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2024.05.31

ミューズにとどけ追っかけ現代アート! ジョーンズ ラウシェンバーグ

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   ジョーンズの‘3つの旗’(1958年 ホイットニー美)

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   ‘4つの顔のある標的’(1955年 MoMA)

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   ‘思念競争’(1983年 ホイットニー美)

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  ラウシェンバーグの‘年鑑’(1962年 テートモダン)

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   ‘オラクル(神託)’(1962~65年 ポンピドゥー)

アメリカの現代アートで関心は強いのにまだ最接近を果たしてないものがま
だいくつか残っている。その筆頭がジャスパー・ジョーンズ(1930~)。
日本で開かれた現代アートに焦点をあてた特別展に遭遇しお目にかかれた作
品はそこそこあるが、美術本に載っている主要作品との出会いがまだ実現し
てないため、消化不良の状態がずっと続いている。

つまづきの元は1993年にはじめて訪れたNYのホイットニー美で代表作の
‘3つの旗’がどういうわけかみれなかったこと。事前につくった必見リスト
の最上段に載せていたのがこの作品。絵画のようでもあり、また良く見慣れ
た星条旗という物がサイズを変えて重なったオブジェにもみえる。これはホ
イットニーの至宝だから、ピカソのコラージュとポップアートが合体したよ
うな‘思念競争’をくっつけてなんとしても目のなかに入れたい。

ジョーンズは2次元的なモチーフとして表現したのが旗、ダーツの標的、
アメリカの50州の地図、数字や文字。旗と同じく、いろいろなヴァージョ
ンがある標的はまだ完成度の高いものにはまだ縁がなく、MoMAにある
‘4つの顔のある標的’とも対面してない。ここは4回行ったのに姿をみせてく
れないのだから相性が悪すぎる。

ジョーンズの仲間で5歳年上のラウシェンバーグ(1925~2008)に
ついては、フィラデルフィア美に出かけとき日常の生活で目にする事物の
イメージ(写真)がシルクスクリーンによる転写によって組み合わされた
‘地所’をみたので、ひとまずは満足している。だから、次のターゲットはテー
トにあるコンバインアートの‘年鑑’とポンピドゥーで見逃した群生するオブジ
ェで表現された‘オラクル(神託)’。

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2024.05.30

ポリーニのショパン・リスト!

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先週の土曜日は午後からあった恒例の宴会の前、三井記念美の‘茶の湯の
美学’とポリーニのCD探しであわただしかった。効率よく動いたせいでお目
当てのやきものがみれた上、探していた名盤CDが手に入った。こういうと
き心のなかでは歓びのラッパが鳴っており、次のイベントにも上機嫌で参
加できる。

秋葉原のブックオフに入ってすぐ向かったのがクラシックのCDコーナー。
前回来たとき次の購入として残していたポリーニはまだ売れてなかったの
ですぐ手にとってレジにもっていった。
☆‘ショパン ピアノ・ソナタ第2番 3番’(録音1984年)
☆‘ショパン 夜想曲第1~19番’(録音2005年)
☆‘リスト ピアノ・ソナタロ短調’(録音1989年)
この後、銀座の山野楽器に寄ってみると‘シューベルト さすらい人幻想曲、
シューマン 幻想曲’(録音1973年)があった。2枚手に入れている二人の
CDが良かったのでこれも即購入した。その選択は正解でいい曲だった。

ポリーニの演奏するショパンは全部で6枚になった。‘練習曲’、‘スケルツォ’、
‘バラード’、‘ポロネーズ’、‘ピアノ・ソロ’、‘夜想曲’とだいたい揃ったのでこ
れで十分かなという感じ。今回買った中古CDのなかにほかのCDのミニ案
内が入っており、そこに‘24の前奏曲’(録音1974年)があったので、これ
が見つかれば最後のピースになりそう。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタを何度も聴き耳も慣れてきたので、今は毎日
ショパンを流している。ポリーニを聴く前はオムニバス風にピアノ名曲集
に入っているショパンで心を和ましていたが、それは卒業してオールショパ
ンのCDを本格的に聴くステージに突入したい。今回、ピアノ・ソナタ3番に
200%嵌った。ほかのピアニストの3番でどんな曲想かわかっていたが、
ポリーニを聴いたらもうこれを手にとることはないだろう。それほど、ポリ
ーニの演奏は魅力にあふれている。そして、リストの‘ピアノ・ソナタロ短調’
にも痺れている。リストのCDはこれだけだが、極上の一枚をゲットしたかも
しれない。流石、ポリーニである!

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2024.05.29

ミューズにとどけ追っかけ抽象彫刻・オブジェ!

