2016.11.20

今、東京で国宝の名碗が三つみれる!

Img      国宝‘玳玻天目’(南宋時代・12世紀 相国寺)

Img_0001   国宝‘油滴天目’(南宋時代・12~13世紀 大阪市立東洋陶磁美)

Img_0002    ‘色絵丸文台皿’(17世紀中期 静嘉堂文庫)

Img_0003     ‘色絵鶴亀甲松竹梅文菊花形大鉢’(18~19世紀)

国宝に指定されている名碗は八つある。やきもの好きな方はすぐ思い浮かぶだろうが、今東京でその三つが展示されている。東博で開催中の‘禅展’に出品されているのが唐物の‘玻玳天目’と‘油滴天目’、展示は残り一週間、11/27までだからみてない人は急いだほうがいい。

もう一碗は静嘉堂文庫の‘漆芸名品展’(12/11まで)に飾られているご存じ‘曜変天目’(南宋時代12~13時代)、こちらは会期終了まででている。で、この一週間に東博と静嘉堂文庫をはしごするとすばらしい茶碗と三つお目にかかれる。もっというと‘禅展’には結構な数のやきものがでており、静嘉堂でもいい茶入や天目が並んでいるので二つの美術館をまわると立派なやきもの展が体験できるといういいめぐり合わせになっている。

さらに、静嘉堂のやきものにはとっておきの情報がある。それは展示室の前のホールのところに飾ってある二つの色絵磁器、モダンすぎる色の組み合わせにハットなる‘色絵丸文台皿’と金襴手様式の鉢では最高の出来栄えの‘色絵鶴亀甲松竹梅文菊花形大鉢’。12/11まで展示されている。

幸運な鑑賞が実現したのはここで2008年に行われた‘岩崎家の古伊万里ー華麗なる色絵磁器の世界’、想像以上に一点々の質が高く、流石、岩崎家のコレクションという感じだった。そのなかで最も魅了されたのがこの二つ。立ち尽くしてみていた。8年ぶりに再会したことを腹の底から喜んでいる。

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2016.11.19

茶入の名品!

Img ‘唐物茄子茶入 付藻茄子’(南宋~元時代・13~14世紀 静嘉堂文庫)

Img_0001 ‘唐物茄子茶入 松本茄子’(南宋~元時代・13~14世紀 静嘉堂文庫)

Img_0002‘唐物肩衝茶入 銘・新田肩衝’(南宋時代・12~13世紀 徳川ミュージアム)

日本美術の展覧会が行われるとき作品が多い場合は会期をいくつかに分けて展示される。以前は出品作を全部目のなかに入れようという気持ちが強く何度も足を運んでいた。ところが、今は絵画にしろやきものなどの工芸にしろ鑑賞済みのものが多くなってきたこともあり、一回で終わらせることが普通になってきた。

一度みた作品が重なってくると図録も毎度々購入する習慣が変わってきた。お気に入りのものが絵葉書にラインナップされていればニンマリして買い込み分厚い図録はパスになる。今は高い愛着度が維持できそうな図録だけを購入することにしている。

静嘉堂文庫で開催中の‘漆芸名品展’では図録があれば買う予定だったが、今回は図録はなくパンフレットタイプのものを300円で販売していた。この美術館は以前からこのスタイルで作品情報を提供しているがこれで十分、手元に過去につくられた図録が5冊もあるので美術館自慢の作品はほぼカバーされている。

ここにある茶入の名品がこの漆芸展にも登場している。やきものの茶入が展示されているのはこの茶入が壊れた個所が漆で見事に修復されたものだから。後期(11/8~12/11)にでている‘唐物茄子茶入 付藻茄子’と前期に飾られた‘唐物茄子茶入 松本茄子’。

これまで数回縁がありその伝来の話がインプットされているので思わず長くみてしまう。なんとあの織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が所有していた。‘付藻茄子’と‘松本茄子’が現在、東博の‘禅展’に出品されている‘唐物肩衝茶入 銘・新田肩衝’などとともに災難にあったのは大阪夏の陣(1615)、家康の命をうけて藤重藤元、藤厳父子は大阪城の焼け跡のなかから探し出し漆で繕った。

この卓越した技のおかげで今もこうして目にすることができる。この茶入をみるたびにやきものの名品にまつわる数奇な運命に思いをめぐらせる。

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2016.01.22

心を奪われる十三代今右衛門!

