2020.02.16

久しぶりの‘北大路魯山人’!

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     ‘つばき鉢’(1938年)

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     ‘雲錦鉢’(1938年)

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     ‘織部蟹絵平鉢’(1959年)

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     ‘備前旅枕花入’(1958年)

日本橋三越で明日(17日)まで行われている‘北大路魯山人展’を滑り込みで
みてきた。今回ででているのは京都の何必館が所蔵しているコレクション。
魯山人のやきものはこれまで世田谷美、鎌倉の吉兆庵美、島根県の安来市に
ある足立美で目を楽しませてもらっったが、何必館(かひつかん)のものは
縁がなかった。

北大路魯山人(1883~1959)というと見栄えのする絵柄が気を引く
大鉢がまず思い浮かぶ。これまで別ヴァージョンでお目にかかったことのあ
る‘つばき鉢’と‘雲錦鉢’がどんと展示してあった。‘雲錦鉢’の装飾的に描かれた
桜満開の模様は尾形乾山とのコラボが連想されるが、椿のほうは魯山人のほ
かにはすぐでてこない。どんどんと大きく咲く赤、白、黄色の花びらを緑の
葉が引き立てている。この椿は大収穫。

何必館は魯山人の大鉢、織部や書など300点くらい所蔵しているが、演出
された空間に展示されているのは70点ほど。だから、予想とは作品の数が
ちがっていたが、いずれもじっとみてしまうほどいい作品が揃っているので
満足度は高い。これまで体験した作品がずらっと並ぶやきもの展とはひと味
ちがう展示の仕方が新鮮だった。

最晩年の作品‘織部蟹絵平鉢’(絶作)と‘備前旅枕花入’の前に長くいた。日本
絵画でもやきものなどの工芸でも蟹をモチーフにしたものは珍しい。おも
しろいのはこの蟹はじっとみていると横に動いているのかと錯覚すること。
動きの描写はとても難しい。魯山人の創作の感性は流石でしゃきっとしてい
る。備前焼は数点でておりどれも魅了されるが、この‘旅枕花入’は心を強く
揺すぶる。

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2020.01.11

銀座松屋の‘利休のかたち’!

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   長次郎の‘赤楽茶碗 銘白鷺’(16世紀 裏千家今日庵)

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    ‘本手 利休斗々屋茶碗’(朝鮮時代 16世紀 藤田美)

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     ‘瀬戸雁口花入’(16世紀)

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      ‘湯の釜’(16世紀 武者小路千家官休庵)

昨年秋、三井記念美で‘高麗茶碗展’があり茶の湯の名碗が目を楽しませてくれ
たが、時をあけずまたいいやきもの展に遭遇した。今月の20日まで銀座
松屋で開かれている‘利休のかたち’。利休の好みを反映した茶道具が並んでい
る。松屋が企画するやきもの展はいつも期待を裏切らない。だから、好感度
は二重丸が続いている。

日本文化のなかで脈々とその伝統を伝えている茶道。そのど真ん中にいる
のが千利休(1522~1591)。大規模な茶の湯展が2017年に東博
であり、名品がたくさんでてきた出。今回の‘利休のかたち’はそのときのデジ
ャブがおこっている感じ。長次郎(?~1589)の初期の作品‘赤楽茶碗 
銘白鷺’とまたお目にかかった。光悦のシャキッとした赤楽とちがい素朴な
景色が心を打つ。

高麗茶碗の‘本手 利休斗々屋茶碗’は収穫の一品。これは三井記念美では展示
がなかったもの。想定外のリカバリーとなった。斗々屋茶碗のなかでは丸みの
ある形は珍しく柔らかいイメージがわくため思わず手にとってみたくなる。

究極の丸みを感じさせる‘湯の釜’もハッとさせる釉薬の流れが印象深い‘瀬戸
雁口花入’も茶の湯展にかざられていたもの。こういうのはみるたびに足がと
まる。釜はほかにも阿弥陀堂釜や尻張釜があり目を釘づけにさせる。

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2019.11.05

三井記念美の‘高麗茶碗展’!

