ピカソ流で描かれた美術史上の名作!
‘ラス・メニーナス、ベラスケスによる’(1957年 バルセロナ・ピカソ美)
‘サビニの女たちの掠奪、プッサンによる’(1963年 ボストン美)
プッサンの‘サビニの女たちの掠奪’(1637~38年 メトロポリタン美)
‘小さな「草上の昼食」、マネによる’(1962年 パリ国立ピカソ美)
91歳まで生きたピカソは74歳ころから尊敬する過去の巨匠たちの名作を
自らの作品として現代に蘇らせようという試みをはじめる。1955年に
ピカソ流に変奏した‘アルジェの女たち、ドラクロアによる’(バージョンO)
は2015年のオークションで競売史上最高の215億円で落札された。
本物にいつかお目にかかりたいのだが、、果たして。
1957年にはベラスケスのあの代表作‘ラス・メニーナス(女官たち)’に取
り組んだ。4ヶ月の間に描いたピカソ版‘ラス・メニーナス’は58点。2日
に1作というペースという76歳の年齢にして驚異的な創造力を発揮してみ
せた。ここにあげたのはバルセロナにあるピカソ美でお目にかかったもの。
印象派たちが賞賛した色彩表現などは姿を消し、大胆に変えられたピカソの
世界が出現している。
ボストン美に遭遇したのがプッサンやダビッドの‘サビニの女たちの掠奪’を
基に描かれたもの。この絵は可哀そうな女たちを強い緊張感を感じて対面す
るすことを強いられる絵だが、ピカソにもその暴力性は受け継がれ、女の悲
鳴が聞こえてくるよう。ドラ・マールがモデルになった‘泣く女’以上にあま
り長くみていられない作品である。
現在、国立新美で開催されている‘ピカソ展’(6/10~9/21)にはマネの‘草上の昼食’をピカソ流に表現した作品が最後の部屋に展示されている。1960年に描かれたものは紹介したが、別バージョンが3点、そして、小型版で画面の大半を茶色で占められた‘小さな「草上の昼食」’が並んでいる。いずれもパリでみたという実感がなかったので大きな収穫だった。
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