2019.04.14

期待の‘備前展’!

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     ‘三角花入’(桃山時代16~17世紀)

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     金重陶陽の‘緋襷茶盌’(1957年)

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     隠崎隆一の‘混淆花器’(2016年)

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     伊勢崎晃一朗の‘畝壺’(2017年)

東近美工芸館で開催されている‘備前―土と炎から生まれる造形美’(2/22
~5/6)をみてきた。以前広島にいたときクルマで備前焼の窯がある備前市
伊部へ出かけた。以来、釉薬を使わない備前焼の魅力にとりつかれている。
広島のデパートで金重陶陽以降の作家の作品をずらっと揃えた備前焼展をみ
たが、東京ではトータルで備前焼を楽しめる展覧会にでくわす機会がなかっ
た。ようやく実現したのは東近美、となると期待値はどうしても高くなる。

なかに入って展示室を進んでいくこれ以上望めないほど充実した作品
が並んでいた。流石、東近美!古備前の茶道具にいいのがたくさんあったが、
思わず足がとまったのが‘三角花入’、三角の形がユニークなので桃山陶器とか
織部展では定番のように出品される。備前焼の中興の祖である金重陶陽
(1896~1967)の緋襷(ひだすき)をぐっと感じさせる‘緋襷茶盌’
も名品。

今回人間国宝になっている作家をはじめ備前焼といえばこの人という面々は
全部登場している。まさに備前のオールスターが勢揃い。そのなかで伊部の
外からやってきた隠崎隆一(1950~)は現代アート風の備前を生み出し
た先駆者のひとり。金重陶陽の息子、金重晃介(1943~)の‘聖衣’
(1994年)が備前の貴公子がつくった備前アヴァン・ギャルドなら、
鬼才隠崎隆一の‘混淆花器’は自然と大地から生まれてきた原始の美という感
じ。魂を強く揺すぶられる。

これまで縁がなかった作家で大変魅了されたのは今年45歳の伊勢崎晃一朗
(1974~)。父親の伊勢崎淳(1936~)も大胆な造形で新しい備前
の形をつくってきたが、そのチャレンジ精神は晃一朗にもしっかり受け継が
れており圧倒的な存在感のある‘畝壺’に驚愕した。そして、矢部俊一
(1968~)のステルス戦闘機を連想させる切れ味鋭いフォルムが目を惹
く‘光風’にもぐさっとやられた。

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2018.12.12

五島美の‘東西数寄者の審美眼’!

Img         長澤芦雪の‘降雪狗児図’(18世紀 逸翁美)

Img_0002     円山応挙の‘嵐山春暁図’(18世紀 逸翁美)

Img_0001     本阿弥光悦の‘黒茶碗’(17世紀 逸翁美)

Img_0003     尾形乾山の‘銹絵染付流水文手桶水指’(18世紀 逸翁美)

10年くらい前大阪の池田市にある逸翁美を訪問したことがある。でも、どの電車(阪急電鉄だろうが)に乗ってどこで降りたかは記憶が消えている。ここは阪急電鉄や宝塚歌劇団などをつくった小林一三(1873~1957)の屋敷だったところ。一三の雅号が逸翁(いつおう)だったため逸翁美という名がついている。

3日前の9日までこの逸翁のコレクションが五島美で披露されていた。特別展のタイトルは‘東西数寄者の審美眼’(10/20~12/9)、西のとびぬけた数寄者が小林一三なら東は東急電鉄をつくった五島慶太(1882~1959 雅号は古経楼)。二人が集めた絵画、書跡、茶道具などは並みのコレクターの財力と美意識なら手の届かないものばかり。とにかくスゴイ美術品が並んでいる。

五島美のものはこれまで何度も足を運んだからほとんどみている。そのため、お目当ては池田でみれなかった逸翁美の作品。もっともみたかったのが長澤芦雪(1754~1799)の‘降雪狗児図’、円山応挙(1733~1795)と芦雪の描いた可愛らしい仔犬の絵はたくさんみたが、どういうわけかこの降り注ぐ雪に遊ぶ仔犬には縁がなかった。やっと対面することができた!

応挙の‘嵐山春暁図’は情報ゼロだったので思わず‘こんないい応挙があったのか!’と小さな声でつぶやいてしまった。春桜のシーズンに京都に行くとこんなすばらしい光景に出会えるのだろうが、今は外国人が爆発的に増えているので新幹線に乗る元気はない。

本阿弥光悦(1558~1637)の‘黒茶碗’は運よく現地でお目にかかれたが、尾形乾山の‘銹絵染付流水文手桶水指’は展示なし。美術本のどこかに載っていたような気もするので目が釘づけになる。手桶に流水文の文様は豪華すぎるきらいもあるが、馴染んでしまうと心を軽やかにしてくれる。

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2018.12.10

根津美の‘新・桃山の茶陶’!

