2026.08.04

佐藤康宏著 ‘日本美術史’!

Img_20260804224801

Img_0001_20260804224801

Img_0003_20260804224801

Img_0002_20260804224801

 

普段歩いている散歩のコースを離れて、少しばかり電車に乗って目的の街に
まで足をのばし、そこでぶらぶら歩きをすることがある。今日はデパートで
買い物をしたあと、そこに店を出している馴染みの大手本屋に寄ってみた。
久しぶりなのでいつもの‘ブルーバックス’と文庫のコーナーで何か新しい本
があるか物色していた。

すると、‘犬も歩けば棒に当たる’がおこった。ひょいと現れたのは角川ソフ
ィア文庫の佐藤康宏著 ‘日本美術史’(1800円税別)。発行日をみると先
月の25日。できたてほやほやの新刊だった。表紙に使われている絵は江戸
琳派の鈴木其一が描いた‘朝顔図屏風’。すぐレジへもっていった。

佐藤氏は伊藤若冲の研究でいい仕事されている方で、2020年まで東京大
学の教授をされていた。2019年河出書房新社からでた‘若冲伝’で楽しませ
てもらったから、この本も敏感に反応した。だから、帰りの電車のなかで
早速読みはじめ、帰宅してからもざざっと頁をめくった。

日本美術史の本でよく読んでいるのは加藤周一セレクション3 ‘日本美術の
心とかたち’(2000年 平凡社)。そして、中国絵画については、
内藤湖南の‘支那絵画史’(2002年 ちくま学芸文庫)が愛読書。佐藤氏の
‘日本美術史’はまったく知らなかったが、運よく手に入った。
‘セレンディピティ’(思わぬ幸運に偶然出会う能力)が高くなっていたのだろ
う。いい本であることはすぐわかるから、これも長く座右の書になりそう。

| | コメント (2)

2026.02.21

金間大介著 ‘無敵化する若者たち’!

Img_20260221230001   2026年1月6日発行 東洋経済新報社

Img_0002_20260221230001

Img_0003_20260221230001

Img_0001_20260221230001

本屋に出かけるのはつい先日購入した島田荘司著‘星籠の海’のように、映画を
観て関心がその原作にも向かうとき。昨年はNHKで放送された‘あんぱん’と
‘大河ドラマ・べらぼう’にのめり込んだため、平賀源内など関連の本を何冊も
手に入れた。それに比べるとビジネスや社会の動きをあつかった本はこれま
で縁があった学者が上梓した最新作に限られるので、年に数冊しかない。

その数冊のなかに入る興味深い本に偶然遭遇した。今年1月6日に発売にな
ったばかりの金間大介著 ‘無敵化する若者たち’。仕事をしている頃はよくお
世話になった東洋経済新報社の本を手にするのは久しぶりのこと。読んでい
るうちに統計データやグラフにも目が慣れてきた。

著者の金間大介氏はまったく知らないが、プロフィルには北海道生まれで
現在金沢大学融合研究域教授となっている。いつ生まれたかの情報がないか
ら今何歳かはわからない。これまで書かれた本はベストセラーになっている
ようで、この本も売れており、電話注文している有隣堂でも関内の本店にな
く横浜店でようやくゲットした。

興味をそそられたのはタイトルの‘無敵化する’という言葉。すぐには頭に入ってこないが、著者はこう説明している。‘ここでいう無敵とは、守るものがなく、社会から見捨てられたと感じ自暴自棄になって犯罪をしてしまうような「無敵の人」とはまったく異なる。ここでは、若いというだけで勝ち組と思えるような恵まれた環境が与えられ、自己評価が高く、かつその権利主張をしっかりするような存在を指す’

本書が浮き彫りにしているのは大学生を含む現代の若者たちの行動と彼らがかかえる複雑で微妙な心理。その特徴は、☆安定志向が強く、仕事に対する熱意や欲求がない ☆上の世代がためらうような権利主張を平気でする ☆自己評価が高い ☆アウトではないが微妙に失礼 ☆いつでも親が味方に ☆他世代に比べ恵まれた労働環境 ☆ストレスやハラスメントのない無菌化された職場が用意されている ☆先輩世代から守られ、大切にされる ☆仕事がうまくいかなくても上司や先輩の責任 ☆飲み会でも気づかってもらえる ☆平均値より下にこぼれ落ちない術を知っている ☆平均値より上に目立たない術を知っている ☆いい子を演じることで上世代と一定の距離を保つ ☆自分や近しい人がよければそれでいい ☆将来展望がない日本でも十分幸せ ☆日本の衰退を気にしない ☆嫌われることを気にしない

