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2026.02.27

追っかけラストピース! ルノワール

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‘エリザベスとアリス・カーン・ダンヴェール’(1881年 サンパウロ美)

Img_0003_20260227231601   ‘花束を持つ少女’(1888年 サンパウロ美)

Img_0002_20260227231601   ‘フィガロ紙を読むモネ夫人’(1872年 グルベンキアン財団)

Img_0001_20260227231601   ‘パラソルを持った少女’(1883年)

Img_0004_20260227231601   ‘聖マルコ広場’(1881年 ミネアポリス美)

今年はパリのオルセー美から美術本に載っている有名な印象派や後期印象派
の絵画がどどっとやって來る。その先陣をきって昨年の10月から西洋美で
‘印象派-室内をめぐる物語’が行われ、先週の2/15に終了した。ここでは
ドガ、マネの存在感を感じさせるいい絵が並んでいたが、、ルノワール
(1841~1919)も‘ピアノを弾く少女たち’など定番の女性画が3点
登場した。

ルノワールへの期待は11月に東京都美で開催される‘いまを生きる歓び’(11/14~3/28)でも当然のように膨らむが、気になるのは出品作のラインナップにでてこないこと。ルノワールの描く女性こそタイトルにピッタリあう作品なのだが、西洋美に3点出張させたから、ルノワールの役はほかの、ドガやティソにやってもらおうということなのか。諦めたくはないが、、、

南半球のブラジルに鑑賞欲をとても刺激する女の子の絵が2点ある。所蔵しているのはサンパウロ美でルノワール本には必ず載っている‘エリザベスとアリス・カーン・ダンヴェール’とその7年後に描かれた花束を持つ少女’。このラストピースを求めて孫悟空のように飛んで行きたい気持ちである。そして、パリにある‘パラソルを持つ少女’にも一度でいいから会ってみたい。

2007年はじめてポルトガルへ行ったときは自由時間がなくて、泣く泣く首都のリスボンにあるグルベンキアン美は断念した。いつか再訪を思いえがいたが、その機会が実現しない。ルノワール流に表現した‘フィガロ紙を読むモネ夫人’にぞっこん参っている。風景画で残っているのはアメリカのミネアポリス美が所蔵する‘聖マルコ広場’。TASCHEN本でみて以来、対面をずっと待っているが、ミネアポリスから吉報が舞い込んで来ない。

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2026.02.26

追っかけラストピース! 軽井沢の美術館

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軽井沢千住博美術館

Img_0002_20260226225801   軽井沢安東美術館

Img_0001_20260226225801   セゾン現代美術館

Img_0003_20260226225801   佐久市立近代美術館

昨年の11月、宇都宮在住の美術仲間の案内で栃木市美を訪問し歌麿展を楽
しんだ。横浜からJRに乗り栃木県を目指すのんびりした旅だったが、目的地
に着くまで次々と目に入ってくる風景が静岡へ行ったときと同様、どれも
新鮮にみえ旅心が強く刺激された。

まだ訪問してない岩手、秋田、新潟にある美術館のほかに関心が高いのが
長野県の軽井沢でみれる美術館。箱根同様、人気の観光地ではあるが、
もともと山との縁が薄く好みは海の方にむかっているから、軽井沢はクルマ
で移動するときの通過点として通っただけで、この街に長く滞在したこと
ない。だから、どんな街かというエピソード記憶はゼロ。

まず一番に出かけたのはウオーターフォールに魅了され続けている千住博の
作品をみせる軽井沢千住博美。これまで個展に3回遭遇したが、最後は
2019年横浜のそごう美で開催された高野山金剛峰寺襖絵完成記念の‘千住
博展‘。そこに軽井沢からも出品されたので、所蔵品の一部はすでにお目にか
かっているから、今度出かけたらそのときの感動が甦ることになりそう。

軽井沢の美術館で行ってみようかと思いはじめたきっかけは、昨年2度も足を運んだ‘藤田嗣治展’(東京ステーションギャラリー)で軽井沢安東美が所蔵する‘メキシコの男’に遭遇したから。藤田の回顧展を何度もみたのにこれは未見の作品。どこの所蔵? 軽井沢安東美がインプットされた。現地でどのくらいの数の藤田がみれるか。期待したい。セゾン現美と佐久市美は順番として件の2館のあとになるが、頭の中に関心のフックがしっかりかかっているから訪問の可能性は十分ある。

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2026.02.25

追っかけラストピース! 古寺

Img_20260225225901   国宝‘浄瑠璃寺本堂’(1107年 京都府加茂町)

Img_0001_20260225230001   国宝‘阿弥陀如来坐像’(11∼12世紀)

Img_0002_20260225230001   国宝‘海住山寺五重塔’(1214年 京都府加茂町)

Img_0003_20260225230001   ‘西大寺本堂’(奈良市西大寺芝町)

Img_0005_20260225230001   ‘西大寺 愛染明王坐像’(重文 1247年)

Img_0004_20260225230001   国宝‘秋篠寺本堂’(13世紀前半)

仏画や彫刻、宝物、そして建築物などの傑作がどこの古寺、神社あるいは
美術館へ行くとお目にかかれるか。わが家にはその情報を得るバイブル的
な美術本が2つある。1998年に刊行された‘週刊朝日百科 日本の国宝’
(当時一冊560円)と‘日本仏教美術名宝展’(1995年 奈良博)の
図録。これにより名宝追っかけ旅行の計画が立てられてきた。

古寺で優先度の高いのは浄瑠璃寺。京都府の南に位置し、さらに下るとす
ぐ奈良県になる。アクセスは近鉄奈良駅からバスで行くのがよさそう。
お目当ては本堂に安置された9体の阿弥陀如来坐像と三重塔(国宝)。
そして、近くにある海住山寺の五重塔も逃せない。京都から奈良へは近鉄
特急で行くとすぐ着くという感じだが、奈良からバスでめざすとなると
時間がかかるかもしれない。果たして?

奈良市にある西大寺はまだ縁がない。東大寺や興福寺があるところからはだいぶ西の方にあるが、以前訪問した大和文華館の手前だから、どぎまぎしなくてもよさそうな感じ。有名な‘十二天像’や‘透彫舎利殿’(共に国宝)は運よく遭遇したので、ここでのターゲットは迫力満点の‘愛染明王坐像’。美術館で開催される仏像展に出品されないので、鑑賞欲を強く刺激される。

西大寺から近鉄奈良線を越えて北に進むと到着するのが秋篠寺。なぜかその名前に惹かれているお寺で、奈良博の決定版仏教美術展でみた‘梵天立像’が忘れられない。そして、国宝の本堂も期待できそう。

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2026.02.24

追っかけラストピース! 神社

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‘亀戸天神社’(東京都江東区亀戸)

Img_0001_20260224234301   国宝 ‘住吉大社本殿’(1810年 大阪市住吉区住吉)

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‘神倉神社’(和歌山県新宮市神倉)

わが家は2年前、神話のふるさと宮崎を旅行し、高千穂神社、天岩戸神社、鵜戸神宮などをめぐり、昨年も京都の伏見稲荷大社、奈良の春日大社に出かけたので、すっかり神社づいている。お陰でこれまで訪問した有名な神社の数がだいぶ増えた。こうなると、全部とはいかないが、観光名所として知られるところはできるだけ多く足を運ぼうという気になっている。

手元にある全国にある神社をそうめくりで載せている雑誌をながめて、足元にある人気のスポットにまだ行ってないことに気づいた。それは東京都江東区にある亀戸天神社。江戸時代から‘藤の名所’として知られ、広重は春の梅を浮世絵に描いている。今年は、ここを第一の目標にしたい。

京都をめざすときはこれまでも大阪へ足をのばすことがあったが、美術館だけでなく名所観光として頭にあるのは住吉大社。大阪はまだ不慣れな街なので、すぐにはどこにあるかイメージできない。本殿は国宝に指定されているのは前から知っているので、ここへ行かないと神社は済みマークがつかないという思いはずっとあった。ようやく実現する機運になってきた。

かなり前名古屋で仕事をしていたときクルマで、熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社を参詣し、熊野詣を果たした。だから、遠い和歌山への2度目の出動を計画するのは可能性が低いのだが、新宮市にある神倉神社のことが気になってしょうがない。この神社は神倉山の斜面にある巨大なゴトビキ岩といわれる磐座(いわくら)を御神体としている。2月に行われる男たちが松明をもって山を駆け下る勇壮な祭りをニュースでみて、巨大な岩に最接近したくなった。名古屋まで新幹線で行き、そこからJR紀伊本線に乗り換え、新宮市をめざす。さて、その時がやって來るか。

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2026.02.23

大阪中之島美の‘サラ・モリス展’!

