2018.07.27

気になる横浜美の‘モネ展’!

Img_0001    ‘睡蓮’(1906年 吉野石膏)

Img_0002  ‘睡蓮 水草の反映’(1914~17年 ナーマッド・コレクション)

Img     ‘バラの小道の家’(1925年)

Img_0003     ‘チャリング・クロス橋’(1899年 メナード美)

現在、横浜美で開催されている‘モネ それからの100年’(7/14~9/24)。出かけるかどうかで二転三転したが、日曜美術館と美の巨人たちがとりあげたのをみてやっぱり足を運んだ。入館してびっくりしたのは中高校生や若い人がたくさんいたこと。

人気のあるモネだから過去にあった回顧展同様ファンの出足はいいが、これほど若い世代の人たちにでくわしたのははじめて。その理由は作品の構成が関係しているかもしれない。今回でているモネは25点と多くはなく、ほかはモネに影響を受けた日本や海外の現代ア―ティストの作品で占められている。その数64点。

こうしたモネ以外の作品を展示するスタイルは2007年、国立新美であった回顧展でもみられたがこのときは26点と少なくオマケでどうぞという感じだった。ところが、今回は展示のスタートからモネとほかの画家が交互にでてくる。

これをみるとモネに対する別のイメージが生まれてくるかもしれない。ロスコやウォーホル、リキテンスタインといったビッグネーム、さらにアートシーンの最前線で活躍する日本の作家、モネの睡蓮や画風を意識しコラボしたア―ティストがこれほど多くいたとは。脳が200%刺激される展覧会であることはまちがいない。

日本にあるモネが総動員されている。モネ狂なのでどこの美術館にモネがあるかはおおよそ頭に入っているしこれまでお目にかかってきた。いいのが集まっている。思わず足がとまったのが吉野石膏(株)が所蔵する‘睡蓮’とメナード美にある‘チャリング・クロス橋’。

会場を進みながら目が犯人を捜す刑事のようになっていたのがチラシで気になった‘睡蓮 水草の反映’と最晩年の‘バラの小道の家’、ともに海外のコレクターがもっているもの。じつはこの回顧展をパスできなかったのはこの‘バラ’のせい。狙ってた通り画面が一番輝いていた。Myモネ図録にこの絵が加わることになったのは大きな喜び。

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2018.06.16

コペンハーゲンの美術館を想起させるフランス絵画!

Img     ゴーギャンの‘マタモエ 孔雀のいる風景’(1892年)

Img_0001     ドランの‘港に浮かぶヨット’(1905年)

Img_0003     クールベの‘山の小屋’(1874年)

Img_0002     ロランの‘エウロペの掠奪’(1655年)

ロシアのエルミタージュ美(サンクトペテルブルク)とプーシキン美(モスクワ)は美術の本によくでてくる超一級の美術館。19年前に運よくエルミタージュを訪問できたが、プーシキンはまだ足を踏み入れていない。

コペンハーゲンとオスロでお目当ての美術館をまわってきたばかりだが、次の計画がアバウトにできていて、順番は①プーシキンと二度目のエルミタージュ ②スイスの美術館 ③LAとサンフランシスコの美術館となっている。海外の美術館めぐりはまだまだ続く。

プライオリティの高いプーシキンだが、今回を含めるとそのすばらしいコレクションを3回楽しませてもらった。お陰で関心の高い印象派、ポスト印象派については画集に載っている作品がかなり目に入った。でも、いい絵はもっとあることはわかっている。それらが4回目、5回目に登場するかもしれないが、歳を考えるとそうのんびり待ってもおれない。

エルミタージュ同様、プーシキンで充実しているのがゴーギャン(1848~1903)、コペンハーゲンのニュー・カールスベア美でゴーギャンを満喫したので‘マタモエ 孔雀のいる風景’をみているとコペンハーゲンのデジャブがおこっていると錯覚する。本当にいい絵。2羽の孔雀がとてもやさしい感じで南国の楽園を思わせる安定感のある構図と調和のとれた色使いが心をとらえて離さない。

色彩の輝きに目を奪われるのがドラン(1880~1954)の‘港に浮かぶヨット’、コペンハーゲンの国立美でドランのいい女性の肖像に会ったばかりなのに日本ではフォーヴィスムを体で感じさせる風景画に遭遇した。マティスとドランに‘フォーヴィスム、いいだろう、参ったか’とドヤ顔で言われているよう。

小品だがクールベ(1819~1877)の‘山の小屋’に魅了された。クールベは北欧の美術館で念願の作品を2点リカバリーできたので今頭のなかにどーんといる画家、その感動のリレーが東京都美にも続いているのだからたまらない。これって‘セレンディピティ’(思わぬ幸運に偶然出会う能力)の証?!

