2026.04.20

モネの回顧展に乾杯!

Img_20260420232101   ‘90年代のモネ 連作シリーズ’ 1990年 ロイヤル・アカデミー・オブ・アート

Img_0003_20260420232201   ‘大回顧展 モネ’ 2007年 国立新美

Img_0001_20260420232201   ‘クロード・モネ’ 2010年 グラン・パレ

Img_0002_20260420232201   ‘マルモッタン・モネ美所蔵 モネ展’ 2015年 東京都美

Img_0004_20260420232201   ‘クロード・モネー風景への問いかけ’ 2026年 アーティゾン美

好きな画家の立派な回顧展をみたあとはその余韻が長く続く。先週、アーティ
ゾン美で最高の瞬間を味わったモネ(1840~1926)の決定版の回顧展
のことが毎日心の多くを占めている。今、過去に体験したモネ展を思い出しな
がらそのスゴさを確認している。My図録づくりで2つか3つは消えているが、
忘れられない回顧展は次の通り。

☆‘90年代のモネ’ 1990年 ロイヤル・アカデミー・オブ・アート
☆‘モネと印象派 ボストン美展’ 1992年 Bunkamuraザ・ミュージアム
☆‘モネ展’ 1994年 名古屋市美
☆‘モネと印象派の画家たち’ 2003年 島根県美
☆‘大回顧展 モネ’ 2007年 国立新美

☆‘クロード・モネの世界’ 2008年 名古屋ボストン美
☆‘クロード・モネ’ 2010年 グラン・パレ
☆‘ボストン美 華麗なるジャポニスム展’ 2014年 世田谷美
☆‘マルモッタン・モネ美所蔵 モネ展’ 2015年 東京都美

☆‘モネ 連作の情景’ 2023年 上野の森美
☆‘モネ 睡蓮のとき’ 2024年 西洋美
☆‘クロード・モネー風景への問いかけ’ 2026年 アーティゾン美

印象派のモネに最接近できた最初の回顧展は運よくロンドン出張と開催の時期が重なった‘90年代のモネ 連作シリーズ’。これは睡蓮などいろいろある連作のモチーフを世界中の美術館やコレクターからどどっと集めてきた大モネ展。ロイヤルアカデミーで入館するのに2時間待ったが、名画の数々を目にし天にも昇る気持ちだった。図録はわが家のお宝中のお宝で、連作のバイブルとなっている。

2010年にもパリのグラン・パリで開催された大規模なモネ展をみることができた。モネ狂いとしてはこれほど嬉しいことはない。今人気沸騰のアーティゾンのモネ展にでている作品はこのときのデジャブが起きているように感じさせるラインナップになっており、まさにワールドクラスの特別展。アメリカの美術館でモネと深く結びついているのはボストン美、これまでBunkamura、名古屋ボストン美、世田谷美で行われたモネ展が忘れられない。世田谷美に登場したのは豪華な着物を着たカミーユを描いた‘ラ・ジャポネ―ズ’。

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2026.03.13

息子を女の子のように描くルノワール!

Img_0001_20260313230701   ‘ジャン・ルノワールの肖像’(1901年 ソウヤマ美)

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‘白いピエロ’(1901年 デトロイト美)

Img_20260313230801   ‘道化師’(1909年 オランジュリー美)

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‘狩姿のジャン’(1910年 ロサンゼルス・カウンティ美)

Img_0004_20260313230801   ‘自画像’(1876年 フォッグ美)

ルノワール(1841~1919)とのつきあいは長くなるが、ある時まで
肖像画で騙されていた。それは自分の息子を女の子のように描いていたこと。
たとえば、‘ジャン・ルノワールの肖像’。これをみたら誰だって目の前にいる
のは女の子と思う。どうみたって男の子にはみえない。でも、ここに描かれているのは次男のジャン。

展覧会の図録は必ず買うのがわが家のルーティン。でも、みるのは作品の図版
で解説文とかはじめにでてくる論考はあまり読まない。だから、この絵はずっ
と女の子のままだった。なにかの拍子に解説を読んだら、息子のジャンだと
判明した。ここにとてもおもしろいこが記されている。

