2017.07.14

里帰りする英一蝶の巨大涅槃図!

Img     英一蝶の‘涅槃図’(1713年 ボストン美)

来週の20日から上野の東京都美で‘ボストン美の至宝展’がはじまる。今年後半に開かれる企画展のなかでは最も期待している注目の展覧会。そのため、ずいぶん前からまわりの美術好きにはPRしまくっている。

見逃してはダメだよ、ととくに強調しているのはプレビューでもふれたゴッホの‘郵便配達夫ルーラン’、この肖像画をみたらゴッホの偉大さが腹の底からわかる。それほどの名画なのでボストン美は過去この絵だけは貸し出してくれなかった。

ボストンにはこの絵と同様別格扱いの作品がもう一点ある。それはサージェントの‘エドワード・ダーリー・ボイトの娘たち’、これまで何度も紹介したのでこの絵のすばらしさは十分伝わっていると思うが、何年待ってもやってこない。

展示の依頼をしているのに壁が高いのか、それとも日本におけるサージェントの知名度が低いためオファーしていないのか、そこはわからないが、日本の美術館で飾られる可能性についてはとても悲観的というのが率直なところ。サージェントファンとしては‘ルーラン’の壁が破れたのだから、次は‘娘たち’という流れになってほしいのだが、はたして。

今回のボストン美展、ゴッホのことばかり書いているが、じつは大きな期待を寄せている日本画がある。絵の存在はかなり前から知っていた英一蝶の巨大涅槃図、海を渡ってアメリカ東海岸のブランド美におさまって以来長い々時間が流れたが、はじめて日本に里帰りする。どんな涅槃図だろうか、ワクワクしている。

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2017.07.07

来年秋、ムンクの‘叫び’がやって来る!

Img_0002     ‘叫び’(1910年 ムンク美)

Img     ‘叫び’(1893年 オスロ国立美)

すでに情報を得られている人も多いと思われるが、先月末ビッグな話が飛び込んできた。ムンク(1863~1944)の‘叫び’が来年の秋日本にやって来るという。これは嬉しい話。

美術館はまたしても東京都美、新聞社は朝日、会期は10/27~1/20、3ヶ月近くのロング興行。作品情報としては‘叫び’を目玉に油彩、版画、素描が100点でてくるというだけ、おおよその出品作が決まったところでチラシがつくられるのだろう。いや、もうできている?

ムンクの‘叫び’についてはちょっとややこしいところがある。ムンクは‘叫び’を5点以上描いている。来日が決まったのはオスロ市立ムンク美が所蔵するもの。普通の美術の本に載っているのは1893年最初に描かれた‘叫び’。これはオスロ国立美にある。

朝日の記事によるとムンク美蔵の‘叫び’は初来日という。これが引っかかる。というのは、広島にいて見れなかった展覧会だったが、2007年出光美でムンク美の‘叫び’が展示されたことがインプットされている。だから、11年ぶりのお目見えと思っていた。だが、これが間違いなら出光にでたのはムンク美が所蔵するもう一点の‘叫び’だったのかもしれない。

2013年1月、NYのMOMAで運よく1895年に描かれた‘叫び’と遭遇した。これは2012年96億円(当時)で落札されて話題になった作品、大勢の人に交じって食い入るようにしてみていた。

来年わが家はノルウエーのフィヨルドをみる北欧ツアーに参加する計画が実現しそうな状況、いよいよオスロ国立美にある‘叫び’が射程圏に入ってきた。そうなると、秋の東京都美の回顧展とあわせてムンクイヤーとなる。この流れを大事にしたい。

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2017.07.01

2017年後半展覧会プレビュー!

