2024.05.15

映画‘歌麿をめぐる五人の女’(1959年)!

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Img_0002_20240515225801    喜多川歌麿の‘鮑とり’(1797~98年 大英博)

Img_0001_20240515224801    ‘高名美人六家撰 朝日屋後家’(1795~96年 シカゴ美)

5/19(日)まで行われている‘大吉原展’(東芸大美)で喜多川歌麿(1753~1806)の‘吉原の花’と再会したのが引き金となり、今年になって購入した映画‘歌麿をめぐる五人の女’(1959年 大映)をみた。同じ題名のものをかなり前、NHKのBSでみたことがあり、そこに興味深い話がでてきたので拙ブログでもとりあげた。それは1946年、あの溝口健二監督によって製作された松竹の時代劇。

ブックオフで探していたのはこちらのほうで、棚にあるのをみつけとびついたが
、別の監督のもので歌麿役は大スター長谷川一夫(知っている人は知っている)
が演じていた。どんな脚本になるのか興味津々でみていたら、耳にこびりついて
いる歌麿のセリフがこの映画でもでてきた。美人画のモデルをつとめる女の背中
を凝視し、こう言う。‘お前さんの肌をちょっと触らせてくれねぇか!’

このシーンをみてまた思い出したのが、女性を描くとき印象派のルノワールも
世紀末のクリムトもモデルの肌に触れその触覚を創作につなげていたこと。歌麿
ールノワールークリムトを結ぶ線になった。そして、ある女性の服飾デザイナー
も似たようなことを語っている。‘デザイナーにとっては触覚と嗅覚が大事なのよ’。

映画の中で歌麿の知っている絵が2枚登場した。実話かどうかはわからないが、
ある大名の屋敷で外国の使節団をもてなす宴が催され、余興として大勢の腰元た
ちによる庭前の池に放たれた鯉のつかみどり競争がおこなわれた。この様子をみていた歌麿が絵にしたのが‘鮑とりの海女’という次第。もう一枚は鈴木春信にみられる気品を描きたいと思い、その雰囲気をもった女(淡島千景)をモデルにしてできあがった‘高名美人六家撰 朝日屋後家’。この気品はちょっと違和感がある。

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2024.03.31

映画‘マルサの女’のDVDゲット!

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練馬区美と東芸大美でお目当ての特別展をみたあと、久しぶりに秋葉原のブ
ックオフに寄ってみた。頭にあったのは先日亡くなったポリーニのCDでいい
ものがあれば買うつもりだったが、その前に日本映画のコーナーで並んでい
るDVDをざぁーっとみていた。すると、伊丹十監督の大ヒット作‘マルサの女’
(1987年)がひょいと出てきた。‘犬も歩けば棒に当たる’である。嬉しさ
が腹の底からこみ上げてくる。値段をみると6800円。即購入した。

3年前、お気に入りの名作映画をできるだけ多く揃えようと中古DVDの購入
をはじめたとき、わりと早く‘マルサの女’が見つかった。でも、値札をみると
なんと8900円!この頃中古DVD相場についての情報がなかったので、手
に入れたい気持ちはすごく強いがこの値段はちょっと高すぎるのでひとまず
パスすることを選択した。あとから考えるとこの選択は悔いが残るものとな
った。それ以降、地元の横浜と都内のブックオフをいろいろまわって二度目
のチャンスが来るのを粘り強く待っていたが、まったく市場にでてこない。
だから、半分諦めていた。

家に帰って、本多俊之が演奏するサックスから流れてくる小気味のいい
テーマソングに酔いしれながら夢中になってみた。おもしろい場面や役者の
セリフはだいたい覚えているが、何度観ても良くできた脚本に感心させられ
る。とくに印象深いのは伊東四朗が扮するパチンコ店の親爺がウソ泣きする
場面と査察官統括の花村(津川雅彦)がラブホテルの経営者、権藤(山崎努)
からお金もうけの極意を教えてもらうところ。

‘○○の女’シリーズでお気に入りは‘マルサの女’と‘マルタイの女’。この2本が
手に入ったので次のターゲットは‘タンポポ’。果たして、いつ幸運の女神が
微笑んでくれるだろうか。

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2023.12.30

日本映画に使われた名画!