‘心配性のルノワールは子どもたちを様々な危険から守ろうとした。頭蓋骨の
後部に知覚などを司る器官があると信じており、この繊細な部分をあまり強い
光にさらすと、知識を蓄積する能力が失われると思っていた。そのため、子ど
もたちが帽子を被らずに日向に出ることを許さなかった。それで赤い髪を長く
のばさせ、青いリボンをつけて描いた。ジャンが7歳になり学校に入学するた
め髪の毛を切らなければならなくなったとき、ルノワールはすっかり気が沈んでしまったという。その一方、この長髪がもとで嫌な思いをしていたジャン自身は晴れやかな気持ちだったようだ。’

同じ年にジャンをピエロにして描いた作品は、2016年に開催されたデトロイト美名品展(上野の森美)で運よくお目にかかれた。ここではジャンは男の子になっている。三男のクロードを描いた‘道化師’は着ている衣装が赤なのでぱっとみるとジャン同様に女の子に間違う。‘狩姿のジャン’は16歳のとき、このジャンが成人し1930年代末からフランスでもっとも有名かつ評価の高い映画監督のひとりになり、‘大いなる幻影’や‘ゲームの規則’などの名作を生んだ。数点あるルノワールの自画像のなかではフォッグ美でお目にかかった若いころのものに惹かれている。

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2026.03.09

ルノワール&モネ 絶品の静物画で共演!

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  ルノワールの‘団扇を持つ若い女’(1879~80年 クラーク・コレクション)

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  ‘花瓶に生けられた花’(1869年 ボストン美)

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  ‘大きな花瓶(春の花)’(1866年 フォッグ美)

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  モネの‘リンゴと葡萄のある静物’(1880年 シカゴ美)

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  ‘花と果物’(1869年 J.ポール・ゲティ美)

印象派に惹き込まれライフワークのように美術館へでかけていると、好きな
画家のいろいろなヴァリエーションに触れることができる。ルノワール
(1841~1919)は女性の絵だけでなく花や果物を描いた静物画にも
傑作が数多くある。そして、盟友モネ(1840~1926)もルノワール
と共演するかのように惚れ惚れする静物画を描いている。

アメリカのクラーク・コレクションが所蔵する‘団扇を持つ若い女’はまさに
一粒で二度美味しい絵。目に心地よい色鮮やかな大きな花束と心を揺すぶる
綺麗な若い女性がひとつの画面のなかに描かれている。この絵は2010年
(国立新美)と2013年(三菱一号館美)に日本にやって来た。
こんなすばらしいルノワールがアメリカへ行かずに2度もみれるなんて、
一生の思い出となった。

ルノワールの静物画はアメリカの美術館めぐりをしているとき、メトロポリ
タン美、シカゴ美、ワシントン国立美、ボストン美、フォッグ美で運よく
遭遇した。そのなかでとくに惹かれているのがボストン美の‘花瓶に生けられ
た花’とハーバード大学のなかにあるフォッグ美が所蔵する‘大きな花瓶(春の
花)’。セザンヌの静物画と違い、光のあたった花や果物が‘生きている’こと
を楽しく主張している感じ。

モネの静物画で‘最高の瞬間!’は2008年にシカゴ美でお目にかかった
‘リンゴと葡萄のある静物’。事前につくった必見リストの第一列に記していた
この絵が目の前に現れたとき、天にも昇るような気持でみていた。こんなす
ごい静物画をモネが描いたのか!そして、2011年、パリのグランパレで
行われた決定版のモネ展に出品されたLAのJ.ポール・ゲティ美蔵の‘花と
果物’も明るくて見栄えのする絶品の静物画だった。

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2026.03.07

ルノワール ベスト&ベスト!

Img_0001_20260307231001  ‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場’(1876年 オルセー美)

Img_0002_20260307231001  ‘船遊びをする人たちの昼食’(1880~81年 フィリップスコレクション)

Img_0003_20260307231001  

‘ブージヴァルのダンス’(1882~83年 ボストン美)

Img_20260307231101   ‘桟敷席’(1874年 コート―ルド美)

Img_0004_20260307231101  ‘ヴェネツィアのパラッツォ・ドゥッカーレ’(1881年 クラークコレクション)

春が近づいてくると自然と気分がウキウキする画家の図録をみることが多
くなる。それにうってつけなのがルノワール(1841~1919)。
モネにくらべると回顧展の開催される頻度は少ないが、3回を数えるのは
印象派ではほかにいない。

