2015.07.27

番組の魅力が低下している日曜美術館!

Img クレーの‘グラス・ファサード’(1940年 パウル・クレー・センター)

Img_0001     画面の裏側に現れた絵

2年くらい前からNHKの名物美術番組‘日曜美術館’に対して魅力を感じなくなっているが、ここ1か月に放送された内容をみて、テレビ東京の‘美の巨人たち’に完全に追い抜かれたなと思った。

とくにひどかったのは昨日のクレー、じつは番組の後半にでてきた‘グラス・ファサード’の裏側に現れた少女の絵の話は2008年11月に放送された‘迷宮美術館’をそっくりそのまま使っている。こんなイージーなやり方で番組をつくるのだからここのスタッフの神経は相当いかれている。7年前の話をあたかも最近の研究成果のようにナレーションする厚かましさ。日曜美術館も質が落ちたものである。

そして、前の週の‘与謝蕪村 無限の想像力 西洋美術とあう?!’は最悪、ピント外れもはなはだしい。北川なにがしという美術家の本に惑わされてよくもこんなつまらない与謝蕪村ものがたりをつくってくれたな、という感じ。
与謝蕪村の俳句にマグリットやデュシャンの絵を横にならべてどこがおもしろいの?この番組のディレクターのセンスはBクラス。‘美の巨人たち’の優秀なスタッフには遠く及ばない。

そして前々から気になっているのが司会の井浦新の存在。はっきりいってこの人の司会はもういい。長すぎる。もっともおもしろくないのが井浦新の興味を満足させてやり知識を増やしてやるために番組をつくっているように思えること。今この時期に‘円山応挙の傑作10選’もないだろう。どこかで回顧展をやっている?井浦新の勉強のために番組の予算を使って大乗寺までみんなで取材旅行に出かけること自体がズレている。これまで応挙は何度もこの番組でとりあげられたしプラスαはありゃしない。井浦新は応挙の鯉の滝登りの絵をみたかったらプライベートで行けばいい。

江戸絵画が今人気があるといって公共放送で司会者の個人的な日本美術への関心を満たすために番組を制作されてはかなわない。大乗寺でも芦雪の傑作がある串本でも勝手に自分一人で行ってちょうだい。何度もこういうとってつけたようにビッグネームである応挙、芦雪、、蕪村、蕭白、若冲がとりあげられると興ざめる。今感覚のない番組は間延びする。早く司会者、デイレクターを別の人にしたほうがいい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2014.11.10

お楽しみTV美術番組!

Img_0001     11月からスタートしたBS朝日の‘アーツ&クラフツ商会’

Img

わが家ではTVで放送される美術番組をみることは日常生活における楽しみのひとつ、だから毎週定番の番組を熱心にみている。

地上波、BSともに美術番組は制作されている。これらの視聴率がどのくらいになっているのか数字的なイメージがまったくないが、例えば、日曜美術館とか美の巨人たちは何%くらいとっているのだろう。長年続いているのだから、多くのファンが毎週欠かさずみていることは間違いない。

美の巨人たちは最近、予算枠が増えたのか番組を進行させる人物に結構売れているお笑い芸人とか俳優が出てくるようになった。また、海外ロケでもいろんなところに出かける。先週あったシニャックでは南仏の港町サン=トロペがでてきた。

このようにパワーアップしている人気の美術番組がある一方で、消えていった番組もある。BS朝日の‘世界の名画’(金曜10時)、10月から放送されなくなった。若手俳優の要潤のナレーションが気に入っていたから、すごく残念。これで、楽しみにしていたBSの美術番組はすべて終了した。BS東京、BSTBS、そしてBS朝日。

11月からひとついい番組がはじまった。BS朝日の‘アーツ&クラフツ商会’(月曜日 夜11:00~11:30)、初回(11/3)の‘江戸切子’はなかなかおもしろく手仕事の魅力が存分に伝わってくる内容だった。今日は‘美濃和紙’

NHKの‘美の壺’と‘イッピン’にこの番組が加わるので工芸品の情報の束が太くなってきた。新番組に期待したい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014.01.28

お楽しみTV番組!

