2017.06.29

おもしろい生物本 ‘働かないアリに意義がある’!

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ここ数年、TVの科学番組をみることが大きな楽しみになっている。とくに熱心なのは次の4つ。

★‘サイエンスゼロ’ NHKEテレ 日曜 夜11:30~12:00
★‘コズミックフロントNEXT’ BSプレミアム 木曜 夜10:00~11:00
★‘モーガンフリーマン 時空を超えて’ Eテレ 木曜 夜10:00~10:45
★‘体感!グレートネイチャー’ BSプレミアム 毎月1回 土曜 夜8:00~9:30

‘サイエンスゼロ’は司会者の竹内薫氏が最新の話題をゲストをまじえてわかりやすく解説してくれるので時間は30分と短いが理解がぐんと進み関心の度合いも増していく。昨年末、恒例の公開番組が2本あり、その一つの‘ダーウィンの進化論に異議あり!?’が大変興味深かった。

講義をした先生は進化生物学者の長谷川英佑氏(北海道大学準教授)、話のベースになっているのはかなり売れているという著作本‘働かないアリに意義がある’(2010年 メデイアファクトリー新書)、意表を突くテーマなのでこの本のことが気になっていた。

購入がのびのびになっていたが2週間前に行きつけの本屋で注文し手に入れた。2,3年前の本かと思っていたら2010年に出版されていた。今は文庫本もでている。とてもわかりやすい論述、これなら売れるはずだと即納得、おかげでこの働かないアリが存在するというコロニーのシステムはダーウィンの唱えた‘自然選択説’による進化とは別の進化の形であることがよく理解できた。興味のある方は是非書店へ!

1章と2章の終わりにポイントがまとめられている。ご参考までに、
1章 7割のアリは休んでいる
 ・7割ほどのアリは巣の中で何もしていない
 ・生まれてから死ぬまでほとんど働かないアリもいる
 ・卵の世話など、巣にはほんの短時間でも途切れてはならない作業がある
 ・ハチもアリも若いうちは内勤で、老いると外回りの仕事に就く傾向がある
 ・一つの仕事を続けたアリでも、熟練して効率があがるわけではない
 ・大きな組織に所属するアリは体のつくりが雑
 ・道を間違えるアリが交ざっている方が、エサを効率よくとれる場合がある
 ・兵隊アリは喧嘩になると逃げる

2章 働かないアリはなぜ存在するのか?
 ・ハチやアリには刺激に対する反応の違い(反応閾値)という‘個性’がある
 ・個性があるから仕事の総体がまんべんなく回り、コロニーに有利
 ・仕事が増えると働かないアリも働くようになる(重い腰をあげる)
 ・働かないアリは鈍い、むしろ‘働けないアリ’である
 ・疲労という宿命があると、腰の軽い働くアリばかりいる効率的なシステム
  より働かないアリのいる非効率的なシステムのほうが長期間存続できる

アリの個性が何のために存在するのか、学者たちがたどりついた‘反応閾値モデル’に大きな刺激をもらった。一気に嵌ったので長谷川氏のほかの本をOAZO丸善で調べてもらい、2015年に出版された‘面白くて眠れなくなる進化論’(PHP)も手に入れた。これもよく書けている。

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2016.12.28

サイコパス度の高い人は観察が鋭い!

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Img_0001    NHKEテレ‘心と脳の白熱教室’(2015年8月)より

Img   赤いハンカチを隠し持った人物が学生の前を歩く

昨年あたりから関心の度合いを高めているのが脳科学、‘求めよ、さらば与えられん’ではないがTVの科学番組をみたり、関連本を読むことによって脳の構造、働きなどがだんだんわかってきた。

昨年8月、NHKEテレで放送された‘心と脳の白熱教室’(4回)を大変興味深くみた。講師はオックスフォード大のエレーヌ・フォックス教授とこの先生の人生のパートナーであるケヴィン・ダットン博士。フォックスさんは‘楽観脳と悲観脳’について講義し、オマケでダットンさんが‘サイコパス(精神病質者)’の話をしてくれた。

メインディッシュの楽観脳と悲観脳ではこれにかかわってくる扁桃体や側坐核、前頭連合野のはたらき、さらにロンドンのタクシー運転手が市内の走行ルートを徹底的に覚えることによって脳のなかの海馬を増大させていること、など新しい知識がどっと入ってきた。そして、フォックスさんの本‘脳科学は人格を変えられるか?’(文芸春秋 2014年7月)がちょうどいいタイムングで手に入ったので情報が厚くなり整理された。