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     ‘大井戸茶碗 有楽井戸’(16世紀 東博)

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     ‘御所丸茶碗 古田高麗’(16~17世紀)

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     ‘粉引茶碗 三好粉引’(重文 16世紀 三井記念美)

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     ‘斗々屋茶碗 銘かすみ’(16世紀 三井記念美)

ここ数年いいやきもの展が続いている。2年前、東博で名品がずらっと揃っ
た‘茶の湯展’があり、昨年は秋に根津美で‘新・桃山の茶陶’。そして、今年は
サントリー美の‘美濃の茶陶’(9/4~11/10)と三井記念美の‘高麗茶碗
展’(9/14~12/1)。この二つに出かけると日本の茶碗と朝鮮の高麗
茶碗がぐぐっと目を楽しませてくれるので茶の湯の名碗の通になれることは
請け合い。

三井記念美にはなんといっても国宝の‘志野茶碗 銘卯花墻’があるので‘茶陶
展だったらおまかせください’、という調子だろうというのは容易に察しが
つく。そうするとこの度の高麗茶碗についての期待値は当然ながら高くなる。
会期中にでてくるのは全部で123点。予想以上にすごい数。しかも、ぐっ
とくる茶碗が多い。やはり、三井記念美はブランド美術館。

大井戸茶碗で目にする回数が最も多いのは東博の‘有楽井戸’かもしれない。
平常展を頻繁にみていた時期が長くあったので枇杷色と高台の梅花皮
(かいらぎ)とよばれるちじれが印象的なこの井戸茶碗を何度もみる機会が
あった。視覚体験が多いとだんだん愛着も増していく。

嬉しいことに‘御所丸茶碗 古田高麗’とまた出会った。2014年にはじめて
お目にかかったときはヘラをあてて溝をつくり立体感をだしているところや
角々した面取りに大変魅了された。これで3度目。またまた食い入るように
みていた。

三井記念美の所蔵する名碗をずらっと披露しているが、お気に入りは釉薬が
かからず残った地の部分がクリップの小片が刺さったようにみえる‘粉引茶碗
 三好粉引’。これは2,3年前重文に指定された。そして、うすい枇杷色
と鼠色がかった釉の響き合いがなんとも目に心地いい‘斗々屋茶碗 銘かすみ’
も長くみていた。

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2019.09.13

期待値以上の‘美濃の茶陶’展!

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     ‘志野山水文鉢’(16~17世紀 愛知県陶磁美)

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     ‘鼠志野茶碗 銘横雲’(16~17世紀 野村美)

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   ‘黄瀬戸大根文輪花鉢’(重文 16~17世紀 相国寺)

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    ‘織部扇面形蓋物’(17世紀)

昨年秋に根津美で開催された‘新・桃山の茶陶’をリレーするように現在、サン
トリー美では‘美濃の茶陶’(9/4~11/10)が行われている。やきもの展
を開催して愛好家の注目を集めるのは根津、五島、出光、サントリー。自分
のところに名品を数多く持っているのでよそからもいいものが集まってくる。

今回サントリーが焦点をあてているのは桃山時代の16~17世紀、岐阜の
美濃で焼かれた‘黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部’。根津のときと同様に定番の
名品がずらっと並んでいる。これは圧巻!まず出迎えてくれるのが国宝の
‘志野茶碗 銘卯花墻’(三井記念美)。そして、ともに重文の‘鼠志野茶碗 
銘峯紅葉’(五島美)と‘鼠志野茶碗 銘山の端’(根津美)もある。

はじめてみるものもたくさんでてくる。やきものは奥が深いから展覧会に顔
を出すたびにあらたな名品と遭遇する。思わず足がとまったのが‘志野山水文
鉢’、こういう絵柄は染付によく登場するが志野との相性も悪くない。鼠志野
の魅力は抗しがたいものがある。そのため、再会した‘銘横雲’に吸いこまれる。

一番の収穫は相国寺が所蔵する‘黄瀬戸大根文花鉢’、大根がこれほどインパ
クトのある文様になるとは。これからは大根を軽くみれなくなった。
織部の緑に魅せられ続けている。扇面形蓋物、四方鉢、手鉢、耳付花入、沓
茶碗、向付、軽やかで新感覚の文様と緑の釉薬が目を楽しませてくれる。
造形的にカッコよく映る扇面型蓋物を長くみていた。

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2019.04.14

期待の‘備前展’!

