フランスの風俗画!
ルーヴル美へはだいぶ足を運んだので絵画に限っていえば図録に載っているものはかなり目のなかに入った。だから、今回国立新美に展示されている作品はどのあたりに飾ってあったかはおおよそイメージできる。
ダヴィンチの‘モナリザ’などが楽しめるドゥノン翼2階はいつ行っても大勢の人であふれかえっている。ここが何といっても絵画のメインストリート、これに対しあまり混んでいないのが3階のリシュリュウ翼とロココ絵画などが展示されているシュリー翼。
ヴァトー(1684~1721)の‘2人の従姉妹’やブーシェ(1703~1770)の‘オダリスク’と会えるのはシュリー翼の一番奥まったところ。またシャルダン(1699~1779)の‘買い物帰りの女中’もここにある。ヴァトーの雅宴画に描かれる女性は必ず誰かが後ろ向きになっている。これが不思議な効果をもたらす。なぜか後ろ向きの女性に目がすわりそのあと画面全体をじっくりみてしまう。
‘オダリスク’をみて心臓が多少バクバクするだけでとどまっているのはこの絵があまり大きくないから、このポーズを1m以上のキャンバスに描くとみる者に過剰な興奮をおこさせることをブーシェは百も承知、だから、絵のサイズ(縦53㎝、横64㎝)で自主規制している。
3年前三菱一号館美でシャルダンの一級の回顧展があり、‘買い物帰りの女中’も出品された。‘今日はいろいろ買うものがあったから重たいワ。一服したいところだが、あれもやらないといけないから、そうもしてられない。あのねー、マリア、、、’
今回女性画の収穫はシャセリオー(1819~1856)の‘ハーレムの室内’、これは以前から画集で気になっている絵なのだが、所蔵しているのはストラスブール美だからみれる可能性はきわめて少ないと思っていた。ところが、目の前にひょいと現れた。ルーヴルに寄託されていた。オリエントの香りを漂わせる女の目力の強さがじつに印象的。
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