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2026.01.31

アメリカにあるクリムト!

Img_0002_20260131224801   ‘メーダ・プリマフェージュの肖像’(1912年頃 メトロポリタン美)

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 ‘踊り子’(1916~18年 ノイエ・ギャラリー)

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‘黒い羽毛の帽子’(1910年 ノイエ・ギャラリー)

Img_0001_20260131224901   ‘希望Ⅱ’(1907~08年 MoMA)

Img_0004_20260131224901   ‘赤子’(1917年 ワシントン国立美)

Img_0005_20260131224901   ‘婦人の肖像’(1917~18年 フィラデルフィア美)

2019年以降わが家の海外旅行はコロナ禍などによりストップしているた
め、アメリカの美術館の今時点の情報ではないが、所蔵しているクリムト
(1862~1918)の作品は全部で12点。その内訳はNYのノイエ・
ギャラリー(6)、メトロポリタン(3)、MoMA(1)、ワシントン
国立美(1)、フィラデルフィア美(1)、METの1点を除く11
点を運よくみることができた。

突出して多いのは2013年に訪問したNYのノイエ・ギャラリー。
2006年、155億円で落札した‘アデレー・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ’
のほかにも踊り子’、‘黒い羽毛の帽子’、風景画3点を所蔵している。当時は
これらの傑作を無料でみせてもらった。今は有料という情報が耳に入ってい
るが、間違ってない?そして、さらに1,2点増えているのだろうか。

ここから歩いて10分くらいで着くメトロポリタンへ行くと、明るい色彩に
より気持ちがぐんと軽くなる‘メーダ・プリマフェージの肖像’との出会いが
待っている。はじめてこの少女に会ったとき、瞬間的に女優の柴咲コウを思
い浮かべた。このあと、MoMAまで足をのばすと妊娠した女性が横向きで
描かれた‘希望Ⅱ’に遭遇する。複雑な女性画で丸い輪や渦巻模様が色とりど
りに表現された装飾性豊かな衣装につつまれている。そのなかには謎の頭蓋
骨や3人の女性も混じっているから目がキョロキョロする。

最晩年に描かれた作品を所蔵しているのがワシントン国立美とフィラデルフ
ィア美。宇都宮美でお目にかかった‘赤子’と2度目のフィラデルフィアで対面し
た‘婦人の肖像’。アメリカ人がクリムトに熱心なのがよくわかる。

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2026.01.30

クリムト ベスト&ベスト!

Img_0004_20260130220501   ‘接吻’(1907~08年 オーストリア美)

Img_0003_20260130220501  ‘アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ’(1907年 ノイエ・ギャラリー)

Img_0002_20260130220501   ‘ダナエ’(1907~08年)

Img_0005_20260130220601   ‘金魚’(1901~02年 ゾロトゥルン美)

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Img_20260130220601   ‘ベートーベン・フリーズ’(1902年 分離派館)

クリムト(1862~1918)の本物の絵を西洋美でみたのは東京都美で
回顧展を楽しんだ2019年以来のことだった。6年くらい間隔が空いたか
らそろそろ次の回顧展に出会いたくなる。世の中にはクリムトが好きな人が
大勢いるから、美術館の学芸員だって展示計画の候補にあげたくなるだろう。
どこの美術館がどんな切り口でクリムトをみせてくれるのか、まるで検討が
つかないが、期待してもおかしくないビッグネームだから、どこかで動きが
進行していると信じたい。

過去にお目にかかったクリムト関連の特別展は、
☆1987年 ウィーン世紀末 クリムト、シーレとその時代 (セゾン美)
☆1994年 ウィーンのジャポニスム           (東武美)
☆2009年 クリムト、シーレ、ウイーン世紀末展   (日本橋高島屋)
☆2013年 NY ノイエ・ギャラリー
☆2013年 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語    (宇都宮美)
☆2019年 クリムト展               (東京都美)

クリムトで‘大事件’といってもいいのが1987年池袋のセゾン美(今はない)
に展示された代表作の‘接吻’。ウィーンのベルヴェデーレ宮殿から日本に特別
出張してくれたのだからたまらない。1982年にウィーンでみて‘最高の
瞬間!’を味わった絵と再会できるとは夢にも思わなかった。つくづく日本は
美術大国だなと思った。対面の場所が宮殿から変わったのは‘アデーレ・ブロ
ッホ=バウアーの肖像Ⅰ’も同じ。オーストリアを離れアメリアに渡ったこの
絵をまた楽しむため、2013年NYのノイエ・ギャラリーを訪問した。目の
大きな女性が正方形の画面に豪華絢爛の黄金につつまれ正面向きで描かれて
いる。息を呑んでみていた。

まだ縁のない作品でその官能的なイメージが心をザワザワさせるのは個人蔵の‘ダナエ’とスイスの美術館にある‘金魚’。ともにクリムト本には欠かせないピースだが、夢のままが続きそう。ウィーンにある分離派館の壁を飾った大画面の‘ベートーベン・フリーズ’は、ローマのシステーナ礼拝堂に描かれたミケランジェロの天井画と同じように名所観光の気分でみる作品。ゾクゾクっとするのが中央の第ニの壁(上)に描かれた力のありそうなゴリラと妖艶な女性たち。女声合唱団と抱き合う裸の男女が描かれた三つ目の壁(下)をみていると‘第9’の第4楽章の‘歓喜の歌’が聞こえてくる。

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2026.01.29

クリムトの風景画!

Img_20260129223101   ‘アッター湖のほとり’(1900年 レオポルト美)

Img_0004_20260129223101   ‘アッター湖畔の風景’(1916年頃)

Img_0002_20260129223201   ‘アッター湖畔のカンマ―城Ⅰ’(1908年 プラハ美)

Img_0001_20260129223201   ‘ひまわりのある田舎の庭’(1905~06年 オーストリア美)

Img_0003_20260129223201   ‘ブナ林Ⅰ’(1902年頃 ドレスデン近代美)

クリムト(1862~1918)が生涯に描いた作品は220点くらいで、
そのうち風景画は50点あまり。日本でクリムトの展覧会が開催されるとき
、目玉となるのは代表作の‘接吻’などの黄金様式で装飾性豊かに描かれた作
品。これをみたくてクリムトファンは美術館に足を運ぶ。だから、出品作
のなかに入っている正方形のキャンバスが使われた風景画は脇役的な位置づ
けとなる。

でも、クリムトは規格外の大画家だから、風景画にもぐっと惹き込まれるも
のがあり、鑑賞後にはもっとみたいという思いが強く湧いてくる。これまで
日本の美術館、ウィーンのオーストリア美、オルセー、NYのノイエ・ギャ
ラリーなどでお目にかかったのは全部で18点くらい。まだたくさん残って
いるから、西洋美に寄託された‘アッター湖の島’のような幸運な機会が巡って
くることをミューズにお願いしたくなる。

その‘アッター湖の島’と構図がよく似ている‘アッター湖のほとり’は、
2013年に大遠征した宇都宮美で行われたクリムト展で運よく遭遇した。
これは生誕150周年を祝う特別展だったので、世界中の美術館ではクリム
トのとりっこがあり、日本にはレオポルト美が所蔵する風景画がまわってき
たという感じ。

ベルヴェデーレ宮殿のなかにあるオーストリア美でみた‘アッター湖畔の風景’
は今はここにはないが、日本での再会を願っている。そして、宮殿でみれる
‘ひまわりのある田舎の庭’はお気に入りの花尽くしの絵だが、3度目のウィー
ン旅行が実行計画に進むかはまだ不確定。また、プラハ美を訪問したのに
なぜか姿をみせてくれなかった‘アッター湖畔のカンマ―城Ⅰ’と時間の関係
で入館できなかったドレスデン近代美の‘ブナ林Ⅰ’への思いはとても強いが、
旅行先の優先順位があがってくる気配がない。

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2026.01.28

寛永寺の天井絵!