こういう無敵世代が生まれた社会と家庭環境が7章で読み解かれ、その対応が8章と最終章で語られる。そして、おわりにーあたらしい幸福点からの景色として、図表 ‘何かに挑戦する際の努力量と幸福度の関係’が示されている。これは若者へむけたメッセージ。一読の価値のあるとてもいい本。人口などのマクロデータの解析が的確で、アンケートにもとづく定性的な心理分析や各国比較も鋭い。関心のある方は是非!

コラム欄におもしろい話がでてくる。‘大学生に通じないネタ・トップ5’ 1位:テレビコマーシャル 2位:ドラマ 3位:サッカー 4位:相撲 5位:野球 意外だったのが3位のサッカー。

| | コメント (0)

2026.02.09

クリストファー・ボグラー著 ‘作家の旅’!

Img_20260209231401   2022年 フィルムアート社

 

Img_0001_20260210002701

 

Img_0002_20260210002701

 

わが家の映画熱はじわじわと上がっており、映画DVDのコレクションは今
417本になった。最近は日本映画のほうに関心がむかい、つい先日‘半落
ち’(2004年 主演寺尾聰)と‘探偵ミタライの事件簿 星籠の海’
(2016年 主演玉木宏)を手に入れた。どうしてもサスペンスや刑事
・探偵ものに手がいく。

作品の数が増えてくると、また観たくなる映画はやはり脚本が優れている
ことを認識させられる。名うてのストーリーテラーはどんなことにヒント
を得て物語の筋立てを構想したのか。あのセリフの意味は何だったのか、
いろんなことに関心がいく。これに応えてくれそうなご機嫌な本が現れた。
それはハリウッドで大きな力をふるっているストーリーコンサルタントの第一
人者のクリストファー・ボグラーが書いた‘作家の旅 ライターズ・ジャー
ニー 神話の法則で読み解く物語の構造’。

先月の19日にアップしたキャンベルの‘千の顔をもつ英雄’に大きな影響を受けて、ボグラーが映画のストーリーテラーのガイド本として1992年に上梓したのがこの本。そして、2020年にオリジナル版に大幅な増補が行われたものの翻訳本が2022年に出版された(定価3000円+税)。565頁もある分厚い本だが読みやすく、物語の構造がキャンベルの‘ヒーローズ・ジャーニー’をベースにして語られ、それが実際の映画にどんな形で入り込んでいるかが解説されている。選ばれた映画は256作品、たとえば大好きな西部劇でみると、

‘赤い河’(1948)、‘アパッチ砦’(1948)、‘駅馬車’(1939)、‘荒野の決闘’(1946)、‘シェーン’(1953)、‘捜索者’(1956)、‘壮烈第七騎兵隊’(1941)、‘ダンス・ウイズ・ウルブズ’(1990)、‘真昼の決闘’(1952)、‘許されざる者’(1992)、‘ラスト・オブ・モヒカン(1992)、‘ワイルドバンチ’(1969)。この本はわが家の映画鑑賞の‘バイブル’になりそう。映画好きでシナリオづくりに興味のある方は是非。

| | コメント (0)

2026.01.19

ジョーゼフ・キャンベルの‘千の顔をもつ英雄’!

