2016.12.15

2016年 感動の西洋絵画 ベスト10!

Img_0001   カサットの‘果実をとろうとする子ども’(1893年 ヴァージニア美)

Img  ダリの‘ラファエロの聖母の最高速度’(1954年 ソフィアセンター)

Img_0002   ゴーギャンンの‘タヒチの3人’(1899年 スコットランド国立美)

Img_0003    クラーナハの‘正義の寓意’(1537年)

今年心に響いた西洋絵画、残りは4点。ヨーロッパの美術館ばかり回っていると、古典画でも印象派などの近代絵画でも関心の対象がダ・ヴィンチとかモネ、ゴッホといった日本でよく知られた画家ばかりにむかうことになる。

こうした鑑賞態度はある時期まで続いた。それが2008年からアメリカの美術館を本格的にめぐるようになって、画家に対する見方がすこし変化した。例えば、馴染みの画家でいうとロートレックの油彩の傑作がシカゴやワシントンナショナルギャラリーなどのブランド美術館にたくさんあることに気づいたこと。

そして、名前は知っていてもお目にかかった作品が少なかったアメリカ人画家におおいに開眼したことも大きな収穫だった。印象派の女流画家カサット(1844~1926)のその一人、どこへ行ってもだいたい飾ってあったが、とくにいい絵がいくつもあったというイメージが強いのはフィラデルフィア美、横浜美の回顧展(6/25~9/11)に出品された‘母の愛撫’は3年前にはじめてここを訪れたとき思わず足がとまった作品。

今回母子像がたくさん登場したが、もっとも惹かれたのが‘果実をとろうとする子ども’、構図でおもしろいのがお母さんの片方の目が幼児の頭に隠れてみえないこと。目をあえて一つにしてみる者の視線を主役の赤子と果物にむかわせようとしているのだろう。

久しぶりに数多くの作品が結集したダリ(1904~1989)、展覧会(9/14~12/12 国立新美)自体の満足度はすでにみているものが多かったので高くはないが、どうしてもベスト10に入れたかったものがある。それは原子の構造や素粒子に高い関心を抱いていたダリがラファエロの聖母子像と組み合わせて描いた作品。絵のタイトルに‘最高速度’というサイエンスの匂いがぷんぷんする言葉をつけるのだからダリは相当新しい物理学にのめりこんでいる。

東京都美で開催された‘ゴッホとゴーギャン展’(10/8~12/18)、ゴッホは追っかけのステージが400メートル走でいうと最後の50mのところにきたので今の鑑賞スタイルはいたってリラックスモード、体が向かうのはゴーギャン(1848~1903)のほう。大きな収穫はスコットランド国立美からやって来てくれた‘タヒチの3人’。東京都美への好感度がまたアップした。

締めくくりの西洋絵画はドイツの巨匠クラーナハ(1472~1553)の回顧展(10/15~1/15)、カラヴァッジョ展に比べると衝撃度は弱いが、数点ぐっとくるものがあった。そのなかで息を呑んでみていたのが‘正義の寓意’。これは忘れられない一枚。また、愛嬌があり元気のいい女性がでてくる‘ロトとその娘たち’もニヤニヤしながらみていた。

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2016.10.17

ご機嫌な‘デトロイト美展’! ゴーギャン、セザンヌ

Img     ゴーギャンの‘自画像’(1893年)

Img_0001     セザンヌの‘画家の夫人’(1886年)

Img_0002     スーティンの‘赤いグラジオラス’(1919年)

Img_0004     ルドンの‘心に浮かぶ蝶’(1912年)

美術館が展覧会のために用意するチラシはどの絵がよさそうかを事前に知る大事なツールだから、ここに載っているものに鑑賞のエネルギーの多くが注がれる。ゴッホ、ルノワールとともに気になっていたのがゴーギャン(1848~1903)の自画像。

ゴーギャンの目力も相当強い。コペンハーゲンに住んでいたころに描かれた自画像とくらべるとえらい変わりよう。この相手を見下すような顔つきは自作に対する自信の表れか。同じ時期にゴーギャンはこれと同じポーズでもう一点絵描いており、現在アメリカのコレクターのところにおさまっている。運よく2010年の回顧展(テートモダン)でお目にかかった。

