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2026.06.30

絵画鑑賞により親しみが増す‘伊勢物語’!

Img_20260630230901   俵屋宗達の‘伊勢物語図 芥川’(17世紀 大和文華館)

Img_0002_20260630230901   俵屋宗達の‘伊勢物語図 芥川’(17世紀)

Img_0003_20260630231001   深江芦舟の‘蔦の細道図屏風’(重文 18世紀 東博)

Img_0004_20260630231001   酒井抱一の‘宇津の山図’(19世紀)

Img_0001_20260630231001   俵屋宗達の‘伊勢物語図 武蔵野’(17世紀 出光美)

昨年の末から‘伊勢物語’との縁が深まっており、絵画化された話をしみじみ味
うという感じになってきた。その特別展は次の3つ。
☆‘伊勢物語 美術が映す王朝の恋とうた’(2025/11/1~12/7 根津美)
☆‘歌仙在原業平と伊勢物語’      (2026/2/21~4/5 三井記念美)
☆‘日本画の革命児 今村紫紅’     (2026/4/25~6/28 横浜美)

いくつもある話のなかで関心のある段は絵画として表現されたものがとくに心
に響くもの。その最たる絵が俵屋宗達の‘伊勢物語図 芥川’。奈良の大和文華
館が所蔵するこの絵をみたとき、なんとも可愛らしく‘夢かうつつか’を思わせ
る幽玄夢幻の世界にぐっと惹きこまれた。

宗達のこの色紙シリーズに‘芥川’はもうひとつ鬼のヴァージョンがある。男が
廃屋に隠した高貴な女はうかつにもそこにやって来た鬼に食われてしまう。
宗達は雷神として描いているから、‘風神雷神図’のようにユーモラスなキャラク
ターで怖さMAXではない。横浜美でみた紫紅の‘芥川’はこの2枚を頭に入れて
描いている。 

宗達の‘武蔵野’は雰囲気が‘芥川’と似ており、男と女は追つ手に迫られているのに危機感があまりなく、男は‘まわりが騒がしくなったから、俺逃げるから’といって去っていく感じ。‘ワル男’にはみえない。‘蔦の細道図屏風’は東博の定常展示で何度もみているから一番親しみのわく傑作。根津美で横浜美に特別展示されていた‘宇津の山図’と人物の構成が同じヴァージョン(個人蔵)に遭遇したが、絵としての完成度は横浜美でみたものがぐんといい。

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2026.06.29

目を楽しませてくれる紫紅と琳派のコラボ!

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  酒井抱一の‘宇都乃山’(19世紀)

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  今村紫紅の‘宇津の山路’(1912年 静岡県美)

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  尾形光琳の‘武蔵野図’(18世紀 MOA美)

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  今村紫紅の‘伊勢物語(武蔵野)’(1910年頃 横浜美)

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  今村紫紅の‘芥川’(1916年 横浜美)

昨日終了した‘今村紫紅展’(横浜美)は期待通りのビッグな回顧展だったが、
出品作のなかにこういう特別展でしかお目にかかれない作品がいくつかで
ていた。とくに嬉しかったのは‘紫紅と琳派’のゾーンに展示されていた絵。
琳派狂なので過去に行われた琳派展は欠かさず足を運んできたが、そこに
出品されたことのないものがひょいと現れた。

それは個人コレクターが所蔵している酒井抱一(1761~1828)の
‘宇津乃山’。そのため‘特別出品’と記されている。描かれているのは‘伊勢物語’
の九段‘東下り’の場面。東に下る男は駿河国の宇津の山で都へ帰る知人の修行
僧に出会い、京にいる思い人への手紙を託すところ。こんないい絵があった
とは!横に並んで飾られている今村紫紅(1880~1916)の‘宇津の山
路’は二人が偶然出会う様子が点描風に表現されている。

熱海のMOA美蔵の‘武蔵野図’は後期には展示替えになっていたが、図録で紫
紅の‘伊勢物語(武蔵野)’とのコラボをみるととてもいい構成だなと思った。
これは伊勢物語の十二段‘盗人’の場面。尾形光琳(1658~1716)の絵
は人の娘を盗んだ男が武蔵野の草むらに隠れるところが描かれているのに対
し、紫紅は娘の顔は描かず長い黒髪だけみせている。追っ手との距離感は紫
紅のほうが切迫しており、緊張感が漂う。

今回登場した伊勢物語の絵で一番の収穫だったのが紫紅の‘芥川’。男が高貴な
女を盗み出して廃屋にかくまっていると、雷雨の夜に鬼がやってきて女を食
べられてしまった。風がビュービュー吹くなか、上の鬼はそれほど怖い姿で
もなくユーモラスな表情なのに、下にいる男はハラハラドキドキがMAX状態
で剣を握りしめて戦闘態勢にはいっている。この描写がおもしろい。

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2026.06.28

ドジャース山本 パドレス戦に好投し8勝目!

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ドジャースがパドレスの本拠地に乗り込んで戦う3連戦の2戦目は、山本の
好投と打線の爆発により15-3と大勝した。序盤ベッツのホームランで
1点リードするも、パドレスのシーツに山本がまさかのセンターオーバーの
ソロホームランをくらい試合は振り出しに戻った。山本が先発するとき
は打線はあまり点をとってくれない ‘山本先発あるある’でこのゲームも進
んでいくのかと、思った。

ところが、その予想がいい方にハズレ、4回ターカー、ラッシングの連続ホ
ームランがでるなど大量得点をあげ、勝負は決まった。6回まで投げた山本
は5安打2失点でチームの勝利に貢献し、8勝目をあげた。防御率はこのゲ
ームが終わったところで第7位の2.67。 ナ・リーグのトップにいるのは
ブリュワーズのミジオロウスキー(9勝)で1.45。投手大谷は規定投球回
数に達していなので、ランキングにはでてこないが、1.58で2位につけて
いる。

大谷と山本(ともに8勝)で防御率に差がでているのは被本塁打数とも関係
している。剛腕大谷は3本なのに対して、山本は11本打たれてる。160
kmの剛速球をバンバン投げ力で抑え込むミジオロウスキーや大谷と違い、
山本はいろいろな球種を高いコマンド力で打者をほんろうするタイプのスー
パー投手だが、出会い頭のように甘く入ったストレートや変化球をドカーン
とスタンドへもっていかれることがある。だから、防御率争いでは2人とは
分が悪い。

ドジャーの6人いる先発陣では大谷、山本、ロブレスキー(9勝)は安定感
があり、勝ちが予想できる。これに対し、昨日投げた佐々木がちょっと心配。
疲れがたまってきているのか、ここ数試合は期待外れが続いている。投げる
球がストライクゾーンにいかずにボールが先行し、たびたび3-2となり
安心してみてられない。今が正念場でこれを乗り切らないと、一段高いレベ
ルの投球にはたどりつけない。野球IQが足りないような気がする。

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2026.06.27

シュルレアリスムと相性の良い横浜美!