Img     BSプレミアム ‘イッピン’

Img_0001     テレビ朝日 ‘奇跡の地球物語’

わが家では世間一般の家庭と同じようにTVによって日々起こる出来事を知り、新しい情報を得ている。だから、多岐にわたる文化現象や美術についても関心のあるものの情報が増え理解が深まるのは質の高いTV番組のおかげといってもいいすぎではない。

今関心を寄せている番組は、
★日曜美術館    NHK 日曜 9:00~10:00
★美の巨人たち   TV東京 土曜 10:00~10:30
★世界の名画    BS朝日 金曜 9:00~10:00
★巨匠たちの輝き  BSTBS 水曜 10:00~11:00
★江戸のススメ   BSTBS 月曜 10:00~11:00
★イッピン    BSプレミアム 火曜 7:30~8:00
★奇跡の地球物語 テレビ朝日 日曜 6:30~7:00
★BBC地球伝説   BS朝日 火曜 7:00~9:00
★ららら♪      Eテレ 土曜 9:30~10:00

美術番組の定番となっている日曜美術館と美の巨人たちをみるのはライフワークみたいなものだが、日曜美術館をみるのは月の半分に減っている。最近はこの作家より今回顧展が開かれ人気の高いあの画家だろう、と思うことが多くなった。昨年は狩野山楽・山雪、今年はまだはじまったばかりだが、没後50年の板谷波山、波山をとりあげないなんてどうかしている。

時間は30分と短いが情報量が多くて内容が充実しているのがイッピンと奇跡の地球物語、どちらも毎週TVの前にいるわけではないが、興味のあるものだと目に力をいれてみている。イッピンは昨年いろいろなことを教えてもらった。そのひとつが先月放送された‘奈良の墨’、いい墨をつくる職人の技をしっかり目に焼きつけた。

テレビ朝日の奇跡の地球物語もよくできた番組。とくに印象深いのは‘鳴門鯛’と‘包丁づくり’、この番組はTVガイドにタイトルがのってないのでいつも日曜の朝新聞で内容をチェックし、関心のあるものだと番組のはじまりを楽しみにしている。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013.09.24

連ドラ‘半沢直樹’(最終回)視聴率42.2%!

Img

昨日は朝からずっと話題の連続ドラマ‘半沢直樹’(TBS日曜劇場)を楽しんでいた。毎回高い視聴率を獲得し大ヒットしたこのドラマ、8話まで見たのは1回だけ。それも宇梶剛士が演じるヤクザ風社長が愛人と別荘で過ごしている場面を少しみただけ。そして、日曜に注目の最終回が放送された。

多くの人たちが毎週みている番組なんてそうはない。で、最後の盛り上がりのところをみることにした。TBSは番組が大ヒットしたのでPRに余念がなく、昼間に8話までをコンパクトに編集したダイジェスト版を流してくれた。これでドラマのあらすじが頭に入った。このビデオをみたあと半沢直樹(堺雅人)と大和田常務(香川照之)の対決に決着がつく9話をじっくりみた。

このダイジェストに半沢直樹の決めセリフ‘やられたら、やりかえす。100倍返しだ’が何回でてきたことか!日本は十人十色の国ではなく‘十人一色の国’(拙ブログ05/1/17)だから、サラリーマンの多くがこのセリフにうなずいて、‘俺だってあの上司、あの取引先の担当者には倍返しだ、100倍返しだ!’なんて息巻いているかもしれない。

このドラマが直木賞作家の池井戸潤の原作をどのくらい忠実に反映しているかわからないが、脚本はすごくよくできている。人気がでるはず。流石、ドラマはTBSだけのことはある。そして、感心するのが役者の達者な演技。あたりは柔らかいが度胸のすわったスカッとする言葉をはく堺雅人、悪役の常務の香川も大役者。大企業の役員になる人間というのは当たり前のことだが、能力はとびぬけている。そして、わがまま。こんな役員の姿を香川は本当にうまく演じている。

銀行マンを主人公にした‘半沢直樹’がこれほどヒットしたのはこのドラマが典型的な勧善懲悪型の話だからだろう。TBSは人気抜群だった‘水戸黄門’も制作しており、勧善懲悪スタイルのドラマは得意中の得意。2つは同じストーリーの流れだが、‘半沢直樹’は明から暗、暗から明に切り替わっていく緊迫感がとても強い。これが展開の速いカットや人物の顔の表情などをリアルに映すカメラワーク、テンポのいい音楽などにより生み出されている。まるで劇画をみている感じ。