ギリシャ神話や聖書を題材にして港や川の広大な風景を描き人気の画家になったクロード・ロラン(1604~1682)は2013年横浜美にも登場したが、‘エウロペの掠奪’はそれを上回る傑作、日本でこんないいロランは滅多にみれない。

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2018.06.15

待望の‘プーシキン美展’!

Img_0001    モネの‘草上の昼食’(1866年)

Img_0003     モネの‘白い睡蓮’(1899年)

Img_0002     セザンヌの‘サント=ヴィクトワール山’(1905年)

Img     アンリ・ルソーの‘馬を襲うジャガー’(1910年)

先週、上野へでかけ東京都美で開催されている‘プーシキン美展ー旅する風景画’(4/14~7/8)をみてきた。ここ数年、西洋絵画の鑑賞は国立新美と東京都美、そして西洋美の3館が中心になっている。今年は春のビュールレコレクション展(国立新美)とともに期待値が高かったのがこのプーシキン美展。待望の絵が登場するのでわくわくしながら入館した。

4点出品されたモネ(1840~1926)は26歳のときに描かれた‘草上の昼食’が展覧会の目玉、白樺の森のなかで12人の男女が昼食を楽しんでいる。こういうピクニックはいまでも楽しい。視線が集まるのはやはりワインや食べ物が置かれている真ん中。ほかとくらべ明るさが際立ち白が輝いている。モネの作品をみるときいつもこの白の使い方に注目。右下で長い足をのばしてくつろうでいる男性のシャツの白さにも目を見張らされる。

太鼓橋と水面の睡蓮を描いた‘白い睡蓮’をみるのは‘草上の昼食’同様2度目のこと。ところが、この睡蓮がこれほど光り輝いているという印象がまったく消えていた。前々回のプーシキン美展の図録をときどきみていたのに本物のすばらしさを忘れていた。名画は何度もみるものだとつくづく思う。

今回一番のお目当てはセザンヌ(1839~1906)の‘サント=ヴィクトワール山’とアンリ・ルソー(1844~1910)の‘馬を襲うジャガー’、モネ、セザンヌ、ルソーはほぼ同世代の画家だが、3人のめざした絵は大きく違う。同じ時代に生きても絵画表現には個性がでる。これがアートの奥深いところ。

セザンヌが晩年に描いた故郷のサント=ヴィクトワール山はフィラデルフィア美にある2点と同じく色彩が複雑に絡み合う密度の濃い絵、山や家々の形はまだ残るものの画面のイメージは抽象絵画の世界へと入りこんでいる。これでサント=ヴィクトワール山の連作は済みマークがつけられる。ミューズに感謝!

さて、チラシにどんと使われているルソーの‘馬を襲うジャガー’、ぱっとみるとジャガーは馬のどこを噛みついているのかわからない。逆に馬がジャガーの首あたりをくわえているようにみえる。ルソーが亡くなる年に仕上げられた一連のジャングル画で残りは3点。次のターゲットはスイスのバーゼル美にある‘豹に襲われる黒人’にしているが、運にめぐまれれば3年後くらいに遭遇するかもしれない。

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2018.02.23

名画を揃えるビュールレ・コレクション!