Img

今年の前半はブリューゲルの‘バベルの塔’とミュシャの‘スラブ叙事詩’の話題の作品が登場したため、展覧会鑑賞は一仕事終えたような気分になっている。そうはいっても展覧会へ出かけるのは大きな楽しみ、後半で期待しているものをあげてみた。

★西洋美術
 ダヴィンチ・ミケランジェロ展   7/11~9/24  三菱一号館美
 ボストン美の至宝展        7/20~10/9    東京都美
 ゴッホ展             10/24~1/8    東京都美
 セーヴル磁器展          11/22~1/18 サントリー美

★日本美術
 タイ展              7/4~8/27    東博
 藤島武二展            7/23~9/13   練馬区美
 歌麿大作・吉原の花        7/28~10/29  岡田美
 佳人礼讃             7/31~8/24  ホテルオークラ
 
 ボストン美蔵春信展        9/6~10/23    千葉市美
 狩野元信展            9/16~11/5   サントリー美
 運慶展              9/26~11/26   東博
 北斎とジャポニスム        10/21~1/28   西洋美
 北野恒富展            11/3~12/17   千葉市美

(注目の展覧会)
すでにはじまっている三菱一号館美の‘ダヴィンチ・ミケランジェロ展’は素描が中心なので予定ではパスだったのだが、7/11からミケランジェロの大理石彫刻が展示されることがわかったので出動することにしている。ミケランジェロの彫刻は運よくコンプリートを達成しているが、この作品は近年発見されたものだから楽しみ。

ボストン美の至宝展の見どころはチラシに使われているゴッホの‘郵便配達夫ルーラン’、ボストン美は過去何度も自慢の印象派・ポスト印象派コレクションを公開してくれたが、この‘ルーラン’とカサットの‘桟敷席’だけはやって来なかった。

昨年その不運な記録にやっと終止符が打たれた。横浜美に‘桟敷席’がお目見えしたのである。これに続き今年は東京都美に‘ルーラン’が登場する。ゴッホ狂いにとってこれは一大事件なのでまわりの西洋絵画好きにおおいにPRしてきた。

東京都美は10月末からは‘ゴッホ展’を開催する。楽しみにしているのはプリンストン大美が所蔵する‘タラスコンの乗合馬車’。

日本美術関連では今月の28日から箱根の岡田美で公開される歌麿の‘吉原の花’(ワズワース・セーニアム美)に今ワクワクしている。この歌麿の三部作‘雪月花’の一枚が日本にやって来るのは2度目のこと。千葉市美で公開されたときは東京にいなくて見逃したので、リカバリーの機会がめぐってきたことを喜んでいる。

そして、西洋美の‘北斎とジャポニスム’への期待も高い。北斎のプラスαにどんな目玉を用意してくれているか、前にも書いたが、女性館長の馬場さんのことだから目を楽しませてくれるにちがいない。

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2017.04.07

Bunkamuraの‘これぞ 暁斎’展!

Img_0004     河鍋暁斎の‘地獄大夫と一休’(1871~1889年)

Img_0001         ‘雨中の蓮池に降り立つ白鷺’(1871~1889年)

Img         ‘月に手を伸ばす足長手長、手長猿、手長海老’

Img_0002     ‘鬼を蹴り上げる鍾馗’(1871~1889年)

イギリスに住むゴールドマン氏が所蔵している河鍋暁斎(1831~1889)の作品が日本ではじめて公開されるというので渋谷のBunkamuraへ行った。以前はBunkamuraというと西洋絵画しか考えられなかったが最近は浮世絵が登場したりして日本美術も企画のバリエーションのなかに入ってきている。

今回スポットを当てたのは近代に鳥獣戯画をよみがえらせたり踊る骸骨を描いて人々を楽しませた河鍋暁斎、展示されているものはすべてゴールドマン氏のコレクション。その数173点。幼いころ歌川国芳に入門しただけあって描くものは多岐にわたっている。また、‘北斎漫画’のような絵描きノートまでしっかりつくっているのだから絵にたいする情熱は半端でない。

大半がユーモラスな絵だが、作品の完成度が高く最も見ごたえのあるのが‘地獄太夫と一休’、このヴァージョンはいくらあるのか知らないが、これで4点くらいお目にかかった。三味線を弾く骸骨の頭に一休が乗り、狂乱的に踊っている。骸骨も一緒に踊るという設定がなんともおもしろい。

今回の収穫は光の描写にハッとした‘雨中の蓮池に降り立つ白鷺’と足長、手長の連想にシュールさを感じさせる‘月に手を伸ばす足長手長、手長猿、手長海老’。足の長い人間はそう違和感がないが、手の長い人物を探すのは苦労する。

これはおそらく、月と手長猿の話があってこれにまず手長海老をくっつける。月の手前を小さい海老にするとあとは最初の人間を細工すればいい。足を思いっきり長くし、手もちょっと無理があるがすーっと伸ばす。これで月までいける。暁斎の頭は顔に似合わずとても柔らかい。

絵の前でつい笑ってしまったのが‘鬼を蹴り上げる鍾馗’、鬼も鍾馗に睨まれると借りてきた猫にみたいにおとなしくなり情けないほど弱々しい。だから、蹴られると軽く空に舞うことになる。

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2017.04.06

二度目の‘雪村展’!