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  ‘シーグラム・ビルディング’(1999年)

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  ‘サウンドグラフ’(2018年 大阪中之島美)

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  ‘求愛行動 スパイダーウェブ’(2021年)

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  ‘SM 反転された輪郭 イニシャル’(2011年)

美術館で行われる特別企画の展覧会は、昨年の末に出版された雑誌の特集記
事により全国レベルでの情報が得られるようになった。そのため、出動する
美術館のオプションが首都圏にとどまらず近畿圏にまで広がる可能性がでて
きた。今年はわが家にとって最大のイベントである京博で開催される
‘北野天神’(4/18~6/14)に出かける準備を今周到に進めている。

これにくっつけてはしごする特別展をチェックしていて、ちょっと残念な
情報が入ってきた。今日放送された日曜美術館のアートシーンで大阪中之島
美の‘サラ・モリス展’(1/31~4/5)が紹介されていた。現代アートなの
で、英国人のサラ・モリス(1967~)はまったく知らないが、波長のあ
う作品がいろいろでてきた。

‘ミッドタウン 蛍光灯の灯るシーグラム・ビルディング’はモンドリアンが
頭をかすめるし、サイエンス番組で地震が取り上げられるときによく出てく
る波形を連想させる‘社会は抽象的であり、文化は具体的である「サウンド
グラフ」’にも惹かれる。また、‘求愛行動「スパイダーウェブ」’は立体感の
あるフォルムが蜘蛛の巣をすぐイメージさせる。‘SM反転された輪郭「イニ
シャル」’はステラがダブってくる。

興味深い現代アートなので心が動くが、残念ながら4月5日で終了(首都圏に
巡回することはなさそう)。本物はダメだが作品の特徴がつかめたので、何か
の拍子に遭遇したら見逃すことはないだろう。そして、これから鑑賞を計画
している‘テート美展’(2/11~5/11 国立新美)、‘ジャッド展’
(2/15~6/7 ワタリウム美)、‘ロン・ミュエク’(4/29~9/23
 森美)のちょうどいい景気づけになった。

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2026.02.22

春日八郎の歌謡曲と結びつくカズオ・イシグロの小説づくり!

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ノーベル文学賞受賞者 カズオ・イシグロ

日本の歌謡曲や演歌を聴くのはクラシック、オペラ同様、昔から大きな楽し
みとなっており、美術と音楽に関しては食べ物とちがって好みの幅を広くと
り、分野を限定しないように心がけている。最近手に入れてものはMY図録
づくりなどの軽作業のとき、音量を下げてバックグラウンドとして流してい
るので、いい曲だと脳を心地よく連続的に刺激し続けている。

そのお陰で心の琴線にふれるメロディだけでなく歌詞にも感情を揺すぶられ
ることが多くなった。それを何度も感じるのが春日八郎のベスト&ベストが
選曲されたCD。たとえば、♪♪‘別れの波止場’は映画のワンシーンを観てい
るような歌詞になっている。

♪♪そんなに泣きたきゃ 泣くだけお泣き
  あとで笑顔に 変るなら 変るなら
  俺とおまえにゃ
  これが別れだ 最後の夜だ
  ああ やがて霧笛の 鳴る夜だ

  そんなに行きたきゃ 行こうじゃないか
  いつも歩いた 波止場道 波止場道
  俺とおまえにゃ
  これが別れだ 愛しい道だ
  ああ きょうは出船の 待つ道だ

  そんなに飲みたきゃ たんまりお飲み
  飲めばつらさも まぎれよう まぎれよう
  俺とおまえにゃ
  これが別れだ 淋しい酒だ 
  ああ あかの他人に なる酒だ 

この歌に200%嵌り、歌手というのは偉大な存在だなと思いながら、
2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロが受賞の記念講演
で語った小説の創作秘話が重なってきた。若い頃ロックスターを夢見たイシ
グロは作品を書くときの心構えについてこう言っている。‘いろんな場面で
歌手の歌声から重要な教訓を学んできた。歌うときの人間の声は、底知れな
いほど複雑に絡みあった感情でも表現できるものです。影響を受けた歌手は
ボブ・ディラン、レイ・チャールズ、ブルース・スプリングスティーンら’。

‘歌唄から何かを感じたとき、私は自分に「そう、これだ」と言います。
「あの場面にこれをーこれに近い何かをー取り込まねば・・・」と。それは
言葉では表現しきれない感情ですが、歌手の歌声にはちゃんとあって、私は目
指すべき何かをもらったと感じます’

イシグロは英国人執事が主人公の‘日の名残り’を書き終えたものの、何か欠け
ていると思っていた。で、米国のミュージシャンが唄うタフガイを貫いてきた
男の心が悲しみで崩れる歌を聴き、感情の壁をつくり鎧をまとっていた執事が
一瞬鎧にひびが入る場面を最後につくり、書き直したという。

♪♪‘そんなに泣きたきゃ 泣くだけお泣き’、今、春日八郎節に聴き惚れている。

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2026.02.21

金間大介著 ‘無敵化する若者たち’!

Img_20260221230001   2026年1月6日発行 東洋経済新報社

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本屋に出かけるのはつい先日購入した島田荘司著‘星籠の海’のように、映画を
観て関心がその原作にも向かうとき。昨年はNHKで放送された‘あんぱん’と
‘大河ドラマ・べらぼう’にのめり込んだため、平賀源内など関連の本を何冊も
手に入れた。それに比べるとビジネスや社会の動きをあつかった本はこれま
で縁があった学者が上梓した最新作に限られるので、年に数冊しかない。

その数冊のなかに入る興味深い本に偶然遭遇した。今年1月6日に発売にな
ったばかりの金間大介著 ‘無敵化する若者たち’。仕事をしている頃はよくお
世話になった東洋経済新報社の本を手にするのは久しぶりのこと。読んでい
るうちに統計データやグラフにも目が慣れてきた。

著者の金間大介氏はまったく知らないが、プロフィルには北海道生まれで
現在金沢大学融合研究域教授となっている。いつ生まれたかの情報がないか
ら今何歳かはわからない。これまで書かれた本はベストセラーになっている
ようで、この本も売れており、電話注文している有隣堂でも関内の本店にな
く横浜店でようやくゲットした。

興味をそそられたのはタイトルの‘無敵化する’という言葉。すぐには頭に入ってこないが、著者はこう説明している。‘ここでいう無敵とは、守るものがなく、社会から見捨てられたと感じ自暴自棄になって犯罪をしてしまうような「無敵の人」とはまったく異なる。ここでは、若いというだけで勝ち組と思えるような恵まれた環境が与えられ、自己評価が高く、かつその権利主張をしっかりするような存在を指す’

本書が浮き彫りにしているのは大学生を含む現代の若者たちの行動と彼らがかかえる複雑で微妙な心理。その特徴は、☆安定志向が強く、仕事に対する熱意や欲求がない ☆上の世代がためらうような権利主張を平気でする ☆自己評価が高い ☆アウトではないが微妙に失礼 ☆いつでも親が味方に ☆他世代に比べ恵まれた労働環境 ☆ストレスやハラスメントのない無菌化された職場が用意されている ☆先輩世代から守られ、大切にされる ☆仕事がうまくいかなくても上司や先輩の責任 ☆飲み会でも気づかってもらえる ☆平均値より下にこぼれ落ちない術を知っている ☆平均値より上に目立たない術を知っている ☆いい子を演じることで上世代と一定の距離を保つ ☆自分や近しい人がよければそれでいい ☆将来展望がない日本でも十分幸せ ☆日本の衰退を気にしない ☆嫌われることを気にしない

こういう無敵世代が生まれた社会と家庭環境が7章で読み解かれ、その対応が8章と最終章で語られる。そして、おわりにーあたらしい幸福点からの景色として、図表 ‘何かに挑戦する際の努力量と幸福度の関係’が示されている。これは若者へむけたメッセージ。一読の価値のあるとてもいい本。人口などのマクロデータの解析が的確で、アンケートにもとづく定性的な心理分析や各国比較も鋭い。関心のある方は是非!

コラム欄におもしろい話がでてくる。‘大学生に通じないネタ・トップ5’ 1位:テレビコマーシャル 2位:ドラマ 3位:サッカー 4位:相撲 5位:野球 意外だったのが3位のサッカー。

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2026.02.20

大阪中之島美に日本にあるシュルレアリスム絵画が集結!