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   ルノワールの‘アンリ夫人’(1876年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー)

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 ターナーの‘雨、蒸気、速度ーグレート・ウエスタン鉄道’(1844年 ナショナル・ギャラリー)

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   橋本明治の‘石橋’(1961年 東近美)

ここ2年映画のDVDの蒐集に多くの時間と資金をつぎ込んできたが、求め
ていた作品がおおよそ揃ってきたので、今は新規作品の購入はペースダウ
ンさせもっぱらお気に入りの作品を繰り返しみて楽しんでいる。いい絵は
みる度に発見があるといわれるが、名作映画でもそれがあることに気づい
た。

今週は定番のMy図録づくりに精を出しているとき、森繫久彌主演の喜劇
‘社長シリーズ’の最初のころの作品を流していた。喜劇映画は笑いが絶え
ないので作業の効力がぐんと上がる。1956年に登場した記念すべき
第1弾‘へそくり社長’ははじめてみたときは気づかなかったシーンが目にと
まった。小林桂樹(秘書)の恋人司葉子(同僚)の自宅の部屋に掛けられ
ていたカレンダーにルノワールの女性画が使われていた。モノクロ映画だ
がワシントン・ナショナル・ギャラリーにある‘アンリ夫人’であることはす
ぐわかった。監督や美術担当がルノワール好きだったのだろうか。

別の監督が2年後に撮った‘社長三代記’でも喜劇映画にこの絵がでてくるの?
という場面があった。三代目社長を演じる加東大介のデスクの後ろをみると
なんとターナーの‘雨、蒸気、速度ーグレート・ウェスタン鉄道’が飾られて
いる。これも前はまったく気づかなかった。ほかの作品で川合玉堂の絵が
でてきたのは記憶しているが、有名なターナーの代表作が選ばれるとは。
これには200%驚いた。

今年は小津安二郎監督の映画を2本追加購入した。‘東京物語’(1953年)
同様、世界的に高く評価されている‘晩春’(1949年)と1962年に
製作された‘秋刀魚の味’。‘晩春‘は能舞台を堪能させてもらったが、‘秋刀魚
の味’では字幕意匠装画をてがけた橋本明治の‘石橋’が笠智衆の友人の重役の
部屋に掛けられていた。この絵ができたのは1961年なので一年後に映画
で採用されたことになる。小津安二郎は橋本明治の絵が気に入っていたのか
もしれない。

今年も拙ブログにおつきあいいただきありがとうございます。
皆様良いお年をお迎え下さい。

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2023.11.19

映画‘マルタイの女’の興味深いシーン!

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  映画‘マルタイの女’より

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  映画‘トパーズ’より

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  映画‘パリは燃えているか’より

ブックオフに足を運び以前観て気に入った映画のDVDを集め出したころ、
予想外に早く手に入ったのが伊丹十三監督の‘マルタイの女’(1997年)
。ほかの作品にも関心があり目にとまったら購入しようと思っていた。
コレクションをはじめて2ヶ月くらい経ったとき、もっともゲットした
かったあの大ヒット作‘マルサの女’がでてきた。値段は8900円。だか
ら、これはちょっと高すぎるなと思い、ひとまずパスと決め込んだ。
このころは名作映画の相場が一体どのくらいなのか、まったく情報がな
かったので、また遭遇するだろうから手ごろな価格のものを買おうとい
う作戦だった。

ところが、これが大きな間違い。あれから3年くらい経ったが、まった
く姿を現してくれない。‘マルサの女’のような一世を風靡したような映画
は市場にはめったにしかでてこないということを思い知らされた。伊丹
映画を軽く見すぎていたのが失敗の原因。悔やまれてならない。運よく
手に入った‘マルタイの女’も2本目に会わない。同じく‘タンポポ’にもぶ
ち当たらない。また運がめぐってくるまで粘り強く待つことにした。