オマケのサイコパスの話もなかなか刺激的だった。紹介された実験が興味をかきたてる。30人の学生をサイコパス的な人格、例えば恐怖心の欠如、感情的冷淡さなどをもっている度合いの高いグループとそうでないグループに分ける。そして、両グループの前を5人の人たちを歩かせ、そのうち赤いハンカチを隠し持つ人物を言いあてさせる。この実験はサイコパスの観察能力の高さを試すのが目的。

結果はどうだったか、サイコパス度の高い学生のグループでは70%の人が赤いハンカチを隠している人を当てた。これに対してサイコパス度の低かった学生は30%しか当てられなかった。ハンカチを隠している人物がみせるちょっとした心の揺れやしぐさの変化をサイコパス的な人格をもつ人は敏感に読みとるのである。こういう人は税関の仕事にすぐつけそう。

ダットン博士によるとサイコパス度が高い職業は、
1 企業の最高経営責任者
2 弁護士
3 テレビ&ラジオ関係
4 セールス
5 外科医
6 ジャーナリスト
7 警察官
8 聖職者 
9 シェフ
10  会計士

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2016.12.27

日本人をネタにしたエスニックジョーク!

Img     映画‘タイタニック’(1997年)

わが家の一年の振り返りは美術館巡りのことだけでなく、感動した観光地やおもしろかった本、楽しかった音楽や映画やTV番組、美味しかった食べ物などいろんなことを思い出して、気持ちをリフレッシュしたり、これを刺激材料にして持ち前の好奇心に火をつけたりしている。

昨日紹介した友野教授(明治大学)の本‘感情と勘定の経済学’はアリエリーさんの著作のようなスタイルをとっており、人々が日常生活のなかで思わずとってしまう行動や感情の変化の理由を切れ味鋭く分析している。

‘同調性’がキーワードになっている5章に日本人ならすぐ納得できるおもしろいエスニックジョークがでてくる。この話は以前TVで誰かがしゃべっているのを聞いたことがあるので、ご存知の方もいるかもしれない。

豪華客船が事故に遭い、沈没しそうになる。救命ボートは少なく、とにかく乗客を海に飛び込ませなければ、船と一緒に沈んでしまう。それぞれの国ごとにどのように言えば飛び込ませることができるか。

アメリカ人には‘いま飛び込めばヒーローになれますよ’。
イタリア人には‘美女も一緒に飛び込みますよ’。
ドイツ人には‘飛び込めと規則に書かれています’。
さて、日本人にはどういうか、すぐ納得するせりふが用意されている。
‘ほかのみんなも飛び込んでいますよ’。

じつによくできたジョーク、それぞれの国民性をよく表している。一体誰がつくったのだろうか。ステレオタイプすぎるとらえかたと思う人もいるだろうが、日本人の多くは土壇場でこういう風にいわれるとすぐ飛び込むのにちがいない。日本は十人十色の国ではなくて‘十人一色’の国。群れることが大好きなのだから、みんなで手をつないで飛び込むことになりそう。

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2016.12.26

今年刊行された‘行動経済学’の本!

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美術館巡りの数が少ないとき、必ず寄ることにしているのがJR東京駅前の‘OAZO’ビルにある丸善、年間に購入する本の6割くらいはここで買っている。ほかは八重洲ブックセンター、横浜そごうにはいっている紀伊国屋、そして散歩の途中に入る本屋さん。

今年刊行された‘行動経済学’を3冊読んだ。2014年4月に放送されたNHKEテレの白熱教室‘お金と感情と意思決定’に登場したダン・アリエリー教授(デューク大学)の‘人生相談室’はウォールストリート・ジャーナルに連載したコラムがもとになっており、人々が寄せた質問に教授が行動経済学や心理学の観点から明快に答えている。

アメリカ人が悩んだり思っていることも日本人とそう変わりないなという話もあれば、彼らはそんな発想をするのかと驚くことも多くある。日本人はこの話に納得するか知りたくなることがあったのでひとつ紹介したい。