☆2008年 ‘ルノワール+ルノワール展’   Bunkamura
☆2010年 ‘ルノワールー伝統と革新’    国立新美
☆2016年 ‘ルノワール展’         国立新美

館内では楽しさMAX状態がずっと続いた国立新美での決定版の回顧展から
10年経った。来年あたりはルノアールがまた登場してもいい頃合い
だと思うが、果たしてどうだろうか。そこにお気に入りの作品が並んでいる
ことを願って、‘ベスト&ベスト’を選んだ。この5点はなんと全部日本に
やって来た作品!海外のブランド美術館へ出かけなくてもずっと待ってい
ればそれに応えてくれるのだから、多くのルノワールファンにとって日本
の展覧会シーンは極楽である。

‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場’は国立新美に拍手喝采で迎えら
れた。そして、‘船遊びをする人たちの昼食’はアメリカのワシントンDCに
あるフィリップス・コレクションの所蔵作品が森アーツセンターギャラリーで披露された2005年に目玉の絵として展示された。ボストン美のお宝のひとつである‘ブージヴァルのダンス’は2010年の回顧展に登場した。ほかにもう一度、東京富士美であった特別展‘光の賛歌 印象派展’(2013年)でもお目にかかった。

ロンドンのコート―ルド美の名品展が2019年に行われたが、黒の衣裳がとても美しい‘桟敷席’も欠かせないピースとして出品された。じつはこの絵は1984年と1997年日本橋高島屋であった同様の企画展にもやって来た。だから、3度も日本でみてプラス現地でも会ったから都合4度も縁がある絵になった。何度みてもうっとりしてしまう。風景画では‘ヴェネツィアのパラッツォ・ドゥッカーレ’に大変魅了されているが、2013年、三菱一号館美の‘クラークコレクション展’で運よく長年の夢が叶った。

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2025.10.04

シュザンヌ・ヴァラドンをモデルにした画家!

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ルノワールの‘ブージヴァルのダンス’(1883年 ボストン美)

Img_0001_20251004225701  ルノワールの‘都会のダンス(左)、田舎のダンス(右)’(1833年 オルセー美)

Img_0002_20251004225701   ロートレックの‘二日酔い’(1888年 ハーバード大フォッグ美)

Img_0003_20251004225701  シャヴァンヌの‘諸芸術とミューズたちの集う聖なる森’(1884年 シカゴ美)

ルノワール(1841~1919)が描く女性の絵に歌麿の美人大首絵同様、
魅了され続けている。ぐっとくるのは何点もあるが一番のお気に入りはダン
ス三部作。とくにいいのが最初に描かれた‘ブージヴァルのダンス’。所蔵して
いるのはボストン美、アメリカでもみたことがあるが、日本でも、2010
年国立新美で開催された‘ルノワールー伝統と革新’に出品された。

女性のモデルをつとめているのはユトリロの母親のシュザンヌ・ヴァラドン
(1865~1938)。はじめてお目にかかったとき、画面が‘都会のダン
ス’、‘田舎のダンス’よりちょっと大きいのとヴァラドンの美貌に大変惹かれ、
心臓がバクバクするほど感動した。‘都会のダンス’もシュザンヌがモデル。

この三部作にはおもしろい話しがある。1883年頃、ルノアール(42歳)
とシュザンヌ(18歳)は恋仲だった。当初、3点全部シュザンヌがモデル
だったが、それに怒り狂ったアリーヌ(後のルノワールの妻)は‘田舎のダン
スだけは私にしないと承知しないからね!’とルノワールにねじこんだ。で、
一枚はアリーヌがモデルになった。

シュザンヌより一歳年上のロートレック(1864~1901)はいい仲に
なった彼女をモデルにして‘二日酔い’を描いた。これはハーバード大学のフォ
ッグ美でみたが、この頃はシュザンヌがユトリロの母親だったことは知らな
かった。ルノワールの三部作の翌年に60歳のシャヴァンヌ(1824~1898)はシュザンヌをミューズや画面右端の少年のモデルとして使い‘諸芸術とミューズたちの集う聖なる森’を描いている。

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2025.10.01

大賑わいの‘ゴッホ展’!