セザンヌ(1893~1906)は4点、美術本によく載っているのは‘画家の夫人’、セザンヌの肖像画とかトランプ遊びの絵には惹かれるものが多い、この夫人にも思わず足が止まった。ほかの3点はセザンヌの作品としてはアベレージ、あまりぐっとこない。

まったく想定外だったのがスーティン(1893~1943)の‘赤いグラジオラス’、スーティンというと血を連想するような赤がすぐ思い浮かぶが、この花の絵も血で塗られたような感じ、パリのオランジュリー美でもグラジオラスをみたが、まるで花の内面が外に発散しているよう。

ルドン(1840~1916)の‘心に浮かぶ蝶’は以前からデトロイト美蔵としてわずかに知っている作品のひとつ。だから、出品されることを密かに期待していた。画集とイメージが違っていたのは色彩の強さ、蝶の羽は鮮やかな色彩ではなく背景はくすんだような赤茶色。でも、そのぶん幻のなかを蝶たちが飛びかっているようにみえた。

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2016.10.16

ご機嫌な‘デトロイト美展’! ゴッホとルノワール

Img_0003     ゴッホの‘自画像’(1887年)

Img_0001   ゴッホの‘オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて’(1890年)

Img     ルノワールの‘白い服の道化師’(1902年)

Img_0002     ルノワールの‘座る浴女’(1904年)

今月の7日からはじまった‘デトロイト美展’(上野の森美 1/21まで)もこの秋関心の高かった展覧会。だから、今、上野は印象派やホスト印象派を楽しみたい人にとってはホットな場所になっている。

デトロイト美術館の名前は古典絵画や印象派などの美術本にもでてくるから、そのコレクションの質の高さはアバウト知っていた。古典絵画でいつかこの目で思っているのが2点ある。ブリューゲルとカラヴァッジェスキの女流画家ジェンティレスキ、残念だが今回はお目にかかれない。

多くの美術ファンの目を釘付けにするのは印象派とゴッホ、ゴーギャン、普段はみることの少ないドイツ絵画、そしてピカソやマティなど。全部で52点。入ってすぐに‘おおー’と思わず声がでる絵が出迎えてくれる。ルノワール(1941~1919)の‘白い服の道化師’と‘座る浴女’。

白の服の輝きが目をとらえて離さない道化師、モデルをつとめるのはルノワールの子どもジャン。図録でみるより本物は数倍いい。このつかみは最高だった。そして、その横にある浴女も心をときめかせる。同じようなポーズで描かれた別ヴァージョンをフィラデルフィア美でみたが、デトロイト美にもあったとは。美術本にはもう2点載っている。今年は4月に国立新美でルノワール展があり、またいい絵をみることができた。まさにルノワールイヤー。

東京都美で‘ゴッホとゴーギャン展’をみてこちらにはしごしたから、チラシに大きく載っているゴッホ(1853~1890)の‘自画像’にも吸い寄せられていく。意外にも縦36cm、横27cmの小さな肖像画、でも麦わら帽の黄色の明るさとゴッホのその強い目力によって大きな作品にみえる。TASCHENのゴッホ本の表紙にこの絵が使われている訳が即わかった。

ゴッホはもう1点いいのがでている。絵の具の厚塗りの跡がよくみえる‘オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて’、手元にある分厚いゴッホの画集に載っているでデトロイト美のコレクションにお目にかかれて幸せな気持ちになった。ミューズに感謝!