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  デ・キリコの‘福音書的な静物Ⅰ’(1916年 大阪中之島美)

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  マグリットの‘レディ・メイドの花束’(1957年 大阪中之島美)

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  マグリットの‘王様の美術館’(1966年 横浜美)

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  デルヴォーの‘立てる女(左) 女神(右)’(1954~56年 姫路市美)

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  エルンストの‘偉大なる無知の人’(1974年 岡崎市美博)

8月にやって來るフェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’の詳しい話が発表され
たか確認するため、開催される大阪中之島美のHPをのぞいてみたが、情報は
まだ開示されてなかった。予告通り下旬の案内になるようだ。しばらく展覧
会の予定をみていたら、現在‘拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、
ファッション、インテリアへ’(12/13~3/8)が行われていることがわ
かった。

ちょうどシュルレアリス絵画を連続的にとりあげたところなので、敏感に反
応した。タイトルでうたっている視点にそって日本にある作品で構成されて
おり、美術館自慢の作品がどどっと出品されている。たとえば、主催する
大阪中之島美はデ・キリコ(1888~1978)の主要作品として知られ
ている‘福音書的な静物Ⅰ’と2015年、国立新美で開催された決定版の‘マグ
リット展’にどーんと展示された‘レディ・メイドの花束’。

横浜美からは中之島美の後ろ向きの帽子の男とは違って青装束につつまれた男
が正面向きで描かれた‘王様の美術館’がやって来ている。ともに回顧展にも登
場しマグリット(1898~1967)の画風をイメージさせるには欠かせな
いピースなので、納得の展示が実現している。すばらしい!

そして、マグリットとくれば当然同じベルギー人のデルヴォー(1897~
1994)もみたくなる。その願いに応えてくれるのが姫路市美が所蔵する
‘立てる女、女神、乙女達の行進’。これは同じような企画展がほかの美術館
であったときに運よく遭遇したが、縦1.96mの大きな絵なのでデルヴォ
ーに最接近した感じのする作品。また、マックス・エルンスト(1891~
1976)もぬかりなく、横浜美であった回顧展に出品された‘偉大なる無知
の人’が岡崎市美博から馳せ参じている。
 

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2026.02.19

映画‘探偵ミタライの事件簿 星籠の海’!

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Img_0001_20260219225701    監督:和泉聖治 2016年 東映製作
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2013年(単行本)、2016年(講談社文庫)

2週間前、ブックオフで偶然目にとまった映画‘探偵ミタライの事件簿 星籠
の海’(1600円)は期待値を大きく上回る探偵ものだった。そのため、
すぐ2016年に刊行された講談社文庫の島田荘司著‘星籠(せいろ)の海’
(上下)も手に入れ一気に読んだ。世の中に大勢いる日本のミステリー小説
のファンではないので、島田荘司というミステリー作家のことはまったく知
らない。

このDVDをレジにもっていったのは、主演の玉木宏が探偵が趣味の天才脳科
学者、御手洗潔に扮しているならおもしろいかなと思ったから。玉木が刑事役
で主演した2011年テレビ朝日で放送された‘砂の器’での演技がとても上手
かったし、しかもイケメンでかつ天下一品の声の良さとくれば否が応でも期待
してしまう。

‘御手洗潔シリーズ’は1981年に島田荘司のデビュー作となった‘占星術殺人
事件’からはじまり2016年までに50作が刊行されている。でも、映画化
されたのはこの‘星籠の海’(2013年)がはじめて。これは意外だった。
金田一耕助のようにたくさん映画があるなら、ほかのものにも幸運な巡り合
わせがあるように頭のどこかに関心のフックをかけておくつもりだった。
だが、その必要が消えた。

登場人物の設定が映画の脚本と原作とは大きく違っていた。よくあることだが、率直な印象は映画のほうがよくできている。ネタバレになるので詳しくはふれないが、一見関係がなさそうな3つの事件がつながっており、それを指揮している真の黒幕が誰かはなんとなくわかるが、ショッキングな状況で目や口を負傷させられた夫婦と死んだ赤ちゃんが転がっている事件(金田一耕助風のギョッとする場面)については、普通は思いつかないその複雑な組み立てられ方は天才的な頭脳をもっている探偵ミタライ(その観察力と推理の仕方は本家のシャーロックホームズ並み)でないと読み解けない。こんなことをよく考えたな、という感じ。

この映画で殺人事件が起きた舞台となったのは福山市の鞆の浦。ここで殺された男たちは複雑な潮の流れに乗って四国の松山市の島に流れつく。皆外国人の男性、、、謎の殺人事件の話と海上交通の要衝、鞆の浦や瀬戸内海で大暴れした村上水軍、福山藩の老中阿部正弘が密かに検討した黒船対策用の秘密兵器(潜水艇、これが星籠)とどう絡んでいくのか。なかなかよくできた脚本、ほかの作品も読もうかという気になっている。

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My好きな日本の歌! パートⅡ

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このところMy図録づくりに時間を割いているとき、バックグランド・ミュ
ージックとして流れているのはもっぱら日本の歌。今年に入ってから、懐
かしい歌謡曲や演歌が選曲されたCDをブックオフで精力的に買い集め、楽
しく聴いている。2007年の12月27日にまとめた‘Myフェイヴァリッ
ト 日本の歌!’からだいぶ時が流れたので、それ以降でてきたお気に入り
曲なども加えて、パートⅡをつくってみた。

♪♪‘涙の渡り鳥’(1933)   小林千代子
♪♪‘旅傘道中’(1935)    東海林太郎/五木ひろし
♪♪‘旅姿三人男’(1938)   ディック・ミネ
♪♪‘上海の花売り娘’(1939) 岡晴夫/水森かおり
♪♪‘長崎物語’(1939)    由利あけみ/春日八郎
♪♪‘目ン無い千鳥’(1940)  大川栄策
♪♪‘湯島の白梅’(1942)   小畑実

♪♪‘落葉しぐれ’(1953)   三浦洸一

♪♪‘お富さん’(1954)    春日八郎

♪♪‘別れの一本杉’(1955)  春日八郎
♪♪‘リンゴ村から’(1956)  三橋美智也

♪♪‘別れの波止場’(1956)  春日八郎

♪♪‘踊子’(1957)      三浦洸一 

♪♪‘お月さん今晩は’(1957) 藤島恒夫

♪♪‘無法松の一生’(1958)  村田英雄    

♪♪‘赤い夕陽の故郷’(1958) 三橋美智也

♪♪‘古城’(1959)      三橋美智也

♪♪‘山の吊橋’(1959)    春日八郎

♪♪‘大利根無情’(1959)   三波春夫

♪♪‘潮来傘’(1960)     橋幸夫

♪♪‘沓掛時次郎’(1961)   橋幸夫

♪♪‘王将’(1961)      村田英雄

♪♪‘ギター仁義’(1963)   北島三郎

♪♪‘花と竜’(1964)     村田英雄
♪♪‘大阪ぐらし’(1964)   フランク永井
♪♪‘二人の世界’(1965)   石原裕次郎
♪♪‘大阪ろまん’(1966)   フランク永井

♪♪‘ラブユー東京’(1966)  ロス・プリモス

♪♪‘たそがれの銀座’(1968) ロス・プリモス
♪♪‘港町ブルース’(1969)  森進一

♪♪‘翼をください’(1971)  赤い鳥

♪♪‘しおさいの詩’(1971)  小椋佳

♪♪‘宗右衛門町ブルース’(1972)    平和勝次とダークホース

♪♪‘女のみち’(1972)    宮史郎とぴんからトリオ

♪♪‘中の島ブルース’(1973) 秋庭豊とアローナイツ

♪♪‘恋の町札幌’(1972)   石原裕次郎

♪♪‘石狩挽歌’(1975)    北原ミレイ

♪♪‘なごり雪’(1975)    イルカ
♪♪‘時代’(1975)      中島みゆき   
♪♪‘許して下さい’(1976)  角川博
♪♪‘さらば青春’(1976)   小椋佳