Img_20260128223601   寛永寺天井絵 手塚雄二の‘叡嶽双龍’(2023年)

Img_0002_20260128223601   根本中堂

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先週、西洋美で印象派展をみたあと、東博から歩いて10分くらいのところ
にある寛永寺(地図を参照方)へ移動して、根本中堂の天井絵をみた。取り
上げるのが遅くなったのは、この天井絵‘叡嶽双龍’を描いた日本画家の手塚
雄二(1953~)の回顧展が2024年の秋に開催されたときに手に入れ
たパンフレットなどをおさめたファイルがすぐ出てこなかったから。ようや
く、保管場所の勘違いが解消され必要な情報が整った。

寛永寺の創建400周年を記念して描かれた大きな天井絵(6×12m)は
2023年に完成し、昨年9月に奉納された。そして、今年に入って一般公
開された。みれる日はHPに載っているが、その期間は4月までとなってい
る。5月以降は日程が固まっていないから案内されてないのか、それとも
公開されないのかはわからない。時間は10:00~16:00で拝観料は
500円。写真撮影はNG。寝そべってみるのはダメ。
 
横浜そごうで間近でみたのは天井絵そのもの。床にどーんと置かれた巨大な
天井板に直接描かれた二頭の龍が大迫力で躍動していた。龍の爪が5本なの
で皇帝を表している。これを今度は下から仰ぎ見ることになった。天井は
昨年出かけた天龍寺のように高くないので、龍のぎょろとした目や針のよう
な口の周りの髭、そして、動き回る胴体のフォルムに視線が釘付けになる。
どこからみても龍の目はこちらをむいている、いわゆる‘八方にらみ’も楽し
い体験。

京都や日光で龍の天井画をみたが、東京でも同じ楽しみが味わえるようにな
った。定期的に寛永寺を訪れることになりそう。

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2026.01.27

映画‘ポロック 2人だけのアトリエ’!

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Img_0003_20260127223801  ‘サマータイム’(1948年 テート美)

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岩波アート・ライブラリー‘ジャクソン・ポロックとリー・クラズナー’(2009年)より

まだ観ていない映画DVDで画家物語のものは本を読むときとか、My図録づ
くりの軽作業をしているとき、音声のボリュームを落として楽しんでいる。
サスペンスや刑事ものとはちがい、画家の映画は画業の流れや作品がおおよ
そインプットされているので、わが家ではこういう‘ながら’鑑賞はありにな
っている。

昨日から二日がかりで‘ポロック 2人だけのアトリエ’(2000年)を観
た。この年のアカデミー賞でリー・クラズナー役のマーシャ・ゲイ・ハーデ
ンは助演女優賞を受賞している。賞をとるのは即納得だが、残念なことに
これまでみてきた映画でどれに出演していたか、実感がなくはじめて出会
う女優のような気がする。監督とポロック役の二刀流をこなしているエド・
ハリスは知っているが、すぐにはどの映画でお目にかかたかは思い出せない。
また、ペギー・グッゲンハイムの女優もみたことはあるが、コレクションの
中にはでここない。

この映画を観たお陰で以前ゲットしていた岩波アート・ライブラリーの一冊
‘ジャクソンポロックとリー・クラズナー’に書かれていることがリアルな情
報として立体的に記憶された。ポロックがアル中で交通事故で亡くなったこ
とはわかっていたが、アルコール依存症がこれほど強かったとは。人生の中
でお酒を断ったのは2年しかできず、飲酒運転で自分も即死し(44歳)、
若い愛人の友人まで死なせてしまった。抽象表現主義の傑作をたくさん生み
だした天才画家がこんな悲惨な終わり方をすると心が深く痛む。

アクション・ペインティングの制作現場をみせる作品がいろいろ出てくるが、
実際にみた作品では初期のフィラデルフィア美にある‘男と女’と最後にとりあ
げられたロンドンのテート美所蔵の‘サマータイム:ナンバー9A、1948’
に明快に反応できた。岩波の本に載ってる雑誌‘ライフ’の取材記事がそのまま
ワンカットになっている。

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2026.01.26

質の高い作品が楽しめる西洋美平常展!

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クリムトの‘アッター湖の島’(1901~02年頃)

Img_0002_20260126225201   シニャックの‘サン=トロぺの港’(1901年頃)

Img_0004_20260126225201   ロセッティの‘愛の杯’(1867年)

Img_0003_20260126225201   ミレイの‘あひるの子’(1889年)

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スーチンの‘狂女’(1920年)

西洋美で特別展をみたあと、平常展にも寄ってみた。久しぶりにまわるので、
展示室の導線の記憶がもどらなくて、お目当ての作品のところに到着するの
にちょっと時間がかかった。その絵ははじめて展示されているクリムト
(1862~1918)の‘アッター湖の島’。所蔵しているのは日本人のコレクター
で西洋美に寄託されている。クリムトのこんないい風景画が日本でみられる
のだからたまらない。この情報はボッティチェリや運慶・快慶に大変詳しい
むろさんに教えてもらった。ありがとうございました。お陰で見逃さずに済
みました。

手元のMyクリムト図録に載っている風景画をみると、この絵は2013年5
月日本で遭遇した‘アッター湖のほとり’(1900年 ウィーン、レオポルト
美)と構図がよく似ている。クリムト関連の美術本でみたことないが、ヨー
ロッパやアメリカの美術館ではなくて個人コレクターがもっていたものを、
この度日本人が手に入れたのだろうか。日本の美術館にあるクリムトは愛知
県美の‘人生は戦なり(黄金の騎士)’(1903年)と豊田市美の‘オイゲニア
・プリマフェージの肖像’(1913~14年)が有名だが、これにこの風景
画が加わった。本当にすばらしい!

ほかの作品ではシニャック(1863~1935)の大作点描画‘サン=トロペの港’をちょっと離れて気持ちよくみていた。日本にあるシニャックではこれに最も魅了されている。小さい絵でうっかりすると見逃すモローのサロメにも思わず足がとまった。そして、ここはロンドンのテートブリテンかと錯覚するような作品が目の前に現れた。それはラファエロ前派のロセッティ(1828~1883)の‘愛の杯’とミレイの‘あひるの子’。日本でラファエロ前派を楽しめるのでご機嫌である。

前回いつみたか忘れるくらい時間が多く流れた感じなのがリトアニア出身のスーチン(1893~1943)の‘狂女’。世の中の正月休みにあわせて、わが家のシアターで観た映画のなかの一本がモデイリアーニ物語の‘モンパルナスの灯’。これをみながら、あのスーチンもなかなか売れなかったなと思いをめぐらしていた。だから、この赤の衣装が強いインパクトをもつ‘狂女’に敏感に反応した。

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2026.01.25

大相撲初場所 新大関安青錦が優勝!

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  逆転の首投げで熱海富士を降した安青錦

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大相撲初場所は優勝決定戦で熱海富士を降した新大関の安青錦(あおにしき)
が優勝した。拍手々!成績は12勝3敗、先場所の優勝に続き、大関でも優
勝したので、来場所は早くも綱取りとなった。大の里につぐスターが相撲界
に現れた。14日目の大の里との一番で吹っ飛ばされた安青錦だが、この力
士は連敗しない強い精神力を持っているから、大関琴桜には勝って、熱海富
士との優勝決定戦に決着がもちこまれると思っていた。

では、どっちが勝つか、今場所の熱海富士は2横綱を破りとても強い。あの
大きな体でグイグイこられたら、足腰の強い安青錦でも敗けるかもしれない。
大の里に完敗だったから、3割くらいは熱海富士に勝機があるとみていた。
果たして、安青錦は土俵際まで攻めたてられたが、最後は逆転の首投げを決
め、勝利をものにした。やはり、安青錦は大の里同様、‘もっている’力士で
ある。来場所も優勝し、一気に横綱になるような気がする。まだ21歳、
ウクライナ人の大横綱物語がはじまるのではなかろうか。

