ピカソは子ども絵の名手!

‘アルルカンに扮したパウロ’(1924年 パリ国立ピカソ美)
国立新美で行われているピカソ(1881~1973)の回顧展は作品の見
せ方、演出の仕方がこれまでとはひと味もふた味も違っていた。だから、お
馴染みの絵なのに新鮮な感覚で楽しめた。たとえば、キュビスムの画家、
ピカソのイメージがまったく消えてしまう‘アルルカンに扮したパウロ’はとて
も可愛いくて、心が洗われた。その翌年に描かれた‘ピエロ姿のパウロ’は元気
いっぱいの坊やという感じ。
ピカソは絵描きとしての腕が群をぬいているから、子どもの絵だって上手に
描く。ハーバード大の構内のあるフォッグ美で‘大きな帽子を被った少女’に出
会ったときは大きな衝撃をうけた。まるで印象派のルノワールの絵をみてい
るよう。明るいピンクの色が目に心地よく、塗りは厚く点描風に描かれてい
る。天才ピカソは何でも描けるのだなと感心した。
ロンドンのコート―ルド美が所蔵する‘鳩をもつ子ども’は‘青の時代’の初期に
属する作品。力強く引かれた輪郭線の使い方や平板的な表現はゴーギャンや
象徴派の画家たちの影響がみてとれる。そして、鳩を両手でもつ子どものちょ
っと感傷的な内面描写がなかなかいい。強く記憶に残る子どもの絵である。
スペインのバルセロナを旅行したとき、まだ美術鑑賞は普通のレベルだったが、
観光名所のひとつとしてピカソ美を訪問した。ありゃら、、という感じだった
のが、‘ラス・メニーナス’。ええー?あのキュビスムのピカソがベラスケスの
有名な‘ラス・メニーナス’を自分流に描いちゃったの!顔はマチスのように緑
や青が塗られている。これはマルガリータだけを描いているが、全体の作品も
あった。何年か後に、ピカソはこれを題材として58点もの連作を描いたこと
を知った。
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