/10にでかけ
念願の‘取り持ち女’と対面した。思った以上に大きな絵でタペストリーの赤や
質感表現に魅了された。2003年中欧を旅行したとき、ドレスデン国立
古典絵画館ではフェルメールのこの絵と‘窓辺で手紙を読む女’に胸がときめい
たが、どういうわけか‘取り持ち女’は海外の美術館に貸し出し中だった。残念
な思いをずっとひきずっていたが、ようやくリカバリーできた。ミューズに
感謝!

春のお楽しみクリムト展(4/23~7/10 東京都美)で一番の収穫は‘女
ともだち’。これは手元にあるクリムト(1862~1918)の画集に載っ
ていない作品。思わず足がとまり画面の多くを占めるこげ茶色に浮き上がる
二人の女性の白い顔に吸い寄せられた。とくにいいのが横向きの女性。
こういう縦長の短冊のような画面に描かれた肖像画をみると浮世絵師、鈴木
春信の美人画を連想する。

国立新美でクリムト展と並行して開催された‘ウィーンモダン’(4/24~
8/25)に展示してあったマカルト(1840~1884)の‘メッサリナの
役に扮する女優シャーロット・ヴォルター’にも200%KOされた。以前
ウィーンのベルヴェデーレ宮を訪問した際、この画家の絵もみたはずだが、
当時は頭のなかはクリムトでいっぱいだったためみれどみぬ状態だった。
こんな豪華な女性画を描いていたとは。

東京都美の‘奇想の系譜’(2/9~4/7)にサプライズの絵画が登場した。
鈴木其一(1796~1858)の‘百鳥百獣図’(左隻)。アメリカのコレク
ターが所蔵しているが、はじめて里帰りした。長澤芦雪の‘百鳥図’をみたこと
があるが、其一はこれに白象や虎などをたくさん集めた‘百獣図’をつけくわえ
た。生き物に乾杯!

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2019.12.17

2019年 感動の展覧会 ベスト10!

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     ‘コートールド美展’(東京都美)

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    ‘佐竹本歌仙絵と王朝の美’(京博)

今年出かけた展覧会は44回。この中からベスト10を選ぶのはあまり悩
まない。母数が少ないから感動する展覧会に対する印象が強くなるという
ものでもなく、多くの美術ファンの関心を集めたものは深く心に刻まれ
一生の思い出となりそう。

★クリムト展       4/23~7/10    東京都美
★奈良四寺のみほとけ   6/18~9/23    東博
★ジュリアン・オピー展  7/10~9/23    東京オペラシテイ
★コートールド美展    9/10~12/15   東京都美
★バスキア展       9/21~11/17   森アーツセンター
★佐竹本歌仙絵展     10/12~11/24  京博
★やまとうた       10/12~12/15  サンリツ服部美
★正倉院の世界      10/14~11/24  東博
★幻の築地明石町     11/1~12/15   東近美
★大浮世絵展       11/19~1/19   江戸東博

西洋絵画では春はクリムト展、秋はコートールドの印象派コレクションが
最高に楽しかった。そして、現代アートに刺激的な作家とのめぐり会いが
あった。久しぶりにでかけた東京オペラシティアートミュージアムの広い
展示室にどーんと飾ってあったジュリアン・オピーの‘歩く人たち’の絵画
と動画(アニメ)。都市がもつ快適で明るいイメージが表現されており、
強く共鳴した。また、猿の顔を連想させるバスキアの作品も目に焼きつく。

今年は日本美術が大豊作だった。京博が佐竹本歌仙絵をなんと31点も集
めてきてくれた。拍手々!本当に夢のようだった。そして、サンリツ服部
美で女流歌人の‘中務’が初公開されたのも嬉しいオマケ。その可愛い表情
に200%KOされた。夢中にさせる女性画はまだ続く。東近美が手に入れ
た鏑木清方の幻の‘築地明石町’。この清方の代表作と遭遇できるとは思っ
てもいなかった。一体どこにあったのか?