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Img_20260627234301 ダリの‘幻想的風景ー英雄的正午’(1942~43年)

Img_0001_20260627224101   エルンストの‘少女が見た湖の夢’(1940年)

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ブランクーシの‘空間の鳥’(1926年/1982年の鋳造)

Img_0004_20260627224201   イサム・ノグチの‘真夜中の太陽’(1989年)

Img_0003_20260627224201   イサム・ノグチの‘ブランクーシへのオマージュ’(1971年)

国内の美術館で西洋アートのいい作品を見る機会は限られているので、自分
の好みに合ったものがどこの美術館へ行けばお目にかかれるかは、長い付き
合いの積み重ねにより、ある程度は頭のなかに入っている。日本人の好きな
印象派やポスト印象派のゴッホ、ゴーギャンは横において、近現代アートに
関していえば、すぐ思い浮かぶのは東近美、東京都現美、アーティゾン美、
大原美、横浜美、福岡市美、宇都宮美、宮崎県美、豊田市美、ひろしま美、、

ホームグランドの横浜美のお宝はシュルレアリスムのダリ(1904~
1989)、抽象彫刻のブランクーシ(1876~1957)、イサム・
ノグチ(1904~1988)、横浜美とのつきあいがはじまってからずっ
と魅了され続けている。2016年、国立新美で大ダリ展が開催されたが、
出品されていた‘ヘレナ・ルビンシュタインのための装飾壁画 幻想的風景ー
暁、英雄的正午、夕べ’と10年ぶりに再会した。これが日本にあるダリでは
一番いい。‘英雄的正午’は鳥の羽でつくられる顔のまゆげ、目、鼻、口のダブ
ルイメージを心地よくながめていた。

別の部屋には同じシュルレアリストのエルンスト(1891~1976)の
池のヘドロをイメージさせる‘少女が見た湖の夢’とマグリットの‘青春の泉’、
タンギーの‘風のアルファベット’も姿を現してくれた。横浜美はマグリット
の傑作を所蔵している宇都宮美と宮崎県美とともにシュルレアリスム絵画で
はワールドクラスのコレクションで知られている。

ブランクーシの‘空間の鳥’は2024年のアーテイゾンで行われた回顧展で
主要作品としてどーんと飾られていた。こういう名作は年に一度は楽しみた
い。そして、久しぶりの対面となったのがイサム・ノグチのウミヘビがすぐ
かぶさってくる‘真夜中の太陽’と‘ブランクーシへのオマージュ’。イサム・ノグ
チに開眼したのこの作品から。

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2026.06.26

横浜美術館 質の高い日本画コレクション&プラスワン!

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  高橋由一の‘愛宕山より品川沖を望む’(1877年)

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  横山大観の‘霊峰不二’(1919年頃)

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  片岡球子の‘富士’(1980年)

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  小茂田青樹の‘逢坂山’(1916年)

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  奈良美智の‘春少女’(2012年)

改築工事が完了し新しい装いでスタートした横浜美では2階で行われている
特別展‘今村紫紅’を観終わると、その先に進むと所蔵コレクションが鑑賞でき
る導線になっていた。イメージ的にはテーブルの上においた楕円形の卵をぐ
るっと一周するような感じ。展示の仕方は以前とは違い、西洋画と日本画が
一緒に飾られたりしている。

たとえば、最初の部屋ではダリの有名な三連画‘ヘレナ・ルビンシュタインの
ための装飾壁画 幻想的風景ー暁、英雄的正午、夕べの’の真正面に片岡球子
(1905~2008)の燃えるようなモザイク的な色彩が印象深い‘富士’が
どーんと飾られている。そして、視線を横に移動すると世界的に知られてい
る現代アートの奈良美智(1959~)のお馴染みのキャラクターが‘春少女’
というタイトルでその大きな顔をアピールしている。

勝手が違うレイアウトになっている展示室を進んでいくと、高橋由一
(1828~1894)の大回顧展(2012年 東芸大美)でみたような
記憶がある‘愛宕山より品川沖を望む’がひょいと現れた。横浜美が所蔵して
いる絵だった。そこまでは覚えていない。そして、これもどこかでお目にか
かった気がする小茂田青樹(1891~1933)の南画風の色使いが強い
磁力をはなっている‘逢坂山’に思わず足がとまった。

最後の部屋‘風景をかんがえる’では横山大観(1868~1958)の‘霊峰
不二’と再会した。これをみたのは横浜美ではなく、仕事で名古屋に住んでい
たとき出かけた名都美(長久手町)。ここで中規模の大観展が行われていて、
たくさんの富士の絵にまじって飾られていた。大観の富士では異質の作品で
なんだか切手に使われるような絵にみえる。

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2026.06.25

紫紅流古典・歴史画の魅力!

Img_20260625225001   ‘平親王’(1907年 横浜美)

Img_0002_20260625225001   ‘豊公裂冊’(1902~06年)

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‘素戔嗚尊’(1909年)

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Img_0004_20260625225101   ‘伊勢物語図’(1911年頃 大阪市美)

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‘竹取翁’(1912年頃 横浜美)

近代日本画で歴史画と聞いてすぐ思い浮かぶのは安田靫彦と前田青邨。もう
ひとり歴史上の人物を存在感の強い姿で描いた画家がいる。その傑作が横浜
美で6/28まで展示されている今村紫紅(1880~1916)。とくに
印象深いのが平安中期の武将平将門を描いた‘平親王’。大画面のなかに視線が
安定する構図で描かれた平将門は体全身にためたパワーを抑え気味にして、
自然体の姿で気持ちを整えている感じ。ひとときの緊張感につつまれる。

お酒が好きで情熱家の親分肌として知られた紫紅にはうってつけの絵と瞬時
に思ってしまうのが、怒りをみせる秀吉をモデルにした‘豊公裂冊’。この調子
では家来はとても近寄れないだろう。ほかにも、紫紅は独眼龍で有名な仙台
藩の伊達政宗を描いているが、前期展示のため今回はお目にかかれなかった。

‘素戔嗚尊’は神話‘古事記’や‘日本書記’に登場するスサノオノミコトが描かれている。粗暴なふるまいにより高天原を追われたスサノオは出雲国で大蛇に苦しめられる一家を救う。この場面は酒でおびき寄せたヤマタノオロチを退治するため、剣をぬいて気合を入れているところ。その表情から戦闘態勢に入った動勢が伝わってくる。

初見の作品で大の収穫だったのは、草むらを琳派風に装飾性豊かに描き、人物を見やすく配置した構成が目を惹く‘伊勢物語図’。この場面は東下りの業平を描いたともいわれている。美術本で知っていたが、本物がこんな立派な六曲一双の屏風絵だったとは。ミューズに感謝!そして、‘竹取翁’はかぐや姫は入っていた光る竹を翁がみつけた瞬間が描かれている。その竹をあえて描かないのが紫紅流の演出。

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2026.06.24

横浜美で大規模な‘今村紫紅展’!

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  ‘春之海’(1914年頃)

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  ‘大井川’(1913年 豊田市美)

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  ‘水汲む女・牛飼う男’(1914年 平塚市美)

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  ‘近江八景 比良’(重文 1912年 東博)

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  ‘龍虎’(1913年 埼玉県近美)

天気予報によると台風8号が27日(土)に関東に接近するようなので、
予定を早めて最終コーナーに入っている‘今村紫紅展’(6/28まで)をみる
ため、横浜美へ行ってきた。今年の2月に本格リニューアルオープンした横
浜美は久しぶりの入館だったので、導線が以前と変わっており、きょろきょ
ろ状態で今村紫紅(1880~1916)の大回顧展を存分に楽しんだ。

紫紅の回顧展は2013年に三渓園で行なわれたのを体験して以来のこと。
展示会場は三渓園と較べるとだいぶ広い横浜美なので、出品作品がぐんと
増えこれまでお目にかかった主要作品がずらずらっと登場しただけでなく、
手元の美術本などにまったく載っていない絵がいくつもひょいと出てきた。
だから、お気に入り作品の数が一気に倍くらいになった。

特別嬉しい収穫の絵が2点ある。ひとつは‘春之海’。縦長の掛け軸の画面に
漁師が網の手入れをしている様子が描かれている。遠景の海の青と漁師の
着ている作業着の青に視線が集中する。海の男だから着る服も青であわせ
たのだろうか。不思議な絵をみているという感覚なのが‘大井川’。浮世絵や
英一蝶の絵に大井川の渡しをモチーフにしたものがあるが、こんな画面構
成で川越人足が旅人を無事に運んでいる姿を表現するとは。

紫紅が横山大観の描いたインドの女性を意識したのかなと思わせるのが‘水
汲み女・牛飼う男’。男の存在感は弱く、視線が向うのは頭に水を入れる壺を
置き階段を下りてくる美形の女性のほう。上のほうに目をやると緑の羽が美
しいインコがいる。この絵はすでにMy好きな日本画に登録している。

東博にある紫紅の最高傑作2点(ともに重文)のうち‘熱国之巻’は会期の
前期に披露され、後期にでているのが‘近江八景’。八景のうちとくに惹かれ
るのは明るい色彩が目に焼きつくもの。大観も好きな緑が強く印象に残る
‘粟津’と空と海の青とむくむくと広がる雲の白がとても爽やかな気分にさせ
てくれる‘比良’。そして、回顧展には欠かせないピースであるユニークな姿
で描かれた‘龍虎’の前にも長くいた。画面から体の一部を大きくはみ出す発想
が紫紅流。200%の満足感を味わったすばらしい回顧展だった。

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2026.06.23

サグラダ・ファミリア ‘イエスの塔’が完成!