刑事役の西村雅彦の演技に200%嵌っている‘マルタイの女’は終盤の
ところで興味深いシーンがでてくる。殺人事件を目撃した女優(宮本信子)
が証言台に立つことを阻止しようとするオカルト教団の一味が女優と不倫
関係にある経営者(津川雅彦)を脅そうと会社に押しかけてくる。取引
の話を一応聞いた津川雅彦はこう言う。‘君たちは映画をあまり観てないよ
うだね。こういう場面で脅されている方が引き出しに手をやったら何がで
てくるか、映画を観たら誰でも知っているはずだよ’。そして、拳銃を手に
とり前にいる男たちを次々と撃ち殺し、最後自分の頭を撃つ。

このセリフのなかにある‘映画を観たら誰でも知っているはずだよ’が理解で
きる映画にようやく遭遇した。この映画のことを伊丹監督はさしているの
だろうと勝手に確信している。ひとつはヒッチコック監督の‘トパーズ’
(1969年)、この場面はソ連のためにスパイ活動をしているフランス
の組織‘トパーズ’のNO.2が取材にやって来たジャーナリストと話をしてい
るときに机の引き出しを開けるところ。ふたつめはフランスのルネ・ク
レマン監督の‘パリは燃えているか’(1966年)。連合軍によってパリが
解放される直前、パリ占領軍司令官コルティッツ将軍の部屋にヒトラーの
親衛隊が乗り込んできて将軍にヒトラーが所望している品物(タペストリ
ー)を伝える。将軍はパリ爆破を命令するヒトラーに従わず無条件降伏を
きめているので親衛隊にびくびくしている。で、彼らがなにか言うと引き出
しをあける。緊張するシーンだった。

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2023.05.02

NHK版‘犬神家の一族’ 新解釈の結末にザワザワ!

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   ‘犬神家の一族’(後編 2023年4月29日 BSプレミアム放送より)

先週の29日(土)夜、BSプレミアムで放送されたNHK版‘犬神家の一族’
(後編)の最後の終わり方を今ずっと引きずっている。NHKが犬神家の
一族’を新たにつくったことを知ったのは先月の中頃。あとから考えると、
4/15に吉岡秀隆が金田一耕助を演じた‘八つ墓村’(NHK製作2019年)
を再放送していたのはこの映画を盛り上げるためだった。そして、前編、
後編(ともに1時間半)でトータル3時間の新作‘犬神家の一族’の登場である。

後編も石坂浩二主演の角川映画版(1976年)とそう違わないつくりかた
で結末になってきた。ところが、ラスト10分前で金田一耕助が難しい顔つ
きに変わり、急遽、佐清(すけきよ)が収監されている刑務所に出かける。
金田一は何のために佐清に会うのか? 原作でも映画でも佐清はいい人間とな
っている。ところが、吉岡金田一は佐清は本当は母親の松子同様、相当な悪党
であることを見抜き、こう言う。‘母親の犯罪をみすごし、静馬(しずま)のな
りすましを咎めなかった。これは善意か?それとも悪意ですか?‘。黙っている
佐清にむかってぐさっと切り込む。‘帰還し現状を知ったあなたは悪魔の計画を
思いついた。二人を操り、邪魔者を消させもっとも効果的な場面で正体を現わ
す。犬神家のすべてを得るために君は二人の愛につけこんだ‘。それに対し口を
開いた佐清は‘金田一さん、あなた病気です’と言って立ち去る。

佐清役の金子大地という俳優は知らなかったが、殺人鬼のような表情になった
最後の演技を見せるために監督はこの俳優を起用したのかなと思った。この悪
役佐清説はぞくっとさせる新解釈。表の顔としては母親をかばうため良くでき
た息子を演じ、腹の底では莫大な犬神家の財産を手に入れようと悪知恵を働か
せ冷徹に実行する。たしかにこの10分だけを切り取れば、これもありかなと
思うが、この場面にくるまでの佐清の言動との落差がありすぎるのがひっかか
る。脚本家は‘びっくりした?佐清には母親の血が流れているのよ!’とにやっと
しているかもしれない。

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2021.12.29

黒澤明 VS ジョン・フォード!