Img_0003     ‘列子御風図’(室町時代 16世紀 アルカンシェール美術財団)

Img_0001     ‘竹鶴鶏・芙蓉鴨図’(16世紀 東芸大美)

Img_0002_2     ‘山水図’(16世紀 メトロポリタン美)

Img     ‘花鳥図屏風’(左隻 16世紀 ミネアポリス美)

今月の美術館めぐりにでかけた4日は桜の開花で上野は大賑わいだった。昼頃には場所取りはほとんど終了している感じで、夜の大宴会を楽しみに待っている様子。ある一組の会場設置係りの人と話をしたら朝の4時にスタンバッタという。出足の早いこと。

東芸大美で行われている‘雪村展’(3/28~5/21)は前期と後期で作品が割り振られている。2002年にはじめて開かれた回顧展を山口県美でみているので、この度は一回でいいかなと思ったが、プラスαの作品が結構あるのでそうもいかなくなった。

前回展示替えで見逃したものがどれくらいリカバリーできるかで満足度の大きさが左右される。目安は5割とおいていたが、7割くらい達成したので機嫌がいい。その一枚が‘列子御風図’、風に乗る術を会得した列子は作り物の鳥の羽をつけなくてもヒューと飛んでいける。

強烈な風に衣装はちぎれんばかりに曲げられ膨れ上がり、列子の顎髭も頭髪の毛も風にひらひら流されている。この描写はみたことのない劇画チックなおもしろさ。雪村が‘風の画家’というイメージがこびりついたのはこの絵をみたから。今回本物をみてその思いが強くなった。なお展示は前期(3/28~4/23)のみ。

東芸大美が所蔵する色つきの‘竹鶴鶏・芙蓉鴨図’(前期)はやっとリカバリーできた。日本画というのはとにかく一度見逃すと次に見る機会がやってくるのは何年かかるかわからない。15年もかかてしまった。じつは期待した作品は2点あり、‘花鳥(柳・鷺)’は姿を見せてくれなかった。東芸大美で行う回顧展というのになぜこれを展示しないの?

すでにみている作品のなかで足が止まったのがメトロポリタンからやって来た‘山水図’とミネアポリス美蔵の‘花鳥図屏風’(ともに通期展示)。‘山水図’は以前バークコレクションだったもので、今はMETに寄贈されている。中央の建物と道がくの字のようになっている構図が秀逸。安定感のいい山水についみとれてしまう。

ここにもあそこにも鳥がいてたくさんの種類の鳥を放っている動物園の鳥小屋の前にいるような気分になるのが‘花鳥図屏風’、右隻には白鷺が何羽もいるが、もうひとつハッとする生き物がいる。みてのお楽しみ!

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2017.01.19

待望の‘春日大社展’!

Img_0003     ‘鹿島立神影図’(南北朝~室町時代 14~15世紀)

Img_0001     国宝‘金地螺鈿毛抜形太刀’(平安時代 12世紀)

Img_0002     雀を追う猫の螺鈿装飾

Img     国宝‘赤糸威大鎧’(鎌倉時代 13世紀)

今年の美術館巡りは‘春日大社展’(1/17~3/12)がはじまった東博からスタート。春日大社のお宝は国宝追っかけで最後に残っていた大事なピース。ここにすごい美術品があることは1998年に発行された‘週刊朝日百科 日本の国宝 奈良・春日大社’で知ってはいたもののこれまで春日大社にとんと縁がなく、漆芸品の傑作や太刀などは遠い存在だった。