♪♪‘わかって下さい’(1976) 因幡晃

♪♪‘ぬれて大阪’(1976)   秋庭豊とアローナイツ

♪♪‘青葉城恋唄’(1978)   さとう宗幸

♪♪‘おやじの海’(1979)   村木賢吉

♪♪‘さよなら’(1979)    小田和正

♪♪‘なぜか上海’(1979)   井上陽水

♪♪‘奥飛騨慕情’(1980)   竜鉄也

♪♪‘群青’(1981)      谷村新司

♪♪‘めまい’(1981)     小椋佳    
♪♪‘鳳仙花’(1981)     島倉千代子
♪♪‘大阪ごころ’(1981)   大月みやこ

♪♪‘リバーサイドホテル’(1982)    井上陽水
♪♪‘裏町酒場’(1982)    美空ひばり

♪♪‘さざんかの宿’(1982)  大川栄策

♪♪‘言葉にできない’(1982) 小田和正

♪♪‘片恋酒’(1984)     宮史郎
♪♪‘昭和流れうた’(1985)  森進一

♪♪‘みかわ音頭’(1985)   祭小春
♪♪‘大阪つばめ’(1986)   石川さゆり
♪♪‘夫婦善哉’(1987)    石川さゆり

♪♪‘北の旅人’(1987)    石原裕次郎

♪♪‘雨の永東橋’(1989)   大川栄策

♪♪‘雨の大阪’(1991)    三門忠司
♪♪‘糸’(1992)       中島みゆき
♪♪‘昭和ひとり旅’(1996)  美空ひばり

♪♪‘アメリカ橋’(1998)   山川豊

♪♪‘帰ってこいよ’(1998)  松村和子

♪♪‘駅’(1999)       竹内まりや
♪♪‘ヘッドライト・テールライト’(2000) 中島みゆき

♪♪‘クリスマス・イヴ’(2000)  山下達郎

♪♪‘山河’(2000)      五木ひろし

♪♪‘木曽路の女’(2002)   水森かおり
♪♪‘津軽慕情’(2004)    山本謙司/福田こうへい

♪♪‘むらさき雨情’(2008)  藤あや子
♪♪‘南部蝉しぐれ’(2010)  福田こうへい

You Tubeの動画には何度も再生されている古い歌謡曲がいろいろでてくる。そして、それを今人気のある歌手が歌っているものにもでくわす。たとえば、水森かおりがカバーしている♪♪‘上海の花売り娘’をよく聴いている。テンポのいい歌だから十分楽しめる。また、春日八郎の♪♪‘長崎物語’もたまらなくいい。今聴き惚れているのが先月手に入れた福田こうへいが歌う♪♪‘津軽慕情’。

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2026.02.17

ダリとコラボする日本にあるシュルレアリスム絵画!

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  マグリットの‘大家族’(1963年 宇都宮美)

Img_0004_20260217225401   マグリットの‘現実の感覚’(1963年 宮崎県美)

Img_20260217225401   ミロの‘ゴシック教会の踊り子’(1945年 福岡市美)

Img_0002_20260217225401   デルヴォーの‘夜の通り’(1947年 福岡市美)

Img_0003_20260217225401   エルンストの‘ポーランドの騎士’(1954年 愛知県美)

シュルレアリスム絵画で名声を獲得した画家の回顧展を日本で体験したのは
次の5人。ミロ(1893~1983)、ダリ(1904~1989)、
マグリット(1898~1967)、デルヴォー(1897~1994)、
エルンスト(1891~1976)。図録の数が多いのはミロとダリ。昨年
は東京都美で‘星座シリーズ’が3点も披露されるというワールドクラスの
ミロ展が開催された。2人の人気はピカソ同様高く、以前はデパート、たと
えば日本橋の三越や高島屋によく登場した。

ほかの3人はかろうじて1回は遭遇したから期待に応えてもらったことには
なっている。マグリットは質の高い決定版が2015年に国立新美で行われ、
ベルギー王立美などが所蔵するマグリットのいい絵がどどっと出品された。
このとき、宇都宮美にある‘大家族’も一緒に並んだ。これはTASCHEN本に載
っている傑作。宇都宮美へ大遠征したとき通常展でお目にかかり、倉敷の
大原美にあるゴーギャンの‘かぐわしき大地’のようなお宝中のお宝だなと思い
ながらみていた。同じく国立新美にやってきた宮崎県美の‘現実の感覚’も大き
な満足感が腹の底から湧いてくる作品。

日本でみられるミロは画面の大きさ、完成度の高さからみて福岡市美がもっ
ている‘ゴシック教会でオルガン演奏を聞いている踊り子’がベストワン。はじ
めての大規模なミロ展を2002年世田谷美でみたとき、ミロ狂としてはこ
れが日本の美術館のコレクションになっているのが誇らしい気分だった。

まだ一度しか回顧展に縁がないデルヴォーだが、運よくベルギー王立美を2回も訪問することができたので、マグリット同様質、数ともに十分満足のいくレベルには到達している。日本の美術館には横浜美、埼玉県近美、姫路市美に惹かれる作品があるが、お気に入りは福岡市美蔵の‘夜の通り’。エルンストは名古屋にいた頃、愛知県美でみた‘ポーランドの騎士’がその悪魔的で不気味な画風からすると例外的な美しいシュール画としてインプットされている。

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2026.02.16

日本でみれるサプライズMAXのダリ!

Img_20260216224901   ‘ビキニの3つのスフィンクス’(1947年 諸橋近代美)

Img_0003_20260216225001   ‘幻想的風景:英雄的正午’(1942年 横浜美)

Img_0002_20260216225001   ‘ポルト・リガトの聖母’(1950年 福岡市美)

Img_0001_20260216225001   ‘ヴィーナスの夢’(1939年 広島県美)

Img_0004_20260216225001   ‘キリンⅠ~Ⅵ’(1964年 池田20世紀美)

イギリスのBBCが製作したダリ(1904~1989)のドキュメンタリ
ー映画に日本の美術館でみれる作品がでてくる。それは福島県の磐梯朝日国
立公園のなかにある諸橋近代美(1999年開館)が所蔵する‘ビキニの3つ
のスフィンクス’。いつ訪問したか記憶が薄れているが、こんないいダリが日
本にあるのか!と一気にテンションが上がったことはよく覚えている。
2016年、国立新美で開催された決定版の‘ダリ展’にも出品された。

この絵に仕掛けたダリのダブルイメージは人物の顔。一番手前のきのこ雲で
表現された人の後ろ頭をじっとながめていると、横向きの影がとらえられる。
この人物はアインシュタイン。もうひとりは真ん中の木の頭の中にいるが、
こちらはすっとは頭に入ってこない。右端に注意を集中すると、大きなおで
こと団子鼻をしたフロイトがみえてくる。

横浜美にある大作の3枚の連作壁画‘幻想的風景:英雄的正午’(真ん中)、
夕べ(右)、暁(左)’に遭遇したのは生涯の思い出。これは横浜美のお宝中
のお宝と言っても過言でない傑作。そして、この絵同様に回顧展に飾られた
福岡市美が所蔵する‘ポルト・リガトの聖母’(3点あるヴァージョンのひとつ)
もサプライズMAXを味わえる作品。

一度お目にかかったきりで回顧展になかなか登場しない2点も強く記憶に残っている。広島で仕事をしているときに県立美で出会った‘ヴィーナスの夢’。縦2.4m、横4.9mの大画面に代表作の‘記憶の固執’(1931年 MoMA)に‘燃えるキリン’を合体させて、神秘じみたヴィーナスの夢をシュールに変奏している。もうひとつは伊豆の池田20世紀美でみた‘キリンⅠ~Ⅵ’。キリンの首や胴体につけられた引き出しはキリンがそこにもっている陶酔的な匂いを表現している。

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2026.02.15

宗教画家 ダリ!

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‘超立方体:磔刑のキリスト’(1954年 メトロポリタン美)

Img_0002_20260215231101   ‘十字架の聖ヨハネのキリスト’(1951年 セントマンゴ美博)

Img_0003_20260215231101   ‘最後の晩餐の秘(1955年 ワシントン国立美)

Img_0001_20260215231201   ‘ポルト・リガトの聖母’(1949年 ハガティ美)

Img_0004_20260215231201   ‘ピエタ’(1982年 ガラ=サルバドーレ・ダリ財団)

モチーフの質感描写が超リアルに感じられる静物画(たとえば、パン籠)を
みると、ピカソ同様、ダリ(1904~1989)のデッサン力は群を抜い
て優れている。そのため、シュールな表現なのにビジー感が少なく心の不安
定を助長するカオス状態に陥ることがない。そのダリが戦後に描くことが多
くなった宗教的な題材も鑑賞欲を強く刺激する。

NYのメトロポリタン美に飾られてる‘超立方体:磔刑のキリスト’にお目にか
かったとき、まるでルーヴルで宗教画をみているような感じだった。シュル
レアリスム絵画のど真ん中にいるダリが宗教画に回帰し、すばらしい傑作を
生みだした。縦1.95m、横1.24mの大きな絵なので立ち尽くしてみ
ていた。

まだ縁のない‘十字架の聖ヨハネのキリスト’と将来、遭遇することがあったら、同じくらいのインパクトで全身がつつまれることになりそう。この大作(2.05×1.16m)を所蔵するのはイギリス・グラスゴーにあるセント・マンゴ宗教生活・美術博物館。本物をみるまではダリに済みマークはつけられない。アメリカにはもうひとつ、スゴイのがある。それはワシントン国立美蔵の‘最後の審判’、これも圧倒されるほど大きな宗教画(1.67×2.68m)。現代オペラ風で神秘主義的な雰囲気の漂うダリ流のキリスト物語をみているよう。

‘ポルト・リガトの聖母’はガラのイメージががらっと変わる傑作。これは完成度の高い第一ヴァージョンでアメリカのミルウォーキーの大学が手に入れている。構図はまったく同じだが、色彩の力がすこし弱い別のヴァージョンは1991年日本橋三越で開催されたダリ展にガラ=サルバトーレ・ダリ財団から出品された。このとき、ミケランジェロの彫刻‘ピエタ’をダリが絵画で表現した作品も一緒に展示された。

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2026.02.14

ダリ ベスト&ベスト!