Img_0003_20251001230201   ‘画家としての自画像’(1887年)

Img_0001_20251001230201   ‘種まく人’(1888年)

Img_0002_20251001230201   ‘浜辺の漁船、サント=マリー=ド=ラ=メールにて’(1888年)

Img_20251001230201   ‘グラジオラスとエゾギクを生けた花瓶’(1886年)

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‘アルルの老婦人’(1888年)

上野の東京都美で行われている‘ゴッホ展’(9/12~12/21)をみてき
た。美術館にとってゴッホ(1853~1890)の回顧展は最強のキラー
コンテンツ。前回みた上野の森美の特別展(2020年)と同様に平日に
もかかわらず、想定をさらに上回る盛況ぶり。学生は昨日まで無料というこ
ともあり、手にノートブックを持った中学生たちが大勢いた。

今回のゴッホ展に出品されたのはアムステルダムにあるファン・ゴッホ美術
館が所蔵する作品。‘ひまわり’は来なかったが、これぞゴッホ!というのが
いくつも並んでいた。全部で29点。その10点はゴッホ美が製作した図録、
‘名画100選’に選ばれているもの。これは太っ腹。ゴッホの名画がこれほ
ど多くみられるのは幸運というほかない。

お気に入りはここにあげた5点、チラシに使われている‘画家としての自画像’はゴッホに最接近するにはもってこいの絵。この姿を頭に入れるとほかの作品にすっと入っていける感じがする。自画像は何点もあるから、どれが好みかはひと夫々。これに対し、画集によく載っている‘種まく人’は体まるごとゴッホを感じさせる作品。ゴッホが日本の浮世絵師で一番影響を受けたのは歌川広重。広重が傑作‘名所江戸百景’でみせた画面の手前にモチーフを大きく描くのを真似て、ゴッホは画面を大胆に横切る黒い木の幹をどんと描いている。でも、広重流なら向こうの太陽は小さくなるのに、‘イエローパワー’を炸裂させてびっくりするほど大きい。色彩の輝きと浮世絵風の構図で観る人を驚かせるのがゴッホのスゴイところ。

海景画の‘浜辺の漁船、サント=マリー=ド=ラ=メールにて’は手前の漁船をみて、その次に向こうの船というように視線をずっと移動させると自然と遠くの海まで広がっていき、大きな空間をイメージさせる。じつに上手い構図である。‘ひまわり’の代役となった‘グラジオラスとエゾギクを生けた花瓶’は明快な色彩よって、花が生き生きとしている。‘アルルの老婦人’は‘100選’にはないが、大変惹かれている。このゴッホ展は12月まで開催されているが、後半の週末は相当混むことが予想されるので、早めの出動をお薦めしたい。

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2024.10.26

‘芸術新潮’(11月)でモネ特集!

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Img_20241026231801    ‘シュザンヌ・オシュデと向日葵’(1890年)

Img_0001_20241026231801   ‘草原の散歩、アルジャントゥイユ’(1873年 RISD美)

Img_0004_20241026231901   ‘テムズ河のチャリング・クロス橋’(1903年 リヨン美)

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‘ウオーターリー橋、曇り’(1903年 オードロップゴー美)

先週、西洋美で行われている‘モネ 睡蓮のとき’(10/5~2/11)をみ
たのでわが家は今モネ(1840~1926)で大いに盛り上がっている。こういうとき接触のあった友人や知人は展覧会の鑑賞を強く薦められることになる。たとえば、歯の定期的なチェックにでかけると先生や事務の人などにモネ展をついついアピール。先方もモネ狂を知っているので嫌な顔もせず聞いてくれる。

2,3日前、新聞広告で‘芸術新潮’(11月)がモネ特集をやっているのを知り、本屋で手に入れた。そこに追っかけリストに載ってない作品がでてきたのでいくつか紹介したい。肖像画‘シュザンヌ・オシュデと向日葵’は手元にあるMyモネ本(5冊)にモノクロの図版があるが、色がついてないので関心が薄かった。これは個人蔵だが、ぱっとみるとモネが描いたという感じではない。‘草原の散歩,アルジャントゥイユ’はどこかでみたような気がしたが、実際にはどの本にも図版がでてこなかった。所蔵しているのはアメリカのロード・アイランド・デザイン学校美。

興味深い情報はロンドンのコート―ルド美で開催されている‘モネとロンドン:テムズ河の風景’展(9/27~1/19)。モネが1898~1901年に滞在したロンドンあるいはジヴェルニーのアトリエで仕上げた‘ロンドン、テムズ河の風景’連作37点のうち21点(世界各地から集結した18点プラスイギリスにある3点)がみられるとのこと。流石、コート―ルド!すぐにでも飛んで行きたくなる。

このうち6点が載っている。‘テムズ河のチャリング・クロス橋’(リヨン美)と‘ロンドン、国会議事堂、霧の中の陽光’(オルセー美)は過去にやって来たことがあるが、ほかの4点はまだ縁がない。‘ウォータールー橋、曇り’を所蔵するオードロップゴー美(デンマーク・コペンハーゲン)は日本でかなり前名品展が行われたが、このモネは出品されなかった。

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2024.10.25

ルノワール、ターナー、ビュフェのヴェネツィア!