Img_20211229222301     黒澤明の‘七人の侍’(1954年)

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ジョン・フォードの‘アパッチ砦’(1948年)

黒澤明監督(1910~1998)がつくった映画でとくに関心が高いのは
‘羅生門(1950年)、‘七人の侍’(1954年)、‘天国と地獄’(1963
年)。何度もみているうちに黒澤映画の特徴みたいなものがだんだんつかめ
てきた。名画はみるたびに新しい発見があるというが、映画もそれと同じよ
うなことがあり、ディテールへのこだわりにも気づくようになる。そんな積
み重ねにより黒澤明の感心する映画のつくり方がいくつかわかった。そして
、これは監督独自のものだろうと思っていた。ところが、今年それがじつは
オリジナルのものではないことがわかった。

なぜわかったかというと黒澤明が大きな影響を受けたジョン・フォード監督
(1894~1973)が1948年につくった‘アパッチ砦’の一シーンを
みたから。砦の騎兵隊が雇った民間人を軍曹が訓練する場面をみたとき、こ
れはどこかでみたシーンだなと思った。すぐ‘七人の侍’を思い出した。村の
百姓たちから野盗の撃退を依頼された七人の浪人は村に着くと早速、策を練
る。同時に百姓を戦闘員に育てるため訓練をする。その担当になったのが
菊千代(三船敏郎)。槍の突き方と教えるが、戦えるようになるかは心もと
ない。菊千代はシニアの村人(左卜伝 知っている人は知っている)をいじ
って笑わせる。この演出はどうやらジョン・フォード監督の映画に刺激を受
けたようだ。そうだったのか!天才は天才からアイデアを受け継ぐのである。

‘七人の侍’にしても‘天国と地獄’にしても黒澤監督は緊迫する場面を和らげよ
うとよく笑いの場面をつくる。これに感心していたが、この手法はジョン・
フォードから学んだものだった。ジョン・ウェインが主演する西部劇の名作
をよくみているが、道化役のような軍曹や仲間が必ず登場する。ジョン・
フォード以外の監督の作品でもユーモラスなシーンは定番だから、西部劇は
悪党との決闘やインディアンとの戦いだけで物語が終始しているのではない。
西部劇の奥深さにしみじみ魅了されている。

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2021.08.01

喜劇映画 ‘社長シリーズ’のおもしろさ!

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     小林桂樹の日本一といわれる‘食べ芸’

森繁久彌が社長を演じる‘社長シリーズ’(全33作品 東宝)のDVDがす
べて揃ったので、暇さえあればみている。その結果、この喜劇映画のお
もしろさをうみだす役者の演技やセリフに感心させられことが多く、その
シーンになると待ってました、とばかりに笑いがこぼれる。もともと映画
は大好きだが、腕のいい監督やよくできた脚本をもとにつくられた映画は
やはり一級のエンターテイメントであることを思い知らされる。

社長の森繁久彌とコンビを組むのが秘書役の小林桂樹。みるからに人間性
のいい顔をしている。この役者は恋愛のシーンは一番下手だが、‘食べ芸’
なら日本一といわれている。その得意の芸を披露するため、よく食事の場
面がでてくる。もっとも多いのが朝ご飯を食べるシーン。とにかくセリフ
をしゃべりながら自然にきれいに食べる。演じているというのではなく、
われわれが家庭生活で食卓にのぼるものを食べように、あるいは宴会に出
された御膳を夢中になって食べるようにリズミカルに元気よく食べる。
こういう食べるシーンはサラリーマン映画には欠かせないものだから、
この映画のおもしろさのひとつになっている。

‘続サラリーマン忠臣蔵’では運転手兼秘書の小林桂樹は接待した相手会社の
重役に気をつかうどころか中華料理をむしゃむしゃとたいらげてしまう。
映画だからおもしろくしてあるが、最後には上役の加東大介(営業部長)
からに小言をいわれてしまう。このシーンをみるとやたら中華料理が食
べたくなる。そういえば、コロナ禍のこともあり横浜中華街にはずいぶん
ご無沙汰している。

手元にあるルーベンスの美術本のなかに‘人の心をつかむにはまず胃袋から’
という諺がでてくる。家族、知人、友人といるときはいつもこれを心掛けて
いる。

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2021.07.26

喜劇映画‘社長シリーズ サラリーマン清水港’!