Img_0001_20240529232101   カルダーの‘サーカス’(1926~31年 ホイットニー美)

Img_0002_20240529232101   イサム・ノグチの‘赤い立方体’(1968年 ニューヨーク)

Img_20240529232101   ニューマンの‘割れたオベリスク’(1969年 ロスコ・チャペル)

Img_0004_20240529232101   シーガルの‘進めー停まれ’(1976年 ホイットニー美)

Img_0003_20240529232201  ティンゲリー・サンファルの‘ストラビンスキーの噴水’(1983年 ポンピドゥー)

これまで数多くみてきた展覧会のなかにはそこに登場したアーティストとし
っかりくついていているものがある。たとえば、1991年池袋のセゾン美
(現在は無い)で開催された‘グッゲンハイム美術館名品展’ではフィラデル
フィア生まれのカルダー(1898~1976)が制作した自由に動く彫刻、
‘モビール’がたくさん飾ってあった。いろいろな動き方をするのはおもしろい
ので時間を忘れてみた。これがきっかけとなってカルダーの作品がとくにア
メリカの美術館では楽しみの一つになった。

そのためモビールは目が慣れているため、今追っかけているのはパブリックアートとカルダーの出世作となった‘サーカス’。針金でつくった人形によりサーカスの興行を表現した作品がパリの芸術家仲間に認められ、‘サーカスのカルダー’として知られるようになった。これを所蔵しているのはホイットニー美なのだが、どういうわけかこの美術館とは相性が悪く、なぜか訪問したときみたという記憶がない。間違った導線を通り見逃したのか、たまたま展示してなかったのか? 事前に必見リストに載せていたジョーンズの‘3つの旗’やオキーフの‘夏の日々’などが1点もみれず全滅だった。未だにその理由がわからない。もうひとつ狙っているシーガル(1924~2000)の‘進めー停まれ’も含めて美術館とのいい関係を構築できるか。不安は払しょくできないが、なんとかしたいという思いが強い。

NYではイサム・ノグチがつくった‘赤い立方体’への関心も高い。高層ビルの谷間に設置されたこの巨大な彫刻はわずか1点で支えられている。あまり接近するとなにかあったとき倒れないかと心配になるが、安全が担保されたパブリックアートをこの目でしかと確認したい。

佐倉にある川村記念美で知ったニューマン(1905~1970)は‘アンナの光’(現在この美術館は所蔵してない)のような赤の色面の上に垂直のジップが何本か引かれる作品を多く描いているが、オブジェも制作している。鑑賞意欲を刺激するのはロスコ・チャペル(テキサス州ヒューストン)の横につくれた池に設置されている‘割れたオベリスク’。ロスコの抽象画とこのオブジェを楽しめたら最高の気分になりそう。

パリのポンピドゥーセンターはこれまで4回訪問したが、館に入るのにいつも前のめり状態のため、美術館の広場にある奇抜な形の噴水や色彩豊かなオブジェを立ちどまってしっかりみたことがない。今はこれを制作したジャン・ティンゲリー(1925~1991)とニキ・ド・サンファル(1930~2002)の作品にも魅了されているので、次回のパリ観光では存分に楽しみたい。

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2024.05.28

ミューズにとどけ追っかけ西洋彫刻!

Img_0003_20240528230901  ‘王妃ネフェルティティの胸像’(紀元前1340年頃 ベルリン新博物館)

Img_0004_20240528230901   ‘英雄または運動選手’(紀元前5世紀 レッジオ・デイ・カラブリア考古博)

Img_0005_20240528230901   ‘キマイラ像’(紀元前380~360年頃 フィレンツェ考古博)

Img_20240528230901   ‘バルベリーニのファウヌス’(紀元前220年頃 ミュンヘン古代彫刻館)

Img_0001_20240528231001   チェッリーニの‘フランソワ1世の塩入れ’(1543年 ウィーン美術史美)

古代エジプト旅行の最大のハイライトはエジプトの首都カイロの近くにある
巨大なピラミッドとスフィンクスの観光。それが終わると次に待っているの
がカイロの考古博物館に飾ってある‘ツタンカーメン王の黄金のマスク’。暑い
のと下痢に悩ませるのを我慢するとこれでエジプト通になれる。

エジプト好きに磨きをかけるためにはもうひとつ欠かせないピースがある。
それはドイツのベルリン新博物館にある‘王妃ネフェルティティの胸像’。西洋
彫刻の追っかけでは1912年にエジプトの中部で発見されたこのアマルナ
美術の代表作に一番前のめりになっている。左目に象嵌が施されてないこと
から王妃像を制作するための習作ともいわれる。これをみたら古代エジプト
美術は‘済みマーク’がつけられる。

1972年、イタリアの南端に近いリア―チェ村付近の海底で2体の等身大のブロンズ像が発見された。英雄あるいは運動選手とみられるこの人物像をみた瞬間、いつか本物をみたいと思った。同様に強く惹きこまれたのがフィレンツェの考古博物館にある古代エトルリア彫刻の‘キマイラ像’とミュンヘンにある古代ギリシャの‘バルベリーニのファウヌス’。どちらも大都市の博物館にあるので対面を実現させたい。

ネフェルティティ像と同じくらい鑑賞の機会を待ち続けているのが偉大なイタリアの金工家、チェッリーニ(1500~1571)がつくった‘フランソワ1世の塩入れ’。‘彫刻のモナ・リザ’と呼ばれ時価70億円以上(当時)とされる傑作だが、2003年に盗難に遭った。ちょうどこの年ウィーンを訪問したのに美術館から消えた後だったので残念ながらお目にかかれなかった。幸いにも2006年に犯人が逮捕され無事に戻った。なんとしてもリカバリーしたいと思っている。

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2024.05.27

三井記念美の‘茶の湯の美学’!