Img_0001     ‘鼠志野茶碗 銘山の端’(重文 17世紀 根津美)

Img     ‘黒織部茶碗 銘冬枯’(重文 17世紀 徳川美)

Img_0002     ‘織部松皮菱形手鉢’(重文 17世紀 北村美)

Img_0003     ‘耳付水指’(17世紀)

根津美で行われている‘新・桃山の茶陶’(10/20~12/16)をみてきた。過去の経験から根津美と五島美で開催されるやきもの展は決して見逃せない。予想通り、この展覧会も二重丸。集めてくる桃山期のやきものは流石と思わせるものばかりだった。

日本の美術館にある鼠志野茶碗でとびぬけていいのは根津美にある‘銘 山の端’と五島美の‘峯紅葉’(共に重文)。薄い青がじつに美しい‘山の端’にはやさしさと優雅さが満ち々ている。12/4まででていた国宝の‘志野茶碗 銘卯の花墻’とこの鼠志野があれば志野はもう満腹になる。

現代アートを思わせるモダンな模様が目を惹く‘黒織部 銘冬枯’にも魅了される。17世紀、美濃でやきものをつくっていた陶工は頭にはちょんまげをつけていたが、美に対するセンスは現代のア―ティストと変わらないほどの前衛芸術家。ちょっとやそっとでは叶わない。

昨年京都へ行ったとき、北村美へ出向き長年の思いの丈をはたしたのが‘織部松皮菱形手鉢’、また出会うとは想定していなかったが、Myカラーの緑に心が弾みそのユニークな菱形の造形に目は釘づけになった。隣にいたやきもの通は連れの女性に‘これが一番いい織部’と解説していた。その通り!

今回の収穫のひとつが伊賀焼の‘耳付水指’、下の方がぷくっと膨れた形は心地よいボリューム感がある。この力強さと伊賀特有の緑のビードロ釉が強く印象に残った。こういう個人が持っているいい茶陶をさらっと並べておくところが根津美のブランド力。満足度200%のやきもの展だった。

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2018.08.20

汐留ミュージアムの‘河井寛次郎展’!

Img     ‘三色打薬双頭扁壺’(1961年)

Img_0003     ‘青瓷鱔血文桃注’(1922年)

Img_0002     ‘練上鉢’(1956年)

Img_0001     ‘白地草花絵扁壺’(1939年)

パナソニック汐留ミュージアムへ出かけるとき気をつけなければいけないのはここの休館日は水曜ということ。久しぶりの訪問のためこれをコロッと忘れ再度新橋へ行くはめになった。現在、ここで‘河井寛次郎展’(7/7~9/16)が開催されている。

河井寛次郎(1890~1966)や濱田庄司(1894~1978)の回顧展はこれまで数多くみてきたので、京都の河井寛次郎記念館蔵品が中心になっているこの没後50年記念展は当初はパスのつもりだった。ところが、なにかの拍子で寛次郎の中では最も惹かれている三色打薬のまだみてないものが出品されていることがわかった。

存在を知ってしまうともうダメ、赤と緑と黒の釉薬がアクションペインティングみたいに打ちついたこのモダンなやきものの魅力から逃れることはできない。入館するとすぐ二つの土管をくにゃっと曲げてくっつけたような形をした‘双頭扁壺’のところに向かった。これは個人の所蔵。目にどんと飛び込んでくる3つの色の力強いこと!毎日みれるコレクターが羨ましい。

この展覧会もホテルオークラのアートコレクション展同様、‘一点買い’だから鑑賞の時間は長くない。記念館蔵では魅了されている桃の感じがじつによくでている‘青瓷鱔血文桃注’、地形の褶曲を連想させる‘練上鉢’、そしてしゃきっとした菱形の扁壺が心を打つ‘白地草花絵扁壺’をピンポイントで楽しんだあとすっと退館した。

やきもののほかにも手の木彫像やゴールドのキセルなど記念館の自慢の作品がずらっとでている。京都に足を運ばなくて寛次郎のすばらしい作品がたくさんみれるのだから申し分ない。だから、寛次郎好きには有り難い展覧会、再チャレンジした甲斐があった。

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2018.02.26

展示のセンスがいい‘寛永の雅’展!