安青錦が横綱になると、また大関は一人になるが、次の大関候補は誰か。
ズバリ、2横綱を破り勝ち越した義ノ富士と12勝をあげた熱海富士(ともに
伊勢ケ浜部屋)。元横綱の照ノ富士が師匠になった伊勢ケ浜部屋には強い力士
はたくさんおり、厳しい稽古をするから勢いに乗ると大関は十分ねらえる。
もうひとり、11勝をあげた霧島をあげたいところだが、今場所後半に入り
、大きな力士、大の里、琴桜、熱海富士に敗れた。このスタミナ不足が気に
なる。3場所33勝という大関昇進の目安は半年、いいコンディションを
キープしないと上がれないということ。霧島はいい成績をあげたあと、翌場
所が期待外れになることが多い。2度目の大関は無理なような気がする。

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2026.01.24

西洋美の‘印象派 室内をめぐる物語’!(3)

Img_0003_20260124230901   モネの‘七面鳥’(1877年)

Img_0002_20260124230901   モネの‘睡蓮’(1916年 西洋美)

Img_20260124231001   マネの‘芍薬の枝と剪定ばさみ’(1864年)

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バルトロメの‘温室の中で’(1881年頃)

印象派が多くの人の心をとらえるのは画面の中に光を強く感じるから。オル
セーにあるモネ(1840~1926)が48点も出品されたグラン・パレ
の決定版‘モネ展’(2010年)にその光の描写が目に焼き付く作品が数多
く出品された。そのひとつが今回やって来た‘七面鳥’。思い々の方向を向く
七面鳥の羽の白の輝きに200%フリーズする。赤い首や顔は写実的に描か
れてなくても、この白の強さを感じるだけでもう十分である。

最後の部屋に飾られている西洋美が所蔵するお宝中のお宝、‘睡蓮’(松方コレ
クション)もいい気持にさせてくれる。日本に何点もある‘睡蓮シリーズ’のな
かで、この絵をMy好きな睡蓮の第一列に登録している。グラン・パレでも
披露された2点の毛織物の‘睡蓮’は有難い展示。欲をいうときりがないがオル
セーにある睡蓮を1点追加してくれてたら申し分なかったが、、、

マネ(1832~1883)は静物画の名手だが、2010年三菱一号館美で開催された回顧展に出品されて以来2度目の来日となる‘芍薬の枝と剪定ばさみ’は大きな喜び。こげ茶色の背景が浮かび上がらせる芍薬の緑やうすピンク、白がどっと目の中に入ってくるので、存在感のあるとてもお洒落な静物画という感じがする。

バルトロメ(1848~1928)の‘温室の中で’は展覧会の図録などと一緒に販売されている細密な複製画に選ばれており、注目度の高い作品。大きな絵でまわりを温室に咲いている花に囲まれた女性が前にいるような錯覚を覚える。2010年に国立新美であった‘オルセー美展 ポスト印象派’でインパクトが強い作品として記憶に残っているが、今度も同じように息を呑んでみていた。

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2026.01.23

西洋美の‘印象派 室内をめぐる物語’!(2)

Img_20260123232401   マネの‘エミール・ゾラ’(1868年)

Img_0002_20260123232401   セザンヌの‘ギュスターヴ・ジェフロワ’(1895~96年)

Img_0003_20260123232401   バジールの‘バジーリのアトリエ‘(1870年)

Img_0004_20260123232401   ドガの‘ロレンソ・パガンスとオーギュスト・ド・ガ‘(1871∼72年)

Img_0001_20260123232401   

モネの‘アパルトマンの一隅‘(1875年)

西洋美の展示室に入るとすぐ、男性の肖像画の傑作の数々が待ち受けている。
これは圧巻!。いきなりマネ(1832~1883)のエミール・ゾラの
肖像画をみせてくれるの、という感じ。美術本に載っている印象派の有名な
絵を日本の美術館で最初にみたのはこの絵。1988年、ここ西洋美で開催
された‘ジャポニスム展ー19世紀西洋美術への日本の影響’にオルセーから
‘笛を吹く少年’と一緒に目玉作品としてやって来た。パリでみたのは横に置く
と日本でお目にかかったのは今回が3度目。2010年三菱一号美で行われ
た‘マネ展’から16年ぶりの対面である。

いつもびっくりするのがゾラが手に取って読んでいる本の白の輝き。これが印象派の真骨頂であり、まわりに並んでいる絵とくらべると群をぬいて白が光っている。まるで発光体から光がでているよう。隣に飾られているセザンヌ(1839~1906)の‘ギュスターヴ・ジェフロワ’もオルセーの図録に載っている主要作品のひとつ。椅子に座る男性、背景の本棚が光に満ちた色合いでかちっと描かれており、この男性とずっと対面していたい気持ちになる。

新しい絵画を生み出そうと活動していた印象派の画家たちがアトリエに集まっている様子を描いたバジール(1841~1870)ははじめてのオルセーでは名前の印象が薄いため絵の前には長くいないが、また出かけたときは画面の中央の背の高いのがバジール本人で前にいるのはマネだとわかっているからしばらく視線を動かすことになる。確かにこのアトリエには画家の物語がある。バジールは普仏戦争に陸軍の志願兵として従軍し、1870年に戦死した。28歳の若さだった。

ドガ(1834~1917)がスペイン人の歌手兼ギター奏者を描いたのもなかなかいい。その姿には人気の歌手のもっている天性の魅力が備わっている。後ろにいるのは大の音楽好きだった画家の父親。感心しながら楽しんでいるのがよくわかる。家のなかにいる長男ジャンを描いたモネ(1840~1883)の‘アパルトマンの一隅’は画面奥のテーブルをみると左に母親のカミーユが座っている。

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2026.01.22

西洋美の‘印象派 室内をめぐる物語’!(1)

Img_0003_20260122222001   ルノワールの‘ピアノを弾く少女たち’(1892年 オルセー美)

Img_0005_20260122222001  カイユボットの‘ピアノのレッスン’(1881年 マルモッタン・モネ美)

Img_0002_20260122222001   ルノワールの‘読書する少女’(1874~76年 オルセー美)

Img_0004_20260122222001   モネの‘瞑想、長椅子に座るモネ夫人’(1871年 オルセー美)

Img_0001_20260122222001   

ティソの‘L.L.嬢の肖像’(1864年 オルセー美)

Img_20260122222001   ドガの‘家族の肖像’(1858~69年 オルセー美)

今年最初の展覧会鑑賞は昨年10月から西洋美で開催されている‘印象派 
室内をめぐる物語’(2/15まで)。今年はオルセーにある印象派の名作がた
くさんやってくるが、すでにこの特別展からはじまっていた。タイトルの
‘室内をめぐる物語’からすると、描かれたモチーフは印象派というとすぐ思い
浮かべるセーヌ河に浮かぶヨット、荒々しい海景など野外の光景やパリの駅
や大勢の人が集まる歓楽広場など都市の活気を感じさせる場所ではないとこ
ろ。つまり、家のなかにいる人々やテーブルに置かれた花瓶、庭や池でみら
れる植物などが描かれたもの。

観る者の心をぐっととらえるのが光の効果と明る色彩で描かれた女性たち。
たくさん登場する。一番人気はたぶんルノワール(1841~1919)の
‘ピアノを弾く少女たち’だろう。2016年、国立新美で開かれた‘ルノワー
ル展’にも出品された。そして、頬の赤が印象的な‘読書する少女’も一緒にや
って来た。ミュージアムショップの横で販売されていた作品の精密な複製画
(8万5千円)はこの2点が群をぬいて多く売れていた。

二人の女性の顔がみえないカイユボット(1848~1894)の‘ピアノ
のレッスン’は画面の多くを黒が占めているが、楽譜や蝋燭の白や花瓶の花
のピンクが強く光っており、印象派の魅力がびびびし感じられる。これは
マルモッタン・モネ展の所蔵で2013年アーティゾン美であった回顧展に
出品された。カイユボットの画力の高さを再認識した。

モネ(1840~1926)の女性画が今回2点でている。大作の‘ルイ・
ジョアシャン・ゴーディベール夫人’と‘瞑想、長椅子に座るモネ夫人’。とも
に2010年パリのグラン・パレで行われた大モネ展に出品されており、
運よく、日本で再会することになった。これほど嬉しいことはない。‘モネ
夫人’は右半分が窓のカーテンから入ってくる光により輝いており、まるで
発光体から光がでているようだった。

収穫はまだある。オルセー美が製作している図録の見開き頁に載っている
ティソ(1836~1902)の‘L.L.嬢の肖像’とドガ(1834~1917)
の‘家族の肖像’。L.L.嬢の着ている服の赤の力に吸い込まれそうになった。
ドガのスゴイのは愛に満ち溢れた家族を描かないところ。ここには冷やや
かな空気が流れている感じで、夫妻、二人の女の子は心がつながっていない
ようにみえる。

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2026.01.20

映画‘少年時代’にみる絵のような風景!