Img_0004     ‘色絵吹墨薔薇文花瓶’(1976年 佐賀県立九州陶磁文化館)

Img_0001     ‘色絵薄墨紫蘭文鉢’(1985年)

Img     ‘色絵薄墨珠樹文蓋付瓶’(1987年)

Img_0002     ‘色絵吹重ね珠樹草花文鉢’(2001年)

足を運んだ展覧会はいつもは会期中に感想をアップするのに、日本橋三越で1/11まで行われていた‘十三代今右衛門 × 十四代柿右衛門展’については展覧会が終了してから10日もあとになってしまった。

この展覧会で期待していたのは十三代今右衛門(1926~2001)のほうで十四代柿右衛門についてはオマケという思いがあるのでのめりこんでみていない。だから、とりあげるのは十三代今右衛門のみ。

若いころからやきものに興味をもちNHKで放送される陶磁器関係の美術番組は見逃さずみてビデオに収録していたが、十三代はよく登場し鍋島の魅力や自分が生み出した吹墨や薄墨の話をしてくれた。そこでみた作品にいっぺんに魅せられ十三代の回顧展に遭遇することを強く望むようになった。

ところが、その機会がなかなかやって来ない。やっとみれたのが5,6年前ホテルオークラの隣にある智美術館で行われた‘十三代&十四代今右衛門展’、だがこれは十三代の作品が想定外に少なく消化不良に終わった。

今年は1616年に有田の地に日本ではじめて磁器が誕生してから400年になる。昨年の琳派400年のように有田焼も大いに盛り上がりそう。その節目の年を祝う一弾が三越で開かれる展覧会。となると、当然期待値は高くなる。十三代の作品は全部で45点くらい、これだけみれれば言うことなし。大満足!

そのなかで長くみていたのが初期の吹墨‘薔薇文花瓶’、これまでお目にかかったことのある薄墨の2点、‘紫蘭文鉢’と‘珠樹文蓋付瓶’、そして亡くなる年につくられた‘吹重ね珠樹草花文鉢’。現代感覚に富む文様と鮮やかな色彩美が魅力の十三代今右衛門の世界、腹の底から楽しんだ。

なお、この展覧会はこのあと次の会場でも行われる。
・広島三越 7/5~7/18
・福岡三越 10/5~10/10

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2016.01.21

松濤美の‘石黒宗麿展’!

Img_0001     ‘彩瓷柿文壺’(1959~61年 東近美)

Img     ‘赤絵水指’(1966~67年 愛知県陶磁美)

Img_0002     ‘鉄絵荒蕪文平鉢’(1967年 愛知県陶磁美)

Img_0004     ‘黒釉褐斑鳥文壺’(1958年)

やきものが好きなので陶芸家の回顧展には目をひからせている。現在、渋谷の松濤美で20年ぶりという‘石黒宗麿展’が開かれている。会期は残り一週間で31日まで。

昭和30年(1955)に人間国宝の制度ができたとき、富本健吉、濱田庄司、荒川豊蔵とともに認定をうけた石黒宗麿(1893~1968)、いつか代表作を集めた回顧展に遭遇しないかと思ってきたが漸くその願いが叶えられた。松濤美は小さな美術館だが、質のいいやきもの展をときどき開催してくれるので好きな美術館のひとつとなっている。

作品は全部で120点ほど、お気に入りはすっきりした絵付けと形のいい壺の姿が心をひきつける‘彩瓷柿文壺’、赤茶色でぽんぽんと描かれているのは吊るし柿、黒の横線は柿をつっている縄、小さいころ田舎の家ではこんな風に柿がつるされていた。郷愁をそそる絵画を見ているよう。

一瞬、濱田庄司の作品が頭をよぎったのが‘赤絵水指’、胴部に幅のひろい竹を使って斜めに勢いよくつけた赤の斑文とリズミカルにたらされた緑の点々が爽快な印象をあたえている。とてもモダンな文様だから、居間におくとほかの置物との親和性もすこぶるいいだろう。

この二つの壺が気分を晴れやかにする作品であるのに対し、‘鉄絵荒蕪文平鉢’と‘黒釉褐斑鳥文壺’は荒々しくて重厚なイメージが強い。こういう作品をみると宗麿の陶芸にたいする深い思いがもてる高い技術によって自在に生み出されている感じ。

黒釉の壺に描かれているのは燕、その形は古代中国の殷の遺跡から発掘された亀の甲羅や牛の骨に刻まれた甲骨文字を連想させる。宗麿は中国の古陶磁の研究に没頭したから、甲骨文字から刺激を受けたのかもしれない。

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2015.10.16

畠山記念館の‘古田織部展’!