Img_0004_20260119230801

Img_0003_20260119230801   NHK‘100分de名著’より

Img_20260119230901   NHK‘100分de名著’より

Img_0001_20260119230801

 2015年 早川書房(英語版は1949年)

Img_0002_20260119230801   

2010年 早川書房(英語版は1988年)

美術とのつきあいが長く続いているおかげで、日本をふくめて世界各地にあ
る神話やキリスト教や仏教の世界観にふれる機会が増え、神々と人々によっ
てくりひろげられる物語の数々を十分に楽しんでいる。また、こうした図像
は文字情報として入ってくる書籍の理解を促進させる働きもしてくれる。

書籍と美術の相乗効果を感じると神話や宗教関連の分厚い本へ挑戦するエネルギーが湧いてくる。たとえば、ジョーゼフ・キャンベル(1904~1987)の‘千の顔をもつ英雄’(1949年)もそのひとつ。きっかけは2024年に放送されたNHKの‘100分de名著’。この番組の一番の収穫が神話に登場する英雄に共通するパターンをみつけてつくられたモデル、英雄の旅の基本構造‘行きて帰りし物語’。

その構造は3つの階段に分けられる。(A)出立・旅立ち(セパレーション)→(B)通過儀礼の試練(イニシエーション)→(C)帰還(リターン) 大ヒットしたアメリカ映画の‘スター・ウォーズ’(1977年)は監督のジョージ・ルーカスがこのモデルによって製作した現代の神話。

ほかにも未来のブッダ ゴータマ・シッダールタの伝説や古事記のイザナミ・イザナギ物語もこのモデルによってきれいに読み解かれる。2年前神話の里宮崎へ旅行し、黄泉の国へと降りていき亡きイザナミを取り戻そうとしたイザナギが‘自分の姿をみないで!’と言われた約束を守らなかったため、腐敗し変わり果てたイザナミに追っかけられるという話をインプットした。その話がキャンベルの考えだしたモデルで説明できるというのだから、強く反応する。この構造を使って自分の小さな物語をつくってみたくなった。

| | コメント (0)

2026.01.15

フェルメール関連の愛蔵書、図録!

Img_0001_20260115222401   ‘もっと知りたいシリーズ‘ 2007年 東京美術

Img_0002_20260115222401   ‘NHK books’ 1999年 日本放送出版協会

Img_0003_20260115222401   2000年4月4日~7月2日 大阪市立美術館

Img_20260115222401   2008年8月2日~12月14日 東京都美術館

美術鑑賞が趣味になると美術本に関する情報の入手にも手がぬけない。お気
に入りの画家の物語や作品が生まれた背景などを、専門家のレベルほどでな
くても興味をかきたてるエピソードとして仕入れておくと、画家とのつきあ
いを楽しくするのに大いに役立つ。たとえば、フェルメール(1632~
1675)の関しても、手にとるだけで気持ちが弾む本がある。

わが家のフェルメールバイブル本は美術史家の小林賴子さんが書かれた2冊。
東京美術の‘もっと知りたいシリーズ’の‘フェルメール 生涯と作品’
(2007年)と最初に手に入れたNHK booksの‘フェルメールの世界 17
世紀オランダ風俗画家の軌跡’(1999年)。フェルメールの人気がぐんぐ
ん上がっていたとき、小林先生はNHKの日曜美術館によく出演されていたか
ら、‘フェルメールの世界’を何度も読んだ。

そして、東京美術のすぐれものシリーズに名を連ねているフェルメールもよ
く頁をめくっている。この本がすばらしいのは作品の解説のほかに当時のオ
ランダの文化・社会状況についても情報を十分にとりこんでいること。たと
えば、手紙、カメラ・オブスキュラ、楽器の話。作品の図版の見せ方、編集
やレイアウトのセンスの良さにいつも感心しながら楽しんでいる。

フェルメール展の図録では‘真珠の耳飾りの少女’など5点が展示された
2000年(大阪市美)と‘絵画芸術’を含め8点やって来た2008年(東京
都美)に製作されたものがお宝中のお宝。また、図録と同じサイズの2000
年にゲットした‘週刊美術館 フェルメール’(小学館ウイークリーブック)も
あわせてながめている。

| | コメント (0)

2025.12.27

シーナ・アイエンガー ‘THINK BIGGER’!