Img     カナレットの‘カナル・グランディ、ヴェネツィア’(1742年)

Img_0002     コローの‘読書する少女’(1845~50年)

Img_0001     ピサロの‘ルーヴシエンヌの雪道’(1870年)

Img_0003     モネの‘睡蓮の池、緑の反映’(1920年)

印象派の作品を扱った美術本でしばしば名前が登場するビュールレ・コレクション、はじめのころはスイスのチューリヒにあることはわかったが美術館として作品を公開しているのか定かでなかった。それがはっきりしたしたのはセザンヌの‘赤いチョッキの少年’の盗難事件。

大きな話題になったその事件が起こったのは2008年、それから4年後の2012年にセルビア国内で無事発見された。名画が盗まれることはよくあり、1990年にボストンのイザベラ・スチュアート・ガードナー美から姿を消したフェルメールの‘会食’は残念ながらいまだ見つかってない。だから、美術館に戻った‘赤いチョッキの少年’が日本でみれるのは二重の幸運が重なった結果でもある。

ビュールレ・コレクションは2020年にチューリヒ美に移管されることが決まっている。計画しているスイスの美術館巡りはだぶんその後だと思うが、今回の展覧会でその全貌の一部を知ることができた。目の前に現われる作品をみてこのコレクションの質の高さにほとほと感心させられた。

メインディッシュは自慢の印象派だが、ハルスの肖像画やカナレット(1697~1768)のあのヴェネツィアの景観図も飾ってあった。プライベートコレクションに欠かせないのがカナレット、ロンドンのウォレスコレクションにも数点あった。この‘大運河’は人々の影や建物の壁の質感、運河を行き交うゴンドラまでじつに細かくとらえた描写が見事で画面の隅から隅まで視線を滑らせる。

女性の絵をみることは生涯の楽しみ、ルノワールやマネだけでなくコロー(1796~1875)にも大きな関心を寄せている。ビュールレ・コレクションにもいいのがあった。赤いジャケットが印象的な‘読書をする少女’、小品とはいえ思わず足がとまった。これは収穫の一枚。

さて、お目当ての印象派・ポスト印象派、いい絵が続々でてくる。3点あるピサロ(1830~1903)は季節柄‘ルーヴシエンヌの雪道’に心が吸いこまれていく。構図がピサロとよく似ているシスレーの風景画は2点。マネは三菱一号館美で開催された回顧展(2010年)にも出品された‘燕’など4点。

そして、最後に登場するのが目玉のひとつになっているモネ(1840~1926)の大作‘睡蓮の池、緑の反映’。数ある睡蓮のなかでもこれほど大きなもの(高さ2m、横4m)はそうはお目にかかれない。オランジュリーにある至宝の‘睡蓮’はこれよりもっと大きいが、そのほかではMoMAとチューリヒ美のものしか思いつかない。

魅了される絵がまだまだある。見てのお楽しみ!

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2018.02.22

セザンヌの‘赤いチョッキの少年’と対面!

Img_0001     セザンヌの‘赤いチョッキの少年’(1888~90年)

Img     ルノワールの‘可愛いイレーヌ’(1880年)

Img_0004    ドガの‘ピアノの前のカミュ夫人’(1869年)

Img_0002     ゴッホの‘日没を背に種まく人’(1888年)

先週の2/14からはじまった国立新美の‘至上の印象派展 ビュールレ・コレクション’(5/7まで)をみてきた。この展覧会を首を長くして待っていたのはひとえにセザンヌ(1839~1906)の傑作‘赤いチョッキの少年’が登場するから。

2015年、2度目のフィラデルフィア美で念願の‘大水浴図’をみることができ、セザンヌのコンプリートへ一歩近づいた。残るはスイスのチューリヒにある‘赤いチョッキの少年’とモスクワ、プーシキン美が所蔵する‘マルディ・グラ’。この2点が目のなかに入れば夢が叶う。だが、そこにたどり着くにはまだまだ時間がかかる。

普通はこの流れはゆったり進むのだが、なんと‘赤いチョッキの少年’と日本でお目にかかることになった。アバウトに計画しているスイス美術館めぐりのとき二重丸をつけている最も重要なピースに会えるのだから嬉しい話。こんなことが起きると自分には‘セレンディピティ’(思わぬ幸運に偶然出会う能力)があるのかな、と勝手に思い込んでしまう。

6点飾られているセザンヌの部屋にありました、ありました!これが美術の本でみて心に強く刻まれた絵かという感じ。視線が向かうのが長い手を印象づけるシャツと小顔のハイライトに使われている白、タイトルの赤いチョッキよりこの明るい白のほうが色彩の強さは上回っている。

セザンヌの肖像画はこの少年でもカード遊びをする農夫でも場の雰囲気がとても静か。この静けさが人物の描写に100%のリアルさがなくてもモデルとの距離感をぐっと縮めることになる。これがセザンヌの肖像画の魅力。