Img_0003    本阿弥光悦・俵屋宗達の‘鹿下絵新古今集和歌巻断簡’(17世紀)

Img     狩野探幽の‘桐鳳凰図屏風’(左隻 17世紀 サントリー美)

Img_0002     野々村仁清の‘色絵花輪違文茶碗’(17世紀 サントリー美)

Img_0001     野々村仁清の‘白釉円孔透鉢’(17世紀 MIHO MUSEUM)

国立新美でビュールレコレクションを堪能した後、すぐ近くのサントリー美へまわり‘寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽’(2/14~4/8)をみた。

すごく前のめりになる展覧会ではないが、サントリーはこういうタイプの企画展ではいいセンスを発揮するからやはり見ておきたい。期待は野々村仁清のやきものだが、予想以上の数を集めており流石、サントリーといった感じ。

絵画では久しぶりにみた2点の前に長くいた。本阿弥光悦(1558~1637)と俵屋宗達によるお馴染みのコラボ‘鹿下絵新古今集和歌巻断簡’と狩野探幽(1602~1674)の‘桐鳳凰図屏風’。宗達が描いた鹿はMOAなどにもあるが、鹿の群れはサントリーがもっているものが一番多い。これは鹿の動きが羽生選手の4回転ジャンプをVTRで連続した画像にしてみせるのと同じようなイメージ。

鳥の中でも別格の存在なのが鳳凰、金地の背景に番の鳳凰が装飾的に表現された水流を挟んでむつまじく見つめあっている。探幽のなかではこの絵がもっともグッとくるかもしれない。

野々村仁清のやきものの魅力は何といっても端正なデザイン力。なかでもサントリーにある‘花輪違文’の模様が心を打つ。これとMOAが所蔵する‘金銀菱文’がもっているグラフィカルな感覚には驚かされる。仁清は瞬間的に時代をつきぬけるアートの領域に飛躍したにちがいない。

そして、側面に丸い穴を散らした‘白釉円孔透鉢’もじつに自由でおおらかな意匠。仁清に乾杯!

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2017.11.24

絶品 セーヴル!

Img_0002     ‘壺 ポプリ・ポンパドゥール’(1753年)

Img_0001     ‘壺 ポプリ・エベール’(1757年)

Img     ‘大皿’(1754~55年)

Img_0004     草間彌生の‘ゴールデン・スピリット’(2005年)

ヨーロッパの磁器ではマイセンと並んで人気の高いセーヴル、サントリー美ではじまった‘フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年’(11/22~1/28)をみてきた。開幕した日に足を運ぶことは少なくなっいるが、タイミングが合い早い出動となった。

これまで縁のあったセーヴル焼の名品で記憶によく残っているのはロンドンのウォレス・コレクションでみた緑の船形ポプリ壺とNYのㇷ゚リックコレクションに飾ってあった壺。ほかにもセーブルブルーが目にやきつく皿などに魅了されたが、どこの宮殿にみたかはしかと覚えていない。

今回でているのは国立セーヴル磁器製作所と国立セーヴル陶磁美が所蔵しているもので130点ほど。セーヴルを創立から現代までの300年のスパンでみられたのは幸運なめぐり合わせ。そのなかで最もぐっときたのが白と紫の組み合わせが優雅さを際立たせている‘壺 ポプリ・ポンパドゥール’。これは一生の思い出になる。

金彩をあしらった緑の地に木々や鳥を描きこんだ‘壺 ポプリ・エベール’も思わず足がとまる傑作。フランスの王侯貴族の心をしっかりとらえたにちがいない。白の美しさが魅力のマイセンに対し、セーヴルの窯はルイ王朝の力に支えられて最高の気品と優雅をそなえた壺や皿を生み出した。

青の輝きが目を楽しませてくれる‘大皿’(ルイ15世のブルー・セレストのセルヴィスより)も長くみていた。3階に降りると目を見張らされる現代のセーヴルがずらっと展示してあった。そこになんとあの草間彌生とコラボした‘ゴールデン・スピリット’が、これはやられた!

草間だけではない。カルダー、スーラ―ジュ、アルプ、ジム・ダインとも一緒につくっていた。どんどん進化を続けるセーヴル、強い刺激を受けた。

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2017.10.18

龍光院の国宝‘曜変天目茶碗’と対面!