Img_0001_20251227231801

Img_0002_20251227231801

Img_20251227231801   サージェントの‘マダムXの肖像’(1884年 メトロポリタン美)

今年何かの拍子に情報にぶちあたり手に入れた本がいくつ
かある。
☆ユヴァル・ノア・ハラリ ‘NEXUS 情報の人類史’(河出書房新社)
☆シーナ・アイエンガー ‘THINK BIGGER’(ニューズピックス)
☆ダニエル・C・デネット ‘自由は進化する’(ちくま学芸文庫)
☆ピーター・W・アトキンス ‘エントロピーと秩序’(ちくま学芸文庫)
☆チェンニーノ・チェンニーニ ‘絵画術の書’(岩波文庫)
☆栃木孝惟校注 ‘保元物語’(岩波文庫)
☆一坂太郎 編・訳 ‘遊清五録 高杉晋作’ (講談社学術文庫)

このなかでこんな本にこんな絵が登場するの?と興味を掻き立てられたのが、前著の‘選択の科学’でお世話になったシーナ・アイエンガーナさんの‘THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法’。コロンビア大学ビジネススクールの先生である彼女の新作をずっと待っていたが、なかなか出版されなかった。で、注意が薄くなっていたが、2023年に書かれたものがその年の11月に翻訳されてニューズピックスというところから発売されていた。13年ぶりに出版されたというのに、迂闊にもその情報にNOタッチだった。だから、今年でたほかの本のなかに滑り込んでくれたのを運が良かったと喜んでいる。

この本は新しい選択肢を生み出す手法を説明するもので、‘THINK BIGGER’はもっと大きく考える、大胆に発想するという意味。ビジネススクールの講義がもとになっているので、わかりやすく、具体例がたくさんでてくる。新しいアイデアでビジネスに成功するのにヒントとなる本だから、刺激的なフレーズがふんだんにでてくる。たとえば、‘ブレインストーミングからは最高なアイデアは生まれない、と誰もが気づいている’。

全盲のインド人なのに心の目で芸術を楽しんでおり、1章でピカソやマティス、セザンヌの絵についてその創造の源が語られる。そして、5章‘ステップ3 望みを比較する’ではさらにつっこんだ絵画分析が行われる。その絵がボストン生まれのサージェントの‘マダムXの肖像’。これはメトロポリタンが所蔵するお宝絵画で、サージェントははじめモデル夫人の肩紐を滑り落して描いていたが、それが非難されたので描き直している。この有名な話がベストセラーのビジネス本にとりあげられるとは。感心しながら読んでいた。

| | コメント (0)

2025.12.21

今年のベストブック!

Img_20251221224801   

(2025年5月15日発行 1560円+税)

Img_0001_20251221224801

Img_0002_20251221224801

Img_0003_20251221224801   (2025年7月25日発行 4500円+税)

Img_0004_20251221224801

Img_0005_20251221224801

本を読むのは三度の食事をとるのと同じで毎日のことだから、最新刊の情報
には注意を払っている。その情報源は家にいるときは新聞に載った広告。
でも、毎週チェックするほどではない。なとなく情報が入っている感じ。
そして、美術館めぐりで外出したときは、時間に余裕があれば馴染みの本屋
に寄ることにしている。いつも決まっていて東京駅の前の丸善。

今年はブックオフや神田の古本屋で購入した本がなく、すべて書店で手に入
れたもの。全部で50冊くらい。そのなかで求めていたものが目の前に現れ
たという不思議な縁となったのが岩波書店から5月に発行された‘百人一首’。
今、和歌への関心が高まっているので、すぐレジに行った。例にとった頁は
とくに好きな持統天皇と安倍仲麿の有名な歌。こういう風に歌に訳、解釈が
ついているもの(コンパクトな形で)が欲しかったから、これからは座右の
書になりそう。

もう一冊いい本が手に入った。今年の7月に早川書房からでたリチャード・
ドーキンスの最新作 ‘遺伝子は不滅である’(2024年)。帯には‘タイムズ
紙、ガーディアン紙、エコノミスト誌、フィナンシャルタイムズ紙 年間
ベストブック4冠’のキャッチコピーがおどり、‘「利己的な遺伝子」から半世
紀、ドーキンスの到達点。’と記されている。

381頁の普通の大きさの本なのに値段が4500円+税と高いのは、使わ
れている生き物の写真が豪華なフルカラーで、まるで大きくて分厚い生き物
図鑑のように仕上がっているから。とてもおもしろい写真が載っている。
パッと見ると別の生き物の怖い顔を連想させるものとして、ハゲワシとタコ
が最初の図版の下の左と右に登場する。こんな写真はみたことがないから、
一気にテンションが上がった。関心のある方にお薦めしたい。ドーキンスは
文章が上手いから、隣の方も夢中になって読んでいる。

| | コメント (0)

2025.12.08

大河ドラマ‘べらぼう’をアシストしてくれた関連本!

