日本・中国の故事、歴史から生まれた傑作アート! 富士(4)
名の知れた日本画家は大きな回顧展を一度はみてみたいと強く思っている。
長期戦になるが、これが実現したときの嬉しさはずっと心にとどまってい
る。仙人のイメージができあがっている富岡鉄斎(1836~1924)
は名古屋で仕事をしていた1996年、決定版の回顧展(愛知県美)に遭
遇した。全国を踏破した鉄斎は富士山を多く描いており、京近美にある胸
のすくスケールの‘富士遠望図屏風’を立ち尽くしてみていた。
北斎同様、横山大観(1868~1958)も富士を描いた画家という印
象が焼き付いている。‘霊峰飛鶴’は1967年の国際観光年記念切手に採用
された傑作。上野不忍池のところにある横山大観記念館でお目にかかった
とき、‘これがあの切手の富士か!‘、と感激した。鶴と一緒に描かれると
吉祥図をみているような気分になる。
苗字が同じ横山操(1920~1973)は‘赤富士の画家’と呼ばれ、自ら
二千点以上描いたと豪語するほどに多作したと言われている。これまでその
一部をみてずしっと重い富士をみたという思いが蓄積されている。そして、
別のヴァージョンにも傑作がある。大変魅了されているのは‘清雪富士’。
山を覆う白い雪が美しく、ぐーっとくる富士である。
片岡球子(1905~2008)の富士山図は富士とお花畑を合体させたユ
ニークな絵。いくつかあるなかでお気に入りは大作の‘富士に献花’。裾野の
ところがひまわりと牡丹の花々で彩られているのがじつに楽しい。装飾を施
されて富士は喜んでいる感じ。横山操と馬が合った加山又造(1927~
2004)の‘白雪の嶺’は操の絵の影響がみられ、とてもいい絵。
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