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     社長シリーズ定番の宴会芸

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    新酒祈願の金毘羅宮参詣

山野楽器を通じて購入した喜劇映画の‘社長シリーズ サラリーマン清水港’が
届いたのでオリンピック観戦の合間にみて楽しんだ。新型コロナの感染で巣
ごもりを余儀なくされていることの副産物として、映画をみる時間が多くな
っている。昨年からBSプレミアで放送される映画をビデオ収録していたが、
今年は3月にDVDプレーヤーを購入したので行きつけのブックオフに足を運
ぶ回数が上がり、‘Myお気に入り映画’のラインナップがだいたい揃った。
その数130本。

大半はアメリカ映画だが、日本映画もこれはというのはしっかり揃え
ている。そのなかで何度もみているのが喜劇の‘社長シリーズ’、以前NHKの
BSやテレビ東京でも放送されたが、最近は各局の映画リストにはのぼってこ
ない。この人気喜劇を製作した東宝は嬉しいことに今年の1月と2月に
全33作品のDVDを4000円(正・続2枚組)で発売した。TSUTAYAへ行
くとこのシリーズの一部がレンタルされているが、それをみると8000円
の値がついている。今回は値段を半分にして全部DVD化した。東宝はマーケ
ット調査をしてコロナ禍で自宅で昔の人気映画をみるシニア層が増えている
ことをつかみ発売に踏み切ったのだろう。これは山野楽器に注文を出すと一
部が在庫切れで配達が遅れることがあるので、日本全国にはかつて映画館で
社長シリーズをみて大笑いした人たちが多くいることは容易に想像できる。

このシリーズの第一作は1956年に劇場公開された‘へそくり社長’。それ
から1970年の‘社長学ABC’まで全部で33作品つくられた。出演している
のは社長役の森繁久彌をはじめてとして芸達者な小林桂樹,加東大介、
三木のりへい、フランキー堺の面々。この喜劇をみてつくづく思うのは昔の
喜劇役者は本当に芸が巧いこと。その極めつきが定番の宴会芸、‘サラリー
マン清水港’では‘茶っきり娘’に扮して踊っている。このシーンになるといつ
もゲラゲラ笑っている。

この映画が貴重なのは観光映画を兼ねているところ。一本々に国内の大都市
や観光名所が物語の舞台になる。例えば、‘サラリーマン清水港’では清水港、
四国の金毘羅宮、松山。わが家はこれま国内をくまなく旅行してきたので
登場する観光名所はとても懐かしい。金毘羅宮ではあの長い階段をふうふう
言いながら登ったこを思い出した。今、新型コロナの感染の再拡大で旅行
する機会がまた遠のいた感じ。だから、この映画はみていると旅行したよう
な気分になる。社長シリーズをみる時間がまだまだ続きそう。

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2018.12.23

映画は楽し! 伊丹映画

Img      伊丹十三監督(NHK ‘8人の伊丹十三’より)

Img_0002    伊丹映画(‘8人の伊丹十三’より)

先週BS1で放送された‘8人の伊丹十三’をみた。この40分くらいの番組は偶然目にとまった。制作したのはNHKの松山放送局、松山には伊丹十三記念館があり局のスタッフは伊丹十三(1933~1997)の没後20年とからめて伊丹映画に迫ってみようと思ったのかもしれない。

この番組はとてもタイムリーだった。というのは、今年の後半伊丹映画の魅力に再度とりつかれ昔ビデオ屋でレンタルしてみた作品などをYou Tubeで何本かみたところだった。3ヶ月くらい前、津川雅彦が亡くなったとき民放が追悼番組で伊丹映画の最高傑作‘マルサの女’(1987年)を流してくれるかなと期待したが、これはなかった。