Img_0001_20241025224901   ルノワールの‘ヴェネツィア、ドカーレ宮’(1881年 クラーク美)

Img_0002_20241025224901   ターナーの‘ヴェネツィア、大運河’(1835年頃 メトロポリタン美)

Img_0004_20241025224901  ‘ヴェネツィア、税関舎とサン・ジョルジョ・マジョーレ’(ワシントン国立美)

Img_0003_20241025224901   ‘ヴェネツィア、嘆きの橋’(1840年 テート美)

Img_20241025224901   ビュフェの‘大運河’(1962年 ベルナール・ビュフェ美)

ルノワール(1841~1919)の描いた女性画に魅了され続けているが、
風景画にも印象派らしい傑作がある。それはアメリカのクラーク美が所蔵する
‘ヴェネツィア、ドカーレ宮’。美術本で知りいつか本物をこの目でと思っていた
ら、2013年三菱一号館美でクラークコレクションが初公開され対面するこ
とができた。生涯の喜びである。

40歳のときイタリア旅行したルノワールはミラノやパドヴァはさほど感銘を
うけなかったが、ヴェネツィアでは感動した。そのテンションの高まりがヴェ
ネツィアで最も人気の観光名所を輝く描写で映しとったすばらしい風景画が生
み出した。モネやほかの印象派の描いた風景画を全部ひっくるめてみても、
このヴェネツィアはベスト5に入る。

メトロポリタン美の名品展がときどき日本で開催されるが、ターナー(1775
~1851)の‘ヴェネツィア、大運河’は2度も披露され目を楽しませてくれた。アメリカのブランド美はターナーのいい絵を所蔵しておりボストンやフィラデルフィアにある作品同様、これをみていると‘水の都、ヴェネツィアに出かけてこの景色をずっと眺めていたい’という気にさせる。ワシントン国立美蔵の‘ヴェネツィア、税関舎とサン・ジョルジョ・マジョーレ’は運河に舟やゴンドラがあふれ活気のある光景になっている。これに対し、‘ヴェネツィア、嘆きの橋’は牢獄に収監された人物の嘆きが聞こえてくるような神秘的で重い詩情につつまれている。

フランスの画家ビュフェ(1928~1999)の‘大運河’もヴェネツィアとい
うとすぐ頭に浮かんでくる作品。大画面に水平線と垂直線が織りなす中世の建築
物は威厳に満ち、崇高な美を表現している。はじめてこの絵をみたとき、息を呑
んでみていた。日本人コレクターがつくった静岡県のベルナール・ビュフェ美に所蔵されていることを誇らしく思う。

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2024.10.23

モネ ディスカバー・ヴェネツィア!

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   ‘黄昏、ヴェネツィア’(1908年 アーティゾン美)

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   ‘ダーリオ宮’(1908年 ウェールズ国立美)

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 ‘大運河とサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂’(1908年)

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    ‘ドカーレ宮’(1908年 ブルックリン美)

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    ‘コンタリーニ宮’(1908年 ザンクト=ガレン美)

昨日とりあげたカナレット展にモネ(1840~1926)が1908年に
旅行したヴェネツィアの景観を描いた‘ダーリオ宮’が展示されているのをみて、
今年はつくづくモネの当たり年だなと思った。ウェールズ国立美が所蔵する
この絵は約30点制作された運河の風景画のひとつで、手元の美術本に載って
ないので収穫の一枚となった。

日本にもヴェネツィアのいい絵がある。モネの回顧展があるときは定番のピー
スのように登場する‘黄昏、ヴェネツィア’。これをブリジストン美(現アーテ
ィゾン美)でみたとき、日本のコレクターたちのモネの作品に対する思い入れ
の強さのお陰でこうしてモネを楽しめる。流石、印象派に強いブリジストン美
である、と感心した。

