« ワシントン国立美にあるピカソ! | トップページ | 静嘉堂文庫美の‘河井寛次郎展’! »

2026.09.10

日本でみれるピカソ!

Img_0002_20260910221401
  ‘腕を組んですわるサルタンバンク’(1923年 アーティゾン美)

Img_0001_20260910221401
  ‘女の顔’(1923年 アーティゾン美)

Img_20260910221401
  ‘海辺の母子像’(1902年 ポーラ美)

Img_0003_20260910221401
  ‘鳥籠’(1925年 大原美)

Img_0004_20260910221401
  ‘縞のシャツを着た男’(1956年 彫刻の森美ピカソ館)

美術館で開催される特別展に気持ちを高ぶらせて足を運び、期待通りかそれ
以上の満足が得れれるとその余韻はしばらく続き、お目にかかった作品だけ
でなく過去にみたものにも関心が広がり、自分の鑑賞眼がちょっと上がった
かなと思ったりもする。

多作で描き方もいろいろ変えた天才ピカソ(1881~1973)は‘最高の
瞬間!’を体験した作品が多いうえに、‘ピカソ物語’に関する情報も多々くっ
ついているから、そうしたレビューを繰り返しているうちに創作活動にまつ
わる話がびしびし心に突き刺さってくる。

ピカソの絵の数が増えることにともない、日本の美術館で楽しめる作品に関
して、新たな話が追加されることもある。たとえば、‘新古典主義の時代’に
描かれた‘腕を組んですわるサルタンバンク’。これをかつてブリジストン美
(現在のアーティゾン美)ではじめてみたとき、思わず足がとまった。サル
タンバンク(曲芸などをする軽業師のこと)は腕と足に身につけている衣装
の赤が目に強く印象づけられた。椅子の紫がこれに上手くあっている。
この美形の若い男に気をとられ、画面左上にある女性の姿が塗りつぶされた
痕跡に気づかなかった。‘ピカソが愛した女性物語’によると、この人物は
1923年の夏、南フランスでピカソと短い恋に落ちた既婚の女性、サラ・
マーフィー。ありゃら、、ピカソはまたふらふらっとしたの、という感じ。

アーティゾンにはもう一点、小品だが彫刻をみるような‘女の顔’も気に入って
いる。一方、ポーラ美にある‘海辺の母子像’は名作。作家の五木寛之がこんな
風に評している。‘「青の時代」の青も、悲しみだけでなく、なにか人間に対
する信頼のようなものを、背後に持っているような気がします。描く本人が
打ちひしがれていては、挫折した人々や悲しい人々は描けない。それを描く
ピカソには、逆に人間の強さと言うか、生命力の強さを感じます’。

大原美が所蔵する‘鳥籠’は‘新古典主義の時代’から‘シュルレアリスムの時代’に
突入した直後の1925年の作品。顔の表現にみられるデフォルメはまだ緩
いので絵の難解さはなく落ち着いてみられる。‘縞のシャツを着た男’は箱根の
彫刻の森美の館内に、世界で初めて建設された‘私立’のピカソ館に展示してあ
る。平板的で角々した人物像だが、75歳のピカソの創作力がまったく衰え
ていないことに感心させられる。

|

« ワシントン国立美にあるピカソ! | トップページ | 静嘉堂文庫美の‘河井寛次郎展’! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ワシントン国立美にあるピカソ! | トップページ | 静嘉堂文庫美の‘河井寛次郎展’! »