Img_20260214230401    ‘記憶の固執’(1931年 MoMA)

Img_0001_20260214230501    ‘ナルシスの変貌’(1937年 テートモダン)

Img_0003_20260214230501   ‘目覚めの一瞬前の夢’(1944年 ティッセン=ボルネミッサ美)

Img_0004_20260214230501   ‘果てしない謎’(1938年 ソフィア王妃アートセンター)

Img_0002_20260214230501   ‘パン籠’(1926年 サルバドール・ダリ美)

過去に経験したことが楽しい出来事としては記憶に残っているものはどんな
ことが多いだろうか。わが家で話が弾むのはやはり、食べ物のこと。どこの
店のバゲットやメロンパンが美味しいとか、イタリア・フィレンツェで食べ
たステーキが忘れられないとかでよく盛り上がる。でも、どんなものでも美
味しく食べれるほどバランスがとれた食欲になっていないから、グルメのグ
ループにはとても入れそうにない。たとえば、あのネバネバ納豆や餃子は口
に入れたことがないし、東南アジアやインドへはよく出かけたが、辛いものが
ダメだから食事に苦労することがしばしば。

このように食欲にはかなり偏りがあるが、美欲(My造語)についてはオールオーヴァ(中心を決めずに)に広げて楽しんでいる。これは海外の美術館を運よく数多く訪問することができたことが関係している。美術品の鑑賞は視覚体験の連続だから、ブランド美術館が所蔵している名品をみる機会が多くなれば、好みは固定されずにあれもこれも楽しいという風になっていく。それにより食べ物とちがって、偏りの少ない美欲が身についてきた。

ダリ(1904~1989)のシュルレアリスム絵画にぐんぐんとりつかれていったのは、NYのMoMAで代表作の‘記憶の固執’を、ロンドンのテートブリテン(以前は近現代アートは今のテートモダンではなくここに展示されていた)で傑作‘記憶のナルシス’をみたから。‘最高の瞬間!’はまだある。それはマドリードにあるティッセン=ボルネミッサ美(プラドから徒歩約10分で到着する)でお目にかかった‘ざくろの周囲の蜜蜂の飛翔によって生まれた目覚めの一瞬前の夢’(ダリの絵には長いタイトルがつくことがあるのが特徴)。美術本で絵の存在を知ったときはスイスの個人蔵となっていたが、現在はこの美術館の至宝の一枚になっている。絵の魅力度からいうと‘ナルシスの変貌’と双璧かもしれない。

日本の美術館(たしか渋谷のBunkamura)で遭遇したダリの傑作はマドリードのソフィア王妃アートセンターが所蔵する‘果てしない謎’。ダリ本の解説によると、この絵は6通りの読み方ができる多イメージのシュール画。ダリのスーパー脳からは複雑な意味をもたせる造形がでてくる。本当にスゴイ。そして、その卓越した画力はシュルレアリスム表現だけでなく緻密な写実技法で描かれた静物画でも発揮される。

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2026.02.13

ダリの映画に登場した未見の絵画!

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‘亡き兄の肖像’(1963年)

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Img_0005_20260213232901   ‘サンチャゴ・エル・クレンディ’(1955~59年頃)

ピカソ同様、ダリ(1904~1989)のドキュメンタリー映画
‘SALVADOR DALI 世界を愛した芸術家ダリの超現実的な人生’(1987年
 イギリスBBC製作)にも、ダリ本(岩波書店とTASCHEN)やMy図録
(5冊)をフルチェックしても載っていなかった未見の作品が数多く登場
した。だから、ダリのことをより深く知るのに貴重な媒体となった。

最初の絵は白黒の図版はみたことのある‘亡き兄の肖像’。‘岩波 世界の美術 ダリ’(ロバート・ラフォード著 2002年)に載っている同じ年に描かれた別ヴァージョンより、こちらのほうが点描で表現された兄の顔がすっきりしている。次の小さいモチーフを配置してシュールさを表現した作品は一見するとイヴ・タンギーのシュルレアリスムを彷彿とさせる。

青の背景にガラの顔が画面いっぱいに浮き上がる作品はすごい存在感を放っている。一体誰が持っているのだろうか。ほかにも画集に必ず載っているラファエロの聖母像を連想させる‘ポルト・リガトの聖母’がでてくる。収穫はまだ続く。古代エジプト文明をすぐ思い浮かべるスフィンクスを少女の顔に変奏したものに大変惹かれた。頭に蝙蝠がとまり、手足のまわりには頭蓋骨や骨が散乱している。その不気味さが強烈なインパクトで迫ってくるので心臓がちょっとバクバクする。

一番のサプライズ作品は1955~59年頃に描かれた超巨大絵画‘サンチャゴ・エル・クランデイ’。制作を手伝った人物がインタビューに応えている。‘ダリは一人では完成までに3年はかかることに気づいた。それで私に声がかかった。この絵の背景には巨大なゴシック調の天井が描かれている。色を塗っていくだけでも、ダリ一人では1ヶ月ほどかかってしまう。で、慣れている私は10日前後で仕上げた。ダリは色塗りを私に任せ、図案や細部の描写に専念した。私はダリの指示通りに作業を進めていった’。

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2026.02.12

フェルメール 来日が待たれる絵!

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 ‘音楽の稽古’(1662年頃 ロンドン 王室コレクション)

Img_0001_20260212220901   ‘ヴァージナルの前の立つ女’(1672年頃 ナショナルギャラリー)

Img_20260212220901   ‘稽古の中断’(1660~61年 フリック・コレクション)

Img_0003_20260212220901   ‘合奏’(1665~66年頃 イザベラ・スチュアート・ガードナー美)

2月はもう半ばまできたが、気になっているのが2月に詳細が発表されるこ
とになっている8月に来日するフェルメール(1632~1675)の‘真珠
の耳飾りの少女’の話。マウリッツハイス美が所蔵するほかのどんな作品が
大阪中之島美で一緒に飾られるか。2012年の‘マウリッツハイス美展’(東京都美)と同じようにレンブラントも披露されるのか、興味は尽
きない。フェルメールが好きな人は待ち遠しくてたまらないだろう。

日本でのフェルメール人気の高さを反映して、これまで来日した作品は
25点。残りは10点。さて、どの絵が今後姿をみせくれるか。理想は10
点全部だが、その可能性についてはまったくわからない。だから、帆を高く
上げておき何かの拍子にいい風が吹いて対面が叶うことを期待したい。

フェルメールのコンプリートにあと少しのところにきているので、最後の
ピースである‘音楽の稽古’が来日してくれることを、ずっとミューズにお願い
ている。これはロンドンの王室コレクションだが、情報が薄く定期的に公開
されているのかもよくわからない。バッキンガム宮殿にあるクイーンズ・
ギャラリーは2010年に訪問したが、ここでお目にかかれるのだろうか。
どこかの美術館がチャレンジしてくれると嬉しいのだが。

同じくロンドンのナショナルギャラリーにある‘ヴァージナルの前に立つ女’
は、2020年に西洋美で開かれた‘ナショナルギャラリー展’に‘ヴァージナ
ルの前に座る若い女性’が出品されたので、ルーヴル美展のように定例化する
と次の特別公開のとき、この絵が含まれる可能性があるとみてもいいのでは
なかろうか。

アメリカにあるフェルメールに目を移すと、3点を所蔵するNYのフリック・
コレクションの初来日が待たれる。まだ取り上げてなかった‘稽古の中断’は
こちらを向いている女性の強い目力が忘れられない。‘兵士と笑う娘’と‘婦人
と召使い’も傑作だから、1点でもお出ましいただくと喜びMAXとなる。

ボストンのイザベラ・スチュアート・ガードナービ美へはじめて出かけたの
は1993年、その3年前に‘合奏’は盗難にあっていたので、残念ながら鑑賞
できなかった。鏑木清方が描いた美人画の傑作‘築地明石町’は99%諦めてい
たが、なんと発見され東近美で歓喜の対面をした。‘合奏’でも同じことがおこ
ることを願っている。

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2026.02.11

映画 ‘ミステリアス ピカソ 天才の秘密’!

