番組の魅力が低下している日曜美術館!
クレーの‘グラス・ファサード’(1940年 パウル・クレー・センター)
2年くらい前からNHKの名物美術番組‘日曜美術館’に対して魅力を感じなくなっているが、ここ1か月に放送された内容をみて、テレビ東京の‘美の巨人たち’に完全に追い抜かれたなと思った。
とくにひどかったのは昨日のクレー、じつは番組の後半にでてきた‘グラス・ファサード’の裏側に現れた少女の絵の話は2008年11月に放送された‘迷宮美術館’をそっくりそのまま使っている。こんなイージーなやり方で番組をつくるのだからここのスタッフの神経は相当いかれている。7年前の話をあたかも最近の研究成果のようにナレーションする厚かましさ。日曜美術館も質が落ちたものである。
そして、前の週の‘与謝蕪村 無限の想像力 西洋美術とあう?!’は最悪、ピント外れもはなはだしい。北川なにがしという美術家の本に惑わされてよくもこんなつまらない与謝蕪村ものがたりをつくってくれたな、という感じ。
与謝蕪村の俳句にマグリットやデュシャンの絵を横にならべてどこがおもしろいの?この番組のディレクターのセンスはBクラス。‘美の巨人たち’の優秀なスタッフには遠く及ばない。
そして前々から気になっているのが司会の井浦新の存在。はっきりいってこの人の司会はもういい。長すぎる。もっともおもしろくないのが井浦新の興味を満足させてやり知識を増やしてやるために番組をつくっているように思えること。今この時期に‘円山応挙の傑作10選’もないだろう。どこかで回顧展をやっている?井浦新の勉強のために番組の予算を使って大乗寺までみんなで取材旅行に出かけること自体がズレている。これまで応挙は何度もこの番組でとりあげられたしプラスαはありゃしない。井浦新は応挙の鯉の滝登りの絵をみたかったらプライベートで行けばいい。
江戸絵画が今人気があるといって公共放送で司会者の個人的な日本美術への関心を満たすために番組を制作されてはかなわない。大乗寺でも芦雪の傑作がある串本でも勝手に自分一人で行ってちょうだい。何度もこういうとってつけたようにビッグネームである応挙、芦雪、、蕪村、蕭白、若冲がとりあげられると興ざめる。今感覚のない番組は間延びする。早く司会者、デイレクターを別の人にしたほうがいい。
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