そのお宝が今回どっとでてくるのだからたまらない。お馴染みの‘鹿島立神影図’の神鹿に軽くご挨拶をして、お目当ての国宝へと急いだ。ありました、ありました!昨年の末NHKの番組‘よみがえる黄金の太刀~平安の名宝に秘められた技’に登場した‘金地螺鈿毛抜形太刀’。

展覧会の2日目の午前中だから人の数も少なくゆったりみれる。単眼鏡で螺鈿細工のスゴ技をじっくりみた。猫が雀をとらえたところは裏側にある。そして柄や鍔の金具に施された緻密な金加工にも目が点になる。こんな立派な太刀がみれたのは生涯の思い出。展示は全期間ではなく1/17~2/19なので要注意!

もう1点長く見ていたのが‘赤糸威大鎧(梅鶯飾)’、これもじつに見ごたえのある堂々とした鎧。過去に国宝の鎧を4点くらいみたが、これがNO.1におどりでた。とくに夢中になってみたのが金銅製の金物の洗練された装飾、描かれているのは梅の木。ここ蝶と鶯がとまっている。

じっとみていると蝶はなんとか見つけられた。ところが、鶯がなかなかとらえられない、隣の方に‘鶯がどこにいるのはわからない’といっていたら横にいた年配の女性が‘ここにいますよ’と教えてくれた。そこは正面向かって兜の右側のほう。そのあとぐるぐるまわっていたらもう一羽みつけた。この鶯は同じく兜の左側のほうにいる。みてのお楽しみ。この大鎧も1/17~2/19の展示。

長いこと対面を待っていた国宝‘蒔絵箏’は2/14~3/12にお披露目される。今からわくわくしている。

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2017.01.18

出光美の‘岩佐又兵衛と源氏絵’!

Img_0003      ‘源氏物語 野々宮図’(重美 17世紀 出光美)

Img_0002     ‘四季耕作図屏風’(部分 17世紀 出光美)

Img     ‘職人尽図巻’(部分 17世紀 出光美)

Img_0001     ‘源氏物語 桐壺・貨狄造船図屏風’(部分 17世紀 出光美)

出光美ではじまった開館50周年記念展‘岩佐又兵衛と源氏絵’(1/8~2/5)をみてきた。ここへ来るのは一年に一回くらい、昨年は勝川春章展で肉筆美人画の傑作を存分に楽しませてもらった。

岩佐又兵衛(1578~1650)は一時期のめりこんでいたが、今はみたい作品がおおよそ目になかに入ったので
又兵衛は晴れて済マークグループ入りとなりプラスαを積み重ねていく鑑賞スタイルに移行している。今回はある1点をみるために出動した。

ここにあげた4点はすべて2004年千葉市美で開催された岩佐又兵衛展に出品された。このとき出光が又兵衛を結構な数所蔵していることを知った。タイトルにもなっている源氏絵や歌仙絵のなかで人物の印象が一番強いのは‘野々宮図’に描かれた光源氏。

又兵衛が描く人物は男でも女でもその姿を横からみたら腹を中心に三日月のつくりものを胸から膝のあたりまで貼り付けたようにみえる。この体形は着物をとったらまさに相撲のあんこ型の力士。顔をみるといつものように下にいくにつれ肉が過剰についた二重あご。この下ぶくれが又兵衛の人物描写のトレードマーク。女性をうりざね顔に描いたモデイリアーニ同様、とてもわかりやすい。

今回のお目当ては‘四季耕作図屏風’、この屏風は回顧展のとき展示替えのため見逃した。そのリカバリーになんと13年もかかった。気になる風俗画なのでずっと企画展をウォッチしていたが、本当に長いこと待たされた。だから、単眼鏡を使い耕作に汗をかく農民たちの様子を隅から隅までじっくりみた。

描かれているのは大勢のひとたちが精をだしている仕事だけではなく、その横では遊びまくっている子どもがいたり、また家族みんなで猿回しを楽しむ場面もでてくる。こういう生活のひとコマが見る者を画面にくぎ付けにさせる。やはり又兵衛の風俗画は格別おもしろい。

ユーモラスな‘職人尽図巻’も夢中になってみた。踊りの姿が洛中洛外図を思い起させる大黒さんや隣で童子とニコニコしながら遊ぶ布袋さん、頬が緩みっぱなしだった。職人は25種、いつの世でもいろんな仕事をして生きる糧をえている。

‘桐壺・貨狄造船図’は烏天狗のようなお化け鳥や貫禄十分な龍と人間が一緒に描かれているとても賑やかな場面。思わず、足をとめてみていた。

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2017.01.05

今年もゴッホの傑作がやって来る!