視聴率が42.2%とドラマ番組では4番目の高さになった‘半沢直樹’、最後の予想外の終わり方は続編があることを示唆している。半年後か1年後か?期待して待ちたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.08.26

ダーウィンが来た!‘大研究 昆虫王者 カブトムシ&クワガタ’

Img_0001                       カブトムシ

Img_0003                     立った姿勢で飛ぶカブトムシ     

Img_0002                    ノコギリクワガタ

Img     喜多川歌麿の‘画本虫撰 蓑虫 兜虫’(1788年)

日曜の夜7時半に放送されるNHKの動物番組‘ダーウィンが来た!’は毎週欠かさずみている。チャンネルの主導権を握っているのは隣の方。とにかく長年の動物番組ファンだから、目の輝きが違う。その影響で鳥でも哺乳類でも生き物の生態の話がだいぶインプットされてきた。

昨日とりあげられたのは昆虫の王者カブトムシとクワガタ。夏休み中の子どもたちには大人気の昆虫だから、この時期定番のように特集される。といっても、過去見たものは記憶にとどまってないから、また登場したかと思っても情報はとても新鮮。

おもしろかった映像は夜雑木林を飛ぶカブトムシ、立った姿勢で飛んでいる。カブトムシはこんな飛び方をしていたのか!小さい頃このような姿のカブトムシを目にしたかもしれないが、大昔のことだから見たという実感がまったくない。

一方クワガタ、ノコギリクワガタがでてきた。クワガタの場合、ギザギザの刃を連想させる鋭いものはツノとはいわず、大アゴと呼ぶらしい。口の一部が変化したのでそう呼ばれている。ツノとばかり思っていたが、そうだったのか!この大アゴを指でつついて遊んでいたりすると、がぶっとやられて血がでることがよくあった。何度も痛い目にあっているのにこれがやめられない。

近くに住んでいた友人に大きなクワガタを誇らしげに見せびらかすクワガタ採りの達人がいた。一度誘われて達人が秘密にしている雑木林へ一緒にでかけた。朝の五時半、スズメバチが飛び交ったりしてちょっと怖かったが、あとをついて憧れのクワガタとの遭遇を夢見た。果たして、達人がもっている自慢のクワガタとまではいかなかったが、そこそこカッコしいクワガタをゲットすることができた。遊びにもハイリスク、ハイリターンの法則は当てはまる。その日は一日中有頂天だった。

手元の美術本に喜多川歌麿が描いた狂歌絵本‘画本虫撰’の全図(上巻八図、下巻七図)が載っている。この下巻にカブトムシがでてくる。若冲のカブトムシより歌麿のほうが生き生き感があり、つい手をのばしたくなる。本物の狂歌絵本をいつかみてみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.30

連続テレビ小説「どんど晴れ」

1052NHKの朝の連続テレビ小説「どんど晴れ」が昨日終了した。

7月の中旬からすっかり嵌ってしまい、以後欠かさず観ていた。前回の「芋たこなんきん」もちょくちょくみていたが、毎日見るほどではなかったから、こうして熱心に観たのははじめてのこと。

きっかけは小田和正が歌う主題歌「ダイジョウブ」。耳ざわりのいいこの歌を聴きたくてチャンネルをまわしていたのに、そのうち物語自体にすっかり魅了されてしまい、最後は完全に嵌ってしまった。

で、観ているうちにこの番組の人気の秘密(20%を超える視聴率)がわかってきた。人気の中心はヒロインの浅倉夏美を演じる比嘉愛未(ひがまなみ)。これからすごく人気がでてくるのではないかと予感させるとてもきれいな新人女優で、結婚式の花嫁姿がまばゆいくらいに美しかった。

笑顔のすばらしいヒロインは岩手の民話にでてくる幸せを呼ぶ“座敷童(ざしきわらし)”であるという設定。“座敷童”は旧家に住むと信じられている家神。赤い顔をし、髪を垂らしている童女で番組のなかにときどきファンタジックに現れニコッと笑う。こういうダブルキャラクターが登場する場合、観ている者はストーリーの節目々にこの“座敷童”効果がでてきて、物事はいい方向にむかっていくことはだいたい予想できる。だから、物語への関心事は登場人物同士の衝突、感情のもつれ、思わぬ事態の出現といった観る者をハラハラさせたり、心配させたりする場面が一体どういう風に明るい局面に転換していくかにある。