来年の1/19まで開催される‘大浮世絵展’で摺りのいい歌麿がここにもあ
そこにも展示されている。これは大歌麿展と呼んでも言い過ぎでない。
都合3回出かけることになりそう。また、写楽もすごいのがあるからまわ
りの美術好きにPRしまくっている。

秋の展覧会シーンで西の話題沸騰が佐竹本歌仙絵なら東は正倉院のお宝。
特別目に気合がはいったのは‘螺鈿紫檀五絃琵琶’。これをみるのに25年
かかった。いいめぐりあわせだった。ミューズに感謝!
また、東博であった‘奈良大和四寺のみほとけ’にも癒された。こういう
仏像の企画が毎年あることを願いたい。

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2019.11.24

ビッグニュース!来秋カラヴァッジョの‘キリストの埋葬’が登場

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カラヴァッジョの‘キリストの埋葬’(1602~04年 ヴァティカン美)

昨日の朝日新聞に嬉しい記事が載った。ローマのヴァティカン美にあるカラ
ヴァッジョの‘キリストの埋葬’が来年の秋、日本で公開されるとのこと。
美術館は国立新美で‘キリストの埋葬展’と銘打ち10/21から展示される。
30年ぶりの来日だが、1990年にヴァティカン美関連の特別展が開催さ
れたのはぼやっと記憶しているが足を運んだかはあやふや。

この絵をローマでみたときはその大きさに圧倒された。なんと縦3m、
横2mの大作。強い存在感を感じるのはキリストを担ぎこちらをみている二コ
デモ。街のどもにでもいるような男がモデルになっている現実感がとてもよ
く宗教的な絵というよりは風俗画をみている感じ。この大作が日本でみられ
るというのは幸運この上ない。とても楽しみ。

カラヴァッジョの話はもうひとつあって、来月26日から大阪のあべのハル
カス美ではじまるカラヴァッジョ展について残念なニュースが入ってきた。
バルベリーニ国立古代美(ローマ)が所蔵する‘ホロフェルネスの首を斬る
ユディト’は出品されなくなった。この絵をまたみたくて来年1月大阪へ行く
ことを決めていたが、こういうことならやめることにした。そのかわり秋に
‘キリストの埋葬’がやってくるので気分はリカバリーされる。

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2019.10.25

松濤美に和泉市久保惣記念美の名品が集結!

Img_0003_20191025222101     ‘駒競行幸絵巻’(重文 鎌倉時代 14世紀)

 

Img_0004_20191025222101    ‘貫之集下断簡(石山切)’(重文 平安時代 12世紀)

 

Img_0002_20191025222101    ‘伊勢物語絵巻’(重文 鎌倉時代 13~14世紀)

 

Img_0005_20191025222101     国宝‘青磁鳳凰耳花生 銘万声’(南宋時代 12~13世紀)

 

Img_0001_20191025222101      ‘唐津茶碗 銘三宝’(重文 桃山時代 16世紀)

 

大阪の和泉市久保惣記念美が所蔵する名品の数々が現在、渋谷の松濤美でど
どっと展示されている。題して‘日本・東洋 美のたからばこ’(10/5~
11/24)。久保惣コレクションですぐ思い浮かぶのは砧青磁の名品‘国宝
 青磁鳳凰耳花生 銘万声’だが、今回のこの特別展の情報を得て密かに期待
していたのは‘駒競行幸絵巻’。前期(10/5~10/27)に登場することが
わかったので、喜び勇んで出かけた。