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2016.10.15

期待値を上回る‘ゴッホとゴーギャン展’! ゴッホ

Img     ‘収穫’(1888年 ゴッホ美)

Img_0002  ‘ジョぜフ・ルーランの肖像’(1889年 クレラー=ミュラー美)

Img_0003     ‘アルジェリア兵士’(1888年 ゴッホ美)

Img_0001     ‘タマネギの皿のある静物’(1889年 クレラー=ミュラー美)

ゴッホ(1853~1890)は一生付き合っていく画家ときめているので、日本で開催された展覧会は欠かさず足を運んでいる。ここ10年くらいのスパンでみると回顧展は3回あった。2005年(東近美)、2010年(国立新美)、そして2013年(京都市美)、出品作の大部分はいずれもアムステルダムにあるゴッホ美とオッテルローのクレラー=ミュラー美が所蔵するもの。

3年ぶりとなる今回のゴッホ展もふたつの美術館からやって来たものを中心に構成されている。はじめて公開されるものも多く、ゴッホが好きな人にはご機嫌なラインナップであることはまちがいない。ゴッホ人気の高さを裏付けるように大勢の人が熱いまなざしを注いでいた。

アルル時代に描かれた‘収穫’はお気に入りの作品、農民画というとゴッホが敬愛したミレーの作品が思い浮かぶが、それとともにブリューゲルや晩年のルーベンスが描いた心温まる農村の風景も頭をよぎる。この絵が日本で公開されたのは大ヒット。

人物画では‘ジョゼフ・ルーランの肖像’、‘アルジェリア兵’、‘ミリエの肖像’の前に長くいた。このなかで初お目見えは‘アルジェリア兵’、こういう絵をみるとゴッホは肖像画が本当に上手いなと思う。画面の明るさが際立っているのが‘タマネギの皿のある静物’、まさにイエローパワーが炸裂している。

みおわってふと思ったのはゴッホ美、クレラー=ミュラー美にあるいい絵はほとんど日本に来たのではないかと、残っているのはクレラー=ミュラーのお宝No.1の‘アルルのはね橋’くらいのもの。日本にはゴッホが好きな人が大勢いるからゴッホ展が定期的に開催され画集に載っている傑作が姿を現してくれる。こんな国はほかにない。

だから、仕事が忙しくて休みがとれずゴッホの聖地となっているオランダの美術館に出かけられないゴッホファンでも、日本にいて回顧展に足しげく通うと名画の数々が目のなかに入る。絵画鑑賞は長期戦といいきかせ、粘り強く待っているとミューズが必ず幸運を運んできてくれる。

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2016.10.14

期待値を上回る‘ゴッホとゴーギャン展’! ゴーギャン

Img     ‘タヒチの3人’(1899年 スコットランド国立美)

Img_0003     ‘ブドウの収穫’(1888年 オードロップゴー美)

Img_0001     ‘マルティニク島の風景’(1887年 スコットランド国立美)

Img_0002     ‘自画像’(1885年 キンベル美)

この秋に行われる展覧会で期待値の高かった‘ゴッホとゴーギャン展’(10/8~12/18)をみるため東京都美を訪問した。年間を通じて良質の展覧会を繰り返し行っているのはここと国立新美、皆の願いに応え続けるのがブランド美、その意味でこの二つの美術館は今西洋絵画で最強の美術館。

ゴッホとゴーギャンの二人展は予想以上にいい作品が集結している。まず、ゴーギャン(1848~1903)から。今回最もみたかったのがスコットランド国立美からやって来た‘タヒチの3人’、画集で何度もお目にかかっているが、本物があるのはスコットランドだから見れる可能性は小さいと思っていた。ところが、チラシに現れた。素直に嬉しい。

この絵がとても気になるのは人物の意表をついた配置。真ん中の男性は向こうむきで左右のタヒチ女はこちらをみている。どちらの女性に視線がむかうかというと、たぶん多くの人と同じように左側の女、左手に緑色のリンゴをもち、菱川師宣の‘見返り美人’を思い起こさせるようなポーズをとっている。そして、目を釘付けにするのはリンゴの緑と強いコントラスをみせる赤の衣服、この赤に200%KOされた。

‘ブドウの収穫’もいつかこの目でと思っていた作品。やっと対面できた。中央で両手を頬にあてて座っている少女はちょっと怖い顔をしている。このふてくされたような顔がずっと目にやきついて離れない。ゴーギャンはどうしてこんな描き方をしたのだろうか。

スコットランド国立美からはもう一点オマケがあった。それはゴーギャンが39歳のとき訪れたマルティニク島でみた熱帯の植物を描いたもの。ここでの体験がやがてタヒチ行きにつながっていく。生い茂る木々や果実を緑と茶の色面でグラデーションをきかせて表現しているのが印象的。

ゴーギャンが妻の実家があるコペンハーゲンにいるときに描いた‘自画像’は2010年ロンドンのテートモダンで開催されたゴーギャン展に出品されていた。このころのゴーギャンは自信がなさそうであの強気なゴーギャンのイメージとはまったく異なる。

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2016.10.01

盗まれたゴッホ作品が発見された!