教授が質問者へ回答しているのは‘無為への嫌悪’という現象、これは効率性と待ち時間にまつわるとてもおもしろい話。

ある航空会社は乗客の到着ゲートと手荷物用ターンテーブルの距離に着目し、飛行機の到着ゲートに一番近いターンテーブルに手荷物が出てくるようにした。以前は旅行客は飛行機から降りて長い距離を歩き、ターンテーブルに着くとすでに荷物が待っていることもあった。

新システム導入後は到着ゲートにずっと近いターンテーブルに荷物が届くようになり、乗客は少しだけ歩いてターンテーブルまで行って荷物が出てくるのをしばらく待つようになった。ところが新システムは大不評だった。なぜなら、彼らはその場に立ったまま荷物を待たなくてはならなくなったからだ。手持ちぶたさの状態はあまりにも苦痛だと、乗客から苦情が殺到したため。航空会社は効率的なアルゴリズム(最適手順)を放棄したという。

飛行機を降りて手荷物をとるときターンテーブルが近いところにあるほうが歩かなくてすみ楽でいいと思うのだが、アメリカ人はずっと何もしないで待っているのが嫌らしい。ほかの日本人はどっちがいいと思うだろうか。

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2016.12.25

‘セレンディピティ’=思わぬ幸運に偶然出会う能力!

Img_0001    茂木健一郎著‘ひらめき脳’(新潮新書 2006年)

今年の7/15、脳科学者の茂木健一郎の本‘ひらめき脳’の冒頭にでてくる‘アハ!ピクチャー’のことをとりあげた。この本の最終章に興味深い話があり、これが心にぐさっときたので少しふれてみたい。

章のタイトルは‘ひらめきとセレンディピティ’、この‘セレンディピティ’とは‘思わぬ幸運に偶然出会う能力’のことで、またそのような偶然による幸運との出会いそのものもそう呼んでいる。これまでまったく知らなかった言葉だが、英語圏では現在一般的な用語になっているという。

この話を聞いてすぐ今年わが身におきた美術館巡りの幸運さを思い起こした。五月末から6月初旬にかけてスペイン旅行をしプラドで大きな話題となったボス展をみただけでなく会期の最終盤に入っていた‘ラ・トゥール展’も楽しむことができた。まさに盆と正月が一緒にやって来たような嬉しさ、そして、プラドの次に足を運んだティッセン・ボルネミッサではなんとワイエスの回顧展に出くわした。幸運がこんなに続いていいのか、と思うほどの運の良さ。

海外の美術館をまわっていてサプライズの展覧会に出会うことがときどきある。例えば、2008年はじめて訪れたシカゴ美では事前の情報がまったくなかった‘ホッパー展’に遭遇し、仰天した。そして、NYに移動するとメトロポリタンではビッグな‘プッサン展’をやっていた。こういうときはたぶん‘セレンディピティ’が高くなっているのだろう。

茂木さんは‘セレンディピティ’という偶然の力を起こすための条件を6つあげている。行動、気づき、観察、受容、理解、そして実現。このなかで最も大事なのが行動。茂木さんはこういっている。‘まずは行動を起こさないとセレンディピティを得ることはできない。行動を起こしてこそチャンスがある。その際の目的は何でもいい、とりあえずは身体を動かして、何かやってみることが重要’。

日頃から美術を愛し‘いい絵に会いたい!’という思いを募らし行動していると、諺の‘犬も歩けば棒に当たる’ではないが思わぬ幸運がやってく来るのかもしれない。

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2016.07.15

アハ!ピクチャーの楽しみ!

Img  (1) 何が描かれている? (5分間で正解した人の割合は70%)

Img_0001     (2)  ? (正解率12%)

Img_0002     (3)  ? (正解率9%)

Img_0003(4)?(最難問) 茂木健一郎著‘ひらめき脳’(2006年新潮新書)より

いい本を手に入れるのは名画をみるのと同じくらい日々の生活の中で大きな関心事になっている。だから、新聞に載る新書の書評や本の宣伝は熱心にみている。

以前は定期的に大きな書店へ出かけ店内に長くいることが多かったが、今は散歩の途中に中規模の本屋にぶらっと寄るくらい。これは本の数を抑える工夫。頻繁にいくと手にとったものをつい買ってしまう、このところ購入欲が増しているのが‘Newton 別冊’、何冊も揃えたい気持ちがこれによってなんとかなだめられている。本好きの人は同じような悩みをもっているにちがいない。