チラシに大きくとりあげられているルノワール(1841~1919)の‘可愛いイレーヌ’は二度目の来日、2010年ルノワール展があったとき国立新美では展示されなかったので、大阪まで追っかけていった。驚くほど精緻に描かれた茶色の髪の毛にまたまた釘づけになった。イレーヌはこのとき8歳だが、顔立ちはもう大人の女性のよう。

画集ではなんどもみているゴッホ(1853~1890)の‘日没を背に種をまく人’はアムステルダムのゴッホ美でもお馴染みの絵だが、こちらのほうが先に描かれた。いずれも浮世絵風の構図と画面中央の紫がイメージのコアになっている。

収穫の一枚があった。ドガ(1834~1917)にこんないい肖像画があったの!と足をとまらせる‘ピアノの前のカミュ夫人’。ぱっとみて女優の沢尻エリカが目の前をよぎった。

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2018.01.10

今年はモネの当たり年!

Img_2     ‘草上の昼食’(1866年 プーシキン美)

Img_0001     ‘睡蓮の池、緑の反映’(1926年 ビュールレ・コレクション)

Img_0002_2     ‘白い睡蓮’(1899年 プーシキン美)

現在、西洋美で開催中の‘北斎とジャポニスム’(10/21~1/28)をすでにみられた方は北斎の西洋美術へ与えた影響の大きさをズシンと感じると同時に極上の印象派展を満喫されたのではなかろうか。

そのなかで作品が多く飾られているのがモネ(1840~1926)、全部で12点。これはミニ‘モネ展’のようなもの。しかも、感心するのが作品の質の高さ。流石、馬淵館長! 抜かりなくオルセー、シカゴ、マルモッタンからもいい絵を集めている。

モネ好きの楽しみ方はだいたい同じだろう。まず、この‘北斎とジャポニスム’をしっかり目に焼きつけ、次の‘至上の印象派展 ビュールレ・コレクション’(2/14~5/7、国立新美)にでてくる初来日の‘睡蓮の池’を熱く待つ。これは高さ2m、横4mという大作というから見ごたえがありそう。

そして、そのあともミューズの贈り物が待っている。今度は東京都美の‘プーシキン美展ー旅するフランス風景画’(4/14~7/8)。ここに登場するのはモネの初期の作品、‘草上の昼食’。チラシにはこれが大きく載っている。2010年、パリのグランパレで開かれた大モネ展にもオルセーにあるものと一緒に展示され話題になった。その絵が日本にやってくるのだからたまらない。さらに‘白い睡蓮’も再登場。

この3つの展覧会に足を運ぶとモネはなんと15点にもなる。プーシキン美展が終わるとすぐあと横浜美でモネ展がはじまる。会期は7/14~9/24。チラシを入手してないのでどんな作品で構成されるのかわからないが、横浜美は印象派展なら定評があるのできっといい絵が並ぶにちがいない。期待して待ちたい。

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2017.11.09

北斎パワー全開 ‘北斎とジャポニスム’!

Img_0002 セザンヌの‘サント=ヴィクトワール山’(1887年 フィリップスコレクション)

Img     モネの‘ベリールの嵐’(1886年 オルセー美)

Img_0001     スーラの‘尖ったオック岬、グランカン’(1885年 テート)

Img_0003     カサットの‘母と子ども’(1889年 シンシナティ美)

現在、西洋美で開催中の‘北斎とジャポニスム’(10/21~1/28)はゴッホ展同様、大賑わいだった。ここ数年は展覧会へ行くとき以前とちがい出品作の情報をHPでみないことが多い。今回手にしたのはドガの絵と北斎漫画を対比させたチラシのみ。サプライズの作品に会えるかどうかは運次第。

入館すると人が多すぎて思うように前に進めない。だから、たくさんでている北斎漫画や風景画、花鳥画を2列目からチラチラとみながら北斎の絵に現れた構図や色彩、モチーフの描写などに刺激され制作したヨーロッパの美術家たちの絵画や工芸品を駆け足気味でみてまわった。

驚くのは北斎の影響をうけた作品の数の多さ。印象派の絵だけでなく、やきもの、ガラス、宝飾品、家具調度品の絵柄など多くのジャンルにわたっている。北斎と横に並んでいる作品を見比べると北斎を意識したことが一目でわかる。この類似性の強さを目の当たりにすると、当時ヨーロッパの美術界で一世を風靡したジャポニスムの様式はいろんな分野に広がっていたことがよくわかる。そして、そのど真ん中に北斎がいたことも。

じつは西洋美は1988年に‘ジャポニスム展’を行っている。そのときも数々の浮世絵と西洋絵画や工芸の模様などが対比されて並んだ。だから、この展覧会はジャポニスムを北斎で代表させたパート2。期待の大きかった印象派の作品は予想通りいいのがでている。流石、西洋美!