Img_0002_20240527224901    長次郎の‘黒楽茶碗 銘俊寛’(重文 桃山16世紀 三井記念美)

Img_20240527224901    ‘大井戸茶碗 銘須弥 別銘十文字’(朝鮮16世紀)

Img_0004_20240527224901    ‘高取面取茶碗’(江戸17世紀)

Img_0001_20240527224901    ‘唐物肩衝茶入 北野肩衝’(重文 南宋12~13世紀)

Img_0003_20240527224901    ‘伊賀耳付花入 銘業平’(桃山16~17世紀)

三井記念美で見逃せないやきもの展が開催されているので、恒例の宴会
(5/25)がはじまる前にみてきた。特別展のタイトルが決まっている。
‘茶の湯の美学―利休・織部・遠州の茶道具’(4/18~6/16)。
10時の開館から10分すぎのタイミングで入館したが、大勢の人がいた。
とくに目立つのが着物姿の女性たち。皆さん、ここが質の高い茶陶をたくさ
ん所蔵していることはご存じなので喜び勇んで来られたにちがいない。自館
の所蔵品(会期中展示替えなし)だけでこんな立派な茶の湯展を開催できる
のが三井記念美のスゴイところ。流石である!

やきもの展で定評のある美術館がどんな企画でやきもの好きを楽しませてく
れたか、印象に強く残っているものをざっとまとめてみた。
☆‘小堀遠州展’(2007年 松屋銀座)
☆‘南宋の青磁’(2010年 根津美)
☆‘井戸茶碗’(2013年 根津美)
☆‘古田織部展’(2014年 松屋銀座)
☆‘茶の湯’(2017年 東博)
☆‘新・桃山の茶陶’(2018年 根津美)

☆‘高麗茶碗’(2019年 三井記念美)
☆‘美濃の茶陶’(2019年 サントリー美)
☆‘利休のかたち’(2019年 松屋銀座)
☆‘古伊賀’(2023年 五島美)
☆‘織田有楽斎’(2024年 サントリー美)
☆‘茶の湯の美学’(2024年 三井記念美)

三井の所蔵する茶道具は他館で開催される特別展にもよくでてくるので、
今回出品されているものの多くはすでにお目にかかっている。チラシに大き
く載っているのが長次郎の‘黒楽茶碗 銘俊寛’、古田織部が所蔵していた
‘大井戸茶碗 銘須弥 別銘十文字’、そして綺麗さびの‘高取面取茶碗’。そし
て、もちろん国宝の‘志野茶碗 銘卯花墻’もいつもの部屋で出迎えてくれる。

久しぶりにみた‘唐物肩衝茶入 銘北野肩衝’をいい気持でながめていた。小さい茶入なのに茶褐色の美しさと偶然できたなだれのおもしろさに視線が釘付けになる。昨年五島美の‘古伊賀’で再会した‘伊賀耳付花入 銘業平’はぐにゃっと変形した形や表面のざらざら感が強い磁力を発している。この伊賀の‘正’に対する‘反’のパワーに接すると病みつきになる。

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2024.05.26

大相撲夏場所 新小結 大の里が初優勝!

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阿炎を押し出すで下し初優勝した大の里

大相撲夏場所は小結の大の里が関脇・阿炎に押し出しで勝ち初優勝を果たし
た。拍手々!成績は12勝3敗。初土俵から7場所での優勝は幕下付け出し
では同じ石川県出身の横綱・輪島の15場所を大きく塗り替える快挙となっ
た。先場所の尊富士の新入幕優勝に続き、新世代のヒーローがまたまた多く
の相撲ファンを楽しませてくれた。本当にすばらしい!

今場所大の里が敗けたのは序盤の高安と平戸海と大関の豊昇龍の3人だけ。
ほかの力士との対戦では右をさしての寄りで圧勝することが多く、‘強い!’
と何度もうならせた。とにかくパワー全開で迷わず前に出ていく相撲が大の
里の強いところ。この相撲は今場所は膝の怪我で休場した朝乃山と似ている。
1月、3月場所でも優勝に最後まで絡む活躍をしていたが、取り口はだんだ
ん安定してきて自信をもって対戦して勝ち進んできた。技がどんどん磨かれ
てきたうえに相手の動きに冷静に対応する精神的なゆとりがみてとれ頼もし
くなった。やはり‘モノが違う!’

今場所の勝ちっぷりをみるともう2場所でも二桁勝ち星は容易に達成でき、
大関にむかってまっしぐら、そしてその後すぐ横綱昇進というのは多くの人
が心の中で思っている大の里のイメージではなかろうか。これから大相撲は
‘大の里物語’を軸に展開していくのは間違いない。

今場所活躍したほかの力士について少しばかり。前頭2枚目の平戸海は千秋
楽も勝って9勝6敗で勝ち越した。前みつをとる相撲ができるようになった
のがいい。来場所は小結になるだろう。長く三役にいて先場所負け越して平幕
に落ちた大栄翔は11勝4敗と奮起した。大関獲りは振り出しに戻ったが、
これまで競ってきた琴桜、豊昇龍に力的に大きく負けていることはなく、
不調の貴景勝(来場所かど番)、霧島(関脇に陥落)と比べたら優位に立って
おり、阿炎(10勝5敗)、若元春(4勝11敗)との競争でも十分勝機は
ある。だから、諦めずに稽古していれば道は開ける。頑張れ!