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     ‘三角花入’(桃山時代16~17世紀)

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     金重陶陽の‘緋襷茶盌’(1957年)

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     隠崎隆一の‘混淆花器’(2016年)

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     伊勢崎晃一朗の‘畝壺’(2017年)

東近美工芸館で開催されている‘備前―土と炎から生まれる造形美’(2/22
~5/6)をみてきた。以前広島にいたときクルマで備前焼の窯がある備前市
伊部へ出かけた。以来、釉薬を使わない備前焼の魅力にとりつかれている。
広島のデパートで金重陶陽以降の作家の作品をずらっと揃えた備前焼展をみ
たが、東京ではトータルで備前焼を楽しめる展覧会にでくわす機会がなかっ
た。ようやく実現したのは東近美、となると期待値はどうしても高くなる。

なかに入って展示室を進んでいくこれ以上望めないほど充実した作品
が並んでいた。流石、東近美!古備前の茶道具にいいのがたくさんあったが、
思わず足がとまったのが‘三角花入’、三角の形がユニークなので桃山陶器とか
織部展では定番のように出品される。備前焼の中興の祖である金重陶陽
(1896~1967)の緋襷(ひだすき)をぐっと感じさせる‘緋襷茶盌’
も名品。

今回人間国宝になっている作家をはじめ備前焼といえばこの人という面々は
全部登場している。まさに備前のオールスターが勢揃い。そのなかで伊部の
外からやってきた隠崎隆一(1950~)は現代アート風の備前を生み出し
た先駆者のひとり。金重陶陽の息子、金重晃介(1943~)の‘聖衣’
(1994年)が備前の貴公子がつくった備前アヴァン・ギャルドなら、
鬼才隠崎隆一の‘混淆花器’は自然と大地から生まれてきた原始の美という感
じ。魂を強く揺すぶられる。

これまで縁がなかった作家で大変魅了されたのは今年45歳の伊勢崎晃一朗
(1974~)。父親の伊勢崎淳(1936~)も大胆な造形で新しい備前
の形をつくってきたが、そのチャレンジ精神は晃一朗にもしっかり受け継が
れており圧倒的な存在感のある‘畝壺’に驚愕した。そして、矢部俊一
(1968~)のステルス戦闘機を連想させる切れ味鋭いフォルムが目を惹
く‘光風’にもぐさっとやられた。

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2018.12.12

五島美の‘東西数寄者の審美眼’!

Img         長澤芦雪の‘降雪狗児図’(18世紀 逸翁美)

Img_0002     円山応挙の‘嵐山春暁図’(18世紀 逸翁美)

Img_0001     本阿弥光悦の‘黒茶碗’(17世紀 逸翁美)

Img_0003     尾形乾山の‘銹絵染付流水文手桶水指’(18世紀 逸翁美)

10年くらい前大阪の池田市にある逸翁美を訪問したことがある。でも、どの電車(阪急電鉄だろうが)に乗ってどこで降りたかは記憶が消えている。ここは阪急電鉄や宝塚歌劇団などをつくった小林一三(1873~1957)の屋敷だったところ。一三の雅号が逸翁(いつおう)だったため逸翁美という名がついている。

3日前の9日までこの逸翁のコレクションが五島美で披露されていた。特別展のタイトルは‘東西数寄者の審美眼’(10/20~12/9)、西のとびぬけた数寄者が小林一三なら東は東急電鉄をつくった五島慶太(1882~1959 雅号は古経楼)。二人が集めた絵画、書跡、茶道具などは並みのコレクターの財力と美意識なら手の届かないものばかり。とにかくスゴイ美術品が並んでいる。

五島美のものはこれまで何度も足を運んだからほとんどみている。そのため、お目当ては池田でみれなかった逸翁美の作品。もっともみたかったのが長澤芦雪(1754~1799)の‘降雪狗児図’、円山応挙(1733~1795)と芦雪の描いた可愛らしい仔犬の絵はたくさんみたが、どういうわけかこの降り注ぐ雪に遊ぶ仔犬には縁がなかった。やっと対面することができた!

応挙の‘嵐山春暁図’は情報ゼロだったので思わず‘こんないい応挙があったのか!’と小さな声でつぶやいてしまった。春桜のシーズンに京都に行くとこんなすばらしい光景に出会えるのだろうが、今は外国人が爆発的に増えているので新幹線に乗る元気はない。

本阿弥光悦(1558~1637)の‘黒茶碗’は運よく現地でお目にかかれたが、尾形乾山の‘銹絵染付流水文手桶水指’は展示なし。美術本のどこかに載っていたような気もするので目が釘づけになる。手桶に流水文の文様は豪華すぎるきらいもあるが、馴染んでしまうと心を軽やかにしてくれる。

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2018.12.10

根津美の‘新・桃山の茶陶’!