Img     ‘伊賀花入 銘 からたち’(重文 16世紀末~17世紀初)

Img_0003     ‘志野水指 銘 古岸’(重文 16世紀末~17世紀初)

Img_0001     ‘割高台茶碗’(朝鮮時代 16世紀)

Img_0002     ‘織部手付向付’(17世紀)

都営浅草線の高輪台駅から徒歩7分くらいのところにある畠山記念館を久しぶりに訪問した。最後にみたものが何だったか忘れるくらいご無沙汰してしていた。4,5年でかけてなかったのに急遽足を運ぶことになったのは現在ここで古田織部(1544~1615)の没後400年を記念した‘桃山茶陶と織部好み’展(10/3~12/13)が開かれているから。

今年古田織部展をみるのは3度目。最初が1月の松屋銀座でそのつぎは2か月前の湯島天神の宝物殿、おかげで‘織部好み’の名品が数多く目のなかに入り、古田織部の自由な精神によって生まれた斬新な造形美にかなり近づくことができた。

これぞ‘織部好み’という感じなのが‘伊賀花入 銘 からたち’、男性的で豪快な花入で伊賀焼では五島美にある‘古伊賀水指 銘 破袋’(重文)とともにお気に入りの一品。これはもとはこの記念館の創設者畠山一清(号 即翁 1881~1971)の故郷金沢にあった名宝。

今回のお目当ては‘志野水指 銘 古岸’だった。何年もこの美術館から遠ざかっていたのは図録に載っている名品のほとんどをみたから。でも、1点だけなかなか遭遇せず残っていた。それが重文に指定されている志野の水指。なんともすきっとして安定感のある造形が心を和ませてくれる。そして、胴の周囲に描かれたのはこの形によく合う葦と桧垣文。本当にいいものをみた。待てば海路の日和あり、といったところ。なお、展示は11/5まで

ほかでは古田織部が所持していたと伝えられる‘割高台茶碗’や緑の釉薬が目にしみる‘織部手付向付’などを存分に楽んだ。やはりここの茶道具は名品が揃っている。すばらしい!

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2015.08.23

湯島天満宮で‘古田織部展’!

Img     ‘黒織部六波文茶碗’(桃山時代)

Img_0002     ‘美濃伊賀耳付水指’

Img_0001     ‘伊賀耳付水指’(桃山時代)

Img_0003     ‘織部林文肩衝茶入 銘朝霧’(桃山時代 大光明寺)

里帰りしたフィラデルフィア美蔵の浮世絵コレクションをみるため出かけた三井記念美で気になるチラシが目に入った。今年は古田織部(1543~1615)の没後400年にあたるが、湯島天満宮で古田織部展を開催するという。会期は8/8~9/20。このチラシに鑑賞欲をそそるものが一点あった。これにつられて三の丸尚蔵館のあと湯島天満宮をめざした。

湯島天満宮へ行くのははじめて。ここの宝物殿で古田織部の展覧会を行うのはどんないきさつなのだろうか。作品は地下にある展示室に並んでいた。全部で200点くらい。今年一月、銀座の松屋で名品をたくさん集めた‘古田織部展’をみているから、織部好みの茶器には目が慣れている。古田織部展パート2もハッとする意匠や形が心を打つものがいくつもあった。

‘黒織部六波文茶碗’で妙に惹きつけられるのは波の色。波の形は波のお化けみたいで力強い、その4つが黒く塗られ、2つは波の輪郭だけ。バラエティに富んだ文様が魅力の織部、この波文はこれまでみたことない。こういう形のイメージは南蛮船を描いた絵などがヒントになっているのだろうか。

チラシで気になっていたのが‘美濃伊賀耳付水指’、目を釘付けにするのが茶色で描かれたVの字。大きくゆがんだ三足はこれぞ‘へうげもの’!という感じ。古田織部はやっぱり相当とんでいる。今年はぐっとくる伊賀の水指に会う機会が多い。心をとらえて離さないのが‘伊賀耳付水指’の口縁から大きくなだれているビードロと呼ばれる緑色の釉。

全部で17点ある茶入にも魅了された。とくにいい感じだったのが‘織部林文肩衝茶入 銘朝霧’、つけられた銘がピッタリ、まさに朝霧の情景が浮かんでくる。茶入のよさがだんだんわかってきた。

この展覧会はこのあと名古屋、京都を巡回する。
★熱田神宮宝物館 10/2~10/27
★本能寺宝物館  11/1~12/25

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2015.08.16

天下の名碗 国宝 曜変天目茶碗!