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Img_20260120225901  ホッベマの‘ミッデルハルニスの並木道’(1689年 ナショナルギャラリー)

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Img_0001_20260120230001   モネの‘ジヴェルニーの積みわら’(1884~89年 プーシキン美)

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Img_0007    高島野十郎の‘夏雲’(1948~59年)

井上陽水が主題歌をつくり映画の最後のシーンで歌われる‘少年時代’を今年に
なってようやく観た。昨年亡くなった篠田正浩監督が1990年につくった
日本映画史に残る傑作だが、陽水の歌ばかりが先行し、肝心の映画に縁がな
かった。どんな物語かわかったのはYou Tubeにでていたのを偶然観たから。
そして、それから2ヶ月くらい経った昨年の9月にDVDをブックオフで運
よくゲットした(値段は3000円)。日本映画の名作は海外映画にくらべ
ると相対的に高い値段で市場にでてくることが多い。

あらためて大型TVで観ると、パソコンとはちがい映画を楽しんでいる感じ
になる。東京が空襲で危険になるため富山へ一人で疎開した少年はみるから
に頭のてっぺんから足のつま先まで東京育ちだから、田舎の子どもにとって
は異邦人でいじめの対象になる。でも、勉強もよくでき腕っぷしの強い編入
されたクラスの級長が面倒をみてくれるので、次第に軋轢がなくなり級長一
派のメンバーになり、本で知った海外と日本のおもしろい物語を皆に話して
聞かせる。

しかし、級長の権力は病気が治り学校に復帰した家の裕福な副級長のクーデ
ターにより奪われてしまう。まるで大人の世界と同じで、落ちた英雄は徹底
して叩かれ、傷つけられる。終戦となり、少年は急遽迎えに来た母親と東京
に帰ることになった。一人ぼっちになった元級長はなんとか間に合い、走り
ながら列車の窓から手をふる少年を見送る。このラストシーンに流れる陽水
の♪♪少年時代がじつにいい。

パソコンで観たときは気づかなかったことがあった。それはこれまでみた海外で描かれた風景画を意識したのではないかと思わせるカットがあること。でてくる順番でいうと、ロンドンのナショナルギャラリーにあるホッベマの典型的な遠近法を使った‘ミッデルハルニスの並木道’がすぐ思い浮かぶ道の表現。ここを少年は母親(上)や級長たち(下)と歩いている。次は秋の農村のわらぼっちの光景。これでぴーんときたのはモネの‘積みわら’シリーズ。わらがひとつのものやバリエーションはいろいろあるが、プーシキン美が所蔵する二つのわらと構図が似ている。そして、終戦の年の夏、青空にもこもことあらわれた入道雲。じっとながめていると、高島野十郎の‘夏雲’が重なってきた。

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2026.01.19

ジョーゼフ・キャンベルの‘千の顔をもつ英雄’!

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Img_0003_20260119230801   NHK‘100分de名著’より

Img_20260119230901   NHK‘100分de名著’より

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 2015年 早川書房(英語版は1949年)

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2010年 早川書房(英語版は1988年)

美術とのつきあいが長く続いているおかげで、日本をふくめて世界各地にあ
る神話やキリスト教や仏教の世界観にふれる機会が増え、神々と人々によっ
てくりひろげられる物語の数々を十分に楽しんでいる。また、こうした図像
は文字情報として入ってくる書籍の理解を促進させる働きもしてくれる。

書籍と美術の相乗効果を感じると神話や宗教関連の分厚い本へ挑戦するエネルギーが湧いてくる。たとえば、ジョーゼフ・キャンベル(1904~1987)の‘千の顔をもつ英雄’(1949年)もそのひとつ。きっかけは2024年に放送されたNHKの‘100分de名著’。この番組の一番の収穫が神話に登場する英雄に共通するパターンをみつけてつくられたモデル、英雄の旅の基本構造‘行きて帰りし物語’。

その構造は3つの階段に分けられる。(A)出立・旅立ち(セパレーション)→(B)通過儀礼の試練(イニシエーション)→(C)帰還(リターン) 大ヒットしたアメリカ映画の‘スター・ウォーズ’(1977年)は監督のジョージ・ルーカスがこのモデルによって製作した現代の神話。

ほかにも未来のブッダ ゴータマ・シッダールタの伝説や古事記のイザナミ・イザナギ物語もこのモデルによってきれいに読み解かれる。2年前神話の里宮崎へ旅行し、黄泉の国へと降りていき亡きイザナミを取り戻そうとしたイザナギが‘自分の姿をみないで!’と言われた約束を守らなかったため、腐敗し変わり果てたイザナミに追っかけられるという話をインプットした。その話がキャンベルの考えだしたモデルで説明できるというのだから、強く反応する。この構造を使って自分の小さな物語をつくってみたくなった。

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2026.01.18

ジャン・ギャバン主演 ‘望郷’ ‘現金に手を出すな’!

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1月は正月気分が続くので、まだ観てない映画のDVDやYou Tubeで古い映画
を楽しむ時間が長くなる。本を一冊読むのと同じように、映画を観るときは
普段の生活から一時的に離れて時代の異なる別の世界に入っていくので、
ほかの関心事を消して映画に対する熱量を上げないとなかなかその機会がつ
くれない。だから、映画にどっぷり嵌るにはお休み気分になる年末とか年の
はじめが一番いい。

日本映画は多羅尾伴内の‘七つの顔’と‘首’で大きな収穫があったが、海外の映
画では昨年の11月にDVDを手に入れたフランスの名優ジャン・ギャバンが
主演した‘望郷’(1937年)と‘現金に手を出すな’(1954年)がとても
よかった。作品の情報がないDVDを購入するとき決め手になるのは物語をダ
イジェストにまとめた解説文の最後にでてくる‘〇〇映画の傑作’とか‘大ヒッ
ト作’という決めフレーズ。

2作ともこれがきっちり入っている。果たして、その通りだった。ともに
モノクロで95分くらいのちょうどいい上演時間なので、‘いい映画だった
な’という思いが強く残る。これまでジャン・ギャバンが登場する映画
は‘大いなる幻影’(1937年)と‘どん底’(1936年)の2本だけ。
‘望郷’はこれと同じ頃に製作された作品。舞台は当時のフランス領アルジェ
リアの中心都市、アルジェ。ジャン・ギャバンが演じるのはフランス本国か
らここへ逃れてきた悪党泥棒ペペ。ぺぺはアルジェの一角をしめる暗黒街
カスバで尊敬されている親分だが、エンターテイメントに満ちたパリの楽し
さが忘れられず、望郷の念をつのらせる。でも、うっかりカスバから出る
と警察に逮捕される。そのディレンマに悩まされるが、パリからやって来た
ゴージャスな女性にメロメロになり、警察がしかけた罠にはまりカスバから
出てしまう、、、

この映画から17年後の1954年につくれらた‘現金に手を出すな’はフランス版のギャング映画。ジャン・ギャバンは初老のヤクザ、マックスに扮し、金塊を強奪したが、相棒のミスでそれを狙われることになる。この男に何度も尻拭いさせられるが、マックスは人情にあつく硬い絆で結ばれている。これがすごくいい感じ。最後、機関銃を乱射し対立する強面ボスを倒すが、犠牲も多く相棒、可愛がっていた若造を失う、、、歳をとったジャン・ギャバンに200%最接近した。

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2026.01.17

ドジャース 今オフFAの目玉タッカーと契約!