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‘イエスの塔’に取り付けられた十字架

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教会の内部

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‘ビジュアルガイド 贖罪の教会 サグラダ・ファミリア’(2010年)より

スペインのバルセロナにある大聖堂‘サグラダ・ファミリア’は主塔‘イエスの塔’
が完成し、世界で最も高い教会となった。その高さは172.5m。圧倒的な
高さを誇るケルン大聖堂が157m。これよりも高いのだから、天にもとどき
そう。ここまでくるのに着工から144年かかった。

イエスの塔の完成を記念してレオ14世がやってきてミサをおこなった6月10日は、大聖堂を壮大な構想により設計・建築したアントニ・ガウディ(1852~1926)が亡くなってちょうど100年の日にあたる。没後の節目の年に完成にこぎつけたのは本当にすばらしい!

はじめてサグラダ・ファミリアをみたのは1983年(このころスイスのジュネーブに住んでいた)。当時は建設してから100年目にあたるので、それを示すバナーが掲げられていた。教会のなかは作業は進んでいるのだろうか?と思うくらい閑散としていた。だから、完成するのにもう100年くらいかかるのではというのが率直な感想だった。

その思いは2007年、2011年、2016年と出かける度に変わっていった。豊富な資金に支えられて有能な人材が確保でき、最新の建築技術を用いることで建築のスピードが格段にアップして、大聖堂の完成の形にどんどん近づいているのである。2016年にみたときは完成の予定はガウディ没後100年となる2026年といわれていた。それがなんと実現した。拍手々!そしてガウディに乾杯!建築に携わったすべての人々に乾杯!

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2026.06.22

久しぶりの横山大観!

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  横山大観の‘柳蔭’(部分 1913年)

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 大観と観山らの合作‘東海道五十三次絵巻(第九巻)’(1915年)

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  柴田是真の‘瀑布’(1874年)

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  平櫛田中の‘森の仙人’(1917年)

上野の東博と竹橋の東近美は特別展がないときでも、展示されている所蔵品
をみていると、思わず足がとまる名品と遭遇することが必ずといっていいほ
どあるから、時間に余裕があるときはできるだけ寄ることにしている。今回
出かけた東博で足が自然と向かうのが本館の1階にある近代日本美術の部屋。

6/9から運がいいことに横山大観(1868~1958)の‘柳蔭’(六曲一
双の屏風絵)が飾られていた。緑の柳の葉と金一色の地のくっきりと浮かび
上がる色面の対比のなかに童子とロバがのんびりと憩っている。まるで老子
の世界にいるよう。久しぶりに遭遇したので長くみていた。

もう一点いい絵が横に並んでいた。それは大観が下村観山(1873~
1930)、今村紫紅(1880~1916)、小杉放菴(1881~
1964)と一緒に制作した‘東海道五十三次絵巻(第九巻)’。大観は盟友の
観山とひと世代若い紫紅、放菴と東海道を徒歩と人力車、駕籠のみで旅行した。
出来上がったのは全部で九巻。西洋画風の明るい色彩と江戸時代の旅のスタイ
ルがうまく融合している。

収穫だったのははじめてお目にかかる柴田是真(1807~1890)の達者
な技量で描かれた‘瀑布’。是真は超絶技巧の漆芸で名が知られているが、絵画
の腕前も一流。勢いのあるモチーフの描写はみてて楽しい。そして、昨年の1
月にみた平櫛田中(1872~1979)の‘森の仙人’とまた出会った。以前
はこんなに頻繁に展示されていなかったが、どんどん増えている外国人観光客
を意識しているためかもしれない。

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2026.06.21

加島美術で‘河鍋暁斎展’!

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   ‘瀧に白鷲図’(1871年以降 櫂舟三郎コレクション)

今年は河鍋暁斎(1831~1889)の思わず笑みがこぼれる絵をみる
機会が多い。現在、サントリー美で開催されている‘ゴールドマンコレクシ
ョン 河鍋暁斎の世界’(4/22~6/21)は初日に足を運んだが、先月
は東博の平常展にサントリーにも出品されていた‘地獄太夫と一休’が飾って
あった。

そして、19日(金)に出かけたのはパソコンに出ていたバナー広告で知
った‘暁斎が描いた浮世のことども 櫂舟三郎コレクション’(6/13~
6/28)。このミニ暁斎展が行われているのはこれまでまったく縁がない
画廊の加島美術。地下鉄銀座線の京橋駅からすぐ近くのところにある
(チラシ裏面の地図を参照方)。

あまり広くない画廊の1,2階に167点が展示されている。その作品を
収録した図録が製作されているが、一日の販売数が決まっており、3時の
時点ではその数に達し、残ってなかった。出品リストが用意されてないの
で、残念ながらチラシに載っている絵でしか作品のイメージを伝えられな
い。

過去に遭遇した暁斎展でみたことがなく思わず足がとまるいい作品が5点
くらいあったが、スマホ撮影がOKなのは残念なことにもっともみごたのあ
る大きな絵‘瀧に白鷲図’だけだった。画廊の中は平日なのに大勢の人がい
た。河鍋暁斎の人気がこれほど高かったとは。サントリー美の回顧展をみ
たという横の女性と暁斎のすごさを確認し合った。

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2026.06.20

浮世絵に描かれた玄宗皇帝、楊貴妃!

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  鈴木春信の‘見立玄宗皇帝・楊貴妃’(18世紀)

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  喜多川歌麿の‘玄宗皇帝、楊貴妃’(18世紀)

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  鈴木春信の‘玄宗皇帝双六遊びを見る図’(1766年)

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  鳥文斎栄之の‘楊貴妃・牡丹図’(19世紀)

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  鈴木春信の‘七夕の短冊を書く美人’(18世紀)

東博に出かけて特別展をみおわると、ほかの美術館にわりあてる時間にゆと
りがあれば、浮世絵が飾られている本館2階へ寄ることにしている。同じ階
の日本画のコーナーでは白楽天の‘長恨歌’を題材にして絵巻(チェスター・
ビーティー・コレクション)を制作した狩野山雪の絵が2点でていたが、
浮世絵の部屋でも玄宗皇帝と楊貴妃が登場する作品がいくつか並んでいた。
このコラボ展示は気が利いている。すばらしい!