Img_20260211232501   1956年 フランス製作

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画家や彫刻家の物語が映画になったものは、モディリアーニの‘モンパルナス
の灯’のように普通の映画として観るものが大半だが、ダリのようなドキュメ
ンタリー仕立て場合は、絵の制作過程の現場にいるような感覚で観れるとい
う楽しみがある。その究極の作品が1956年に製作された‘ミステリアス 
ピカソ 天才の秘密’。

このDVDが2024年11月に馴染みのブックオフで偶然目にとまり、3100円(海外映画としては高め)を払って手に入れたが、昨年の末まで本棚に積んでおく本のようになっていた。ほかの画家ものと連続的に観たが、‘天才の秘密’の通り、あらためてスゴイ画家であることを実感した。半裸で絵筆を動かすピカソ(1881~1973)はこのとき75歳。20点くらい制作するが、じっとみていると一つ一つのモチーフがあれよあれよいう感じで形になり、彩色されていく。

たとえば、太めの鶏は腹のあたりから描きはじめて(図像の左)、だんだん鶏(右)になっていく。何度もみているうち、これは早送りでみるのがいいことに気づき、ピカソの頭の中でどういう風にモチーフが構成されていくかをつかむことができた。完成の形は予想外の展開になることもあり、この変奏の進行がとても興味深い。

ピカソが仕上げた20点におよぶ絵はもう、この映画にしか存在しないという。確かに手元にあるMyピカソ図録(4冊)にも載っていないから、タイトルは書きようがない。大きな牛の頭が描かれた作品の下の5点は横長の大作。最後に完成したのは‘ガループの海岸’。こうした貴重な作品が登場するので、このDVDをMy図録のビッグなプラスワンにした。

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2026.02.10

フェルメールに惹かれたダリ!

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  1987年 イギリス製作(BBCーTV)

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  フェルメールの‘絵画芸術’(1666~67年 ウィーン美術史美)

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 映画‘SALVADOR DALI 世界が愛した芸術家ダリの超現実的な人生’より

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  フェルメールの‘レースを編む女’(1669~70年 ルーヴル美)

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 映画‘SALVADOR DALI 世界が愛した芸術家ダリの超現実的な人生’より

シュルレアリスト、ダリ(1904~1989)の画家人生にスポットをあ
てたドキュメンタリーDVD ‘SALVADOR DALI 世界が愛した芸術家ダリの超
現実的な人生’に貴重な映像資料がいろいろでてくる。そのひとつがダリが大
きな影響を受けたフェルメール(1632~1675)に関連するもの。
ダリ本には断片的にフェルメールの精緻な写実描写にダリが大変惹かれたこ
とが記されているが、このDVDによりその強い思い入れがストレートに伝わ
ってきた。

フェルメールの‘絵画芸術’を意識して妻のガラを描くときのダリはフェルメ
ールそのもの。こんな風に語っている。‘モデルの女性への愛に発狂する画家
に成りきるのです。(インタビューアー:ガラ自身はどうでしょうか?)
彼女はスフィンクスのように身動きもせず黙ったままです。’

ルーヴルにある‘レースを編む女’にまつわる話がとてもおもしろい。
‘9歳の頃フィゲラスの実家で私は狂気じみた妄想に取りつかれていた。それ
はフェルメールの「レース編みの娘」に関してだ。実際には描かれてないが、
針の先が見えるような気がした。その針に刺されたような痛みを感じたのだ’

‘1955年5月、私はついに原画を目にすることができた。ルーヴル美術館
から模写の許可が出たのだ。美術館の職員と友人が立ち会う中ー私はその高
慢な絵を注意深く観察した。絵に近づいてステッキを当て寸法を測る。職員
たちは私を止めはせず、至宝に対する野蛮な行為をただ不安げに見守ってい
る。突然、私はカンヴァスにサイの角を描き始めた。「レース編みの娘」の
模写をせずに、、彼らの不安は仰天に変わった’。

この後、場面は動物園にいるダリになる。‘「レース編みの娘」の写真をサイ
に合わせたとき、二人の戦いでは娘が勝つと確信した。この娘は形態的に
はサイの角だからだ’

映像をみると確かに「レース編みの娘」の大きな写真をみて、サイは後ずさ
りしている。そして、次にとったダリのパフォーマンスがなんとも破天荒!
ダリは長い棒の槍をもって男たちが持つ大きな写真にむかって突進し、フェ
ルメールの絵を突き破る。‘サイは敗けたが俺はこの娘に勝つぞ’、ということ
なのだろうか。

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2026.02.09

クリストファー・ボグラー著 ‘作家の旅’!

Img_20260209231401   2022年 フィルムアート社

 

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わが家の映画熱はじわじわと上がっており、映画DVDのコレクションは今
417本になった。最近は日本映画のほうに関心がむかい、つい先日‘半落
ち’(2004年 主演寺尾聰)と‘探偵ミタライの事件簿 星籠の海’
(2016年 主演玉木宏)を手に入れた。どうしてもサスペンスや刑事
・探偵ものに手がいく。

作品の数が増えてくると、また観たくなる映画はやはり脚本が優れている
ことを認識させられる。名うてのストーリーテラーはどんなことにヒント
を得て物語の筋立てを構想したのか。あのセリフの意味は何だったのか、
いろんなことに関心がいく。これに応えてくれそうなご機嫌な本が現れた。
それはハリウッドで大きな力をふるっているストーリーコンサルタントの第一
人者のクリストファー・ボグラーが書いた‘作家の旅 ライターズ・ジャー
ニー 神話の法則で読み解く物語の構造’。

先月の19日にアップしたキャンベルの‘千の顔をもつ英雄’に大きな影響を受けて、ボグラーが映画のストーリーテラーのガイド本として1992年に上梓したのがこの本。そして、2020年にオリジナル版に大幅な増補が行われたものの翻訳本が2022年に出版された(定価3000円+税)。565頁もある分厚い本だが読みやすく、物語の構造がキャンベルの‘ヒーローズ・ジャーニー’をベースにして語られ、それが実際の映画にどんな形で入り込んでいるかが解説されている。選ばれた映画は256作品、たとえば大好きな西部劇でみると、

‘赤い河’(1948)、‘アパッチ砦’(1948)、‘駅馬車’(1939)、‘荒野の決闘’(1946)、‘シェーン’(1953)、‘捜索者’(1956)、‘壮烈第七騎兵隊’(1941)、‘ダンス・ウイズ・ウルブズ’(1990)、‘真昼の決闘’(1952)、‘許されざる者’(1992)、‘ラスト・オブ・モヒカン(1992)、‘ワイルドバンチ’(1969)。この本はわが家の映画鑑賞の‘バイブル’になりそう。映画好きでシナリオづくりに興味のある方は是非。

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2026.02.08

フェルメール‘真珠の耳飾りの少女’のモデルの謎!

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‘真珠の耳飾りの少女’(1665年頃 マウリッツハイス美)

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レーニの‘ベアトリーチェ・チェンチの肖像’(1600~10年 バルベリーニ宮殿)

フェルメール(1632~1675)の‘真珠の耳飾りの少女’をみるたびにあ
る妄想が頭をかけめぐる。2006年、ローマを旅行したとき教会や美術館
となっている宮殿をいろいろ観て回った。お目当ては画家のラファエロ、
カラヴァッジョ、コルトーナと彫刻家のミケランジェロ、ベルニーニ。時間
を節約するためタクシーに乗ることが多かったが、長い距離を歩くこともあ
った。お陰でローマには坂が多いことや名所観光の距離感を少しつかむこと
ができた。

カラヴァッジョの絵とコルトーナの天井画をみるために足を運んだバルベリ
ーニ宮殿では、二人の必見リストに載せていた作品との対面が叶い満足度は
MAXに達したが、オマケに大きな収穫の絵があった。それはレーニ
(1575~1642)が描いた‘ベアトリーチェ・チェンチの肖像’。じっと
みているとあの絵が、そうフェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’が重なってき
た。ひょっとしてフェルメールはレーニのこの女性の絵の模写とか銅版画の
ようなものをみたのではないか。

そんな妄想をさせるのはその前年の12月にテレビ東京で放送された人気番組‘美の巨人たち’に、この二枚のつながりをにおわせる話がでてきたからでもある。ともに背景が黒で心をとらえて離さない少女の顔はとても綺麗に描かれており、さらにターバンを被っているのも振り返るポーズも同じ。こういう一致点が揃えば、ついついフェルメールの少女のモデルはベアトリーチを意識しオランダ流に変奏したのではないかと妄想してしまう。