Img_0001     ‘鼠志野茶碗 銘山の端’(重文 17世紀 根津美)

Img     ‘黒織部茶碗 銘冬枯’(重文 17世紀 徳川美)

Img_0002     ‘織部松皮菱形手鉢’(重文 17世紀 北村美)

Img_0003     ‘耳付水指’(17世紀)

根津美で行われている‘新・桃山の茶陶’(10/20~12/16)をみてきた。過去の経験から根津美と五島美で開催されるやきもの展は決して見逃せない。予想通り、この展覧会も二重丸。集めてくる桃山期のやきものは流石と思わせるものばかりだった。

日本の美術館にある鼠志野茶碗でとびぬけていいのは根津美にある‘銘 山の端’と五島美の‘峯紅葉’(共に重文)。薄い青がじつに美しい‘山の端’にはやさしさと優雅さが満ち々ている。12/4まででていた国宝の‘志野茶碗 銘卯の花墻’とこの鼠志野があれば志野はもう満腹になる。

現代アートを思わせるモダンな模様が目を惹く‘黒織部 銘冬枯’にも魅了される。17世紀、美濃でやきものをつくっていた陶工は頭にはちょんまげをつけていたが、美に対するセンスは現代のア―ティストと変わらないほどの前衛芸術家。ちょっとやそっとでは叶わない。

昨年京都へ行ったとき、北村美へ出向き長年の思いの丈をはたしたのが‘織部松皮菱形手鉢’、また出会うとは想定していなかったが、Myカラーの緑に心が弾みそのユニークな菱形の造形に目は釘づけになった。隣にいたやきもの通は連れの女性に‘これが一番いい織部’と解説していた。その通り!

今回の収穫のひとつが伊賀焼の‘耳付水指’、下の方がぷくっと膨れた形は心地よいボリューム感がある。この力強さと伊賀特有の緑のビードロ釉が強く印象に残った。こういう個人が持っているいい茶陶をさらっと並べておくところが根津美のブランド力。満足度200%のやきもの展だった。

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2018.08.20

汐留ミュージアムの‘河井寛次郎展’!

Img     ‘三色打薬双頭扁壺’(1961年)

Img_0003     ‘青瓷鱔血文桃注’(1922年)

Img_0002     ‘練上鉢’(1956年)

Img_0001     ‘白地草花絵扁壺’(1939年)

パナソニック汐留ミュージアムへ出かけるとき気をつけなければいけないのはここの休館日は水曜ということ。久しぶりの訪問のためこれをコロッと忘れ再度新橋へ行くはめになった。現在、ここで‘河井寛次郎展’(7/7~9/16)が開催されている。

河井寛次郎(1890~1966)や濱田庄司(1894~1978)の回顧展はこれまで数多くみてきたので、京都の河井寛次郎記念館蔵品が中心になっているこの没後50年記念展は当初はパスのつもりだった。ところが、なにかの拍子で寛次郎の中では最も惹かれている三色打薬のまだみてないものが出品されていることがわかった。

存在を知ってしまうともうダメ、赤と緑と黒の釉薬がアクションペインティングみたいに打ちついたこのモダンなやきものの魅力から逃れることはできない。入館するとすぐ二つの土管をくにゃっと曲げてくっつけたような形をした‘双頭扁壺’のところに向かった。これは個人の所蔵。目にどんと飛び込んでくる3つの色の力強いこと!毎日みれるコレクターが羨ましい。

この展覧会もホテルオークラのアートコレクション展同様、‘一点買い’だから鑑賞の時間は長くない。記念館蔵では魅了されている桃の感じがじつによくでている‘青瓷鱔血文桃注’、地形の褶曲を連想させる‘練上鉢’、そしてしゃきっとした菱形の扁壺が心を打つ‘白地草花絵扁壺’をピンポイントで楽しんだあとすっと退館した。

やきもののほかにも手の木彫像やゴールドのキセルなど記念館の自慢の作品がずらっとでている。京都に足を運ばなくて寛次郎のすばらしい作品がたくさんみれるのだから申し分ない。だから、寛次郎好きには有り難い展覧会、再チャレンジした甲斐があった。

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2018.02.26

展示のセンスがいい‘寛永の雅’展!