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  ドジャースへ移籍するタッカー(シカゴ・カブス 外野手)

ドジャースファンには嬉しいニュースが入ってきた。今オフのFA市場の目玉
であるタッカー(シカゴカブス、外野手)がドジャースの選手としてプレー
することになった。拍手々!数チームが獲得を競ったが、タッカーが選んだ
のは2億4000万ドル(約379億円)の4年契約を提示したドジャース
だった。年間にすると約94億2000万円になる超大型契約で決着した。

タッカーの加入で外野のレギュラーは理想的な布陣になった。タッカーが
ライトを守り、昨シーズンはライトで出場し続けたT・ヘルナンデスが本来の
レストに戻る。センターは守備のいいパヘス。これに伴い、センターで先発
出場することも多かったエドマンがセカンドへうつる。

早くもレギュラーシーズンの打順が次のように予想されている。
1番大谷(指名)2番ベッツ(ショート)3番フリーマン(ファースト)
4番タッカー(ライト)5番スミス(キャッチャー)6番ヘルナンデス
(レフト)7番マンシー(サード)8番パヘス(センター)9番エドマン
(セカンド)

この野手陣の打撃力、守備力ならワールドシリーズ3連覇の夢がぐんぐん近
くなってくる。しかも、投手陣の補強では懸案だったクローザーにメッツから
トップクラスのディアスを獲得した。これにより、ブルペンの防御率が大幅
に改善されるので、強力な先発陣が昨年以上に安定したチッピングが期待で
きるようになる。大谷、山本、佐々木の日本人トリオの活躍だけでなく、
新顔のタッカーやディアスのプレーにわくわくすることになりそう。

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2026.01.16

映画‘七つの顔’と‘首’のDVDゲット!

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昨年の末、You Tubeの動画に以前から関心をもっていたミステリー映画の
‘多羅尾伴内’が流されていた。一番好きな映画が探偵もの、事件ものなの
ですぐ反応した。このシリーズが何作製作されたかわかないまま、とりあ
えず観てみるかという気分。後でわかったが、1960年、東映7作目の
‘七つの顔の男だぜ’だった。

夢中になって観ていると、最後に出ました々!片岡千恵蔵(知っている人
は知っている)が演じる探偵 多羅尾伴内の決めセリフが、‘ある時は私立
探偵、ある時は片目の運転手、ある時は、、、その実体は藤村大造だ!’
このセリフは覚えたのは日テレの‘笑点’にでていた林家木久蔵の名モノマネ。
その映画をやっとみる機会が訪れたのである。

これをみたのがツキを呼び込んだのか、正月明けの5日、ブックオフへ
初出動したら大映で製作された第一作‘七つの顔’(1946年)が
日本映画のコーナーにひょいと現れた。年初からとてもいい流れ。すぐレジ
にもっていった。上演時間は81分だから、途中でだれるところがない。
物腰の柔らかい多羅尾伴内は頼りなさそうな探偵だが、このスタイルを
継承しているのが横溝正史の金田一耕助だということは映画好きなら誰も
が納得するだろう。

そして、コナン・ドイルの‘シャーロックホームズの冒険’を意識したシー
ンがでてくるのもおもしろい。誘拐された女性スター歌手が‘二階から下へ
降りていく階段の数が23だった’としゃべらせるのは、ホームズがワトソ
ンに階段が何段かと聞くのとまったく同じ。また多羅尾伴内が‘簡単な事件だ
が、逆に複雑で難しい’というのもホームズのセリフを使っている。犯人
グループとの争いで拳銃の弾が飛びかい、高級外車でぶっ飛ばすのもアメ
リカ映画的で緊張感があり、ハラハラドキドキの演出も切れがいい。
200%嵌った。大ヒットしたのは即納得である。

この映画を手に入れて4日後に、これまで情報がなかった映画が
ブックオフに並んでいた。それは2023年9月にDVDが発売された
‘首’(東宝 1968年)、レジで馴染みの店員が‘ホラーですか?’といっ
た。で、‘弁護士ものらしいが、どんな話か全然見当がつかないのよ‘、返し
ておいた。

これは1944年、警察官による被疑者に対する暴行致死を弁護士が告発した事件を映画化したもので、主演の小林桂樹が正木ひろし弁護士に扮している。警察が茨城県の採炭業者を賭博などの嫌疑で拘束し、取り調べをした巡査部長が殴打し、これが原因で男性は死亡した。それを警察は脳溢血による病死として処理しようとする。これを阻止するために弁護士が動き、土葬されて眠る仏さんの首を切断し、東京帝国大学法医学教室の教授に鑑定してもらう。スゴイ映画をみた。この‘首なし事件’のことはNO情報、正木ひろし著 ‘首なし事件の記録-挑戦する弁護士’(講談社現代新書 1973年)を読んでみたいが、果たして、神田の古本屋でみつかるだろうか。

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2026.01.15

フェルメール関連の愛蔵書、図録!

Img_0001_20260115222401   ‘もっと知りたいシリーズ‘ 2007年 東京美術

Img_0002_20260115222401   ‘NHK books’ 1999年 日本放送出版協会

Img_0003_20260115222401   2000年4月4日~7月2日 大阪市立美術館

Img_20260115222401   2008年8月2日~12月14日 東京都美術館

美術鑑賞が趣味になると美術本に関する情報の入手にも手がぬけない。お気
に入りの画家の物語や作品が生まれた背景などを、専門家のレベルほどでな
くても興味をかきたてるエピソードとして仕入れておくと、画家とのつきあ
いを楽しくするのに大いに役立つ。たとえば、フェルメール(1632~
1675)の関しても、手にとるだけで気持ちが弾む本がある。

わが家のフェルメールバイブル本は美術史家の小林賴子さんが書かれた2冊。
東京美術の‘もっと知りたいシリーズ’の‘フェルメール 生涯と作品’
(2007年)と最初に手に入れたNHK booksの‘フェルメールの世界 17
世紀オランダ風俗画家の軌跡’(1999年)。フェルメールの人気がぐんぐ
ん上がっていたとき、小林先生はNHKの日曜美術館によく出演されていたか
ら、‘フェルメールの世界’を何度も読んだ。

そして、東京美術のすぐれものシリーズに名を連ねているフェルメールもよ
く頁をめくっている。この本がすばらしいのは作品の解説のほかに当時のオ
ランダの文化・社会状況についても情報を十分にとりこんでいること。たと
えば、手紙、カメラ・オブスキュラ、楽器の話。作品の図版の見せ方、編集
やレイアウトのセンスの良さにいつも感心しながら楽しんでいる。

フェルメール展の図録では‘真珠の耳飾りの少女’など5点が展示された
2000年(大阪市美)と‘絵画芸術’を含め8点やって来た2008年(東京
都美)に製作されたものがお宝中のお宝。また、図録と同じサイズの2000
年にゲットした‘週刊美術館 フェルメール’(小学館ウイークリーブック)も
あわせてながめている。

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2026.01.14

フェルメール 驚愕の色彩と輝きの質感描写!