浮世絵の影響を受けているのにそれを口にしないセザンヌ(1839~1906)、‘サント=ヴィクトワール山’はお気に入りの風景画、日本にやって来るのは確か3度目。北斎の‘グレートウエーブ’がモネ(1840~1926)の頭のなかにどれほどあったかわからないが、‘ベリールの嵐’を北斎の描いた海と関連付けたくなるのは自然な流れ。

嬉しい一枚と出会った。何年か前ロンドンのナショナルギャラリーでお目にかかったスーラ(1859~1891)の‘尖ったオック岬、グランカン’。思わず、これも来たのか、とうなった。これはスーラの静寂さのイメージとは真逆の荒々しく力強さを感じさせる作品。蟹のつめを連想させる岬の形が目に焼きつく。

大きな収穫だったのがカサット(1844~1926)の‘母と子ども’、この可愛い赤ちゃんに200%惹きつけられた。カサットに乾杯!

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2017.11.08

いつも盛況の‘ゴッホ展’!

Img     ‘タラスコンの乗合馬車’(1888年 プリンストン大美)

Img_0002     ‘サント=マリーの海’(1888年 プーシキン美)

Img_0001     ‘ポプラ林の中の二人’(1890年 シンシナティ美)

Img_0003     ‘夾竹桃と本のある静物’(1888年 メトロポリタン美)

上野へでかけ東京都美で開催中の‘ゴッホ展 巡りゆく日本の夢’(10/24~1/8)をみてきた。ゴッホ狂なので期待で胸が膨らむが、チラシをみて狙い目の作品は決めてある。出品作が多いのはアムステルダムのゴッホ美とオッテルローのクレラー・ミュラー美。ここからやって来るものが回顧展の軸になれば、満足度の高い一級のゴッホ展。館内は予想通り大勢の人がいた。

手元に‘ゴッホ全油彩画’(2冊 TASCHEN 2010年)があり、載ってる作品を一点々つぶしていくのは大きな楽しみになっている。今回済みマークがついたのは6点、だから機嫌がいい。もっとも期待していたのはプリンストン大美からやって来た‘タラスコンの乗合馬車’、一見べたっとした絵だが、馬車の車輪と後ろの家の壁の白がとても印象深い。そして赤と緑の補色効果にもぐっと惹きつけられる。

画面の上部にヨットが沢山浮かんでいる‘サント=マリーの海’に遭遇したのも大きな収穫。チラシになかったので宝物を拾ったような気分、これでプーシキンで残っているのは‘赤い葡萄畑’と‘馬車と鉄道のある風景’。これはモスクワに行かないと見れないかもしれない。

ゴッホに魅せられたアメリカ人コレクターは多く、作品は全米の美術館に分散している。シンシナティ美蔵の‘ポプラ林の中の二人’も長くみていた。林立するポプラの配置の仕方がゴッホには珍しく遠近法に従っており、奥行きのある空間描写が目を釘づけにさせる。

メトロポリタンには‘糸杉’などいい絵が揃っているが、静物画の‘アイリス’と今回はじめて登場した‘夾竹桃と本のある静物’も心を奪われる名画。この2点とポールゲッティがもっている‘アイリス’を勝手にゴッホ静物画のビッグ3にしている。

今年はこのゴッホ展をいろんな人にPRしてきた。来年の1/8までやっているので忘年会で会う友人には熱く語りたい。

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2017.10.31

セザンヌの‘赤いチョッキの少年’がやって来る!