Img_20251208225601

Img_0001_20251208225601

Img_0002_20251208225601

Img_0003_20251208225601

昨日放送されたNHK大河ドラマ‘べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~’47話は、
ありゃァー!そうくるか!?だった。阿波蜂須賀家お抱えの能役者、斎藤十
郎兵衛(今はこの人物が写楽だったという説が定着している)が数々の悪事
で最後は成敗された一橋治済(はるさだ)の影武者として生きる話にすると
は。参りました!脚本家の森下佳子さんは天才的なストーリーテラーである。

この番組を毎週欠かさずみて、大きな収穫だったのはこれまで書物で情報を
入れていた狂歌のことが映像を通して立体的になり、黄表紙作家の朋誠堂喜
三二や恋川春町のキャラクターがイメージできるようになったこと(いい役
者が演じたことが大きい)。そして、蔦重が活躍した時代の空気や江戸っ子
の生活、娯楽がどんな風だったかもいろいろわかってきた。

こうした情報をさらに増やしてくれた手ごろな値段で発売された蔦重関連雑
誌。ごっそり買い込んだ。
☆‘べらぼう 蔦重とその時代’    (2025年1月 宝島社 1210円)
☆‘蔦重と江戸の文化を彩った天才たち’(2024年12月 メディアソフト 1210円)
☆‘蔦重と江戸文化’       (2024年12月 コスミック出版 1210円)
☆‘江戸の暮らしと仕事’       (2025年2月 宝島社 1650円)

これらの本から入る情報は貴重である。江戸のことをさらに深く知るのに欠
かせない情報源になりそう。

| | コメント (0)

2025.12.07

和歌への関心が上昇!

Img_20251207224101

Img_0003_20251207224101

Img_0001_20251207224201

Img_0002_20251207224201

本を読む習慣は長く続いているが、家の中が本によって占領されていること
はない。購入した本でもそれほどのめり込まなかったものはどんどん処分し
ているので、書庫には時間があれば何度でもページをめくりたいものだけが
並んでいる。そのなかで今年は和歌関連の本がいくつか加わった。

以前ビデオ収録したものがようやく順番がくるのはいつものことだが、今年
は2023年11月にNHKEテレで放送された‘100分de名著 古今和歌集’
が状況を変えてくれた。指南役の先生、渡辺泰明氏(国文学研究資料館館長)
の話がとてもおもしろく、和歌を集中的にやってみるかという気になった。
4回の講義が終わったあと手に入れたのが‘和歌とは何か’(2009年 
岩波新書)

小さい頃、家族で百人一首カルタを楽しみ、父親が歌を読みだすとすぐ手で
払った得意の歌を今でもしっかり記憶しているので、和歌の良さを感じる
瞬間が蘇ってきた。でも、和歌がどうやって生まれたか、歌人が思いを込めた
歌の意味、そしてレトリックなどのテクニックについての知識はゼロに等しい。
だから、この本はすごく新鮮で、番組で学んだことと併せて和歌の情報がぐん
と増えた。

そして、大きなオマケもあった。ゲスト解説者として登場した作家の髙樹のぶ
子さんの書いた‘小説小野小町 百夜’(2023年 日本経済新聞出版)を知
り、あの伝説の美女小野小町に最接近することになった。芥川賞を受賞された
この人気作家には同じ番組で‘伊勢物語’(2020年)を詳しく教えてもらい、
‘小説伊勢物語 業平’(2020年 日経経済新聞出版)でもお世話になった
から、和歌への興味が一段とますことに。
来年中にお気に入りの和歌を100首そらんじることを目標にしており、
古事記、万葉集、古今和歌集、新古今和歌集などからセレクションしている。

| | コメント (0)

2025.12.02

ゴンブリッジの‘美術の物語’(ポケット版)!

