尾形乾山 絵画ベスト&ベスト!
尾形光琳(1658~1716)の五歳年下の弟、尾形乾山(1663
~1743)は野々村仁清から作陶を学んだ京焼の代表的陶工であるが、晩
年は絵画制作も手がけた。二刀流のドジャース大谷のように、モチーフをと
てもモダンに洒落たデザインで表現した絵付けが評判をとったやきものだ
けでなく、いい絵をいくつも描いている。
絵画で‘最高の瞬間!’が訪れたのは2008年東博で開催された‘大琳派展’に
出品された‘立葵図屏風’。垂直に並ぶ立葵が金地の画面に光琳の‘燕子花図屏
風’で同じ花の形が繰り返され動勢をつくっているように、明るい赤や白が跳
びはねるイメージで描かれている。これをMy好きな乾山絵画の一番にラン
ク付けしているが、遭遇してからもう何年もたつが、再会のときがやって来
ない。絵画とのつきあいはまさに‘一期一絵’である。
‘八橋図’も‘燕子花図’とつながる絵。追っかけ絵画の期間が長く、みる機会が
なかなか訪れなかったがようやく2018年に思いが叶った。簡略化された
八橋とまわりに咲く燕子花の配置が絶妙で光琳のデザイン的な要素の強い作
品とはひと味違った情趣が感じられ‘伊勢物語’の話が思い浮かんでくる。
東博の通常展をみるためまめに通っていると、一定の期間を経てローテーション展示される‘紅葉に菊流水図’に遭遇するチャンスが生まれてくる。この絵で乾山が兄の光琳の作風に倣って描いているのは‘紅白梅図屏風’で表現された装飾的な流水模様。紅葉の赤、菊の白、流水の青が華麗に響き合っている。
和歌と絵画の一致を狙った趣向は‘花籠図’でも同じ。太い黒線で形がつくられた3つの花籠には桔梗、女郎花、薄など違う花が挿されているが、時間軸を入れた異時同図で描かれていると想像して楽しむこともできる。一見子どものお絵描きのようなペタッとした絵に映るのが‘富士山図’。えのき茸のような松の木があの雄大な富士と緑の色同様対等に立っているところがおもしろい。
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コメント
私も乾山の絵が好きです。
琳派の鈴木其一も好きです。
素敵な記事ありがとうございます。
投稿: 古川秀子 | 2026.07.13 07:02
to 古川秀子さん
画家としての乾山の才能に感心させられて
います。‘八橋図’との対面がようやく
叶ったときは感激しました。
投稿: いづつや | 2026.07.13 21:04