観はじめたのは、物語の舞台である盛岡の老舗旅館“加賀美屋”で大女将(草笛光子)から跡継ぎに指名された夏美の婚約者、加賀美正樹が色々改革案を提案し、これを実行しようとして板長と衝突するあたりから。出演している役者は芸達者揃い。大女将、女将の宮本信子、南部鉄器職人の長門裕之、妻、正樹を捨てて加賀美屋を出て行った父親役の奥田瑛二、仲居頭のあき竹城、夏美の父親の大杉漣など。

古い番組だが、旅館物語として高い人気を誇った伊豆の熱川温泉旅館の女将が主役の“細腕繁盛記”とのちがいは、この番組では旅館業を生業とする者の心得である“おもてなしの心”が女将や若女将となった夏美の口から繰り返し出てくること。そして,加賀美屋独自のおもてなしの精神が“来る者 帰るがごとし”ー宿泊客が加賀美屋にやってきたとき、自分の家に帰ってきたような気持ちになる旅館でありたい。おもしろいことに秋葉原のメイドカフェでも、だいぶ前から“ご主人様、お帰りなさいませ!”と若い女の子が言っている。

この加賀美屋のキーフレーズは番組の人気が高かったから、全国の旅館の女将や従業員の心をとらえているかもしれない。さらに興味深いことが金曜日の放送に出てきた。外資系による加賀美屋の乗っ取り計画を救った経営者が「加賀美屋の“来る者 帰るがごとし”の心はドイツのローテンブルクの城壁に書かれている“来る者に安らぎを 去り行く者に幸せを”と同じである」と語る場面。心にズキッときた。

旅館、ホテルの経営者たちは安定した経営基盤をつくるため、リピート客の獲得に知恵をしぼっている。そのなかで最も大切なのが常におもてなしの心でお客に接すること。誰でも“頭”ではわかってる。でも、徹底して“手足”をそのように動かすことが難しい。“手足”が動くためには“来る者 帰るがごとし”といったこと(旅館の理念のようなもの)を自分の“心”でいつも感じていないといけない。“頭で理解し、心で感じ、そして手足を動かす!” 成功するビジネスモデルを“どんど晴れ”にみたような思いである。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

やまと絵 アメリカ絵画 アートに乾杯! アール・デコ アール・ヌーヴォー イギリス絵画 ウィーン世紀末 エコール・ド・パリ オペラ オリンピック キュビスム ギリシャ・ローマ史 クラシック音楽 サッカー シュルレアリスム ジャズ スペイン絵画 スポーツ ズームアップ 名画の響き合い! ダダ テニス ナビ派 バルビゾン派 バロック ファッション フォーヴィスム マニエリスム マラソン ミュージカル ミューズに願いを! ラファエロ前派 ルネサンス ロココ絵画 ロマン派 中国絵画 仏画 個人コレクション 夢の傑作選! 円山四条派 写実派 北方絵画 印象派 古代遺跡 夢の‘日本美術里帰り展’! 夢の展覧会 奇想派 学問・資格 工芸 建築 抽象絵画 文人画 文化・芸術 新古典派 旅行・地域 日本の歌 日本の洋画 日本の美術館 日本の美! 日本映画 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 書籍・雑誌 未来派 東洋・日本彫刻 民画 水墨画 洋風画 浮世絵 海外の美術館 海外の音楽 海外映画 満足のキメ手はリファレンス作品! 狩野派 現代アート 琳派 癒しのアートにつつまれて! 相撲 素朴派 絵巻 美術に魅せられて! 美術館に乾杯! 芸能・アイドル 行動経済学 街角ウォッチング 表現主義 西洋彫刻 西洋画・日本画比較シリーズ 象徴派 近代日本画(古典・歴史画) 近代日本画(女性画) 近代日本画(花鳥画) 近代日本画(風景画) 近代日本美術の煌き! 近代西洋絵画 野球 陶磁器 音楽が誘う絵画の世界! 風俗画 食べ物