鈴木春信(1725~1770)の‘見立玄宗皇帝・楊貴妃’は広島で仕事をし
ていたとき、運よく2002年に山口県萩美・浦上記念館で開催された‘鈴木
春信展’に遭遇し、シカゴ美から里帰りしたものにお目にかかることができた。
タイトルは‘笛吹く男女’となっており、一管の笛をともに奏でるのは同じだが、
二人の着物の柄が東博のものとは違っていた。そして、その横に楽器を三味
線に替えて一緒に奏でるミネアポリス美蔵のヴァージョンが飾られていた。
江戸に生きた男女の仲睦まじさを玄宗皇帝と楊貴妃になぞらえて描いている。

今回、初見の収穫が3点もあった。喜多川歌麿(1753~1806)の二
人を画面いっぱいに描いた‘玄宗皇帝、楊貴妃’、春信の見やすい構図がなかな
かいい‘玄宗皇帝双六遊びを見る図’、そして、鳥文斎栄之(1756~
1829)のとても品が良く雅な感じのする‘楊貴妃・牡丹図’。牡丹の花をみ
て、美人の容姿をいうときに口にする‘立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は
百合の花’がすすっとでてきた。

もう一枚、これまで縁がなく、美術本でもみたことのない絵があった。春信
の‘七夕の短冊を書く美人’。好きな春信の美人画はたくさんみてきたが、まだ、
こんないい絵があったとは。浮世絵は真に奥が深いことを思い知らされた。

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2026.06.19

二度目の‘チェスター・ビーティー・コレクション’!

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   険しい桟道を通り、蜀に向かう玄宗たち一行
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  狩野山雪の‘長恨歌絵巻 巻下’(17世紀)

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  狩野山雪の‘流水花卉図屏風’(17世紀 東博)

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  狩野山雪の‘玄鶴芦雁図’(17世紀 東博)

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  久隅守景の‘山水図’(17世紀 東博)

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  海北友松の‘山水図屏風’(1602年 東博)

東博で開催されている‘アイルランド チェスター・ビーティー・コレクショ
ン’(4/27~7/20)にまた足を運び、場面の替わった狩野山雪(1590
~1651)の‘長恨歌絵巻’(巻下)をみてきた。2013年、京博の‘狩野山
楽・山雪’展に里帰りしたこの絵巻を緊張感のため体が硬くなるなか息を呑ん
でみたのが、急峻な山道を登り、そのあと待ちかまえている崖沿いの険しい
桟道を通り、蜀へ向かう玄宗たちの姿が描かれた場面。精細な細密描写により
蜀の難所のレベルは半端でないことが強くイメージされるので、再会できたこ
とを心から喜んでいる。

お目当てはこの山雪の絵だけだったので、あとはいつもの浮世絵と日本画の通
常展示をじっくり楽しんだ。‘長恨歌絵巻’を意識してコラボせるかのように山雪
の絵が2点並んでいる。回顧展のときお目にかかった琳派風の装飾性の高い
‘流水花卉図屏風’。‘玄鶴芦雁図’は京博では展示替えで姿をみせてくれなかった
ので、嬉しいリカバリーとなった。

狩野山雪の描いた傑作を運がいいことに数多くみてきたが、この絵師の力量、
構想力にはほとほと感心させられる。来年春、京博で開催される‘大狩野派’展で
未見のプラスαに遭遇し、もっとも気に入っている‘雪汀水禽図屏風’(重文)な
ど200%唸らせる名画と再会することを強く望んでいる。

ほかの絵師ではまた出会った久隅守景の‘山水図’と海北友松(1533~
1615)の‘山水図屏風’、狩野探幽(1602~1674)の‘山水図屏風’を
長く見ていた。

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2026.06.18

2027年春 東京都美で‘デュフィ展’!

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   ‘デュフィ展’ 1995年 伊勢丹美(新宿)

先月、ワールドクラスのワイエス展をみた東京都美で‘ええー、何10年ぶ
りの回顧展!’という感じの画家のチラシが目にとまった。その人物はブー
ダンやモネの故郷ル・アーブルに生まれたラウル・デュフィ(1877~
1953)。これまで縁のあった回顧展は2回だけで、かなり前のこと。

☆‘デュフィ展’            1995年 伊勢丹美(新宿)
☆‘ラウル・デュフィ 美、生きる喜び’ 2006年 大丸ミュージアム東京
来年の春、東京都美で開催されるデュフィの回顧展は1995年のときと同
様に、パリ市立近代美にある大画面の‘電気の精’を目玉にしたもの。ほかの
作品は詳細はわからないが、この美術館のコレクションがずらっと並ぶこと
は伊勢丹美のときを思えば容易に察しがつく。プラスαに期待。

1991年フランスを旅行し、パリではルーヴル、オルセーなど全部で13
の美術館を訪問した。そのなかにパリ市立近代美も入っている。ここは有名
な観光名所、エッフェル塔からはセーヌ河を渡ってそう遠くないところにあ
る。マティスの壁画‘ダンス’、藤田嗣治やモディリアーニら、エコール・ド
・パリから戦後の前衛美術のコレクションで知られている。

パリ市立近美で大きなサプライズだったのが、1937年パリ万国博覧会の
ためにデュフィが制作した巨大なフレスコ画‘電気の精’(高さ10m、
幅60m)を専用展示室でみたこと。デュフィはこの大壁画の縮小作品
(幅6m)もつくっており、これが来春、32年ぶりに日本にやって來る。
デュフィの絵は明るい色彩とモチーフのルズム感のある描写が晴れやかな気
分にさせてくれる。楽しみ満載のデュフィ展になりそう。

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2026.06.17

関心度の高い‘水滸伝’展!

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美術館へ出かけるのはお目当ての展覧会をみるためだが、館をあとにする前
にお決まりのルーティンが2つある。まずは感動を長く保つために図録を
ゲットする。これで満足感はひとまず完結する。次に欠かせないのがミュー
ジアムショップを出たところに置いてある展覧会のチラシを集めること。
これによりこのあとどんな特別展が続くのか、また他の美術館では何をやっ
ているのかがわかってくる。ときどき、見落とさなくて良かった、ラッキー!
と思える特別展に遭遇する。

京博訪問で情報が入ってきたのが、大阪市美で来月から行われる‘水滸伝’
(7/11~9/6)。歌川国芳が浮世絵に描いた‘水滸伝シリーズ’を存分に楽
しんでいるから、キャッチコピーの‘全74図を一挙公開!!’に敏感に反応
する。でも、京都旅行をしたから無理かな、だったが、裏面をみると、右下
に小さく東京ステーションギャラリーに巡回すると記されている。時期は
9/19~11/8。これはいい流れである。

東京ステーションギャラリーは‘前田寛治 ポエジィとレアリスム’(7/4~
8/30)に出動することを決めているが、‘水滸伝’の情報はなぜか漏れていた。
あらためてチラシをみると、国芳以外にも鑑賞欲を強く刺激する作品が出品さ
れていることに気づいた。2012年東博で北宋の都・開封の光景を描いた
名画‘清明上河図’(12世紀初め)にお目にかかったが、そのヴァージョン
(重文 明時代)が岡山の林原美にあり、それが出品される。未見だから、
楽しみ。

そして、大阪市立東洋陶磁美の自慢のお宝‘青磁 水仙盆’(汝窯)も飾られる。
これは東京には巡回しませんということもないだろうから、やきものあり
風景画ありと北宋時代の美術品がどどっと集まる豪華なラインナップ。
見ごたえのある特別展になりそう。

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2026.06.16

来年 京博で‘大狩野派’展!