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2024.05.24

ミューズにとどけ追っかけ絵画! デ・キリコ

Img_0001_20240524225001    ‘街角の神秘と憂鬱’(1914年)

Img_0002_20240524225001    ‘晴れた日の憂鬱’(1913年)

Img_0005_20240524225001    ‘イタリア広場’(1915年)

Img_0003_20240524225001    

‘子どもの脳’(1914年 ストックホルム近美)

Img_20240524225001    ‘ヘクトルとアンドロマケ’(1918年頃)

今年の展覧会シーンの特徴は日本美術関連ものが多くあり、西洋美術の数が
相対的に少ないこと。このため、展示替えにより2度足を運んだ‘光悦‘や‘浮
世絵(鳥文斎栄之、大吉原、肉筆美人画)’、‘法然と極楽浄土’などが強く
印象付けられている。でも、西洋美術は質的にはいいのが揃っている。終了したものでは‘ウスター美‘、’マティス’、今開催中なのが‘北欧の神秘’、抽象彫刻の‘ブランクーシ’。

そして、‘デ・キリコ展’が4/27から東京都美で行われている。これは
8/29までの4ヶ月ロング興行。出動のタイミングをはかっているが、6月
に入ってからのお楽しみにしている。チラシで一部の出品作をみて、どの
プラスαが期待できそうか勝手に想像をめぐらせている。関心はやはり
1910年代に描かれたもの。MoMAにある最初期のマネキンが登場する
‘預言者’がよさそう。

2010年イタリア旅行を楽しんだとき、ローマで運よくデ・キリコ
(1888~1978)の大規模な回顧展に遭遇した。日本で2回みたデ・
キリコに比べると2倍も3倍も数、質ともにすばらしい特別展だった。ミュ
ージアムショップで購入した5000円くらいした大きくてがっちりした
図録(イタリア語)が大切なお宝になった。

そこに載っていたのが長年鑑賞を夢見ている代表作の‘街角の神秘と憂鬱’。
斜陽の街角を少女が輪まわしをして走っていく。右側の建物の向こうに広場
があり、影の様子から像が立っているらしい。ほかに人はおらず音が消えた
ような静寂な世界につつまれている。現実には存在しない街であるが、今
見ている光景がどこかで見たような‘デジャブ’(既視感)があるような気が
する。これをデ・キリコは形而上絵画と名付けた。

デ・キリコの作品は個人蔵が多く、どんなに望んでもお目にかかれる可能性はほとんどない。でも、何かの拍子に現れるかもしれないと思って待っているのがドイツの象徴主義のベックリンからの強い影響がみてとれる‘晴れた日の憂鬱’とお馴染みのモチーフである蒸気機関車や古代風の彫刻が描かれた‘イタリア広場’。そして、ストックホルムの近代美で改修工事のため見逃した‘子どもの脳’、さまざまなヴァリエーションとレプリカが制作されたマネキンシリーズの一枚‘ヘクトルとアンドロマケ’にも大変魅了されている。

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2024.05.23

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ポロック

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   ‘ナンバー27’(1950年 ホイットニー美)

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 ‘ブルー・ポールズ:ナンバー11’(1952年 オーストラリア国立美)

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  ‘収斂’(1952年 オールブライト=ノックス美)

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   ‘大聖堂’(1947年 ダラス美)

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   ‘秘密の守護者たち’(1943年 サンフランシスコ近美)

抽象絵画や現代アートの世界には具象画と変わらないほど美しさを感じる作
品もあるし、表現がカオスを極め落ち着かないものもある。アートは理解す
るものと思って鑑賞してないので意味はわからなくても色彩やフィルムが心
にぐさっとくるものには心底魅了される。抽象絵画で誰の絵にもっとも惹か
れているかというと、ずばりカンディンスキー(1866~1944)と
ポロック(1912~1956)。

カンディンスキーの美に開眼するのに大いに貢献してくれたのはポンピドゥ
ーとNYにあるグッゲンハイム美。ここにある後期に描かれたカンディンスキ
ーの作品に魅了され続けている。これに対し、ポロックのあのアクションペ
インティングの傑作に200%感動する舞台となったのはメトロポリタン。
飾ってあったのは1950年に描かれた大作‘秋の律動’。そして、この絵と同
じくらい痺れる作品が2012年のポロック展が開かれた東京近美に登場し
た。テヘラン現代美術館から出品された‘インディアンレッド地の壁画’。これ
も1950年の制作。

ポロックに再度酔いしれたいと願っているが、その多くがアメリカにある。
揺れ動くような点や線の美しさが色彩豊かな細密画のように迫ってくる作品の
基準作としているのが‘インディアンレッド地の壁画’。これに似た感じ3点が
当面のターゲット。すごく品のいい色合いが心を軽くしてくれるホイットニー
美蔵の‘ナンバー27’、1952年に制作された黒い電信柱のような‘ポール’に
よって強い緊張感が生まれている‘ブルー・ポールズ:ナンバー11’と白黒を
バックに三原色のループが印象的な‘収斂’。キャンベラのオーストラリア国立
美は訪問する価値がありそう。

ポロックを求めてアメリカをまわると大きな旅行になるが、ダラスにある
‘大聖堂’や今心が向かっている西海岸のサンフランシスコの近代美が所蔵する
‘秘密の守護者’に是非ともお目にかかりたい。

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2024.05.22

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ピカソ

Img_0003_20240522223301    ‘夢’(1932年 ガンツ・コレクション)

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‘肱掛椅子のシュミーズの女’(1913年)

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‘アルジェの女たち’(1955年)

Img_20240522223301   ‘パイプをもつ少年’(1905年 ジョン・ヘイ・ホイットニー・コレクション)

Img_0004_20240522223301    ‘座るアルルカン’(1923年 バーゼル美)