Img  ‘スヘーフェニンゲンの海’(1882年 アムステルダム ゴッホ美)

Img_0002     ‘ヌエネンの教会から出る人々’(1885年 ゴッホ美)

10月に入りこの秋注目の展覧会が続々とはじまる。西洋画で期待値の高いのはゴッホとゴーギャン、次の二つにまず出かけるつもり。
‘デトロイト美展’      10/7~1/21  上野の森美
‘ゴッホとゴーギャン展’  10/8~12/18  東京都美

いつ上野に行くかカレンダーをみて検討していたら、ネットでゴッホ関連のニュースが飛び込んできた。2002年12月、アムステルダムのゴッホ美で盗まれた2作品が無事発見されたという。これがキナ臭い、イタリア警察が突き止めた場所はナポリの近郊にあるマフィア組織が所有している住宅。アムステルダムから運び込まれた絵は14年間ずっとここにあったのだろうか、それともいろいろ場所を変えナポリに落ち着いたのだろうか、興味はつきない。

さて見つかった作品はというと、1880年代の前半に描かれた‘スヘーフェニンゲンの海’と‘ヌエネンの教会から出る人々’、この二つが2002年に盗難にあったことはうかつにも知らなかった。これでこれまで疑問に思っていたことが氷解した。

ゴッホ美は運がいいことに4回訪問。2004年にみたときミュージアムショップで‘ゴッホ美 名画100選 館長によるセレクション’を購入した。その1番目と2番目の絵が盗まれた絵。当時、この事件を知らなかったので図録には載っている絵がどうして展示室に飾られていないの?という感じ、‘スヘーフェニンゲンの海’はなかなかいい風景画なので消化不良の思いがぬぐえなかった。

2005年、そして2011年に再訪したときはこの風景画のリカバリーを果たそうと意気込んで入館した。だが、またもダメ、どうして姿を現してくれないの?今ようやくわかった。盗れていたのだから展示しようがない。2点ともコンデイションはいいという。次回のアムス旅行がいつになるかわからないが、ゴッホ館に足を踏み入れたら確実に対面できる。その日が来ることを強く願っている。

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2016.08.22

待望の‘カサット展’!

Img_0001     ‘桟敷席にて’(1878年 ボストン美)

Img     ‘果実をとろうとする子ども’(1893年 ヴァージニア美)

Img_0002     ‘母の愛撫’(1896年 フィラデルフィア美)

Img_0003     ‘家族’(1893年 クライスラー美)

アメリカの美術館をまわっていると当然のことながらヨーロッパでも名の知れたアメリカ人画家の作品によくお目にかかる。ホイッスラー、サージェント、ホッパー、ホーマー、そして女性ではカサット、オキーフ。このなかでどこの美術館へ行っても展示されているのが印象派のカサット(1844~1926)、今横浜美ではそのカサットの回顧展(6/26~9/11)が開催されている。

昨年12月ボストン美を訪問したとき必見リストの上位にいれていたのが‘桟敷席にて’、長年の夢がようやく叶った。絵の存在はずいぶん前から知っていたのに日本で何回となく行なわれたボストン美蔵の印象派展に一度も出品されない。その理由が絵の前に立ってよくわかった。この絵がアメリカ人に人気のある傑作だから貸し出したくなかったのだと。

その絵と横浜で再会した。やはりとびぬけていい。この絵に惹かれるのは自分もこの劇場のなかにいるような気分になるから、ふいと横をみるとすぐ近くの席にいる美しい女性がオペラグラスでじっと舞台を見ている。芝居や踊りの楽しい雰囲気をこの女性と共有できる、これだから劇場通いはやめられません。