ベアトリーチェ・チェンチ(1577~1599)は実在の女性で1599年、父親殺しの罪で斬首の刑に処せられた。父親を殺すという尋常ではないことがおこったが、この父親というのがとんでもない男で生来の女癖の悪さから、あろうことか自分の娘にまで手を出す始末。で、悲劇の事件をひきおこしてしまった。この肖像画は処刑が執行される直前、牢獄の中にいたベアトリーチェをチェンチ家とゆかりのあった枢機卿がレーニに命じて描かせたと言われている。

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2026.02.07

追っかけラストピース! 北海道の彫刻広場

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Img_0001_20260207224701   

イサム・ノグチの彫刻広場 モエレ沼公園

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Img_0003_20260207224801   安田侃の彫刻広場 アルテビアッツァ美唄

北海道にある美術館でこれまで縁のあったのは札幌芸術の森美しかない。
ほかのところで関心を寄せているのは2022年大阪中之島美で開催された
‘モディリアーニ展’にドンゲンやパスキンなど5点出品していた北海道立近
美。はっとさせるいい絵だったので、北海道近美のコレクションの質の高さ
に驚いた。

温かい季節に札幌へ行くとなるとこの美術館は外せないが、もっと大きな
期待を抱いているのはイサム・ノグチ(1904~1988)の彫刻が楽し
める‘モエレ沼公園’。ここを知ったのはグランドオープンした2005年に、
これを記念して東京都現美で開催された‘イサム・ノグチ展’。子どもたちが
遊ぶにはもってこいの遊具‘オクテトラ’や巨大な野外彫刻、‘プレイマウンテ
ン’(上)、‘テトラマウンド’(下)など数多く並ぶこの公園のおもしろさ
がストレートに伝わってきた。当時はほかにもみたいアートがあったため
すぐには遠い札幌にでかける機運にはいたらなかった。

今はそろそろかな、という気になっている。でかけるときはもうひとつ足
をのばすところは決まっている。ノグチ同様世界的に評価されている彫刻家
安田侃(やすだかん 1945~)の彫刻広場 アルテピアッツァ美唄。
安田侃さんとはなにかの特別展でお会いして、そのときミュジアムショッ
プで購入したこの彫刻広場のガイド本‘また来ます’(2005年 求龍堂)
にサインをしてもらった。

とても気さくな方で、かつて炭鉱で栄えた美唄の山里の廃校となった小学校
を再生したことなどを話してもらった。いっぺんにファンになり、本に載っ
ている彫刻作品などをいつかみようと思った。世界的な彫刻家が故郷に野外
彫刻をみせる広場をつくり多くの人を楽しませている。本当にいい話である。
美唄はJR札幌駅から特急で36分で着くというから、アクセスは悪くない。
期待して訪問したい。

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2026.02.06

追っかけラストピース! 新潟市の美術館

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Img_0001_20260206224901   板谷波山の‘彩磁禽果文花瓶’(重文 1926年)

Img_0004_20260206224901   楠部彌弌の‘彩埏惜春花瓶’(1979年)

Img_0002_20260206225101  新潟県立万代島美術館所蔵 横山操の‘炎炎桜島’(1956年)

Img_0003_20260206225101   横山操の‘朔原‘(1959年)

東北の美術館で今年はなんとかやりくりして出かけてみたいのが秋田県美と
岩手県美であることは先月のはじめにふれたが、新潟県にもいつか訪問した
い美術館が二つある。新潟市の敦井美と新潟県立万代島美。敦井(つるい)
がさっと読めるのになぜか時間がかかったが、万代島も長いこと’ばんだい
じま‘と読めなかった。万代島美は長岡市にある新潟県近美の分館として
2003年7月にオープンした。

2000年から2005年までのどこかの年に日本橋三越あるいは高島屋?
で‘敦井美蔵名品展’が開催された。当時はデパートでは良質の近代日本画や
陶芸の特別展が頻繁に行われていた。この敦井美展もその例に漏れず、
スゴイやきものがずらっと飾られた。そのなかでぐっと惹き込まれたのが
板谷波山(1872~1963)のコレクション。息を呑んでみたのが
‘彩磁禽果文花瓶’。これでいっぺんに板谷波山に嵌った。この傑作は
2006年、波山としては2つ目となる重文に指定された。

もう一人の陶芸家、楠部彌弌(1897~1984)の作品もたくさん飾られた。
波山同様、彌弌も敦井美自慢のコレクションで‘彩埏惜春花瓶’のような見事
な作品が蒐集されている。満足度が高く、やきものだけでなく日本画のいい
のが揃っていたので、いつか新潟にある美術館を訪問しようと思った。
実行計画はまだ進んでないが、JR新潟駅からすぐ近くにあるようなのでアク
セスはよさそう。

万代島美についてはお目当ては横山操(1920~1973)の絵。手元の美術本によると‘炎炎桜島’や‘朔原’など重くて荒々しい作品が7点もここに所蔵されている。横山操が新潟県の出身だから、当たり前といえば当たり前の話。とにかく、ここの作品をみないとこのビッグネームには済みマークはつけられない。そのくらい鑑賞欲を刺激する作品が揃っている。コロナ禍がはじまった2020年だったか、この美術館で回顧展が開催された。でも、リスクがあるのでパスした。仕切り直しで、来年あたりに大遠征したい。

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2026.02.05

フェルメール 来日回数ベスト5!

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 4回 ‘ディアナとニンフたち’(1653~54年頃 マウリッツハイス美)

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    ‘手紙を書く女’(1665年頃 ワシントン国立美)

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 3回 ‘真珠の耳飾りの少女’(1665年頃 マウリッツハイス美)

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    ‘恋文’(1669~70年頃 アムステルダム国立美)

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  ‘手紙を書く婦人と召使い’(1670~71年頃 アイルランド国立美)

2020年、西洋美で‘ロンドン・ナショナル・ギャラリー展’が開催されたと
き、AERAからゴッホ、フェルメールの二大名画徹底解説!!と銘打った‘完全
ガイドブック’(1400円)が発売された。記事のなかに‘フェルメーの来日
24作品リスト’という興味深い情報が載っている。ナショナルギャラリー所
蔵の‘ヴァージナルの前に立つ若い女性’が初来日したので、過去の展覧会を
調べてまとめたのであろう。

現存するフェルメールの作品35点の来日の有無、来日の回数が記されている。
この時点では24点が来日していたが、その後‘信仰の寓意’が‘メトロポリタン
美展’(2022年 国立新美)に出品されたので今時点では25点。
そのなかで4回が2点、3回が5点(ここでは3点選んだ)。

初期の作品、‘ディアナとニンフ’は日本では2012年の‘マウリッツハイス美’
(東京都美)しか記憶がないが、もう4回も展示されていた。ワシントン国立
美蔵の‘手紙を書く女’も4回、こんなにみたという実感がないから、フェルメ
ールの特別展に出かけるようになる前に来日していたのだろう。

この4回グループに今年仲間入りするのが8月に大阪中之島美にやって來る
‘真珠の耳飾りの少女’。これまで日本でみたのは2回だから、2000年大阪
市美で初めて対面する前にも、一度披露されていた。3回グループはもう
4点ある。‘恋文’と‘手紙を書く婦人と召使い’と割愛した‘窓辺で手紙を読む女’
(ドレスデン国立古典絵画館)と‘リュートを調弦する女’(メトロポリタン美)。

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2026.02.04

追っかけラストピース! 昭和の日本画

Img_20260204222601   ‘昭和の日本画100選’展(1989年 日本橋三越)の図録

Img_0002_20260204222601   寺島紫明の‘彼岸’(1946年 京近美)

Img_0001_20260204222601   稗田一穂の‘帰り路’(1981年 和歌山県近美)

Img_0003_20260204222601   西山英雄の‘噴炎’(1985年 鹿児島市美)

Img_0004_20260204222601   高山辰雄の‘一軒の家’(1988年 大分県立芸術会館)

わが家にはどの近代日本画に鑑賞のエネルギーを注ぎ込むか決めるのに役立
つ図録が一冊ある。それは1989年日本橋三越で開催された‘昭和の日本画
100選’展で手に入れたもの。この特別展は選ばれた100点のなかには
展示されないもの、そして東京では展示されなかったものがあった。そこで、
この図録に載っている名画の追っかけがはじまった。