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  2007年 京博

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  2017年 サントリー美

今年の中間地点あたりにきたので、後半に出動予定の特別展や来年に登場す
るものに関心が向っている。先月末京博へ出かけ、わが家でもっとも心を
躍らせる‘北野天神’展を存分に楽しんだ。宝物の図録を手に入れたあと、
これから開催される展覧会のチラシを手にとっていると、来年の京都旅行を
決定づけるすごい特別展が目にとまった。

それは京博の開館130周年を記念して行われる‘大狩野派’展。会期を2つに
分けて日本絵画史のど真ん中にいる‘狩野派’の名品が披露される。
☆第1部 室町~桃山編 2027年4月20日~5月30日
☆第2部 江戸~明治編 2027年6月8日~7月19日

チラシに載っている出品作から大回顧展であることはすぐ理解できる。
狩野元信の‘四季花鳥図屏風’(重文 白鶴美)はお気に入りの傑作だし、国宝
に指定されている狩野永徳の‘洛中洛外図屏風’(米沢市上杉博)との再会が実
現するのだから、盆と正月が一緒にやってくるような嬉しいラインナップ。

そして、江戸~明治編ではまだ一回しかお目にかかってない橋本雅邦の‘龍虎
図屏風’(重文 静嘉堂文庫美)が展示される。この絵は特別なときにしかで
てこないので見逃せない。これまで、狩野派の大きな回顧展で縁があったの
は‘狩野永徳’(2007年 京博)、‘狩野山楽・山雪’(2013年 京博)、
‘狩野元信’(2017年 サントリー美)。その総決算となるのが来年の‘大狩
野派’。出品作はあれもこれも長くみていたい状態が予想される。開幕が待ち
遠しい。

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2026.06.15

若冲 強烈なインパクトを放つ黒の輝き!

Img_0004_20260615234301   ‘箒に鶏図’(18世紀)

Img_20260615234301   ‘白象図’(1795年 ギッターコレクション)

Img_0003_20260615234301   ‘寒山拾得図’(18世紀)

Img_0002_20260615234301   ‘小槌に宝珠図’(18世紀 福田美)

Img_0001_20260615234301   

‘玄圃瑤華よりひつじぐさ’(1768年)

マネの絵には黒を重視したいい絵がいくつもある。たとえば、最晩年に描いた‘フォリー=ベルジェーㇽ劇場のバー’や‘すみれの花束をつけたベルト・モリゾ’は黒の印象がとても強い。そして、マネの黒に感化されたのがルノワール。ロンドンのコートールド美にある‘桟敷席’では、白と黒を基調としたドレスが上流階級の女性の滑らかな肌が際立たせている。

伊藤若冲(1716~1800)の水墨画をみているときにも、濃墨のパワーが強烈で、描かれたモチーフが目に焼きつけられることが度々ある。‘箒に鶏図’は大きな箒が強い黒で存在感が増し、その上に濃い黒の尾っぽを高くあげた鶏がひょいと乗っている。愛らしい目をした白象を正面からとらえた絵では白象の輪郭を大胆な濃い墨線を用いてかたどっている。

‘寒山拾得図’は濃墨のばさばさとした筆致で表現された頭の髪と太くて力強い衣文線に視線が集中する。水墨画をみる機会は多いが、これほど濃墨が輝いているように感じられるものはそうはない。だから、若冲につきあっていれば、水墨画の楽しさの遭遇することにもなる。まさにそれを実感させるのが‘小槌に宝珠図’。太い輪郭線でかたどられた打出の小槌と願いを叶える宝珠には動勢と力がみなぎっている。

拓版画集の‘玄圃瑤華(げんぽようか)’に登場する蛙は地の黒が不思議な魅力を醸し出している。今でも通用するような現代感覚のモダンな図柄がこの画集につまっているのが驚き。若冲のデザインセンスは当時の人々の好みを大きく超えて、未来に生まれてくるアートを先取りしている。

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2026.06.14

若冲 目を見張らせる新機軸の表現技巧!

Img_20260614224701   ‘樹花鳥獣図屏風(部分)’(18世紀 静岡県美)

Img_0001_20260614224701   ‘白象群獣図’(1772~1787年)

Img_0002_20260614224701   ‘石灯籠図屏風(部分)’(1789~1800年頃 京博)

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Img_0003_20260614224801   ‘乗興舟(部分)’(1767年 京博)

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Img_0004_20260614224701   ‘菊図’(18世紀)

伊藤若冲(1716~1800)の絵で目を奪われテンションがぐんと上が
るのは美は細部に宿る‘動植綵絵’とこれとよく似たヴァージョンの数々だが、
夢中になってみてしまうのがもうひとつある。それは静岡県美が所蔵する
‘樹花鳥獣図屏風’(六曲一双)。これは‘枡目描き’とか‘モザイク画’と呼ばれ
る技法が使われている。個人蔵の‘白象群獣図’も同じ描き方。

おもしろいのはモザイクのように細かい枡目が描かれ、その一つひとつを色で
埋めて図柄をつくりだしていること。これを根気よく続け、白象、熊、鳳凰、
鶏、猿、、、花、樹木を描き動植物ワンダーランドを出現させている。

スーラの点描法が若冲の絵に登場するのも大きなサプライズだった。でも、
‘石灯籠図屏風’の全部ではなく、石灯籠と石の柵のところだけが点描が用いら
れ、樹木や鳥、背景はふつうの水墨画と変わらない。この水墨の点描画は石の
質感を点々で表しているのである。

‘乗興舟’を凝視して長くみてしまうのは、この伏見から淀川を天満橋まで舟で
下った様子を描いた画巻が石碑の拓本を採る手法が応用されているから。
ほかにこの描き方による風景画はみたことがない。反転された世界では、川を
行き交う舟や岸辺の人々が闇の中に光を帯びて浮かび上がっている。静かで
幻想的な情景に魅了される。

‘菊図’は墨のにじみを利用した‘筋目描き’の効果がどんと発揮された菊花に視線が集中する。若冲は40代の半ばから菊の花びらのほかに魚や龍の鱗、亀の甲羅、海老の尾を筋目で描いている。

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2026.06.13

宇都宮美のお宝コレクション!

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  マグリットの‘大家族’(1963年)

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  高橋由一の‘中州月夜の図’(1878年)

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  松本竣介の‘街’(1940年)

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  棟方志功の‘四神板経天井画柵’(1949年)

西洋絵画史に記述されるような大画家が描いた有名な絵が日本の美術館に収
蔵されていると、なにか誇らしい気持ちになる。すぐ思い浮かぶのは大原美
にあるゴーギャンの‘かぐわしき大地’とSOMPO美で楽しめるゴッホの‘ひまわ
り’。そして、宇都宮美には誰もが認めるお宝がある。それはシュルレアリス
ム絵画のマグリット(1898~1967)の‘大家族’。

‘ゴッホの跳ね橋’展をみたあと、この絵に再会したくてコレクション展にも寄
ってみた。ありました、ありました!これはTASCHEN本(日本語版)の‘ルネ
・マグリット’(2007年)に主要作品のひとつとして選ばれており、
2015年国立新美で開催されたワールドクラスの‘マグリット展’に宇都宮美
が所蔵するもうひとつのマグリットの‘夢’(同じくコレクション展示)と一緒
に出品された。

青空に浮かぶ雲の一部が鳥の頭とダブルイメージになっているのにインスピ
レーションが働き、これに馬鹿でかい羽をくっつけ巨大な空飛ぶ鳥を出現さ
せた。小さい頃、白い雲をみてそれと生き物の形や人間の顔が似ていると勝
手に思い込み、おもしろがったりした。こんな経験は誰もがしているから、
マグリットのダブルイメージは作品にすっと入っていける。ダリの神秘的で夢
にでてくるようなシュール画に強く惹かれるが、普段の生活の中でふと気づく
二つのイメージの重ね合わせのおもしろさをみせてくれるマグリットにも魅了
され続けている。

ほかの絵では高橋由一(1828~1894)の‘中州月夜の図’、はじめて
お目にかかった松本竣介(1912~1948)の‘街’、棟方志功(1903
~1975)の‘四神板経天井画柵’を長くみていた。

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2026.06.12

ゴッホ ‘跳ね橋’の連作!