Img       ‘郵便配達夫ルーラン’(1888年 ボストン美)

Img_0001     ‘ルーラン夫人’(1889年 ボストン美)

今月の21日まで上野の森美で行われる‘デトロイト美’と会期が多く重なった東京都美の‘ゴッホとゴーギャン展’で人気抜群のゴッホがおおいに目を楽しませてくれた。そして、嬉しいことに今年もゴッホの傑作がやって来る。

それは東京都美で開催される‘ボストン美名品展’(7/20~10/9)、日本の美術館とは特別に相性がいいボストン美、2,3年前にも世田谷美にモネやゴッホが登場したが、今度は東京都美、情報はまだ少ししかないが曽我蕭白などの日本画も西洋絵画の名画も一緒に披露するようだ。

その西洋絵画の目玉がゴッホ、なんと‘郵便配達夫ルーラン’と‘ルーラン夫人’がペアで展示される。印象派が好きだから日本で行われたボストン美の名画展は欠かさずみてきた。図録も揃っているのでどの絵が出品されたかはおおよそファイルされている。

‘ルーラン夫人’は確か3度目の来日だと思うが、旦那の‘郵便配達夫ルーラン’のほうは日本にやって来るのははじめて。ボストンが所蔵する印象派とポスト印象派で画集に載っている有名な絵はほとんど公開されたのに、最後まで残っていたのがこの‘郵便配達夫ルーラン’。

この絵は現地ではじめてお目にかかったときはその見事な姿を立ち尽くしてみていた。ゴッホが描いた肖像画のなかではこれがNO..1、だから、美術館はなかなか貸し出さない。昨年横浜美であったカサットの回顧展に出品された‘桟敷席’同様やっと貸し出しOKがでたという感じ。

2015年11月にボストン美を訪問したときはサージェントやホーマーをみるのに忙しかったため印象派の部屋はパスしたので、東京都美ではじっくりみるつもり。

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2017.01.04

謹賀新年 2017年前半展覧会プレビュー!

Img     伊藤若冲の‘雪梅雄鶏図’(18世紀 京都・両足院)

今年も拙ブログをよろしくお願いします。暖かい正月三が日だったので、美術館へ出かけられた方も多いのではなかろうか。手元にある情報からわかった展覧会のうち出動する可能性の高いものをリストアップした。

★西洋美術
 ティツィアーノ展   1/21~4/2      東京都美
 カッサンドル展    2/11~3/26     埼玉県近美
 草間彌生展      2/22~5/22     国立新美
 シャセリオー展    2/28~5/28     西洋美
 ミュシャ展      3/8~6/5       国立新美
 
 大エルミタージュ展  3/18~6/18     森アーツセンター
 ボイマンス美展    4/18~7/2      東京都美
 ランス美展      4/22~6/25     損保ジャパン美
 ジャコメッティ美   6/14~9/4      国立新美
 アンチンボルド展   6/20~9/24     西洋美

★日本美術
 並河靖之展      1/14~4/9      東京都庭園美
 春日大社展      1/17~3/10     東博
 河鍋暁斎展      2/23~4/16     Bunkamura
 歌川国芳展      3/11~5/7      府中市美
  
 楽歴代展       3/14~5/21     東近美
 雪村展        3/28~5/21     東芸大美
 茶の湯展       4/11~6/4      東博
 海北友松展      4/11~5/21     京博

(注目の展覧会)
西洋美術で最も楽しみなのは東京都美の‘ボイマンス美展’と国立新美の‘ミュシャ展’、オランダのロッテルダムにあるボイマンス美は次のオランダ旅行では訪問しようと思っていた美術館。その気になるコレクションから今回なんとブリューゲルの‘バベルの塔’とボスが2点やって来る。開幕が待ち遠しい。