近現代絵画におけるスター画家の回顧展に足を運んで手に入れた図録で数が
多いのはモネ(1840~1926)、ゴッホ(1853~1890)、
ピカソ(1881~1973)。この図録をベースにしてダブりを排し、ほ
かの美術本などでみつけた作品を加えて再編集したMy‘お気に入り図録’が
着々と完成しつつある。だから、まだ縁がないがとても気になる作品は絞り
込まれており、すぐピックアップできる。

マティスの追っかけ画一番が切り紙絵の‘王の悲しみ’(ポンピドゥー)なら、
ピカソの最愛の絵はNYのガンツ・コレクションが所蔵する‘夢’。2013年
の頃、TVのバラエティ番組で高額落札絵画のベスト5が話題になり、この
絵が153億円で落札されたことを知った(当時2位)。ときどき図版で会
いうっとりしているが、実際に本物をみることができるのだろうか。専門家
やコレクターの限られた人しか‘最高の瞬間’を味わえない?

‘肱掛椅子のシュミーズの女’ははじめて目にしてからずいぶん時が流れたが、
これも展覧会ではまったく縁がない。現在、一体誰がもっているのか?
手元の美術本ではガンツ・コレクションとなっているが、TVの美術番組で
取り上げられたときは個人蔵とされていた。TVの情報のほうが新しいが、
個人=ガンツなのか、それともガンツから別のコレクターに移ったのかは
判然としない。もし所有者が変わってなければ、ガンツには‘夢’だけでなく
これもおさまっている。なんともすごいコレクターである。

2015年5月にピカソが1955年にドラクロアの絵をもとにして描い
た‘アルジェの女たち’に215億円という競売史上最高額の値がついたことが
報じられた。ピカソにはベラスケスの‘ラス・メニ―ナス’もあるが好みはこち
らのほう。展覧会でみれたら嬉しいのだが、果たして?キュビスムの技法で描かれてない人物画で狙っているのはNYにある‘パイプをもつ少年’とバーゼル美蔵の‘座るアルルカン’。

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2024.05.21

ミューズにとどけ追っかけ絵画! シャガール

Img_0001_20240521230801    ‘アポリネール頌’(1911~12年 エイントホーフェン市美)

Img_0003_20240521230801    ‘誕生’(1912年 シカゴ美)

Img_0005_20240521230801    ‘散歩’(1917~18年 ロシア美)

Img_0004_20240521230801    ‘横顔のダヴィッド’(1914年 フィンランド国立美)

Img_20240521230801    ‘チェリスト’(1939年)

好きな画家とのつきあいが長くなると、感動をもらった作品との出会いのエ
ピソードの数が増えてくる。いつどんな状況だったか、どこを旅行しどの
美術館で出会ったのか、いろいろ楽しい思い出が蘇ってくる。シャガール
(1887~1985)はこれがかなり多い。‘最高の瞬間!’はなんといっ
てもNYのMoMAでみた代表作の‘私と村’(1911年)。これが美術の本に載っていたシャガールの絵か!という感じで息を呑んでみていた。本物と対面したというのは絵画が好きになればなるほど特別な鑑賞体験として長く記憶される。

アメリカ以外ではパリのオペラ座の天井画をみたことも忘れられない。これ
を思い出すたびにふつふつと脳裏の浮かび上がってくるのがNYの国連本部
にあるシャガールが描いた大きな壁画。これをみてみたいが、観光客がみる
ことができるのだろうか。またNYへ行くことがあったら鑑賞の機会をチェ
ックしようと思っている。フランスではニースにあるシャガール美を訪問し
たのが楽しい思い出。ニースにはマティス美もあるが、意気込んでクルマを走らせたが生憎休館だった。ところが、時が流れ所蔵作品が今年日本にやって来た。こんな思いもよらぬリカバリーが起きるのだから、美術趣味はやめられない。

これまで日本の美術館で行われたシャガールの回顧展で大きな収穫はポンピドゥーにある作品がほとんどお目にかかれたこと。パリにでかけてお目当てのシャガールが全部みれるわけではないから、この蓄積は有難い。最近はシャガールの回顧展はとんと見当たらないのはポンピドゥーが売りにできなくなったことも関係があるのだろう。そこで、提案だがニースのシャガール美からの出品を企画したらどうだろうか。期待したい。

今シャガールの追っかけ作品で初期にものとしてリストにあげているのは抽象的で不思議な感覚が沸き上がってくる‘アポロネール頌’とシカゴ美で姿をみせてくれなかった‘誕生’。作品の前では‘最高の瞬間!’がすぐおこりそうなのはサンクトペテルブルクのロシア美が所蔵する‘散歩’、ヘルシンキにこんないいシャガールがあったのか!と驚愕する‘横顔のダヴィッド’、そして、重ね合わされた正面向きと横向きの顔が強いインパクトをもっている‘チェリスト’。

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2024.05.20

ミューズにとどけ追っかけ絵画! フリーダ・カーロ

Img_20240520230801    ‘ザ・フレーム’(1938年 ポンピドゥー)

Img_0002_20240520230801   

 ‘二人のフリーダ’(1939年)

Img_0004_20240520230801  

‘いばらの首飾りとハチドリの自画像’(1940年 ボストン美)

Img_0001_20240520230801    ‘根’(1943年)

Img_0003_20240520230901    

‘折れた背骨’(1944年)