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  ‘アルルの跳ね橋’(1888年3月 クレラー=ミュラー美)

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  ‘跳ね橋’(1888年5月 ヴァルラフ=リヒャルツ美)

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  ‘アルルの跳ね橋’(1888年4月)

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  ‘アルルの跳ね橋’(1888年3月 ゴッホ美)

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  ‘アルルの跳ね橋’(1888年4月)

今、宇都宮美で行われている‘ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち’
(4/19~6/21)は平日なのに大勢の人たちがいて大盛況だった。
JR宇都宮駅から美術館まで相乗りしたタクシーの運転手さんの話によると、
土日は入館に長い列ができており、県外からの来館者も多く、新宿から来
たという人を乗せたと言っていた。やはり、ゴッホがモネ同様、高い人気
を誇る画家だから、混雑を覚悟して出かけたほうがよさそうである。

宇都宮美が閉幕すると次の美術館へ巡回する。残念ながら東京には来ない。
☆あべのハルカス美 7/4~9/9
☆名古屋市美    9/19~11/29
この2館でも、お目当てのゴッホの‘跳ね橋’をみるために多くの美術ファンが
押し寄せるにちがいない。

長らく対面を待っていたケルンのヴァルラフ=リヒャルツ美が所蔵する‘跳ね
橋’が目の中にはいったので、これまで縁のあった跳ね橋の連作とまだ遭遇し
てないものを並べてみた。

手元にあるTASCHENから刊行された‘ゴッホ全油彩画 Ⅰ・Ⅱ’(2010年)
には‘アルルの跳ね橋’を描いた絵は全部で5点載っている。上から4点は油彩
で一番下は水彩。1888年の3月に描かれたのがクレラーミュラー美にあ
るもっとも有名な‘アルルの跳ね橋’とアムステルダムのゴッホ美が所蔵する
もの。そのあと同じ方向から橋をみて描いたのが個人蔵の油彩と水彩(とも
に未見)。そして、最後に先行の4点とは違う方向から描かれたのが今回
ヴァルラフ=リヒャルツ美から出品されたもの。

嬉しいことにクレラーミュラー美蔵の‘アルルの跳ね橋’は‘大ゴッホ展 Ⅱ’で
70年ぶりに日本にやって來ることになっている。
☆2027年2~5月頃  神戸市博
☆ 6月~9月      福島県美
☆10月~2028年1月 上野の森美
来年の上野の森美は今年の‘大ゴッホ展 Ⅰ’(5/29~8/12)以上に、大変
なことになりそう。

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2026.06.11

大盛況のゴッホの‘跳ね橋’!

Img_0002_20260611221001   ゴッホの‘跳ね橋’(1888年 ケルン ヴァルラフ=リヒャルツ美)

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ゴーギャンの‘ブルターニュの少年’(1889年)

Img_0003_20260611221001   マネの‘アスパラガスの束’(1880年)

Img_0004_20260611221101   クールベの‘シオン城’(1873年)

Img_20260611221101   レイセルベルへの‘グリ=ネ岬’(1900年)

宇都宮まで遠出し、現在宇都宮美で開催されている‘ゴッホの跳ね橋と印象派
の画家たち’(4/19~6/21)をみてきた。作品を所蔵しているのはケル
ンにあるヴァルラフ=リヒャルツ美。美術本によりこの美術館がインプット
されたのは鑑賞欲を強く刺激するゴッホ(1853~1890)の‘跳ね橋’
とゴーギャン(1848~1903)の‘ブルターニュの少年’がコレクショ
ンの目玉になっていたから。だから、展覧会の情報を入手したとき、跳び
あがって喜んだ。

‘跳ね橋’はゴッホ専用の部屋に飾られている。跳ね橋はゴッホのお気に入り
にモチーフでこれは1888年3月、最初に描かれたクレラー=ミュラー美
蔵の有名な‘アルルの跳ね橋’(2027年にやって來る)の2ヶ月後の5月
に別の場所からとらえている。空と水面の青は‘アルルの跳ね橋’よりは強く
なく落ちついている感じ。人が3人描きこまれているが、静かなたたずまい。
こういうゴッホの描き方にも大変惹かれる。長年の夢が叶った。ミューズ
に感謝!

少年にしては怖い目つきが気になっていたゴーギャンの絵に遭遇したのも
エピソード記憶のひとつになりそう。タヒチで描いた土着の人々の表情を
どこか先取りしているようで、エキゾチックなパワーが感じられる。ひさし
ぶりにみたゴーギャンがこんなにいい絵なので嬉しくてたまらない。

お目当ての2点に遭遇したので、あとはオマケ気分でみた。でも、オマケと
言っては申し訳ない絵がいくつかでてきた。流石、名の知れたドイツの美術
館のコレクションである。マネ(1832~1883)の静物画‘アスパラガ
スの束’は白の輝きを目に焼き付けた。そして、クールベ(1819~1877)の中景で描かれた‘シオン城’と美しい点描画という印象を強く抱くレイセルベルへ(1862~1926)の‘グリ=ネ岬’にも思わず足がとまった。

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2026.06.09

若冲 意表を突くおもしろい絵!

Img_0001_20260609220501   ‘河豚と蛙の相撲図’(18世紀 京博)

Img_0004_20260609220501   ‘雨龍図’(18世紀)

Img_0003_20260609220501   ‘月に叭々鳥図’(18世紀 岡田美)

Img_20260609220501   ‘布袋唐子図’(18世紀)

Img_0002_20260609220501   ‘達磨図’(1751~64年 ギッターコレクション)

伊藤若冲(1716~1800)が描く水墨画のなかには漫画チックな表現
だったり、意表を突く構図により思わず笑いがこぼれるものがある。最高に
おもしろいのは京博が所蔵している‘河豚と蛙の相撲図’。蛙は‘鳥獣戯画’に登
場して笑いをとってるからすぐ納得だが、相手の河豚(ふぐ)は??? 
こんな組み合わせを若冲はどこから思いついたのか。太っている相撲取りの
イメージと河豚のぷくっとふくれた腹が重なったのだろうか。

‘雨龍図’は赤塚不二夫の漫画をみているよう。逆S字形に体をくねらせた龍の
顔はついゲラゲラ笑ってしまう個性的なゆるキャラそのもの。筋目描きが使わ
れた体を全部見せないで、画面の中央に口を大きく開けた顔を正面に向かせ
てみせる。なんともとぼけた龍ちゃんである。若冲はニヤニヤしながら筆を
走らせたにちがいない。

叭々鳥が羽を三角形のように広げて大きな月をバックにして垂直に降下して
いる姿を描いた‘月の叭々鳥図’は忘れられない一枚。叭々鳥はどんな鳥なのか
わからないが、ほかの作品に描かれていればこの絵がすぐ浮かんできそう。縦長
の画面の特徴を十分生かした意表を突く画面構成がスピード感を生み出して
いる。

肩の力が自然とゆるんでくる‘布袋唐子図’は愛すべき作品。3人の唐子が優し
い布袋さんと遊んでいる。その一人は布袋の大きな頭の上に乗って元気いっ
ぱいはしゃいでいる。‘十分遊んだから、もういいだろう。降りてくれない’と
いいたげな布袋の表情がじつにおもしろい。‘達磨図’は突き出た額と大きな目
は強いインパクトがある。こんな親しみを感じる達磨ははじめてみた。

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2026.06.08

美は細部に宿る若冲ワールド!

