ピカソとすぐむすびつく美術館!
‘ガートルード・スタインの肖像’(1906年 メトロポリタン美)
‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’(1900年 グッゲンハイム美)
美術の教科書に載っているような有名な絵に出会ったときのことは長い年月
を経ても鮮明に胸に刻まれている。ピカソ(1881~1973)だと、
NYの近代美術館(MoMA)でキュビスム絵画の代名詞ともなっている‘アヴィ
ニョンの娘たち’をみたとき、‘これがあのピカソの絵か’と感慨深かった。気持
ちが過剰に昂ぶりマントヒヒを思わせる顔ばかりみていたような気がする。
メトロポリタン美にある‘ガートルード・スタインの肖像’はある時期まで男性
の肖像画をみたと思っていた。実際はこの人物はアメリカの女流作家だった。
このとき32歳でピカソは25歳。スタインに少しも似てないという批判に
対して、ピカソは‘今に彼女の方が似てくるよ’と答えたという。
2015年アメリカを旅行したとき、NYのグッゲンハイム美で運よく‘ムーラ
ン・ド・ラ・ギャレット’にお目にかかれた(ここの平常展示は膨大なコレク
ションをローテーションしてみせている)。印象派に影響をうけたピカソが
描いたロートレック風の賑やかな盛り場の光景を目に焼き付けた。
‘青の時代’の作品で魅了され続けているのはパリ国立ピカソ美で対面した‘自画
像’。嬉しいことに2008年サントリー美で行われた‘巨匠ピカソ 魂のポートレート’で再会することができた。先週出かけた国立新美ではこれは出品されず、代役の‘男の肖像’でもって瞑すべしだった。‘バラ色の時代’ではワシントン国立美にある‘サルタンバンクの一家(1905年)が忘れられない。
ロンドンのテートモダンにお気に入りの絵がある。それは‘泣く女’。ピカソの
とても激しい絵でモデルのドラ・マールがヒステリックに泣いている様子が
びしびし伝わってくる。でも、彼女は30分もたけば、けろっとしてまたパリ
の街にとびだしていきそう。スペインのマドリードにでかけると、王立ソフィ
ア王妃芸術センターであの‘ゲルニカ’をみることができる。ここでは言葉はい
らない。天才ピカソに乾杯し、心を鎮めて長くみた。
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