気になる展覧会があれば予定をしっかりたてて美術館へ足を運び、予想以上
だったとか期待したほどでもなかったという感想を心に刻み込み、また別
の美術館に移動する。それが幸運な巡り合わせであったとはそのときは特別
意識することもない。でも、時が経ち、振り返ってみるとその展覧会をみれ
たことが運が良かったと思うことがよくある。

それは見逃した展覧会のことを思ったときに強く感じるようになる。メキシ
コの女流画家フリーダ・カーロ(1907~1954)の回顧展がたしか
渋谷のBunkamuraで開催されたことを風の便りで聞いた。美術本で彼女の
シュルレアリスム風の画風に出会い、本物に是非お目にかかりたいと思ったが、
回顧展から3年くらい経った頃だった。となると、2度目の回顧展に日本で
遭遇することはもうないかなと直感した。

そのため、これからフリーダに会う確率は大変少ないが、あきらめてはいな
い。何かの拍子でどこかの美術館が取り上げてくれるかもしれない。狙いを定めているのはポンピドゥーにある‘ザ・フレーム’とアンリ・ルソーの熱帯のジャングル画を連想させるボストン美蔵の‘いばらの首飾りとハチドリの自画像’。ボストン美には3回訪問したが、‘自画像’は一度も会ってない。普段は倉庫の中にしまってあるのだろうか?

シュールな感じと清楚なメキシコ女性のイメージがアンバランスに重なっている‘二人のフリーダ’はとても魅了される。ドキッとするのが医学書にでてくるような心臓。眉毛がつながっているのと大きな目をみているとタレントの井上咲楽が浮かんできた。‘根’はどこかマグリットを彷彿とさせる。そして、痛々しいのが‘折れた背骨’。フリーダは18歳のとき通学で乗っていたバスと路面電車が衝突し背中と右足を損傷し、その後長く後遺症に悩まされた。これを知っているとこの絵をみるのが辛くなる。

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2024.05.19

ミューズにとどけ追っかけ絵画! コール チャーチ

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   コールの‘ナイアガラの滝の景観’(1830年 シカゴ美)

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   ‘巨人の高杯’(1833年 メトロポリタン美)

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   ‘建築家の夢’(1840年 トレド美)

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   チャーチの‘エクアドルの火山の眺め’(1857年 シカゴ美)

アメリカの美術館を巡る旅がまた実現したら、最高の瞬間が度々味わえそう
な絵がある。それはハドソンリバー派が描く壮大な風景画。これまで訪問し
た主要な美術館で大きな感動をもらった画家はコール(1801~1848)
、チャーチ(1826~1900)、ビーアスタット(1830~1902)
の3人。

美術館別の鑑賞記録は次のようになっている。
☆メトロポリタン美 コール(3点) チャーチ(3) ビーアスタット(4)
☆ワシントン国立美 コール(6) チャーチ(1) ビーアスタット(1)
☆コーコラン美   コール(2) チャーチ(2) ビーアスタット(2)
☆ボストン美    コール(2) ビーアスタット(3)
☆フィラデルフィア美 チャーチ(1)

アメリカの美術館では今年1月に名品が日本で公開されたウスター美でコー
ル1点、そして、2年前スコットランド国立美がやって来たときチャーチ1点
にも遭遇した。ヨーロッパを旅行してみたのはマドリードのティッセン・ボル
ネミッサ美だけでコール2点、チャーチ3点、ビーアスタット1点に運よく
お目にかかった。

さて、今後の目標であるが、2008年にシカゴ美を訪問したのにアメリカ絵
画が展示してある部屋が改修工事のためにみれなかった作品がまず頭にある。
コールの‘ナイアガラの滝の景観’とチャーチの‘エクアドルの火山の眺め’。とも
に鑑賞欲を強く刺激するので何としても絵の前に立ちたい。コールについては
メトロポリタンにある‘巨人の高杯’とオハイオ州のトレド美が所蔵する‘建築家
の夢’が気になってしょうがない。

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2024.05.18

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ホーマー

Img_20240518225601    ‘八点鐘’(1886年 アディソン・ギャラリー)

Img_0004_20240518225601    ‘海辺の陽光’(1890年 トレド美)

Img_0003_20240518225601    ‘グロセスター湾’(1873年 ネルソン=アトキンス美)

Img_0001_20240518225601    ‘山地を描く画家たち’(1868年 ポートランド美)

Img_0002_20240518225601    ‘仕事に励む農夫’(1865年 メトロポリタン美)

絵画の世界を広めるのに役立つのはやはり美術本。美術館が開催する展覧会
にでかけて本物をみるのが一番楽しいが、その感動は画家や作品の情報が
豊富に入ってくると次の感動へとつながっていく。アメリカの画家、ホーマ
ー(1836~1910)を知ったのは1985年頃購入した‘世界名画の旅’
(朝日新聞)によって。そこに載っていたホーマーの名画は‘八点鏡’。

二人の男と海の一部を描いて海と船の様子を表現するこの絵に大変惹かれた。
以来いつか本物にお目にかかりたいと願ってきたが、まだその時がやって来
ない。ホーマーの主要な絵をこの絵をみたあと情報を集めたが、幸いにも
‘メキシコ湾流’(メトロポリタン)、‘見張り’(ボストン美)、‘ライフライン’
(フィラデルフィア美)などをみることができた。ホーマーはカサットと
同様にシカゴ美やワシントン国立美でもお目にかかったから、アメリカの人
にはよく知られ高く評価された画家であることがわかった。