心をワクワクさせるのは訳がある。26年前の1993年、東博で‘やまと絵
 雅の系譜’にめぐりあい‘平家納経’や‘源氏物語絵巻’など美術本に載ってい
る名品が目を楽しませてくれた。購入した図録をみると‘駒競行幸絵巻’もしっ
かり載っている。でも、これをみたという実感がない。たぶん、たくさんで
ていた国宝、例えば‘源氏物語絵巻’などに心が奪われ、印象が薄かったのだと
思う。長い時を経て華麗な極彩色にいろどられたこの絵巻との対面が叶った。
船上で演じられる奏楽の場面を存分に楽しんだ。

‘貫之集断簡(石山切)’とやまと絵展にも出品された‘伊勢物語絵巻’は前期展示が終了すると、今京博で開かれている‘佐竹本三十六歌仙絵展’(10/12~11/24)に移動する。東と西からお呼びがかかり大忙しである。京博でまだ展示されていなかったものが運よくここへ足を運び遭遇できた。料紙装飾の美に酔いしれる‘貫之集断簡’にであえたのは大きな収穫だった。

会期中展示されるやきもののなかで圧倒的な存在感をみせているのが‘青磁鳳凰耳花生 銘万声’、何度みてもこの青磁には感動する。なによりほかの鳳凰耳花生にくらべてひとまわり大きいのはいい。久しぶりにみたのが‘唐津茶碗 銘三宝’。やわらかい茶褐色が唐津の魅力。とてもいい感じ。

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2019.08.24

ギャルリーためながの‘ベルナール・ビュッフェ展’!

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    ‘青いバックの静物’

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     ‘暫’

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   ‘サンジェルマン・ロクセロワ教会’

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     ‘サクレクール’

今月のはじめころ新聞の広告欄に載った銀座のギャルリーためながで行なわ
れている‘ベルナール・ビュッフェ展’(7/10~8/31)が目にとまった。
これまでビュッフェ(1928~1999)の個展は何度か足を運んだ。
その最後が2010年目黒区美であったもの。久しぶりなので銀座に寄り道
することにした。

とはいえ、ギャルリーためなががどこにあるのか知らない。案内には地下鉄
銀座線の銀座駅のB9出口から数分で着くとあるが、これでは右に行けばい
いのか左にいけばいいのかわからないので日動画廊の人に教えてもらった。
旧ソニービルの前の歩道を新橋に向かって進み二つ目の交差点を左に曲がる
とすぐみつかった。

このギャラリーの名前を覚えたのは目黒区美に出品された2点の大きな絵に
遭遇したから。日本でみられるビュッフェはてっきり静岡県の長泉町にある
ビュッフェ美に集中していると思っていた。ところが、ほかのコレクターも
こんないいビュッフェの作品を所蔵していることがわかった。コレクターの
世界は広い。最近では5月東京都庭園美でみたキスリング展にためながから
6点出品されていた。これまたビックリ。一体このコレクターは西洋絵画
をどれくらいもっているのだろうか。

今回のビュッフェ展はギャルリーためながの開廊50周年を記念するもの
(無料)。全部で40点くらいでている。以前見た‘サーカス’と‘赤い鳥’と
再会するかなと期待したが、それはなくはじめてお目にかかるものばかりだ
った。ビュッフェというとすぐイメージするのが‘青いバックの静物’のよう
な手前に滑り落ちてきそうなテーブルや不安定に傾いた部屋の板の床。

人物画は愛する妻アナベルの肖像がとてもいい。また、ルオーと同様、サー
カスの芸人やピエロにもつい感情移入してしまう。サプライズの絵は浮世絵
風の隈取した歌舞伎役者。上手い!日本には7回も来ているから日本の伝統
文化に愛着があるのかもしれない。

ビュッフェの絵のなかでもっとも魅了されているのは風景画。描かれたフラ
ンスの名所やヨーロッパ各地の人気のスポットなどをながめていると過去の
楽しい思い出がわきあがってくる。安心してみられる風景画は一服の清涼剤
みたいなもの。‘サンジェルマン・ロクセロワ教会’とお馴染みの‘サクレクー
ル’は大きな収穫。これからこの画廊とは縁がありそう。

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