映画 ‘ミステリアス ピカソ 天才の秘密’!
画家や彫刻家の物語が映画になったものは、モディリアーニの‘モンパルナス
の灯’のように普通の映画として観るものが大半だが、ダリのようなドキュメ
ンタリー仕立て場合は、絵の制作過程の現場にいるような感覚で観れるとい
う楽しみがある。その究極の作品が1956年に製作された‘ミステリアス
ピカソ 天才の秘密’。
このDVDが2024年11月に馴染みのブックオフで偶然目にとまり、3100円(海外映画としては高め)を払って手に入れたが、昨年の末まで本棚に積んでおく本のようになっていた。ほかの画家ものと連続的に観たが、‘天才の秘密’の通り、あらためてスゴイ画家であることを実感した。半裸で絵筆を動かすピカソ(1881~1973)はこのとき75歳。20点くらい制作するが、じっとみていると一つ一つのモチーフがあれよあれよいう感じで形になり、彩色されていく。
たとえば、太めの鶏は腹のあたりから描きはじめて(図像の左)、だんだん鶏(右)になっていく。何度もみているうち、これは早送りでみるのがいいことに気づき、ピカソの頭の中でどういう風にモチーフが構成されていくかをつかむことができた。完成の形は予想外の展開になることもあり、この変奏の進行がとても興味深い。
ピカソが仕上げた20点におよぶ絵はもう、この映画にしか存在しないという。確かに手元にあるMyピカソ図録(4冊)にも載っていないから、タイトルは書きようがない。大きな牛の頭が描かれた作品の下の5点は横長の大作。最後に完成したのは‘ガループの海岸’。こうした貴重な作品が登場するので、このDVDをMy図録のビッグなプラスワンにした。

































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