そして、ミュシャの大作‘スラブ叙事詩’が20作全部みれるというのも夢のような話。国立新美はヒットを打ち続けて美術ファンの期待に応えてくれているが、これでまた株を上げそう。本当に楽しみ。

昨年はカラヴァッジョ展を開催しブランド力を見せつけた西洋美、今年はあのアンチンボルドを登場させる。秋の‘北斎とジャポニスム’とともに大きな話題になりそう。

日本美術は1/17からはじまる東博の‘春日大社展’への期待が高い。これまで縁がなかったここの宝物、やっとみれるのでワクワクしている。今年は2つのやきもの展が名品をずらっと並べてくれそう。追っかけているものがいくつでてくるだろうか。‘海北友松展’は待望の回顧展、流石、京博という感じ。GW前に京都へ行くことにしている。 

今年の干支は酉、となると若冲の鶏しかない。‘雪梅雄鶏図’は数多くある鶏のなかでお気に入りの一枚。

    


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2016.12.18

2016年 感動の日本美術 ベスト10!

Img_0002        可翁の国宝‘寒山図’(14世紀 サンリツ服部美)

Img_0001     横山操の‘雪原’(1963年 佐久市立近美)

Img     鈴木其一の‘富士千鳥図’(江戸時代後期)

今年は夏場にビッグな出会いがあった。それはみどりがめさんから教えてもらった国宝の禅画、可翁の‘寒山図’。お目にかかった美術館は長野県の諏訪湖のほとりにあるサンリツ服部美、ここは本阿弥光悦の国宝‘白楽茶碗 銘 不二山’をみるため一度訪問したことがある。

この名碗をみたので二度目はないなと思っていたら、まったく想定外の展開になった。みどりがめさんから特別展‘禅宗と茶の湯の美’(7/10~9/4)に‘寒山図’が展示されるという情報を得るまでこの絵をこの美術館が所蔵していることは知らなかった。

手元にある‘週刊朝日百科 日本の国宝 個人所蔵’(1999年1月)で絵の存在はわかっていたが、サンリツ美をつくった服部一郎氏のコレクションだったということに気づかなかった。個人蔵の絵なのではなから今後も縁がないだろうと思っていた。ところが、今回はじめて公開されるという。ええー、まだ一回も展示されてないの!? この決定は今年が服部氏の没後30年にあたるので特別にお披露目しようということになったのだろう。

となると万難を排し諏訪湖まで出かけなくてはならない。はたして、幸運なめぐりあわせとなった国宝との出会いはとても感銘深いものだった。墨の濃淡がきき大変味のある人物描写が強く印象に残るいい絵だった。服部氏がだしたがらなかったのがよくわかった。

この遠出のあとまた嬉しい情報が入ってきた。長年追っかけていた横山操(1920~1973)の‘雪原’が茨城県の天心記念五浦美に登場するというのである。作品を所蔵する佐久市立近美のコレクションで構成された‘日本画、新しき風にのせて’(7/23~9/4)が開催され、横山の絵も平山郁夫の‘仏教伝来’や東山魁夷の‘萌ゆる春’などとともに日本画ファンの目を楽しませてくれた。

関心は‘雪原’一点なので大きな絵を隅から隅まで15分み続けて目に焼き付けた。鑑賞時間はわずか20分だったが、満ち足りた気分で館を後にした。そしてJR常磐線に乗り3時間かけて横浜に戻ってきた。

サントリー美へ通う回数が今年は例年に比べて多く、3回出かけた、宮川香山展(2/24~4/17)、鈴木其一展(9/10~10/30)、そして小田野直武展(11/16~1/9)。鈴木其一(1796~1858)の単独の回顧展が開かれるなんて以前ならちょっと考えられなかったが、時代が変わり、チラシには‘琳派の真打、其一登場’ときた。其一好きだから回顧展に遭遇したのは大きな喜びだが、琳派の真打なんて思うほどのぼせ上がってはいない。

収穫ははじめてお目にかかる‘富士千鳥図’、メトロポリタンからやって来た傑作‘朝顔図屏風’同様、絵の前で色彩の輝き構図のすばらしさを息を呑んでみていた。

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