西洋絵画 男の子の絵ベスト10!
カラヴァッジョの‘勝ち誇るアモール’(1601年頃 ベルリン国立絵画館)
ベラスケスの‘皇太子バルタサール・カルロスの騎馬像’(1634~35年 プラド美)
レンブラントの‘机の前のティトゥス’(1655年 ボイマンス・ファン・ブーニンゲン美)
昨年の5/24からはじめた‘美術で最高の瞬間!’のパートⅡ・日本美術が
終わったので、また新たな切り口で国内外の名画・名品の数々と対面して
みたい。作品の深堀りや作家の独自性や先行者との類似性の比較分析など
多様な鑑賞ポイントをいろいろ検討している。そのひとつが‘〇〇ベスト5
あるいは10!’。スタートは西洋絵画のなかで感激度がとくに大きかった
男の子の絵を10点選んでみた。まず5点、画家の生まれた順番で上から
並んでいる。
ラファエロ(1483~1520)の‘椅子の聖母’をフィレンツェのピッテ
ィ宮殿でみたときは天にも昇るような気分だった。この絵を図版でみた頃
は名前は‘小椅子の聖母’となっていた。宗教画らしくないので絵の中にすっと入っていけた。日常生活のなかで優しいお母さんと可愛い男の幼子と出会ったような感じである。宮殿には‘大公の聖母’が同じ部屋に飾ってあるが、これは何年か前日本にやって来た。‘椅子の聖母’も日本で再会したいが、実現の可能性はなさそう。
レンブラント(1606~1669)同様、作品をコンプリートしたいと
強く願っているカラヴァッジョ(1571~1610)は少年を何点の描
いている。お気に入りはベルリンにある‘勝ち誇るアモール’。2010年
ローマで開催された大カラヴァッジョ展で運よくお目にかかることができ
た。肌の質感描写に目が点になり、明るい笑顔が心をとらえて離さない。
カラヴァッジョからも影響をうけたベラスケス(1599~1660)は5,6年前日本で披露された‘皇太子バルタサール・カルロス騎馬像’がすばらしい。宮廷画家らしく脚色もして堂々たる皇太子の姿を描いている。人物の笑顔を描かせたら右に出る者がいないのがオランダの画家ハルス(1580~1666)。ハーグのマウリッツハイス美が所蔵する‘笑う少年’によってハルスの画風のイメージができあがっている。レンブラントは‘机の前のティトゥス’に大変惹かれている。この整った顔立ちをみると、なぜか女優の安達祐実の子役時代を思い出す。
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