Img

昨日、狩野元信展の後期を見るため出かけたサントリー美で大変嬉しいニュースに接した。4階の展示室から3階へ降りていくときなんの気なしに手にとったチラシに驚きの絵画が載っていた。

その絵はセザンヌの‘赤いチョッキの少年’、出品される展覧会は来年2/14~5/7に国立新美で行われる‘至上の印象派展 ビュールレ・コレクション’。すでにチラシは入手していたが、そこに目玉として使われていたのは一度みたことのあるルノワールの‘可愛いイレーヌ’。

スイスのビュールレ・コレクションの印象派作品が日本でみれるのは嬉しい話だが、このルノワールはお目にかかっている。そして、折角ビュールレ・コレクションをもってくるのに、セザンヌの画集に必ず載っている‘赤いチョッキの少年’は含まれてない。だから、楽しみは楽しみだが期待値は高くならない。

ところが、100%諦めていた‘赤いチョッキの少年’が出品されるという。これは大変なことになった。2年前、再訪したフィラデルフィア美で前回みれなかった‘大水浴図’との対面を果たし、残る追っかけ画は2点になった。‘赤いチョッキの少年’とプーシキン美にある‘マルディ・グラ’。

セザンヌをコンプリートするのに欠かせない2ピースのひとつにあと3カ月もすると会える。そして、最新の情報によるとモネの大きな睡蓮(縦2m、横4m)も初登場し、ゴッホの‘日没を背に種まく人’もでてくるらしい。これなら期待値は大きくジャンプする。

印象派展は来年の夏にも大きなのがある。横浜美の‘モネ それからの100年’(7/14~9/24)。この美術館は印象派展が得意、ゴッホ展、プーシキン美のゴッホやゴーギャン、昨年のカサット展。このモネ展も期待できそう。

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2017.07.25

豪華なラインナップを揃えた‘ボストン美の至宝展’!

Img     ゴッホの‘郵便配達夫ルーラン’(1888年)

Img_0003     モネの‘睡蓮’(1905年)

Img_0002     ルノワールの‘花の静物画’(1869年)

Img_0001 サージェントの‘フィスク・ウォレン夫人と娘レイチェル’(1903年)

待望の‘ボストン美の至宝展’(7/20~10/9)が東京都美ではじまった。以前とちがって開幕日に出かけることにこだわってなくオープン後頃合いをみて足を運ぶことが多いが、今回はタイミングがあい初日の午前中に入館した。

ボストン美のコレクションはこれまで何度もやってきている。そのため、自慢のミレーや印象派には再会する作品も多いがお馴染みの名画だからクラシックの名曲を聴くのと同じように高揚感がどんどん高まっていく。

気分が最高に盛り上がるのがゴッホ(1853~1890)の‘郵便配達夫ルーラン’と‘ルーラン夫人’が並んで展示されているところへきたとき。2015年12月に訪問したボストン美では2点はこういう風に飾られてはいない。だから、日本で特別の演出がされているのである。とってもいい感じ。

昨年はデトロイト美展(上野の森美)でゴッホの自画像など2点をみたが、このルーラン夫妻はその2倍も感激する。腹の底からゴッホに乾杯! 展覧会がはじまる前、‘ルーラン’はまだ日本に来たことがないと繰り返し言ってきたが、これは間違いで上野東京ラインさんによると2005年名古屋ボストンにお出まし頂いていた。だから、東京に登場するのははじめてというのが正確な言い方。

5点ある‘ルーラン夫人’のなかでボストンにあるものはすばらしい出来栄えなので、これから10月のはじめまでに上野へ出かけると極上のゴッホと対面できる。夏休みに入った子どもたちのなかにはこの絵をみてゴッホにとりつかれる子がでてくるかもしれない。

モネ(1840~1926)の‘睡蓮’は何度みても心を奪われる傑作だが、今回だけは、ゴッホがあるので分が悪い。でもこの絵も忘れないで欲しい。そして、ルノワール(1841~1919)の花の静物画、これはルノワールが描いた静物画では最上位に位置づけられるもの。

ボストン美が所蔵するサージェント(1856~1925)がやっと姿を現した。拍手々!‘フィスク・ウォレン夫人と娘レイチェル’は美術館の英語版図録にも載っている魅力いっぱいの肖像画。

次は‘エドワード・ダーリー・ボイトの娘たち’を期待したとろこだが、じつは2007年にこの絵も名古屋ボストンで披露されていた。迂闊にもまったく情報が抜けていた。となると、再来日は無理かな。

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