Img_20251202224601

Img_0001_20251202224601

Img_0002_20251202224701

東博の‘運慶展’と三井記念美の‘円山応挙展’をみた先月19日はJR東京駅近く
の丸善へ寄って、探していた本を2冊手に入れた。時間に余裕があったので、
店内をぶらぶらしていると有名な美術史家のゴンブリッジ(1909~
2001)が書いた大ベストセラー‘美術の物語’(1950年)のポケット版
(税込5489円)がどどっと並べてあった。

美術に興味がある仲間に情報として提供しようと思い、すぐスマホで写真に
撮った。以前ならメモをとるところが今はスマホをみせれば話がはやくすむ。
便利な時代を生きている。この本は2007年、ファイドンから発行され
たものを7000円で購入した。索引までいれると688頁もあるので手に
とるとどっしり重い。以来、その重さを感じながら愛読し続けている。

2019年に出版元が河出書房新社になり大型改訂版が発売された。それか
ら6年経ち、ポケット版がでてきた。これなら、重さをあまり感じなくて済
みそう。本のチラシには‘待望の3刷出来! 前回の入荷即完売! 是非お早
めにお求め下さい。’と赤書き。関心のある方は書店に急いだほうがいいかも
しれない。

ゴンブリッジはウィーン生まれのオーストリア系ユダヤ人。ウィーン大学で
学んだあと1936年にイギリスに渡り、研究活動の大半をイギリスで行っ
た。本籍オーストリア、現住所イギリスの高名な美術史家である。25歳の
とき妹の少女イルゼにささげられた‘若い読者のための世界史’(1935年
 中央公論美術出版2004年)と同じく、‘美術の物語’は若い読者を想定し
て書かれている。

でも、‘はじめに’でゴンブリッジは‘若者向けの本だからといって、大人向け
のものと書き方を変える必要など全くない。若者こそもっとも厳しい批評家
であって、えらそうな言い回しをしたり、わざとらしく感心してみせたりす
れば、たちまちソッポを向かれてしまう’と述べている。
この本を何度も読みたくなるのは、ズバリ文章が上手いから。とてもわかり
易いので、すいすいと読み進んでしまう。頭脳明晰の大家が美術の物語を
古代文明の頃からジャクソン・ポロックの現代アートまでしてくれる。
すばらしい本である。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

Anytime アート・パラダイス! やまと絵 アメリカ絵画 アートに乾杯! アール・デコ アール・ヌーヴォー イギリス絵画 ウィーン世紀末 エコール・ド・パリ オペラ オリンピック キュビスム ギリシャ・ローマ史 クラシック音楽 サッカー シュルレアリスム ジャズ スペイン絵画 スポーツ ズームアップ 名画の響き合い! ダダ テニス ナビ派 ニュース バルビゾン派 バロック ファッション フォーヴィスム マニエリスム マラソン ミュージカル ミューズにとどけ追っかけ絵画! ミューズに願いを! ラファエロ前派 ルネサンス ロココ絵画 ロマン派 中国絵画 仏画 個人コレクション 夢の傑作選! 円山四条派 写実派 北方絵画 印象派 古代遺跡 夢の‘日本美術里帰り展’! 夢の展覧会 奇想派 学問・資格 工芸 建築 抽象絵画 文人画 文化・芸術 新古典派 旅行・地域 日本の歌 日本の歴史 日本の洋画 日本の美術館 日本の美! 日本・中国の故事、歴史から生まれた傑作アート! 日本映画 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 書籍・雑誌 未来派 東洋・日本彫刻 民画 水墨画 洋風画 浮世絵 海外の美術館 海外の音楽 海外映画 満足のキメ手はリファレンス作品! 狩野派 現代アート 琳派 癒しのアートにつつまれて! 相撲 素朴派 絵巻 美術で‘最高の瞬間’! 美術に魅せられて! 美術館に乾杯! 聖書から生まれた傑作アート! 芸能・アイドル 行動経済学 街角ウォッチング 表現主義 西洋彫刻 西洋画・日本画比較シリーズ 象徴派 近代日本画(古典・歴史画) 近代日本画(女性画) 近代日本画(花鳥画) 近代日本画(風景画) 近代日本美術の煌き! 近代西洋絵画 追っかけラストピース! 野球 陶磁器 音楽が誘う絵画の世界! 風俗画 食べ物