追っかけラストピース! 速水御舟
‘白鷺紫閃’(1934年 ひろしま美)
旅には三つの楽しみがある。どこへ行くか計画を立てる楽しみ。実際にその
場所にいて絶景の景色やお寺や教会などをみる楽しみ。そして、旅行から帰
って観光パンフレットやたくさん撮った写真をながめて感動の数々を思い出
す楽しみ。
美術鑑賞でも似たような楽しみ方がある。美術館へ出かけたとき、他館を含
めて予定されている特別展の情報が載っているチラシを手に入れると結構気
分がハイになる。とくに長く待った美術家の回顧展が実現することがわかる
と、宝物ものをゲットした気分になり脳ではたらく関心のエネルギーが一気
にそこに向かっていくような感じ。2027年の春、東近美で開催される
速水御舟(1894~1935)の特別展でもそれがはじまっている。
で、手元にある美術品に載っている作品でまだ縁のないものとの遭遇を勝手
に妄想している。果たして、願いは主催者に伝わるか。広島に仕事で住んで
いたとき、ひろしま美へはよく足を運んだが、御舟の‘白鷺紫閃’は姿をみせて
くれなかった。ここはゴッホなど西洋絵画がメインの売りになっているので、
なにか特別な企画でないと展示しないのだろう。夢が叶うだろうか。
御舟の静物画で狙っているのは細密な写実描写に惹かれる‘葡萄と茶碗’。花鳥
画の装飾性豊かな‘鬱金桜’や二匹のはやが水面に落ちた椿の花にむかって水底
から上がってきたところを描いた‘池上小戯’にも鑑賞欲を強く刺激される。
静謐な風景画になっている‘潮来所見’も是非みてみたい一枚。

































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