美女に救われた‘シャセリオー展’!
‘泉のそばで眠るニンフ’(1850年 フランス国立造形芸術センター)
美術館めぐりの最後に入館したのは西洋美、現在ここで‘シャセリオー展’(2/28~5/28)が開かれている。シャセリオー(1819~1856)の作品をどこの美術館でみたか、すぐいえるのはルーヴルとオルセーしかない。ほかの美術館でこの画家をみたという記憶はない。だから、2つの美術館でみたオリエンタリスム的な匂いのする女性の肖像を描いた画家というのがシャセリオーのイメージ。
とくべつ前のめりになる画家ではないが、チラシに大きく載っている‘カバリュス嬢の肖像’がどうも気になるのでパスというわけにはいかない。はたして、この美形の女性の絵が群を抜いてよかった。のぼせるような目で彼女をみていたら、もし今人気のモデルの奈々緒ちゃんにこういう衣装を着せたら瓜二つの感じになるかもしれないと思った。
いつものように男性の肖像への食いつきは悪く、どんどん進んでいたら、もう一点ぐっとくるのが現れた。‘泉のそばで眠るニンフ’、これはもうけものの作品。これで2点は確保した。でもじつをいうとこれでおわりだった.。印象に残る作品が少なく、期待していたルーヴル、オルセーの作品は1点もでてこなかった。だから、評価はよくないのだが、この2点に大変魅せられたので大甘で‘まあーいいか’とした。
期待していたルーヴルの作品はなんといっても‘エステルの化粧’と‘2人の姉妹’、チラシには載ってないが回顧展なのだから館内では会えるだろう、とふんでいた。ところが、かすりもしない。やって来たのは感じるものが少ない神話画の‘アポロンとダフネ’。でも、またいうが2点いい女性画に出会ったから他は忘れようと心を鎮める。
この展覧会ではシャセリオー以外にも、ドラクロア、モロー、シャヴァンヌがでている。そのなかでシャヴァンヌ(1824~1898)の‘海辺の娘たち’の前に長くいた。これに加えてルーヴルから件の2点のうちどちらかでもあったら評価はぐんと上がったのに。残念!とびっきりの美女、カバリュス嬢に救われた回顧展だった。
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