Img_0002_20260114224501   ‘レースを編む女’(1669~70年 ルーヴル美)

Img_0001_20260114224601   ‘天秤を持つ女’(1662~65年 ワシントン国立美)

Img_20260114224601  

‘眠る女’(1656~57年 メトロポリタン美)

わが家は海外旅行再開の実行計画がなかなか進まない状況にあるが、今年に入り
NHKBSで放送された大ヒット映画‘ダヴィンチ・コード’にルーヴルが登場したの
で、またここへ出かけなくてはという思いが強くなった。今、ルーヴルは新型
コロナ禍の前の盛況さを取り戻し、多くの人が押し寄せているにちがいない。

ルーヴルにあるフェルメール(1632~1675)は‘天文学者’と‘レースを編む女’の2点。展示されている場所は人気の‘モナ・リザ’が飾ってあるドゥノン翼ではなくて、人があまりいない反対側のリシュリュー翼の3階。だから、普通の観光客だとここまで動かないから、縁がないだろう。でも、フェルメール狂ならとても小さい絵の‘レースを編む女’は必見の作品である。

目が点になるのが机の上に置いたクッション兼裁縫箱からはみ出した粘着性の強
い白と赤の糸。まるでアクションペインティングによる色彩の力を見せつけられ
ているよう。フェルメールは地味な風俗画で絵のサイズも極小なので、絵の前に
立つ人を惹きつける演出として違和感のある色彩を試みたのかもしれない。

女性が一人で描かれた静謐なイメージの作品では、その静かな画面のなかに
はっとさせる細部の仕上げがみられる。ワシントン国立美にある‘天秤を持つ女’
では中央のテーブルに置かれた宝石箱が開かれ、真珠や金鎖、金貨が描かれてい
る。びっくりするのが真珠と金鎖をリアルに輝やかせる唯一無二の質感描写。
この絵を2000年に行われた回顧展(大阪市美)でお目にかかったとき、息を
呑んでそのキラキラ感をみていた。そして、メトロポリタン美にある‘眠る女’で観る者の視線をぐっと向かわせるのがテーブルの上に置かれたタペストリーの精緻に描かれた絵柄。眠っている使用人をみなくてもこのタペストリーに密着するだけでフェルメールの虜になる。

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2026.01.13

フェルメール、レンブラントの学者の図像!

Img_0001_20260113225701   フェルメールの‘天文学者’(1668年 ルーヴル美)

Img_20260113225701   ‘地理学者’(1669年 シュテーデル美)

Img_0002_20260113225701 レンブラントの‘テュルプ博士の解剖学講義’(1632年 マウリッツハイス美)

肖像画では男性への好みが女性にくらべ弱いのはずっと変わらない。女性画
こそが絵画を鑑賞する一番の目的なのである。ボッティチェリからはじまり、
ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ、カラヴァッ
ジョ、ラ・トゥール、レンブラント、フェルメール、アングル、マネ、ルノ
ワール、、、と続いていく。

だから、フェルメール(1632~1675)の作品でベスト&ベストは女
性が単独で描かれたものが上位に並んでいる。男性との組み合わせになってい
るのは35点中8点あるが、そこでは男性の存在感は薄く、視線はちらっと
は向かうが多くの時間は女性のほうに使われる。ところが、男性だけ描かれた
2点については、その趣はがらっと変わり、重厚なイメージになる。

フェルメールの画業の後半に描かれた‘天文学者’はルーヴル美、そして‘地理学
者’はフランクフルトのシュテーデル美が所蔵している。後者は運がいいことに
2000年に大阪市美で開催された‘フェルメールとその時代展’でお目にかか
ることができた。二人の学者はともに書斎で深い思考にとらわれているとい
う感じで、頭脳明晰な学者を思わせる。そのため、軽々にはみれない。

同じオランダが生んだ天才画家として知られるレンブラント(1606~
1669)ははじめて描いた集団肖像画に外科医を選んでいる。有名な‘テュル
プ博士の解剖学講義’はフェルメールの天文学者や地理学者とはちがい、人体の
神秘に医者の驚嘆の感情がいりまじったはっとさせる絵になっている。こうい
う人たちをモデルにするというのがレンブラントのスゴイところ。

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2026.01.12

オランダ絵画にみる‘笑い絵’!

Img_0001_20260112225201   フェルメールの‘士官と笑う女’(1658~59年 フリックコレクション)

Img_20260112225201  ‘ふたりの紳士と女’(1659~60年 ヘルツォーク・アントン・ウルリフ美)

Img_0003_20260112225201   ハルスの‘庭園の夫婦’(1622年頃 アムステルダム国立美)

Img_0002_20260112225201   ホントホルストの‘ヴァイオリン弾き’(1626年 マウリッツハイス美)

フェルメールが好きな人が作品をたくさんみることを強く願っていれば、
どの旅行会社にもある‘アメリカ東海岸〇〇日’の団体ツアーへ参加するのがい
いかもしれない。そうするとコースに必ず入っているNYではメトロポリタン
で5点、自由時間にMETからそれほど遠くないところにある邸宅美術館の
フリックコレクションで3点、そして、ワシントンの国立美で3点、合計
11点を楽しむことができる。この数は本家のオランダ旅行でみれる7点を
上回る。

フリックコレクションが所蔵するのは‘女と召使’、‘士官と笑う女’、‘稽古の中
断’。まだ日本にやって来たことがないが、感激度が大きいためどれも再会を
期待したくなる絵になっている。とくに印象深いのが女性のすばらしい笑顔
が描かれている‘士官と笑う女’。いつまでもみていたい絵である。フェル
メール(1632~1675)はここでは‘笑い絵’を描いたオランダ画家の
ひとりとしてその卓越した画力を発揮している。

笑う女性が登場する作品はもうひとつある。ドイツのヘルツォーク・アント
ン・ウルリヒ美が所蔵する‘ふたりの紳士と女’。やけに明るい女はこちらを
むいて笑っており、横では下心のありそうな男がその顔をみながらなにか話
しかけている。映画のワンシーンを観ているようでどんなセリフかはいろい
ろ想像できる。

オランダ絵画はほかの国ではほとんどないモデルが笑っている作品によく
出くわす。その‘笑い絵’ですぐ思い浮かぶのはハルス(1581~1666)。
アムステルダム国立美にある‘庭園の夫婦’はお気に入りの一枚。そして、カラ
ヴァッジェスキのホントホルスト(1590~1656)の‘ヴァイオリン弾
き’にも200%魅了されている。

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2026.01.11

手紙でつながるフェルメール!

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 ‘窓辺で手紙を読む女’(1657~59年 ドレスデン国立古典絵画館)

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  ‘青衣の女’(1662~65年 アムステルダム国立美)

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  ‘手紙を書く女と召使’(1670~72年 ダブリン国立美)

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  ‘手紙を書く女’(1665~66年 ワシントン国立美)

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  ‘女と召使’(1667~68年 フリックコレクション)

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  ‘恋文’(1669~71年 アムステルダム国立美)

フェルメール(1632~1675)が心の真ん中をどんと占領しているの
は‘真珠の耳飾りの少女’のような圧倒的な存在感をもつ女性が描かれた作品
だが、もうひとつ手紙をモチーフにした風俗画的な画風にも大変魅了されて
いる。6点あり、本家オランダのアムステルダム国立美(2点)、ドイツの
ドレスデン国立古典絵画館、アイルランドのダブリン国立美、アメリカの
ワシントン国立美、NYのフリックコレクションが所蔵している。

みててつい感情移入してしまうのが手紙を読んでいる女性の姿をとらえたも
の。2点あるが、ともにしーんと静まりかえった部屋のなかで心を落ちつか
せて静かに届いた手紙を読んでいる。好みはドレスデンにあるほう。
2003年、中欧を旅行したときお目にかかった。2022年、日本にやっ
て来たときは画中画として描かれていた‘片手を差し上げるキューピッド‘が
修復により生きかえった姿で登場した。

手紙を書いている場面(2点)は横に召使が立っているダブリンの国立美
にあるのがなかなかいい。相当気持ちが入っており、その真剣な心情を近
くでじっとみているような感じになるので、視線が集中する。ワシントンの
国立美蔵の‘手紙を書く女’は黄色のジャケットが目に染みる。

同じ黄色のものを着ている女性が描かれたフリックコレクションにあるもの
は召使が届いた手紙をみせているところ。なんだか芝居の舞台の会話が聞こ
えてくるよう。女性の左手を顎のところにもっていくしぐさはたまらなくい
い。この絵が日本で公開されるのをずっと待っているが、フリックコレクシ
ョンが改築されることでもなければ実現は難しいだろう。アムステルダム国
立美蔵のものは女性がみせる手紙をみたときのリアクションが真に迫ってお
りすごくリアル。ニコニコしている召使とは対照的にやや緊張した表情がお
もしろい。

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2026.01.10

フェルメール ベスト&ベスト!