大まかな読書計画はあるが、TVでみた美術番組やサイエンスものの整理があるので思い通りに時間がさけない。だから、過去に買い込んだ本が一斉にこちらをむいていることはない。関心のあるテーマにのめりこんだとき関連の本が動き出す。まるで‘今が僕とつきあう絶好のタイミングだよ!’と語りかけているよう。

最近、脳や認知心理学の知識を得るため多くの時間を費やしている。で、10年前に買った茂木健一郎さんの‘ひらめき脳’を一気に読んだ。‘アハ!体験’のことが大体わかった。本の冒頭にでてくる話がおもしろかったので紹介したい。

ご存知の方も多いだろうが、図に何が描かれているかをあてるもの、わかるといい気持になる、これが‘アハ!体験’ 4問あるが、てこずったのが(3)、解答をみてもとらえられずもやもやしていたが3日目にやっとわかった。逆に、最難問の(4)は意外にすぐわかった。

ちなみに茂木さんは(1)を半日くらい何だろうと考えて、昼食にカレーを食べながらみているときに‘あっ、そうか!と突然わかったとのこと。さて、皆さんは‘あっ、そうか!’がいつ来るだろうか? 解答は明日の拙ブログの最後で。

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2016.03.22

カラヴァッジョ関連本!

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先週、ホームドクター(女医)のところへ行ったときカラヴァッジョ展(3/1~6/12)のことで話が弾んだ。なんでも展覧会をみた先生の女性の友人は大変感激したらしく、これまでみていたフェルメールよりカラヴァッジョのほうがよかったともいっていたそうだ。カラヴァッジョ展が美術ファンの間でだんだん話題になっているようだ。

ビッグな展覧会が開催されるときはそれと連動して講演会が開かれたり関連する本が出版される。カラヴァッジョ展に関しても例外ではない。カラヴァッジョ好きの方はもう手に入れられていると思うが、‘芸術新潮’の3月号はカラヴァッジョを特集しており、その最後の頁に‘カラヴァッジョ伝記集’(平凡社ライブラリー 石鍋真澄編訳)が3/10に刊行されることが案内されている。

‘芸術新潮’にはすごく役立つ情報が載っている。ローマの聖堂や美術館にあるカラヴァッジョの作品がどんな風に飾られたり展示されているのかが写真入りで紹介されている。これからローマでカラヴァッジョめぐりを計画されている方は手に入れておくと重宝するにちがいない。

‘カラヴァッジョ伝記集’は久しぶりに買ったカラヴァッジョ本。頁数もあまりなく集中すれば一日で読め、当時美術史家たちがカラヴァッジョ物語をどのように語っていたかざっと頭に入る。西洋美でカラヴァッジョ作品とじっくり向き合い、脳が本気になったら続けてこの本を一気に読むとカラヴァッジョの神髄にぐっと近づけるかもしれない。

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2015.08.02

心の大半がむかっている科学雑誌‘NEWTON’!

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今年に入ってから宇宙のことや生命の進化など科学に対する興味がどんどん膨らんでいるが、そのきっかけとなったのはTV番組‘コズミックフロント’(BSプレミアム)と‘生命大躍進’(NHK総合)、そして科学雑誌‘NEWTON’。

今日、ついでに寄った本屋でわくわくする本に出会った。それは出版されたばかりのニュートン別冊シリーズ、‘光と色のサイエンス’(2015年8月15日発行 ニュートンプレス、¥2593)。この別冊、手にとってみてすぐ今年3月号の‘色と光の科学’の拡大版であることに気づいた。

3月号で色や光についての理解がぐっと進んだが、この別冊では話題をさらに広げもっと深く知りたいことやサイエンスの最先端をいく話などが沢山盛り込まれている。そのなかには美術好きを楽しませてくれるものも含まれている。

例えば、柿右衛門の赤はなぜ鮮やかなのか、また屏風に描かれた絵の色の解析に使われる‘蛍光X線分析’や‘X線回折法’は超ミクロの原子の模型からみるとどういうことを明らかにするのか、こうしたことは情報としてはインプットされているが、粒子や原子の世界まで突っこんだ説明は聞いたことがない。だから、小さなサイエンス脳でも敏感に反応する。

そしてこの本では光の自然現象、青い空の秘密、虹やオーロラのしくみなども画像やモデル図を使ってわかりやすく解説してくれる。しばらくほかのことには心がむかわなくなりそう。

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2015.07.19

カズオ・イシグロの文学白熱教室!