伊丹監督がメガホンをとった映画は全部で10本、このなかで最初の‘お葬式’(1984年)とこれに続く‘タンポポ’、‘マルサの女’、‘マルサの女2’は劇場ではなくレンタルビデオでみた。でも、15年以上前だからどんな内容だったか記憶が薄れている。

こういうとき有り難いのがYou Tube、‘お葬式’はないがほかの3本はしっかりみれる。エンタメたっぷりの伊丹映画にまた嵌りこんでしまい、隣の方からは‘またみているの!’と笑われてしまう有り様。

嬉しいことにまだみてなかった宮本信子主演の‘ミンボーの女’、‘スーパーの女’、‘マルタイの女’もYou Tubeに流れているのでこちらも何回もみた。新規の伊丹作品がMy好きな映画に追加されるにつれ、伊丹映画の魅力を再認識させられた。

とにかくどれもよくできている。キレのいいストーリーの展開、見る者の心をぐっとつかむ台詞、ディテールへのこだわり、耳に強く残る音楽。とくに感心するのが役者のしゃべる台詞がびしっと決まっていること、伊丹は脚本を全部自分で書いた。

‘8人の伊丹十三’で最も長くしゃべっていた女優で妻の宮本信子は‘てにをはは絶対間違ってはいけない。台本の通りでないとOKがでないから台詞はもう徹底的に覚えた’と語っている。練りに練りこまれた台詞の力が映画では最も大事だということなのだろう。

すでに近くのTSUTAYAでチェック済みの‘あげまん’と‘大病人’を年が明けたらみるつもり。ランキング的にはどの位置に入るのだろうか。

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2014.11.18

高倉健さん 亡くなる!

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今日はとても悲しいニュースが入ってきた。あの大スター高倉健さんが悪性リンパ腫のため亡くなった。享年83、昨年の今頃文化勲章を受章し元気な姿をみせていたので、この突然の死がちょっと信じられない。健さんは90歳になってもそのカッコよさは変わらないだろうと思っていたのでショックを受けている。心からご冥福をお祈りしたい。合掌!

健さんの映画で心に強く残っているのは、
★‘飢餓海峡’(1965年)
★‘幸福の黄色いハンカチ’(1977年)
★‘八甲田山’(1977年)
★‘駅ステーション’(1981年)

ここ十年くらいは映画を楽しむ時間がきわめて少なくなったが、その前はビデオレンタル屋へはよく通っていた。好きなのは刑事もの、健さんが若い刑事役で出演した‘飢餓海峡’は日本映画史に燦然と輝く傑作、ときどきビデオを再生しているが隣の方からは‘またみるの’とあきれられている。今年は三国連太郎が亡くなったときBSプレミアムで放送されたのでまたのめりこんだ。

1977年に製作された‘幸福の黄色いハンカチ’(山田洋次監督)は健さんの魅力が最大限にでた心にしみる映画。ぶら下げられた何十枚もの黄色いハンカチが風で勢いよくたなびく光景をじっとみつめる健さんの顔がじつに感動的。こういう終わり方をする映画は一生忘れない。

健さんが演じる網走刑務所帰りの男が夕張に住む昔の恋人に‘もし、まだ一人暮らしで俺を待っててくれるなら黄色いハンカチをぶら下げておいてくれ、それが目印だ’と言い伝える。おもしろい筋立てだが、山田洋次監督はこれをギリシャ神話から着想している。

英雄テセウスはクレタ島でミノタウロスを退治したあと、島々をまわりながらアテネに帰還する。最後の寄港地デロス島から出帆してさあアテネというときにテセウスは大失敗をやらかす。帰国の喜びのあまり、黒い帆を白い帆に張り替えるという父王との約束を忘れてしまった。

そのため岸辺でテセウスを待っていた父アイゲウス王は、水平線上に現れた黒い帆の船を見て、息子が死んだものと早合点して海に身を投げて自殺する。エーゲ海(アイガイオン海)という呼び名はアイゲウス王の名から始まったといわれる。

健さんのこの映画を思い出すたびにテセウスの話が頭をよぎる。

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