だから、‘八点鐘’のほかにもみたい絵はいろいろある。ホーマーは波の激しさ
を見事に描く海景画が一番の魅力なので‘海辺の陽光’も外せない。今年1月に
東京都美であった‘ウスター美展’にもこれとよく似た‘冬の海岸’が出品されて
いた。そして、少年が小舟にのってオールを漕いでいる‘グロセスター湾’の
海面に反射する光の情景が目に沁みる。

1860年代の後半に描かれた作品で気になるのが‘山地を描く画家たち’。
3人の画家をこういう風に並べて描くアイデアがおもしろい、ホーマーは日本
の浮世絵に影響をうけているから、人物の配置に浮世絵を参考にしたのかも
しれない。‘仕事に励む農夫’はすぐ絵の中に入っていける。こういう絵は
描けそうで描けない。ホーマーは本当に人物でも自然でも動きの描写が天才
的に上手い!

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2024.05.17

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ブラック

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   ‘マンドリンを持つ女’(1937年 MoMA)

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   ‘二重奏 音楽と瞑想’(1937年 ポンピドゥー)

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   ‘鳥’(1952~54年 ルーヴル美)

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   ‘水差しとヴァイオリン’(1909~10年 バーゼル美)

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   ‘アトリエⅡ’(1949年 ノルトライン=ヴェストファーレン美)

画家の名前は西洋美術が好きな人なら誰もが知っているのに、その作品をた
くさん集めた回顧展に縁がないという画家が何人かいる。そのひとりが
ピカソ(1881~1973)の盟友ブラック(1882~1963)。
ピカソの個展には何度も足を運んだが、なぜかブラックは一度も巡りあっ
てない。このキュビストの回顧展が開催されたことがあるのだろうか?展覧
会の図録が購入できる神田の古本屋にときどき寄ることがあるが、ブラック
のものには遭遇しない。

ブラックの作品はポンピドゥーとMoMAと強く結びついている。でも、
残念なことにみたのは所蔵作品の一部だけ。NYのMoMAでは美術本に載って
いる‘マンドリンを持つ女’とはまだ対面してない。黒塗りで描かれた横向きの
女は画面の大半を占める緑に浮き上がる姿に鑑賞欲を強く刺激される。

ポンピドゥーには大きな忘れ物がある。それは見ごたえのある‘二重奏 音楽
と瞑想’。ブラックは音楽好きだから、ピアノとかマンドリン、ヴァイオリン
などがふんだんに出てくる。左の女性の顔は横向きと正面向きを合体させ
る表現になっている。これは多視点を真骨頂とするキュビスムの人体表現で
あるが、おもしろみも感じらる描き方である。これとどうして出会わなかっ
たのだろうか。

パリではもう一枚どうしてもみたい絵がある。それはルーヴルのシュリー翼
2階の‘アンリ2世 控えの間’の天井に描かれている‘鳥’。ルーヴルで駆けず
り回って目の中に入れたのはダ・ヴィンチをはじめとるるルネサンス絵画や
ドラクロアの‘民衆を率いる自由の女神’などで、ここにブラックの絵がある
ことはまったく知らなかった。もっと美術館のガイドブックをしっかり読ん
でおくべきだった。こういうところに落とし穴がある。

ヨーロッパの美術館ではバーゼル美の‘水差しとヴァイオリン’をターゲットに
している。そして、ドイツのデュッセルドルフにあるノルトライン=ヴェス
トファーレン美が所蔵する‘アトリエ二Ⅱ’も是非お目にかかりたい。この美術
館の名作は日本で公開されたときにめぐりあい、ピカソの‘鏡の前に坐る女’が
目に焼きいている。ここはブラックもマティスの‘赤い室内、青いテーブルの
上の静物’もコレクションしているから、一度は訪問する価値がありそう。

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2024.05.16

昭和戦前歌謡 ♪♪‘涙の渡り鳥’!

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映画を頻繁にみるようになり、古いモノクロ映画やトーキーにも心を揺るが
すいい映画がたくさんあることがわかってきた。以前レンタルビデオで映画
を楽しんでいたとき(わが家の一次映画ブーム)は、こうしたものにはまっ
たく縁がなかった。ヒッチコックのサスペンスだって一部のたとえば、‘サイ
コ’などしか観てなかった。ところが、今の二次映画ブームではブックオフで
500円以下で売られている古い名作もどん欲に追っかけている。

これと同じことが日本の古い歌謡曲でもおこっている。YouTubeでは毎日お
気に入りの歌が流れているが、長く聴いているのは週2回行っている水泳
(木、日曜)から帰ったあと。いつも、スポーツクラブでクロールで50分
(約2kmくらい)泳いでいる。昨年の前半までは25mのプールをノン
ストップで1時間手足を動かしていたが、げっぷがでるのがひどくなり泳ぎ
が乱されることが多くなったので、頭を切り替え50分ヴァージョンにし
40分休みなく泳ぎ、そのあと3分休んで10分を最後のひとふんばりで
しめることにした。

新スタイルでは中間に3分の休憩が入るので、前半、後半とも足を動かす力
は前より強くなった。そのため、泳いでいるトータルの時間は10分少なくなったものの、水泳をやっている目的である体重管理の点ではむしろ上手くコントロールできている。ただ、足をフルに強く動かしている分、前よりは疲れがちょっと残る。そのため、YouTubeで歌謡曲を聴いて体を休める時間が長くなった。

今日は昨年の後半から200%嵌っている♪♪‘涙の渡り鳥’のこれまで聴か
なかったヴァージョンがひょいと現れた。それがこの動画。この曲は西條八
十の作詞、佐々木俊一の作曲で昭和8年(1933)につくられ、小林千代
子(まったく知らない)によって唄われている。これを今月開催されるお楽
しみカラオケ宴会でチェレンジすることに決めているが、気に入っているの
は歌いやすいメロデイだけでなく、歌詞がすごく心に沁みるから。とく
に2番の最後がいい。♪♪‘泣いて昨日(きのう)が来るじゃない’。はじめて
この歌を聴いたとき、これにぐっときた。確かにそうなのである、昨日起きた
悲しいこと、辛いことは泣いたからって消えるわけではない。
流石、西條八十である!