Img_0002     国宝‘曜変天目茶碗’(南宋時代・12~13世紀 京都・龍光院)

Img_0001      斑文のまわりに現れる瑠璃色の虹彩

Img_0003     国宝‘大日如来坐像’(平安時代・12世紀 大阪・金剛寺)

Img     行快の国宝‘不動明王坐像’(鎌倉時代・1234年 金剛寺)

Img_0004     国宝‘釈迦如来立像’(北宋時代・985年 京都・清凉寺)

昨日、朝早い新幹線に乗り現在京博で開かれている‘国宝展’(11/26まで)をみてきた。9時半の開館のタイミングで京博に着いたが、すでに大勢の人が並んでおり展示室に入るのに40分かかった。これは想定外、平日でこの人気なら土日はこれの2倍くらいの列になっているのだろう。東京は‘運慶展’で賑わっているが、京都は今‘国宝展’が熱い!

待ち規制がなくなるとすぐ向かったのは1階の‘磁器’のコーナー、この日から龍光院が所蔵する‘曜変天目茶碗’が飾られているのである。展示はⅡ期(10/17~10/29)のみ。展覧会にでてくるのは1999年以来だから18年ぶり。一番奥の部屋にありました!ありました!もう天にも昇るような気持。時間をかけてじっくりみた。

この曜変の特徴は静嘉堂文庫と藤田美のものが斑文が2,3個くっついたり、天の川のように長くつながったりして大きな光量を生み出しているのとは違い、見込みの底から点々が円を幾重にもつくっている感じ。虹彩は底のところが一番輝いているが、光の広がりが弱いため夜空の星のようにひとつ々が美しく光っているようにみえる。均質的でリズミカルに光を放つ曜変天目だった。ミューズに感謝!

この茶碗をみるために京都までやって来たので、ほかの国宝はオマケのようなもの。同じ1階にサプライズの彫刻があった。それは今春でかけた海北友松展のときもみた大阪・金剛寺の‘大日如来坐像’と‘不動明王坐像’、またまた圧倒されたのはその大きさ、これは今年国宝に指定されたもの。そのため前は残念なことに絵はがきがなかったが、これからは図録でこの圧倒的な力強さを思い出せる。

もうひとつ、これがあの仏像か、というのがあった。いつもは大覚寺の近くの清凉寺に飾ってある‘釈迦如来立像’。中国でつくられたものなので、ほかの仏像とはイメージがだいぶ異なる。国宝仏像の追っかけリストの上位に入れていたものと遭遇できたのは大きな収穫。龍光院の曜変天目のお陰で忘れていた夢が叶った。

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2017.09.26

龍光院の曜変天目茶碗 ‘国宝展’に出品!

Img_0001     国宝‘曜変天目茶碗’(12~13世紀 京都・大徳寺龍光院)

Img     葛飾北斎の‘雪中虎図’(1849年)

Img_0003     葛飾北斎の‘女波図’(1845年 長野小布施・北斎館)

歌麿の‘吉原の花’をみた箱根の岡田美に10/6から大阪のあべのハルカス美ではじまる北斎展のチラシが置いてあったので家に持ち帰った。この展覧会はイギリスの大英博でも開催され大勢の人が押し寄せたという。

そんな話題の浮世絵展、大阪まで遠征するかパスするかおおいに迷った。そして出した結論が今回はパス。気になる作品がないわけではない。チラシに大きく使われている肉筆画の‘雪中虎図’は以前から気になっている絵で過去の回顧展にはいずれも姿をみせてくれなかった。このチャンスを見逃したらもう二度と会えないかもしれない。

その思いがある一方、目玉の小布施の北斎館に飾られている‘男波図’‘女波図’は現地でみており、晩年に描かれた肉筆画は日本にあるものはだいたいお目にかかっている。海外から里帰りしたものにあっと驚かされるかもしれないが、その情報がないので結局関心のある‘雪中虎図’1点買いの北斎展となる可能性もある。思案の末、この絵をみるために新幹線に乗るのはやめることにした。

ところが、思わぬ情報が入って来たのでやはり大阪に行くことにした。背中を押してくれたのは京博の‘国宝展’(10/3~11/26)。秋の京都はこの展覧会で盛り上がることはまちがいない。お宝の絵画や木彫などがどどっとでてくる。だから、日本美術への興味が沸きだしたころだったら万難を排して出かけたところ。

でも、国宝の追っかけは最終の直線コースを入ってもうすぐゴールというところまできているので前からパスときめていた。そしたら、ビッグな作品情報が飛び込んできた。なんと京都・大徳寺龍光院が所蔵する‘曜変天目茶碗’が展示されるという。期間はⅡ期(10/17~10/29)。これは200%見逃せない。

日本にある国宝の曜変天目茶碗は3つ、これまで成静嘉堂文庫と藤田美にあるものは幸運なことにみることができた。ところが、この龍光院のものはまったく縁がなかった。みたくてしょうがないのに展覧会にでてこないのである。

展覧会に出品されたのはおそらく1999年大阪市立東洋陶磁美で開催された‘宗磁展’が最後。この展覧会は広島にいるときくクルマを走らせて巡回した萩の浦上記念美でみたが、曜変天目茶碗は大阪のみの出品。それから18年経った今年、ようやく鑑賞の機会がめぐってきた。ワクワクしている。

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2017.05.24

個性豊かな花入!