2010年パリのグラン・パレで行われた大モネ展に遭遇したのは生涯の喜び。
モネの人気は絶大で2時間並んでやっと入館できた。そのとき出品されたヴェ
ネツィアの作品は5点並んでいた。その2点がNYのブルックリン美蔵の‘ドカー
レ宮’とスイスのザンクト=ガレン美にある‘コンタリーニ宮’。後者については
もう一点これもスイスのコレクターが所蔵する作品がでていた。

モネが描いたヴェネツィア運河のなかでもっとも惹かれているのが‘大運河と
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂’。これは個人蔵だが、運がいいこと
に日本で開催されたモネ展で出会った。グラン・パレの大回顧展にも似たよう
な構図で聖堂が描かれたもの(サンフランシスコ美蔵)がでていたが、完成度
はこちらのほうがぐんといい。

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2024.10.21

西洋美の‘モネ展’に外国人がいっぱい!

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‘セーヌ河支流、日の出’(1897年 マルモッタン・モネ美)

Img_0001_20241021230301    ‘藤’(1919~20年頃 マルモッタン・モネ美)

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‘睡蓮の池’(1917~19年頃 マルモッタン・モネ美)

Img_0003_20241021230301    ‘睡蓮’(1914~17年頃 アサヒグループ大山崎山荘美)

Img_0004_20241021230301    ‘睡蓮’(1916年 西洋美)

上野の西洋美で行われている‘モネ 睡蓮のとき’(10/5~2/11)をみ
てきた。今月のはじめ、英一蝶展(サントリー美)と田中一村展(東京都美)
を楽しんだとき、これも一緒にみる予定だったが、雨のなか大勢の人がチケ
ット売り場に並んでいた。この状況ではパスを選択するのが賢明と判断し、
別の特別展との組み合わせて仕切り直しを決めた。まず、モネをみてそのあ
と新宿のSOMPO美の‘カナレット展’にまわり、英一蝶展、松濤美を訪問して
この日の美術館巡りは終わり。

モネ(1840~1926)は大好きな画家だから回顧展は見逃すことなく
足を運んでいるが、今回は観客の数が特別多い感じ。チケットを買うのにも
時間がかかったが、館内には予想を大きく上回る人たちがおり、大盛況。
最近目立つのが外国人。昨年の10月から今年の1月まで上野の森美で開催されていた‘モネ 連作の情景’でも、東京都美の‘印象派 モネからアメリカ’でも今回同様にアジアや米国、欧州からの観光客がいっぱいいた。モネとゴッホはどこの国でもファンが多くいるから、日本でいい絵がみれれば名所観光のプランのなかに美術館をオプションとして組み込んでいるのかもしれない。日本は美術大国だから、情報を集めれば美術ファンはご機嫌なアートエンターテイメントを楽しめる。美術館におけるこの光景をみることがますます増えていきそう。

今回の回顧展はパリのマルモッタン・モネ美の所蔵する50点に日本の美術館にあるものを加えた65点で構成されている。日本には西洋美の松方コレクションをはじめとしてモネのいい絵がたくさんあるので、モネ展としてはワールドクラスの特別展といっても言い過ぎではない。タイトルが‘睡蓮のとき’となっているが睡蓮のほかにもチャリング・クロス橋やウオータールー橋、セーヌ河などを描いた風景画があるからモネを存分に楽しめる。

モネはたくさんインプットされているので鑑賞のエネルギーはチラシに載っている作品のなかでまだお目にかかってないものにまず注がれる。‘セーヌ河支流、日の出’はボストン美のあるこの連作とよく似ており、霞の立ち込める神秘的な光景に心が鎮められる。そして、横長の画面に描かれた‘藤’の紫が印象深く思わず足がとまった。マルモッタンにはもう一点藤の絵があるが、これと遭遇したのは大きな収穫。睡蓮では黄色の睡蓮がすごく装飾的に感じられる‘睡蓮の池’に大変魅了された。これまでの回顧展で大きな感動をもらった睡蓮も数多くでている。日本にある睡蓮のなかでもっとも気に入っているのがアサヒグループ大山崎山荘美にある絵。これに出会うまでは西洋美の定番である1916年に描かれた睡蓮がトップに位置していたが、以後はアサヒのものと入れ変わった。

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