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Img_0003_20260608222101   ‘月梅図’(1755年 メトロポリタン美)

Img_20260608222201   ‘旭日鳳凰図’(拡大 1755年 三の丸尚蔵館)

Img_0006_20260608222201   国宝‘動植綵絵 梅花群鶴図’(拡大 1765年以前 三の丸尚蔵館)

Img_0005_20260608222201   国宝‘動植綵絵 南天雄鶏図’(拡大 1765年以前 三の丸尚蔵館)

Img_0004_20260608222201   国宝‘動植綵絵 芍薬群蝶図’(拡大 1757~58年 三の丸尚蔵館)

Img_0001_20260608222201   国宝‘動植綵絵 菊花流水図’(拡大 1766年頃 三の丸尚蔵館)

美術館に飾ってある日本画を鑑賞するとき、単眼鏡がとくに役に立つのが大
画面の‘洛中洛外図屏風’。以前国宝の‘舟木本’(東博)に描きこまれた京都の
景観をガイドブック本にしたがって全部つぶしていったことがあるが、やや
暗い画面に描かれたモチーフをしっかりとらえるのに単眼鏡が大活躍した。

単眼鏡の効用が強く感じられる絵がもうひとつある。それは美が細部に宿る
若冲ワールド。伊藤若冲(1716~1800)の類をみない超観察力と超
絶テクニックにより生まれた細密極まりない花鳥画は細部に迫れば迫るほど
感動がいっそう高まっていく。こんな楽しい鑑賞体験はそうはない。だから、
若冲の回顧展をMAXに楽しむのに一番いいのは、展示会場では単眼鏡をフル
に活用し、家に帰ればその感動を図録に載った拡大図をながめてよみがえら
せること。それを長く続けると、もう若冲ワールドからは一生離れられなく
なる。

その世界へいざなう傑作花鳥画をいくつかピックアップしてみた。
以前はバークコレクションのひとつで今はNYのメトロポリタン美におさまっ
ている‘月梅図’。‘動植綵絵’にも梅の絵は2点あるが、最も好きなのは花と蕾
がびっしり描かれ、とても見やすい構図になっているこの絵。拡大図(画像をクリックするとさらに大きくなる)をいつもうっとりした気分でながめている。

拡大図がこれほど響くのかと夢中になって細部を凝視してしまうのは大好き
な‘旭日鳳凰図’。みればみるほど若冲の羽を美しくみせる超絶技巧に圧倒され、
そして感激する。‘動植綵絵’に登場する鶴の羽が白のレースをみているような
気にさせる‘梅花群鶴図’や南天と雄鶏のとさかの赤が賑やかにコラボする絵も
大変惹かれる。また、咲き誇る芍薬の世界で気持ちよさそうに遊んでいる蝶
の群れを描いた‘芍薬群蝶図’も心が和む。頭がくらくらして目がまわりそうな
のが‘菊花流水図’の拡大図。まるで菊の花が動いているよう。

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2026.06.07

若冲 花鳥画 ベスト&ベスト!

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   ‘旭日鳳凰図’(1755年 三の丸尚蔵館)

Img_0002_20260607223601   国宝‘動植綵絵 群鶏図’(1761~65年 三の丸尚蔵館)

Img_0005_20260607223601   国宝‘動植綵絵 雪中鴛鴦図’(1759年 三の丸尚蔵館)

Img_0001_20260607223601   国宝‘動植綵絵 老松鸚鵡図’(1760年頃 三の丸尚蔵館)

Img_20260607223601   国宝‘動植綵絵 菊花流水図’(1765~66年 三の丸尚蔵館)

Img_0004_20260607223601   ‘花鳥版画 雪竹に錦鶏図’(1771年 平木浮世絵財団)

今年の秋、大規模改修工事が完成する三の丸尚蔵館は‘皇居三の丸尚蔵館’と
改称され全面オープンする。期待される特別展がいろいろ決まっているが、
とくに関心が高いのが伊藤若冲(1716~1800)の‘動植綵絵’(30幅)
の展示。若冲の代名詞となったこの絵は2017年に狩野永徳の‘唐獅子図屏
風’などと一緒に国宝に指定された。

この究極の花鳥画の中にお気に入りの作品が4点入っている。まず外せない
のが‘群鶏図’、色のインパクトではとさかの赤と羽の黒の強烈なコントラス
トがスゴイ。そして白い羽の輝きにも惹きつけられる。そして、雪のリアル
な質感描写にすいこまれる‘雪中鴛鴦図’と白い鸚鵡の光沢感がまわりに広が
るイメージのする‘老松鸚鵡図’に魅了され続けている。

三の丸尚蔵館には‘動植綵絵’に登場する鳳凰より数倍も堂々として華やかな姿
で描かれた‘旭日鳳凰図’がある。これをMy好きな若冲のベストワンに長く登
録している。秋におとずれる再会を心待ちにしている。
 
‘動植綵絵’のなかに琳派の装飾性を取り込んだような目に心地いい絵が1点あ
る。それは‘菊花流水図’。ここに描かれている小さな鳥は印象が薄く、光琳流
の流水の曲線を背景に白の菊花の浮遊する感じが、見方をかえるすごくシュー
ルにみえる。はじめてお目にかかったときは、‘おおー’と思わずのけぞった。

平木浮世絵財団が所蔵するお宝の若冲が‘花鳥版画 雪竹に錦鶏図’。運よく
6図全部みることができたが、この大きく描かれた錦鶏をみるたびに若冲の
カラリストぶりに200%感心させられる。

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2026.06.06

好投が続くドジャース佐々木!

Img_20260606223501   エンゼルス戦で好投したドジャース佐々木

昨日、ダイヤモンドバックスに9回裏ホームランを打たれサヨナラ負けを食
らったドジャースが今日はア・リーグ最下位のエンゼルス戦で3番フリー
マンのホームランにより、サヨナラ勝ちをした。拍手々!

ドジャースの先発は佐々木朗希。ここ数試合、好投が続いているので、
弱いエンゼルスの打線をしっかり押さえ込むだろうとみていた。果たして、
今回もいいピッチング内容で7回を2安打無失点と好投した。相手の先発
左腕もうまく投げていて勝ちがつかず勝ち星は4勝にはならなかったが、佐
々木への評価は投げるたびに上がっている。

前回の登板で100マイル(160キロ)が今年先発してはじめて何球かあ
ったが、今日は最速の100.6マイル(約161.6キロ)を計測した。
だんだん、日本で投げていたときのような剛腕ぶりが戻ってきた。球が暴れ
なくなり、制球力が安定してきたから安心してみられる。投げているのは
ストレート、スプリット、スライダーの3つだけ。軸になる速いストレート
が狙ったところにばんばん投げ込めるので打者は押し込まれ、攻略できない。
そして追い込むとスプリットで三振がとれる。きょうはストレートとスプリ
ットがよく決まり、最多の10奪三振。

佐々木が投げるたびに自信をつけ結果を出しているので、大谷、山本(明日
先発)、佐々木の日本人黄金トリオがドジャースの勝利に大きく貢献してい
る。ドジャースの試合をみるのが毎日楽しくてたまらない。

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2026.06.05

映画‘沓掛時次郎 遊侠一匹’!

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  1966年 東映製作 中村錦之助主演

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  1961年 大映製作 市川雷蔵主演

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今年に入りブックオフへ出かけるときは日本の股旅映画が棚に並んでいるか
に注意を払っているが、聖書の‘求めよ、さらば与えられん’が起こることが多
くなった。最近、思わぬ幸運に恵まれ3本手に入った。そのひとつが
1966年、東映が製作した‘沓掛時次郎 遊侠一匹’。主演は中村錦之助(知
っている人は知っている)。3/27に大映が市川雷蔵の主演でつくった‘沓掛
時次郎’をとりあげたが、その5年後に東映も脚本を変えて上映していたとは
知らなかった。

時代劇の大スター中村錦之助の映画は2,3本しか記憶にない。若い頃の錦
之助ははじめてお目にかかった。絵にかいたような映画スターという感じで、
イケメンでかっこいい。人気が出るはず。しかも、ほろっとさせるほど演技
が上手い。ええー、この映画にでていたの!?だったのが時次郎に惚れてつ
きまとう弟分役の渥美清。あの寅さんの渥美清が中村錦之助と共演し渡世人
になっていたとは。渥美清は松竹の所属ではなかった?