Img_0003    本阿弥光悦・俵屋宗達の‘鹿下絵新古今集和歌巻断簡’(17世紀)

Img     狩野探幽の‘桐鳳凰図屏風’(左隻 17世紀 サントリー美)

Img_0002     野々村仁清の‘色絵花輪違文茶碗’(17世紀 サントリー美)

Img_0001     野々村仁清の‘白釉円孔透鉢’(17世紀 MIHO MUSEUM)

国立新美でビュールレコレクションを堪能した後、すぐ近くのサントリー美へまわり‘寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽’(2/14~4/8)をみた。

すごく前のめりになる展覧会ではないが、サントリーはこういうタイプの企画展ではいいセンスを発揮するからやはり見ておきたい。期待は野々村仁清のやきものだが、予想以上の数を集めており流石、サントリーといった感じ。

絵画では久しぶりにみた2点の前に長くいた。本阿弥光悦(1558~1637)と俵屋宗達によるお馴染みのコラボ‘鹿下絵新古今集和歌巻断簡’と狩野探幽(1602~1674)の‘桐鳳凰図屏風’。宗達が描いた鹿はMOAなどにもあるが、鹿の群れはサントリーがもっているものが一番多い。これは鹿の動きが羽生選手の4回転ジャンプをVTRで連続した画像にしてみせるのと同じようなイメージ。

鳥の中でも別格の存在なのが鳳凰、金地の背景に番の鳳凰が装飾的に表現された水流を挟んでむつまじく見つめあっている。探幽のなかではこの絵がもっともグッとくるかもしれない。

野々村仁清のやきものの魅力は何といっても端正なデザイン力。なかでもサントリーにある‘花輪違文’の模様が心を打つ。これとMOAが所蔵する‘金銀菱文’がもっているグラフィカルな感覚には驚かされる。仁清は瞬間的に時代をつきぬけるアートの領域に飛躍したにちがいない。

そして、側面に丸い穴を散らした‘白釉円孔透鉢’もじつに自由でおおらかな意匠。仁清に乾杯!

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2017.11.24

絶品 セーヴル!

Img_0002     ‘壺 ポプリ・ポンパドゥール’(1753年)

Img_0001     ‘壺 ポプリ・エベール’(1757年)

Img     ‘大皿’(1754~55年)

Img_0004     草間彌生の‘ゴールデン・スピリット’(2005年)

ヨーロッパの磁器ではマイセンと並んで人気の高いセーヴル、サントリー美ではじまった‘フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年’(11/22~1/28)をみてきた。開幕した日に足を運ぶことは少なくなっいるが、タイミングが合い早い出動となった。

これまで縁のあったセーヴル焼の名品で記憶によく残っているのはロンドンのウォレス・コレクションでみた緑の船形ポプリ壺とNYのㇷ゚リックコレクションに飾ってあった壺。ほかにもセーブルブルーが目にやきつく皿などに魅了されたが、どこの宮殿にみたかはしかと覚えていない。

今回でているのは国立セーヴル磁器製作所と国立セーヴル陶磁美が所蔵しているもので130点ほど。セーヴルを創立から現代までの300年のスパンでみられたのは幸運なめぐり合わせ。そのなかで最もぐっときたのが白と紫の組み合わせが優雅さを際立たせている‘壺 ポプリ・ポンパドゥール’。これは一生の思い出になる。

金彩をあしらった緑の地に木々や鳥を描きこんだ‘壺 ポプリ・エベール’も思わず足がとまる傑作。フランスの王侯貴族の心をしっかりとらえたにちがいない。白の美しさが魅力のマイセンに対し、セーヴルの窯はルイ王朝の力に支えられて最高の気品と優雅をそなえた壺や皿を生み出した。

青の輝きが目を楽しませてくれる‘大皿’(ルイ15世のブルー・セレストのセルヴィスより)も長くみていた。3階に降りると目を見張らされる現代のセーヴルがずらっと展示してあった。そこになんとあの草間彌生とコラボした‘ゴールデン・スピリット’が、これはやられた!

草間だけではない。カルダー、スーラ―ジュ、アルプ、ジム・ダインとも一緒につくっていた。どんどん進化を続けるセーヴル、強い刺激を受けた。

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