Img     藤田美所蔵の曜変天目茶碗

Img_0001     静嘉堂文庫美所蔵の曜変天目茶碗(稲葉天目)

Img_0002     龍光院所蔵の曜変天目茶碗

昨年10月、ビッグな日本美術の展覧会がふたつ開催された。‘日本国宝展’(東博)と‘東山御物の美’(三井記念美)。こういうお宝がびっくりするほどたくさん集結する展覧会は一生の思い出になる。これと同じような気持ちにさせてくれるのが今、サントリー美で開かれている‘藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美’(8/5~9/27)

後期(9/2~9/27)に登場する国宝‘紫式部日記絵詞’をみるために再度出動することにしているが、会場でまた長いことみていそうなのが、今回のとびっきりの目玉である国宝 ‘曜変天目茶碗’、ご承知のように日本に伝来した曜変天目茶碗(建窯 南宋時代12~13世紀)は三つ。いずれも国宝に指定されている。

この天下の名碗を所蔵しているのは藤田美、静嘉堂文庫美、そして京都の大徳寺・龍光院。三つの茶碗の大きさを較べてみると、単位㎝
               高       口径     高台径
   藤田美        6.8     12.3    3.6
   静嘉堂文庫美      7.2     12.2    3.8
   龍光院        6.4     12.2    3.4 

静嘉堂文庫の稲葉天目は見る機会が多く目に馴染んでいるので、今回久しぶりにみた藤田美のものについては稲葉天目よりはすこし小さいなという感じをすぐもった。曜変の美しさはみる人の好みだから、どっちがいいとかはいえない。

一番小さい龍光院のものは残念なことにまだ縁がない。これからも95%くらいお目にかかれないような気がする。1999年に‘宋磁展’ というすばらしいやきもの展が東武美(現在はなし)、大阪市立東洋陶磁美、山口県立萩美・浦上記念館で開かれた。当時、広島にいたので喜び勇んで萩までクルマを走らせた。

そのとき龍光院所蔵の曜変天目茶碗は東洋陶磁美だけに出品され、萩にはまわってこなかった。図録をみて残念でならなかったが、どうにもならない。この展示以降、龍光院の曜変天目がどこかの展覧会に登場したという話は聞いてない。だから、この名碗はこれから先も龍光院の外には出ないのかもしれない。

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2015.06.30

作品の数が少なすぎるサントリー美の‘乾山展’!

Img_0003     ‘銹絵山水図四方鉢’(1705年)

Img_0002     ‘色絵花唐草文水注’(18世紀 妙法寺)

Img     ‘色絵龍田川図向付’(18世紀 MIHO MUSEUM)

Img_0001     ‘銹絵百合形向付’(18世紀 MIHO MUSEUM)

今年はサントリー美へ何度も足を運ぶことになっている。今行われている‘着想のマエストロ 乾山 見参!’(5/27~7/20)も期待していた展覧会。だが、今回は消化不良の感が強い。

展覧会へ出かける回数が増えてくると、どうしても過去に行われたものを基準にして出品作をみてしまう。尾形乾山(1663~1743)のようなビッグネームの陶工の場合、回顧展は見逃さずみてきたから作品の揃え方や構成の切り口が好みに合っているかで満足度は変わってくる。

今回の乾山ははっきりいって絵画を含めて作品の数が少なすぎる。乾山の名品、もっともっと集めてきてよ!サントリーに期待しているのはそこなんだから、というのが率直な感想。乾山の回顧展に志野や織部(いずれもサントリーの所蔵)はいらないし、また、二代目乾山とか三浦乾也をぞろぞろならべることはない。こうした余計なものがやたら目立ち肝心の乾山は全部で60点しかない。これくらいの数だと回顧展に重厚感がなく乾山の世界へどぼっと入ったという感じがしなくなる。

2007~2008年にかけて出光美とMOA美で開催された‘乾山の芸術と光琳’には乾山だけで118点もでてきた。今回はその半分。だから、期待していたプラスαが少なく、追っかけリストにあるものとの遭遇もなし。例えば京博であった‘京焼展’(2006年)のとき展示替えで見逃した重文の絵画‘八橋図’も夢が叶わなかった。

思い出に残る展覧会というのはやはり作品の質が高く、数もそこそこ多いもの。この乾山展を質的なことで注文をつけているのではない。新規にお目にかかった‘銹絵山水図四方鉢’はみごたえ十分の傑作だし、定番の重文指定の蓋物、‘白泥染付金彩芒文’(サントリー美)も‘銹絵染付金銀白彩松波文’(出光美)も揃っている。

そして、中国のやきものを彷彿とさせる色彩の鮮やかさと丸い形の良さが魅力の‘色絵花唐草文水注’もどんとある。向付の形がモチーフそのものになっている‘色絵龍田川図’や‘銹絵百合形’も目を楽しませてくれる、このユニークな向付をみるたびにデザイナー、乾山のすごさを思い知らされる。

こんな発想が豊かな乾山だから、作品をもっとみたいのである。作品の構成に濃淡をつけて乾山の真髄をみせつけるところは作品を厚くしないと大きな感動はえられない。チラシのコピーはハッとさせるが、実際は周辺部分が多すぎてコアの乾山の印象が薄められている。同じ感想をもっている人も多いのではないかと思う。

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2015.01.20

‘御所丸茶碗 銘古田高麗’がみたい!