カサットというとこの桟敷席と母子像がすぐ思い浮かぶが、母子像のイメージはアメリカの美術館巡りを3度体験したことでできあがった。訪問したのはシカゴ美、ボストン美、フィラデルフィア美、ワシントンナショナルギャラリー、メトロポリタンのビッグ美術館だが、今回の回顧展でほかの美術館にもいい絵があることがわかった。足が思わずとまったのが‘果実をとろうとする子ども’と‘家族’。

そして、2013年にでかけたフィラデルフィア美で強く印象に残っている‘母の愛撫’も心をとらえて離さない。赤ん坊や子どもが登場する絵で大変魅せられているのはフィレンツェにあるラファエロの‘小椅子の聖母’、この絵とカサットの作品が響き合い、そしてカサットの母子像は日本の喜多川歌麿や上村松園ともむすびつく。3人のコラボに思いをめぐらすと絵画をみる楽しさが倍増する。

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2016.08.21

大盛況の‘ルノワール展’!

Img      ‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会’(1876年)

Img_0002     ‘草原の坂道’(1875年)

Img_0001     ‘田舎のダンス、都会のダンス’(1883年)

Img_0003     ‘ピアノを弾く少女たち’(1892年)

4月末から国立新美で開催されている‘ルノワール展’、閉幕(8/22)が近づいてきたので足を運んできた。1ヶ月くらい前?、入館者が30万人を突破したことをニュースで知っているので、館内は相当混んでいると予想していたが案の定大勢の人がいた。とくに目立ったのは親子連れ、印象派展を数多くみてきたがこれほど子どもたちの姿をみたのははじめて。夏休みに入ってどっと増えたのではなかろうか。

この大ルノワール展の情報を得てから美術好き人におおいにPRしてきたのが‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会’、オルセーを4か月も離れて日本で多くの西洋画ファンの目を楽しませてくれているのだから、もう大事件といっていい。

ルノワール(1841~1919)の全作品のなかで最も好きなのはこの絵。元来風俗画に魅せられているのでこういうにぎやかな場所を舞台にした群像描写をみると心が浮き浮きしてくる。もう一点同じような気分になるのがワシントンのフィリップスコレクションにある‘舟遊びをする人たちの昼食’、この2点がルノワールの最高傑作、どちらも日本にやって来てくれたのだから、日本は本当に美術大国。

風景画のお気に入りは‘草原の坂道’、モネにも母子が描かれた似たような絵‘アルジャントゥイユのひなげし’がある。明るい日差しのなか緩い坂道を降りてくる母子の顔がだんだんはっきりみえてくる感じ。この動感描写によりライブな感覚を生みだされている。

今回はオルセーとオランジュリーにあるルノアールがほとんどやってきている。出し惜しみ一切なし、ルノワールの傑作全部みせます、お楽しみあれ!といった感じ。だから、この展覧会をみたらルノワールの真髄が体に沁みわたる。見ごたえのある縦長の作品‘田舎のダンス、都会のダンス’も傑作、顔の表情が嬉しさに満ちみちている‘田舎のダンス’のモデルは後にルノワールの妻になるアリーヌ・シャリゴ、この笑顔がじつにいい。

ルノワールは‘ピアノを弾く少女たち’を数点描いているが、どれも魅力にあふれるいい絵だがあえて順位をつけるとオルセーにあるものが一番。とくにじっとみてしまうのがピアノを弾いている少女の金髪、服の白と金髪のコントラストにうっとりさせられる。

満足度200%の超一級の回顧展だった。ミューズに感謝!

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2016.01.28

コペンハーゲンにあるゴーギャン!