このバイブルとともに日本画に親しんで36年の時が流れたが、今時点で
100点のうち95点まできた。残りの5点のうちラストピーズにしている
のはここにあげた4点。 昨年、ようやくお目にかかれたのが堂本印象の
回顧展に出品された‘婦女’。これを所蔵している京都市美のすぐ前に建つ
京近美にあるのは寺島紫明(1892~1975)の‘彼岸’。以前京都へよ
く出かけていたとき、京近美の特別展をみたあとは必ず平常展にも寄ったが、
この絵にはふられてばかり。まだ、ミューズに願いがとどかない。

稗田一穂(1920~2021)の‘帰り路’に魅了され続けているが、鑑賞
の機会が訪れない。この絵を所蔵しているのは和歌山県近美。稗田の生まれ
のが田辺市なのでここにあるのだろうが、和歌山市はクルマで通過しただけ
で市内観光はまだ。もし、出かけるなら大阪からJRの特急かなかにかで和歌
山をめざすことになるのだろうか。2時間くらいで着く?首都圏の美術館で
回顧展を企画してくれると嬉しいのだが、、

西山英雄(1911~1989)のパワフル200%の‘噴炎’は一度みてみ
たいが、鹿児島市美は遠い々美術館。横山操の山の絵と似たような荒々し
さに惹かれるが、真近でみたら立ち尽くしそう。回顧展を経験した高山辰雄
(1912~2007)は‘いだく’(東近美)と大分県立芸術館ある‘一軒の
家’の2点が選ばれている。練馬区の回顧展で‘一軒の家’を期待したが、ダメ
だった。ビッグネームの画家だから、次の機会を待ちたい。

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2026.02.03

映画‘オランダの光’!

Img_0003_20260203223201     2003年 オランダ製作 上映時間:94分

Img_0002_20260203223201   フェルメールの‘デルフト眺望’(1659~60年 マウリッツハイス美)

Img_0001_20260203223201  ライスダールの‘漂白場のあるハールレムの風景’(1670~75年 マウリッツハイス美)

Img_20260203223201   モネの‘レインスブルフ近郊のチューリップ畑と風車’(1886年 ゴッホ美)

馴染みのブックオフでフェルメール(1632~1675)の物語を映画に
した‘真珠の耳飾りの少女’が手に入ったとき、うまい具合に同じ年にオランダ
で製作されたドキュメンタリー作品の‘オランダの光’が目に入った。情報が
まったくなかったが、キャッチコピーの‘フェルメールが見た光を探し求める、
想像を超えたオデッセイ’にひきよせられ、‘真珠の耳飾り’と一緒にレジにも
っていった。

オランダはスイスのジュネーブに住んでいた頃も含めて4回旅する機会があ
った。いずれも観光客としてお決まりのアムステルダムやハーグなどを楽し
んだだけなので、17世紀の画家たちの創作の源となったといわれる‘オラン
ダの光(自然光)’を意識してあちこち動いたということもなければ、光を実
感したこともない。だから、芸術家、美術史家、天文物理学者などが解説して
くれる‘オランダの光’の特徴を知ったことは次回のオランダ旅行やオランダ絵
画に接するときに役立つのかもしれない。

注目して観ていたのはどの絵がでてくるかだった。‘オランダの光’と密接に
結びつくのはやはりフェルメールの傑作風景画‘デルフト眺望’とライスダール
(1628~1682)の‘漂白場のあるハールレムの風景’。オマケにでてき
たモネ(1840~1926)の‘レインスブルフ近郊のチューリップ畑と
風車’は印象派流の光の表現だから、モネが強烈にイメージづけられ、‘オラン
ダの光’はどこかへ消えていく。

リアリティがあっておもしろかったのはEC諸国を駆け巡るトラック運転手の話。
オランダ人:土地の平らなデンマークではきれいな光がよく見えるよ。オラ
      ンダと同じでたくさん見られる。デンマーク、オランダ、スペ
      インを比較すると、スペインの大きな街はとくにダメ、背の高
      い建物でいっぱいだからね。空と地面の境目が全く見えないん
      だ。スペインの太陽は強烈で空ももっと青く澄んでます。夜明
      けはオランダの方が早いですがね。
フランス人:スペインとオランダの差は運転しているとすぐわかる。わしの
      住むブルターニュとオランダ、ベルギーはほぼ同じといった感じ
      かな。ブルターニュの景色はここよりきれいさ。オランダはどこ
      へ行っても同じ景色だね。
イギリス人:オランダはイギリスよりずっと明るいですね。太陽もよく出るし。

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2026.02.02

追っかけラストピース! 仏像

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  国宝 ‘如意輪観音坐像’(836~840年頃 観心寺)

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  国宝 ‘十一面観音立像’(9世紀 法華寺)

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  国宝 ‘執金剛神立像’(8世紀中頃 東大寺法華堂)

美術館へ足を運んでもっとも嬉しいことは長く鑑賞の機会を待っていた美術
品との対面が叶うこと。そして、その日はすぐ‘まだみてない日本美術名作
リスト’から作品のコピーを消すことになっている。昨年はすみだ北斎美で
偶然遭遇した歌麿の‘当世踊子揃 石橋’(個人蔵)がやっとなくなった。
今年は上手くいけば3点くらい済みマークになりそうな特別展が二つある。
果たして、出品作のなかに含まれているだろうか。期待したい。

仕事では達成すべき課題や目標があるのは当たり前だが、趣味として楽し
んでいることでも何か目標を立てておくと気持ちに張りが出てくる。知人
に2度目の日本名山の登頂に挑んでいる人がいるが、その元気いっぱいの
姿に感心する。美術鑑賞の場合、名城や名山の制覇とちがって、目標を掲げ
てもそれがすぐ実現するというわけにいかない。公開のタイミングを長く待
って、やっと思いの丈が叶えられるのが普通だから、長期戦と心得、粘り強
く待つほかない。‘待てば海路の日和あり’である。とにかく‘あの傑作をみる
ぞ!’という気持ちを切らさないことが大事。

わが家の美術品の追っかけは国宝に指定されている絵画、彫刻、やきもの、
工芸品、建築物などが中心だが、それだけにとどまらず好きな画家の作品
がまだたくさん残っている。国宝については今、関心が高いのは仏像の
ラストピース(なんとしてもみたい作品)。ここにあげた3点が残ってい
る。観心寺の‘如意輪観音坐像’、法華寺の‘十一面観音立像’、東大寺法華堂
の‘執金剛神立像’。

いずれも公開される時期もお寺のある場所もわかっているので、そのタイ
ミングにあわせて大阪旅行、奈良旅行が計画できるかにかかっている。
今年はひとつを実現させたいと思っているが、さてどうなるか。

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2026.02.01

映画‘真珠の耳飾りの少女’!

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Img_0001_20260201222401   2003年 イギリス・ルクセンブルク製作

Img_0002_20260201222401   ‘真珠の耳飾りの少女’(1665~66年頃 マウリッツハイス美)

つい最近、行きつけのブックオフで海外映画のコーナーをみていたら、探し
ていた作品がひょいと現れた。それは2004年仕事をしていた広島の
映画館で観た‘真珠の耳飾りの少女’。当時はフェルメール(1632~
1675)に夢中だったから、普段は劇場で映画を観たことがないのに足を
運んだ。

昨年から映画化された作曲家や美術家の物語を意識的に追っかけているが、
こちらのテンションが上がったからといって、すぐ揃うものでもない。
どんな物語だったか、8割方忘れているフェルメールの映画は2005年
にハーグを旅行し、街の光景を思い出したいという気持ちがあって、リスト
にいれていたが、運よくゲットすることができた。

物語が進むにつれて、絵のモデルとなった少女がフェルメール家の下働き
であったこと、お高くとまっている女主人、品行のよろしくないパトロン
の記憶がすこしずつ蘇ってきた。どんな絵がでてくるか注目していると
‘真珠の首飾り’(ベルリン絵画館)、‘水差しを持つ女’(メトロポリタン美)
、‘ふたりの紳士と女’(ヘルツォーク・アントン・ウルリヒ美)が使われて
いた。でも、マウリッツハイス美にある本物の‘真珠の耳飾りの少女’は登場
しない。

劇場で観たとき強く印象に残っているシーンでは気持ちを集中させてみた。
それは少女役のグリードがカメラ・オブスキュラに驚く場面。
フェルメール ‘カメラ・オブスキュラだ、覗いてみろ’
グリードは布をかぶってびっくりする
フェルメール ‘みえたか’(絵は「水差しを持つ女」)
グリード   ‘絵がなぜ箱の中に?’
フェルメール ‘これがレンズだ、外の光がここを通り箱の中に像を映し出す’
グリード   ‘本物?’
フェルメール ‘虚像(イメージ)だ’
フェルメール ‘光が描いた絵!’
フェルメール ‘参考になる’

俄然、また古都ハーグへ行きたくなった。

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