Img_2     朝鮮半島と日本の窯址分布図(拡大地図で)

Img_0001_2     ‘御所丸茶碗 銘古田高麗 朝鮮’(17世紀初期)

Img_0003_2     ‘御所丸茶碗 銘葵’(17世紀初期)

Img_0004_2     ‘御所丸茶碗’(17世紀初期 根津美)

昨日終了した‘古田織部展’(松屋銀座)、みてから2週間ほどたつがまだ感動の余韻に浸っている。このビッグなやきもの展、みたあと購入した図録にサプライズの茶碗が載っていた。

それは‘御所丸茶碗 銘古田高麗’、昨年12月日曜美術館にこの名碗が登場したとき、展覧会には出品されないとテロップで断り書きがしてあった。でも図録には会場でお目にかかった同じ御所丸茶碗の‘葵’の隣の頁にしっかり載っている。

ということは次の奥田元宋・小由女美での開催(3/2~4/12)かその後の佐川美(10/10~11/23)に展示される。まったく勝手な想像だが‘古田高麗’をもっているのは京都あたりに住んでいる人で佐川美でお披露目されるのではなかろうか。

日曜美術館で目を釘付けにしてみたこの名碗、2002年五島美であった‘茶の湯 名碗’展のときお目にかかった根津美蔵の御所丸茶碗より確かにずっと惹かれる。こんないい茶碗があったのか!という感じ。おそらく滅多にでない一品なのだろう。

これは古田織部(1544~1615)の依頼により韓国の釜山の西にある金海(拡大地図で)の窯でやかれたもの。解説をしていた専門家はもっと踏み込んで織部がひそかに朝鮮に渡って作陶にかかわったともいっていた。金海では白磁系のやきものが多くやかれていた。この‘古田高麗’の白はとても魅力がある。

もしこれが佐川美に展示されるのなら、同じ会期に開かれる‘琳派展’(京博)には出かけることにしているので一緒にみるというオプションもある。検討してみたい。

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2015.01.17

芸域の広い仁阿弥道八!

Img_0002_2     ‘富岳文黒茶碗’(江戸時代 19世紀 野崎家塩業歴史館)

Img_0003_2     ‘色絵筋文入子茶碗’(19世紀 逸翁美)

Img_0001_2     ‘色絵寿星立像’(19世紀 野崎家塩業歴史館)

Img_2     ‘色絵猿置物’(19世紀)

天才と呼ばれる芸術家に共通する特徴はその作風の幅が広いこと。仁阿弥道八(1783~1855)の生み出すやきものもバラエティに富んでいる。これほどなんでもこなせる陶工とは思わなかった。

入館してすぐ度肝を抜かされたのは楽焼と野々村仁清の写し。200%参った!本歌の楽道入の‘黒楽四方茶碗 銘山里’が横に並ぶ‘富岳文黒茶碗’、写しの技術の高さだけでなく本歌を上回るほどの輝きをみせる豊かな芸術性にはほとほと感服させられる。

そして、‘色絵筋文入子茶碗’の美しいこと、まさに仁清が生き返ってまた作陶している感じ。この煌びやかさにあふれる意匠を釘付けになってみていた。楽焼も仁清もこれほど高いレベルで写すことができれば、茶道具の注文が殺到したにちがいない。

道八の彫塑的作品は京博であった京焼展(2006年)で少し目が慣れている。今回はそのヴァリエーションがぐんとふえた。全部で16点でている。肩の力が抜けリラックスした気分でみれる作品ばかり。そのなかでとくに楽しかったのがチラシに大きく載っている‘色絵寿星立像’と猿の置物。

愛嬌のある顔をした寿星(寿老人)、大きな頭は一度見たら忘れられない。また大きな福耳と左手にもつ桃をみるのも縁起がいい。正月にこんないい寿星に出会ったから今年は幸運がやってくるかもしれない。

そして、長くみていたのが可愛い小猿の置物。近づいてみるとふさふさした毛の感じがじつによく表現されている。これは心が和らぐ。

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