Img     国宝‘青磁下蕪花入’(南宋時代13世紀 アルカンシェール美)

Img_0001‘黄瀬戸立鼓花入 銘 旅枕’(重文 安土桃山時代16世紀 久保惣記念美)

Img_0002     ‘瓢花入 銘 顔回’(安土桃山時代16世紀 永青文庫)

Img_0003     ‘伊賀花入 銘 生爪’(安土桃山・江戸時代16~17世紀)

茶碗や茶入とはちがい大きいため見栄えがする茶道具が花入。会場には中国絵画のあといきなり国宝の花入が目の前に現れた。アルカンシェール美が所蔵する自慢のお宝、国宝‘青磁下蕪花入’。このいかにも蕪(かぶら)という感じのする花入はお気に入りの青磁のひとつでこれまで両手ちかくお目にかかった。

以前、東博の常設展示を定期的にみていたころはこの蕪型の花入は2年くらいの間隔で出品されていた。今はどうなっているか知らないが、東博とこのユニークな形をした花入は強くむすびついており、これと出会ったときは楽しみが倍増した。丸く膨れた蕪は女性に例えると愛嬌のいい元気娘。

花入にはいろいろな形がある。鼓を立てたようなのが‘旅枕’という銘がつけられた‘黄瀬戸立鼓花入’、利休が所持していたものだが、はじめてみた。瓢箪からつくった花入は利休が自分でつくったもの。

瓢箪を花入に変えるのは茶の湯を身近なものにしようとする利休ならではの発想。利休が並みの茶人でないことの証でもある。目白の永青文庫で遭遇したときはぶったまげた!

伊賀のやきものの前に立つとMyカラーが緑&黄色ということもあり、すぐ‘見るぞ!’モードにスイッチが入る。こういう荒々しく力強いフォルムをした伊賀を古田織部はとくに好んだ。この花入も織部が所持していたもの。また、花入のかたちとしては伊賀と備前はよく似ているので、織部は備前のものもよく茶会に使っている。

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2017.05.23

魅了される茶入の名品!

Img_0002 ‘唐物肩衝茶入 北野肩衝’(重文 南宋・元時代13~14世紀 三井記念美)

Img_0001     ‘唐物肩衝茶入 松屋肩衝’(重文 13~14世紀 根津美)

Img     ‘唐物茄子茶入 銘 富士’(重文 13~14世紀 前田育徳会)

Img_0003     ‘唐物鶴首茶入 利休鶴首’(13~14世紀)

中国で南宋から元の時代にかけてつくられた茶入には不思議な魅力がある。久しぶりに行われた‘茶の湯’展はこの小さな茶入の名品にお目にかかれる絶好の機会。最も有名な‘唐物肩衝茶入 銘 初花’(徳川記念財団)はすでに展示は終了しているが、ほかの名品は会期の最後までみることができる。

今、肩衝茶入の‘北野肩衝’と‘松屋肩衝’、そして茄子茶入の‘銘 富士’が一緒に並んで飾られている。これは圧巻!茶入に嵌ったのはこの褐色の色。この色がサイズの小さいこのやきものに重厚な印象を与えている。また、色の魅力に加えバラエティに富む形が視線を釘づけにする。

安定感のある肩衝、下がぷくっと膨れた茄子、また鶴の首を思わせるものもある。そして形とともに茶入の魅力を決定づけるのが釉薬がたれてできる‘なだれ’の景色。‘なだれ’の好みは人それぞれだが、多くの茶人たちの心を虜にした名品のなだれがつくりだす景色は格別。今回ははじめてみた‘富士’と利休が所持していた‘利休鶴首’をじっくりみていた。

このほかにも茶入は‘古瀬戸’や‘瀬戸’などのぐっとくるものが多くでていた。2年前あった古田織部展についでこの茶の湯展でもこれほどの数の名茶入にお目にかかれて幸せいっぱい。ミューズに感謝!

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