Img      ‘花を持つ女’(1891年 ヌ・カルスバーグ美)

Img_0002     ‘くつろぐタヒチの女’(1894年 ヌ・カルスバーグ美)

Img_0003     ‘若い婦人の肖像’(1896年 国立オードロップゴー美)

海外の美術館をみてまわったあとは西洋絵画が数ヶ月にわたって心のなかにどーんと入りこんでくる。お気に入りの画家で今関心の波のサイクルが上向きのステージにあるのがゴーギャン(1848~1903)。

そのきっかけとなっているのはメトロポリタンで新規の作品を3点みたこととワシントンのフィリップスコレクションで昨年5月360億円で落札された‘いつ結婚するの’(1892年)が1/10まで出品されていたという情報。とくに360億円の値段がついた話はマグニチュード7くらいの衝撃波となって心を揺さぶっている。

そのため、ゴーギャンの追っかけに火がついた。狙っている都市は北欧のコペンハーゲンとモスクワ、コペンハーゲンはゴーギャンが結婚した女性の出身地、そのためこの街の美術館にはゴーギャンの作品がいくつもある。そのひとつが昨年汐留ミュージアムに所蔵コレクションが出品されたヌ・カルスバーグ美。画集によく載っている‘花を持つ女’や2010年テートモダンで開かれたゴーギャン展で展示された‘くつろぐタヒチの女’などがある。

そして、国立オードロップゴー美にはこれをゴーギャンが描いたの?と思ってしまうほどの魅力的な作品がある。日本に20年くらい前やって来た‘若い婦人の肖像’、この絵の前で立ち尽くしてみたのを今でもよく覚えている。
具体的に目星をつけているA社の‘北欧4ヵ国周遊’に参加するとコペンハーゲンで1時間の自由行動がある。このときヌ・カルスバーグ美へ飛び込み‘花を持つ女’と対面するという作戦。

もう一つ、2度目となるモスクワ旅行でお楽しみはプーシキン美、印象派やポスト印象派の質の高いコレクションで有名なプーシキンは最後に残ったブランド美術館。ここには鑑賞欲を強く刺激するゴーギャン、セザンヌがある。なんとしても実現したい。

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2016.01.27

日本で開催されるのを夢見ている‘ボルチモア美展’!

Img    ゴーギャンの‘マンゴーを持つ女’(1892年 ボルチモア美)

Img_0001     ゴーギャンの‘チェロ奏者’(1894年 ボルチモア美)

Img_0003     ゴーギャンの‘マリー・デリアンの肖像’(1890年 シカゴ美)

昨日ふれたようにデトロイト美の絵画コレクションが秋に公開される。以前古本屋で‘デトロイト美展’とタイトルのついた図録をみたことがあるから、この美術館の所蔵品が披露されるのは2度目かもしれない。

これまで体験したアメリカの美術館展をざっとあげてみると(日本美術や浮世絵展は除く)、
ボストン美(5回)、メトロポリタン美(3回)、MoMA(3回)、ワシントンナショナルギャラリー(2回)、フィリップスコレクション(2回)、バーンズコレクション、シカゴ美、フィラデルフィア美、フォッグ美、オールブライト・ノックス・アート・ギャラリー、クリーブランド美、クラークコレクション、グッゲンハイム美、ホイットニー美

ここに今秋デトロイト美が加わる。このほかに展覧会の図録を神田でみたサンフランシスコ美も開催されている。海外の美術館展というとルーヴル、オルセー、プラドといったヨーロッパの美術館に目がいくが、アメリカの美術館も10年とか20年のタイムスパンでみると結構開かれている。

デトロイト美展はまだ先なのに、その次の美術館まで思いが向かっている。最も期待しているのがボルチモア美、ここにはみたくてしょうがないゴーギャン(1848~1903)の傑作が2点ある。‘マンゴーを持つ女’と‘チェロ奏者’、どちらも画面いっぱいに人物が描かれた堂々たる肖像画。

MET、ワシントンナショナルギャラリー、そしてボストンが所蔵するゴーギャンの珠玉のコレクションはほとんどお目にかかったので、残るはこの2点とシカゴ美にある‘マリー・デリアンの肖像’。だから、ボルチモア美展の開催を強く夢みている。この美術館尉にはもう一点、マティスの有名な絵‘桃色の裸婦’がある。

勝手な妄想だがこのボルチモア展を開催してくれないかと期待しているのはズバリ、国立新美と東京都美!ゴーギャンを目玉にした特別展を是非実現して欲しい。

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