Img_20260110220601   ‘牛乳を注ぐ女’(1658~59年 アムステルダム国立美)

Img_0002_20260110220601   ‘窓辺で水差しを持つ女’(1662~65年 メトロポリタン美)

Img_0003_20260110220601   ‘真珠の首飾り’(1662~65年 ベルリン国立美)

Img_0004_20260110220601   ‘絵画芸術’(1666~67年 ウィーン美術史美)

Img_0001_20260110220701   ‘デルフト眺望’(1659~60年 マウリッツハイス美)

絵画鑑賞が趣味になる前は西洋絵画というと、ルネサンス絵画と印象派を中
心にまず覚え、これに美術本に載っているドラクロア、アングル、クールベ
そしてピカソ、シャガール、ミロ、ダリなどが加わり画家群像のイメージが
できていた。好きな画家が増えていったのは社会人になって絵画を本格的に
鑑賞するようになってからのこと。

そのなかでぐんぐん惹かれていったフェルメール(1632~1675)は
はじめのころはアムステルダム国立美にある‘牛乳を注ぐ女’を描いた画家とい
う印象だけでイメージが固まっていた。とくべつ美形でもない普通の女性を
モデルにして日常生活の一コマが描かれた地味な風俗画なので、ルノワール
の女性画のようにみてて楽しくなるという気分でもない。でも、音が聞こえ
ない静謐な表現、牛乳やパンの精緻な質感描写、完璧に決まった構図の取り
方は名画としての条件をそなえており、美術の教科書には欠かせないピース
ということは即納得だった。2018年に日本で再会したときは、その
名画ぶりにあらためて感服させられた。みる度にこの絵のすごさを感じる。

今年やって來る‘真珠の耳飾りの少女’同様、ぞっこん参っているのはメトロポ
リタン美にある至宝‘窓辺で水差しを持つ女’(2016年 森アーツセンターギャラリー)、2012年の‘ベルリン国立美展’(西洋美)と2018年の‘フェルメール展’(上野の森美)に出品された‘真珠の首飾り’、フェルメールの作品ではもっとも大きい‘絵画芸術’(フェルメール展 2008年 東京都美)。

フェルメールが描いた風景画‘デルフト眺望’は2010年、ハーグのマウリ
ッツハイス美を訪れたときの一番の喜びだった。港の水面の描き方に目が点に
なった。みんなが傑作と絶賛するのがよくわかった。マウリッツハイス美は
館内の改装で休館するのなら、この絵も‘真珠の耳飾りの少女’と一緒にやって
来てくれたら最高なのだが、やはり無理だろう。2点も囲い込めないから、
ほかの美術館で展示されるのかもしれない。

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2026.01.09

イギリスにあるフェルメール!

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 ‘マリアとマルタの家のキリスト’(1655年頃 スコットランド国立美)

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  ‘ヴァージナルの前に立つ女’(1672年頃 ナショナルギャラリー)

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  ‘ヴァージナルの前に座る女’(1675年頃 ナショナルギャラリー)

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  ‘ギターを弾く女’(1670~75年頃 ケンウッドハウス)

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  ‘音楽のレッスン’(1662~64年頃 王室コレクション)

イギリスの美術館にあるフェルメール(1632~1657)は全部で5点
あり、ナショナルギャラリーが2点、スコットランド国立美、ケンウッドハ
ウス、王室コレクションが夫々1点所蔵している。このうち、過去に日本に
やって来たのは次の2点。
☆‘マリアとマルタの家のキリスト’ 2018年 上野の森美
☆‘ヴァージナルの前に座る女’   2020年 西洋美

2018年に開催されたフェルメール展は35点中8点が世界の美術館から
結集するというワールドクラスの特別展だった。2000年の‘フェルメール
とその時代’(大阪市美)のときは‘真珠の耳飾りの少女’など5点だったから、
それを上回る豪華なラインナップ。そこに含まれていたのが初期の作品でカ
ラヴァッジョ風な描き方がみられる‘マリアとマルタの家のキリスト’。大混雑
だった光景を覚えている方が多いのではなかろうか。

コロナ禍の大変なときの開催となった2020年の‘ロンドン・ナショナル
ギャラリー展’に登場したのが、演奏しながらこちらを向いている姿に吸い込
まれる‘ヴァージナルの前に座る女’。開催が中止にならず、この絵と再会で
きたのは本当に運が良かった。海外の美術館への作品の貸し出しOKという大
きな方針転換をしたナショナルギャラリーから、近い将来‘ヴァージナルの前
に立つ女’も来日すると理想的な流れになるのだが。

2010年、ケンウッドハウスでお目にかかった‘ギターを弾く女’は楽しそう
に楽器を演奏する表情がとてもいい。また、みてみたいが日本でそれが叶う
のは難しそう。同じことがまだ縁のない、王室コレクションの‘音楽のレッス
ン’にもいえる。これを目にすることができたらフェルメールはコンプリート
するが、夢のままで終わるのだろうか。ミューズに祈って、奇跡を待つほか
ない。

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2026.01.08

ビッグニュース ‘真珠の耳飾りの少女’来日!

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  フェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’(1665年頃 マウリッツハイス美)

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  フェルメールの‘信仰の寓意’(1670~72年 メトロポリタン美)

今日、ビッグニュースが入ってきた。フェルメール(1632~1675)
のもっとも人気のある‘真珠の耳飾りの少女’が今年の夏、日本にやって來る!
展示されるのは大阪中之島美で会期は8/21~9/27の約1ヶ月。ほかの
美術館には巡回しない。この情報は‘芸術新潮 2026年美術展ベスト25’
にも ‘日経おとなのOFF 絶対見逃せない2026美術展’にもまったく載っ
てなかったから、200%驚いた。

大坂中之島美と共同で主催する朝日新聞によると、この絵を所蔵するオラン
ダ・ハーグにあるマウリッツハイス美が改修工事で休館するため来日が可能
になったとのこと。2012年、東京都美で開催された‘マウリッツハイス美
術館展’以来、14年ぶりの公開である。はじめて日本にやって来た2000
年(フェルメールとその時代展 大阪市美)から数えると3回目の披露とな
る。展覧会に出品される作品などの情報がわかるのは2月下旬。

マウリッツハイス美は‘真珠の耳飾りの少女’を原則門外不出にしているようで、
そうすると日本での展示はラストチャンスになる可能性がある。しかも、
1ヶ月の短期展示。こういう状況だと開幕から相当な混雑が予想される。大阪
は日本列島の真ん中にあるから、全国のフェルメールファンがどどっと押し寄
せるのではなかろうか。2000年の大阪市美でも大賑わいだった。そして、
観客は日本人だけではない。世界各国から日本にやってきたインバウンドの人
たちも加わる。ここ数年、ゴッホ展やモネ展などが開催されると館内に大勢の
外人観光客がいる。フェルメールも世界的な人気を誇る画家だから、絵画好き
は名所観光の楽しみと美術館訪問をセットにするかもしれない。

2022年、国立新美であった‘メトロポリタン美術館展’にフェルメールの
‘信仰の寓意’が出品された。それから4年経ち、今度はあの‘真珠の耳飾りの少
女’が大阪で展示される。つくづく日本は‘美術大国’だなと思う。

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2026.01.07

実現するか 秋田県美・岩手県美訪問!