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Img_0001     映画‘日の名残り’(1993年)

10日(金)に放送されたEテレの‘文学白熱教室’で講師を務めたのは作家
カズオ・イシグロ、この作家の名前は以前ビデオでみた映画‘日の名残り’(1993年)でインプットされていたが、どんな風貌の人でどうしてカタカナの日本人になっているのかについてはまったく情報が入ってなかった。勝手にイメージしていたのは細身で女性的な作家。

実際の印象は大ハズレ、長崎県人のもっている優しいイメージとちがい、ちょっと薩摩隼人を連想させる意志の強そうな人だった。番組のおかげで作家の年齢やこれまで書いた作品のことがひととおりわかった。1955年生まれで今年60歳、生まれたのは長崎市(たぶん)、5歳まで長崎で育ち、そのあと両親、一人の姉とともにイギリスに移住。また日本に帰ると本人は思っていたようだが、再度日本の地を踏むことなくイギリス人になった。

カズオ・イシグロの本をこれまで読んだことがない。だからどんなスタイルの小説なのか想像しようがない。ただ、世界的にその名が知られるようになった‘日の名残り’は映画で観たので、名優アンソニー・ホプキンスが演じた執事の物語であることは強く心に刻まれている。イシグロは多作の作家ではないらしく、今年3月10年ぶりに出版された長編小説が欧米で話題になっている。本のタイトルは‘忘れられた巨人’、日本でも早川書房から翻訳本がでている。

この日本語版の発売に合わせて本人が来日したので、番組のスタッフがすばやく動き白熱教室に引っ張り出したのだろう。このところ白熱教室は充実した内容を連発しているが、プロデューサーは相当優秀な人物にちがいない。

イシグロが語ってくれた小説論はとても刺激的だった。新作の‘忘れられた巨人’を読んでみようと思う。

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2015.06.05

100分de名著 ソポクレス ‘オイディプス王’

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Img モローの‘オイディプスとスフィンクス’(1864年 メトロポリタン美)

Img_0001   アングルの‘オイディプスとスフィンクス’(1808年 ルーヴル美)

Img_0002 アングルの‘オイディプスとスフィンクス’(1864年 ウオルターズギャラリー)

Eテレの‘100分de名著’(水曜 よる10:00~10:25)はお気に入りの番組、新しい本が紹介されるたびにみているというわけではないが、関心のある本のときは一度読んだことがあっても時間がくると自然にチャンネルを合わせている。

昨日からはじまったのがソポクレスの‘オイディプス王’、話をしてくるのは美術通として知られる作家の島田雅彦、島田は若いころから日曜美術館など美術番組によく出演し豊かな鑑識眼を披露してくれるので作家のなかでは五木寛之同様一目置いている人物。だから、この1ヵ月楽しめそう。今は法政大学教授の肩書きがついている。へえー、先生やってるんだという感じ。

西洋の絵画や彫刻などを楽しむようになってよかったなと思うことが二つある。それは信者でもないのにキリスト教のことがだいたいわかったこととギリシャ神話の世界がイメージができるようになったこと。美術本のなかにもキリスト教やギリシャ神話に関するものが数多く出版されている。例えば‘ふくろうの本’(河出書房新社)にはこんなのがある。

★‘図説 聖書物語 旧約篇’(2001年)
★‘図説 ギリシャ神話 神々の世界篇’(2001年)
★‘図説 ギリシャ神話 英雄たちの世界篇’(2002年)

もうひとつ愛読書がある。東京美術からでている千足伸行さんが監修した
★‘すぐわかる ギリシャ・ローマ神話の絵画’(2006年)

‘オイディプス王’の話が絵画化されたものとして最も有名なのがモロー(1826~1898)とアングル(1780~1867)の作品、モローの描いた‘オイディプスとスフィンクス’はMETの至宝のひとつといっていい傑作、みるたびにモローの偉大さを痛感する。

アングルは28歳のときスフィンクスがオイディプスに謎を投げかける場面を描いたが、亡くなる2年前84歳でもう一度描いている。このときはオイディプスは右向きに変わっている。この絵を所蔵するのはアメリカのボルチモアにあるウオルターズ・アート・ギャラリー、一度この美術館にでかけてみたい。

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