時次郎が一宿一飯の恩義のために斬った三蔵の妻のおきぬに扮しているのは
‘喜劇社長シリーズ&駅前シリーズ’でお馴染みの池内淳子。そして、旅の途中
で泊った宿屋の女将で出演しているのは厳しい目つきをした太っ腹女で存在
感を発揮している清川虹子(知っている人は知っている)。

大映版との違いは中村錦之助が悪党親分たちとの決闘シーンがみせる刀さばき
がかなり激しく、血しぶきで画面が染まるところ。アップのカットなので緊
張感を強いられる。東映の時代劇はいつもこんなバイオレンス演出だった?
主題歌は低音の魅力のフランク永井が唄っていたが、これは市川雷蔵の相棒、
橋幸夫のヒット曲♪♪‘沓掛時次郎’のほうに軍配があがる。

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2026.06.03

魅了される若冲 プラスα!

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‘老松白鶴図’(18世紀)

Img_0001_20260603233001   ‘花卉雄鶏図’(18世紀)

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‘霊亀図’(18世紀)

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‘蛇図’(18世紀 個人蔵)

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‘小槌に宝珠図’(18世紀)

伊藤若冲(1716~1800)は人気の高い絵師だから、これまで特別展
が数多く開催されている。そうしてお目にかかった作品を極力ダブりがない
ようにつくったMy若冲図録は今7冊ある。それにより若冲がどんなモチー
フを得意としているかがおおよそ頭にはいった。その作品のラインナップを
思い出しながら、福田美に飾られた作品を夢中になってみた。

前のめりになってみてしまうのはやはり彩色画。関心の的は美術館が新しく
手に入れ、今回初披露される‘老松白鶴図’。使っているのは今年の4月に作ら
れた図録‘福田コレクション 伊藤若冲’に載った図版ではなく、スマホ写真が
上手く撮れているもの。ぱっとみて鶴と松の組み合わせ方が秀逸。大変魅了
された。

福田美は若冲の代名詞のようになっている鶏の絵を彩色画では3点所蔵している。最初に取り上げた‘蕪に双鶏図’と‘群鶏図’に思わず足がとまっただけでなく、穴の空いた‘太湖石’と山茶花に囲まれた鶏が身をかがめて地面の餌をついばむ姿を見事な動的描写でとらえた‘花卉雄鶏図’も夢中になってみた。

水墨画で印象深いのが墨の力がみなぎっている尻尾が顔の上までのびている‘霊亀図’。意表を突く構図が斬新なことに加え、1週間前、清澄庭園の池で亀やスッポンをみたので敏感に反応した。そして、本来は苦手なはずなのに、なぜかじっとみてしまった‘蛇図’。これは福田美のものでなく個人のコレクション。若冲で蛇の絵はすぐにはでてこないのでちょっと驚いた。現代書家のダイナミックな作品となんら変わらないほどの自由さをうかがわせる‘小槌に宝珠図’も強く心を打った。

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2026.06.02

予想以上に適応している大リーガー 村上・今井・岡本!

Img_20260602213401  左から村上・今井・岡本

わが家では朝食のあと、大谷・山本・佐々木のいるドジャースの試合を前の
めりになって観るのがお決まりの流れ。今日はダイヤモンドバックスによも
やのホームラン攻勢で敗れたが、開幕60試合を立った時点では期待通りに
首位を走っている。先発陣に名をつらねる3人の投球内容がこのところぐん
と良くなり、故障者リストに入っているスネル、グラスノーの脱落を十分に
カバーしている。

とくに安心して応援できるようになったのが佐々木。前回の登板はブルペン
陣が打たれて勝ちがつかなかったが、160㎞のストレートが出るようにな
ったので打者を押し込んでアウトがどんどんとれる。日本人トリオが今の調
子を維持すると、チームの勝利に大きく貢献できそう。

ドジャースの3人の活躍だけでなく、今年は新たに大リーガーになった3選
手にも大きな関心を寄せている。契約したのはみなア・リーグのチーム。
野手は中地区のホワイトソックスに所属する村上(ヤクルト)と東地区の
ブルージェイズの岡本(巨人)、あと一人は西地区のアストロズの一員にな
った西武のエースだった今井。

このなかで予想を大きくいい方に裏切ったのはここ数年最下位が続くホワイ
トソックスに2年契約で入団した村上。ホームランを量産し、あれよあれよ
という感じで20号までのばした。これは今、ア・リーグトップの成績。
しかし、まさかのハムストリングの負傷で4~6週間の離脱を余儀なくされ
た。復帰してまた、ホームランを打つ続けられるか、見通しが難しくなった。
レギュラーシーズンの後半になると、ポストシーズン進出を狙うチームは
一段とギアをあげてくるから村上にも投手陣は厳しく投げ込んでくる。
30本プラスマイナスαくらいかもしれない。

岡本は守備力が高いので三塁のレギュラーは確保すると思うが、打率が.216
と低いのが気になる。ホームランは今12本だが、20本にとどくかどうか。
試合数はまだ100ゲーム残っているが、チームの成績が昨年とくらべて悪
すぎるから、PSへの進出は難しい。モチベーションの低さが岡本の成績に
影響するような気がする。

今井のいるアストロズは61試合を戦ったところで4位。首位のマリナーズと
の差はまだ5ゲームなので投手陣が頑張れば、PS入りは十分可能性がある。
今井の調子が上がって、10勝(今2勝)に達すると評価はぐんぐんあがって
くる。最近の2試合はとてもいい内容だったから期待したくなる。

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2026.06.01

若冲の‘果蔬図巻と菜蟲譜’!

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Img_0002_20260601221701   桂川にかかる渡月橋からみた福田美術館

Img_20260601221701   福田美術館から刊行された図録‘果蔬図巻と菜蟲譜’(2026年4月)

Img_0003_20260601221701   ‘果蔬図巻’(福田美)

Img_0004_20260601221701   ‘菜蟲譜’(佐野市立吉澤記念美)

今年の京都旅行は京博の‘北野天神’(4/18~6/14)とうまい具合に福田
美の‘若冲のトリハダ!野菜もウリ!’(4/25~7/5)が重なり満足度MAX
の美術館巡りとなった。福田美へ来たのは3年連続、今年は大変惹かれてい
る伊藤若冲の特別展だから機嫌が一番いい。しかも、目玉作品が2023年
にベルギーでみつかった‘果蔬図巻’とくれば、テンションはぐんと上がる。

作品は2つある展示室の上の階に飾られている。果物や野菜が描かれた絵は
これまでは佐野市立吉澤記念美が所蔵する‘菜蟲譜’が目を楽しませてくれた。
その‘菜蟲譜’と新発見の‘果蔬図巻’を一緒に並べるというダブル主役の展示が
実現した。すばらしい!1回目(4/25~5/8)のときは大勢の若冲ファン
が来館したことだろう。そして、このコラボはもう一回、6/20~7/5に
行われる。

展示室には二つの作品を比較する気の利いたパネルが用意されており、図巻
の大きさ、描かれている果物・野菜の名前、制作の時期などがコンパクトに
解説されている。ミュージアムショップにある図録を購入すると、さらに
詳しく果物、野菜、虫などの生き物のことがわかることになっている。

お楽しみはもうひとつある。それは‘果蔬図巻’の2年後に描かれた‘果蔬涅槃
図’(個人蔵)。これははじめてみる作品。これもパネル付きなので、時間を
かけてどんな果物や野菜が登場しているかを確認するのも一興。
みてのお楽しみ!

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