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Img_0001_20260107231701   藤田嗣治の‘秋田の行事’(1937年 秋田県美)

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萬鉄五郎の‘水着姿’(1926年 岩手県美)

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舟越保武の‘原の城’(1971年 岩手県美)

昨年、通い慣れている美術館のルートからとびだして二つの美術館を訪問し
た。クレーの回顧展をみるために足を運んだ静岡市美と大河ドラマ‘べらぼ
う’とコラボして歌麿の特別展を開催した栃木市美。どちらもクルマを運転し
たり、新幹線は使わず、2時間半から3時間JRに乗っているというのんびり
モードの美術館巡りだった。

往復で5,6時間電車の中にいることになるが、本を集中的に読むにはいい
時間の長さなので疲れるという感覚は全然ない。この遠征型の美術館訪問
を今年も続けようという気になっている。たとえば、今‘日本画の挑戦者た
ち’(2/1まで)を行っている山梨県美と木村武山の回顧展(2/11~
4/19)を実施する茨城県天心記念五浦美。

関東・東北圏では栃木、静岡、茨城あたりまでの範囲だったらJRや私鉄を使って出かけられるが、これを越えると新幹線かロングドライによる美術旅行になる。そして、クルマを長く運転する選択肢はもう消えているので、京都旅行と同じ新幹線利用に結局落ち着く。どこへ行くかは隣の方と合意ができており、秋田県美と岩手県美。この2つがまだ縁のない美術館として残っている。

秋田県美へ行きたいのは藤田嗣治の大作‘秋田の行事’をなんとしてもみたいから。今年は実現させたいと思っている。そのとき、岩手県美にも梯子する。ここでの追っかけは対面を長く待っている萬鉄五郎のモダンで日本的な表現が印象深い‘水着姿’と強い磁力を放つ舟越保武の彫刻‘原の城’。

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2026.01.06

食べたい銘菓リスト!

Img_0002_20260106225601   松翁軒の‘五三焼カステラ’

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岡埜榮泉の‘栗饅頭’

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森八の‘長生殿’

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森八の‘福梅’

わが家では食事のあとのスイーツは元日の‘ぜんざい’からはじまる。これが3
日続くが、あとは口にすることがない。だから、切り餅と一緒に食べる‘ぜん
ざい’は正月の大きな楽しみになっている。そして、今年食べたい定番の和菓
子を確認したり、新たに食べてみたい銘菓について話が盛り上がっていく。
1月に好きな食べ物で一年の計を立てると元気が出てくるので、これは楽し
いルーティン。

美味しく食べている定番のベスト&ベストは長崎の松翁軒の‘カステラ’と虎ノ
門の岡埜榮泉(おかのえいせん)の‘栗饅頭’。昨年は横浜高島屋とそごうの
恒例の‘大九州展’で残念なことに松翁軒に縁がなかった。今年はもし出店が流
れたら、直接店に注文をすることにしている。わが家のカステラは松翁軒一択
しかない。

先月、友人へのお土産に横浜高島屋に短期間出店している金沢の老舗森八の銘菓を購入した。どの菓子だったか、ちょっとはっきりしないのだがたぶん梅の花を形どった紅白の最中‘福梅’だったような気がする(店員はこれが人気ですと薦めてくれたものだから)。金沢は京都、松江とともに菓子所として有名。2月まで出店とのことだから、どんなに美味しいか試食してみたい。

もうひとつ、森八で人気なのが日本三大銘菓として知られる‘長生殿’。これは和三盆ともち米を用いた落雁。金沢へは一度出かけことがあるのに、そのときは和菓子のことはどこかへいき、お土産として買ってない。友人とのつきあいからいいきっかけが生まれたので、最中だけでなくこの落雁も加えることにした。

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2026.01.05

大リーガー 村上、岡本への期待!

Img_20260105225301   ホワイトソックス 村上宗隆(ヤクルト)

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ブルージェイズ 岡本和真(巨人)

ポスティングシステムによるメジャーリーグ移籍をめざしていた村上宗隆
(ヤクルト)と岡本和真(巨人)の行先が決まった。村上はシカゴのホワイ
トソックス(ア・リーグ)と2年総額3400ドル(約54億円)、岡本は
トロントのブルージェイズ(ア・リーグ)と4年総額6000万ドル
(約94億2000万円)で契約を結んだ。残念なのはともにドジャース
大谷、山本、佐々木が所属するナ・リーグとは違うア・リーグのチームのた
め、交流試合が多くて6試合しかなく日本人大リーガーがマッチアップする試合が実現する可能性が低いこと。

2年でFAになる村上は予想以上に低い評価だった。メジャーリーグでは
選手の評価は徹底したデータ分析にもとづいておこなわれる。野手の場合、
打撃力、守備力が細かくチャックされる。村上は日本球界では圧倒的なパワ
ーをもったホームランバッターだが、そのホームランの内容を詳細にみてくる。どのくらい球速のストレート、どんな変化球を仕留めているのか。

日本では95マイル(約153キロ)以上の速球を投げるピッチャー
はそうはいないが、メジャーではパワーピッチャーは先発でもブルペンでも
たくさんいる。だから、村上のホームランの数をそのまま受け取っていない
のである。変化球でもメジャーは切れのいい球をぼんぼん投げ込んでくる。
このように村上の打撃力に深くメスをいれると、高い三振率(過去3シーズ
ンで29.5%)はさらに上がるのではないか。これはリスクが高い、とな
る。でも、村上は頑張り屋だから、いい結果を出すだろう。三塁の守備力に
ついては確かに飛んでくるボールのスピードは速いが、これは慣れてくればなんとか対応できる。

岡本は昨年のWシリーズでドジャースに惜敗したが、その高い打撃力をみせ
つけたブルージェイズから4年契約をしてもらったのだから、打撃力、守備
力は高く評価されている。すごく期待できる。三塁とレフトで出場すること
になりそう。

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2026.01.04

謹賀新年 2026年前半展覧会プレビュー!

Img_0001_20260104224801   ゴッホの‘夜のカフェテラス’(1888年 クレラー=ミュラー美)

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Img_0002_20260104224801   長沢蘆雪の‘躍馬図’(18世紀 アルカンシェール美)

今年の拙ブログをよろしくお願いします。昨年の11月と12月に今年全国の
美術館で行われる特別展の情報を先出しでまとめましたが、ここでは1~6
月にはじまるものをできるだけ多く選んでみました。西洋美術も日本美術も
話題満載なのでとても忙しい美術館めぐりになりそうです。
☆西洋美術
‘小出楢重展’     12/20~3/1      府中市美
‘モネ展’       2/7~5/24       アーティゾン美
‘テート美展’      2/11~5/11      国立新美
‘ジャッド展’     2/15~6/7       ワタリウム美
‘チュルリョーニス展’     3/28~6/14      西洋美
‘ルオー展’      4/11~6/21      パナソニック汐留美

‘ヴァルラフ=リヒャルツ美展’  4/19~6/21      宇都宮美
‘ワイエス展’     4/28~7/5       東京都美
‘ロン・ミュエク’   4/29~9/23      森美術館
‘大ゴッホ展’     5/29~8/12      上野の森美
‘ピカソ展’      6/10~9/21      国立新美

☆日本美術
‘北斎、広重展’    1/17~3/1       千葉市美
‘木村武山展’     2/11~4/19      天心記念五浦美
‘長沢蘆雪展’     3/14~5/10      府中市美
‘下村観山展’     3/17~5/10      東近美

‘NHK日美50年展’  3/28~6/21      東芸大美
‘北斎 富嶽三十六景’ 3/28~6/14      西洋美
‘光琳派展’      4/11~5/10      根津美
‘百万石!加賀前田家’ 4/14~6/7       東博

‘北野天神’      4/18~6/14      京博
‘今村紫紅展’     4/25~6/28      横浜美
‘河鍋暁斎の世界’   4/22~6/21      サントリー美
‘チェスター・ビーテイ・コレクション’ 4/27~7/20      東博
‘元禄!師宣劇場’   6/27~8/23      静嘉堂文庫美

(注目の展覧会)
西洋美術で一番の楽しみはゴッホの‘夜のカフェテラス’が登場する上野の森美。2006年以来の御出ましだが、相当混みそうなのでのそれを覚悟して出かけるつもり。また、ヴァルラフ=リヒャルツ美(ケルン)が所蔵する有名な‘跳ね橋’もやってくるので、これも見逃せない。そして、東京都美のワイエス展への期待も高い。日本で本格的な回顧展がみれるのだから、これはひとつの‘事件’といってもいいほど価値のある特別展である。日本美術は心はもう4月からはじまる京博の北野天神絵巻の全巻全場面公開にむかっている。わが家にとってこれが今年の展覧会シーンで最大のイベント。

今年の干支、‘午(うま)’にちなんだ絵は長沢蘆雪の‘躍馬図’にした。3月、府中市美で開催される回顧展で再会できると嬉しいのだか。

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