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2024.05.15

映画‘歌麿をめぐる五人の女’(1959年)!

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Img_0002_20240515225801    喜多川歌麿の‘鮑とり’(1797~98年 大英博)

Img_0001_20240515224801    ‘高名美人六家撰 朝日屋後家’(1795~96年 シカゴ美)

5/19(日)まで行われている‘大吉原展’(東芸大美)で喜多川歌麿(1753~1806)の‘吉原の花’と再会したのが引き金となり、今年になって購入した映画‘歌麿をめぐる五人の女’(1959年 大映)をみた。同じ題名のものをかなり前、NHKのBSでみたことがあり、そこに興味深い話がでてきたので拙ブログでもとりあげた。それは1946年、あの溝口健二監督によって製作された松竹の時代劇。

ブックオフで探していたのはこちらのほうで、棚にあるのをみつけとびついたが
、別の監督のもので歌麿役は大スター長谷川一夫(知っている人は知っている)
が演じていた。どんな脚本になるのか興味津々でみていたら、耳にこびりついて
いる歌麿のセリフがこの映画でもでてきた。美人画のモデルをつとめる女の背中
を凝視し、こう言う。‘お前さんの肌をちょっと触らせてくれねぇか!’

このシーンをみてまた思い出したのが、女性を描くとき印象派のルノワールも
世紀末のクリムトもモデルの肌に触れその触覚を創作につなげていたこと。歌麿
ールノワールークリムトを結ぶ線になった。そして、ある女性の服飾デザイナー
も似たようなことを語っている。‘デザイナーにとっては触覚と嗅覚が大事なのよ’。

映画の中で歌麿の知っている絵が2枚登場した。実話かどうかはわからないが、
ある大名の屋敷で外国の使節団をもてなす宴が催され、余興として大勢の腰元た
ちによる庭前の池に放たれた鯉のつかみどり競争がおこなわれた。この様子をみていた歌麿が絵にしたのが‘鮑とりの海女’という次第。もう一枚は鈴木春信にみられる気品を描きたいと思い、その雰囲気をもった女(淡島千景)をモデルにしてできあがった‘高名美人六家撰 朝日屋後家’。この気品はちょっと違和感がある。

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2024.05.14

シューベルト、シューマンのピアノ・ソナタ!

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今、わが家ではポリーニのピアノ・ソロのCDがどんどん増えている。美術
館巡りのたびに秋葉原のブックオフに足を運び、ポリーニを買い漁っている。
その数は11枚になった。内訳は
☆ベートーヴェン:3
☆ショパン:5
☆シューベルト&シューマン:1(上)
☆シューベルト:1(下)

このうちショパンはたとえば、弾いているピアニストの名前は知らないが‘別
れの曲 ショパン名品集’とか‘トロイメライ∼珠玉のピアノ名曲集Ⅱ~’といっ
たオムニバス風に名曲が選曲されたもので耳に馴染んでいる。これに対し、
ベートーヴェン、シューベルト、シューマンについてはこれまでまったく聴
いたことがなく、ポリーニの演奏を聴きこむことによって3人のピアノ・ソ
ロのすばらしさがわかってきた。

ベートーヴェンのあとシューベルト、シューマン(まだ2枚だが)に進んだ
が、買うときはちょっと不安を感じていた。でも、1973年に演奏された
シューベルトの‘16番’とシューマンの‘1番’を聴いているとその気持ちはす
ぐ消え、ぐんぐん惹きこまれた。まるでベートーヴェンの後期ソナタの続き
を聴いているよう。ポリーニのお陰で2人のピアノの魅力にふれることが
できた。

そして、先週シューベルトの‘19,20,21番’の入った2枚組のCDを手
に入れた。聴く前に読んだ専門家の解説では‘21番はまさに偉大なソナタで
ある。死の年の弦楽五重奏曲ハ長調と並ぶ唯一のピアノ作品であり、史上に
残る永遠の傑作である’とのこと。果たして、どうだったか。仰せの通り心の
琴線に響く名曲だった。このCDはこれから何度も聴くことになりそう。

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2024.05.13

令和6年 新指定 国宝・重要文化財!

 Img_0004_20240513235001   国宝 ‘和漢朗詠集(雲紙)’(平安時代 三の丸尚蔵館)

Img_0005_20240513223301    重文 ‘厩図屏風’(室町時代16世紀 三の丸尚蔵館)

Img_0001_20240513223301    重文 海野勝珉の‘太平楽置物’(1899年 三の丸尚蔵館)

Img_20240513223301    重文 川之邊一朝ほかの‘菊蒔絵螺鈿飾棚’(1903年 三の丸尚蔵館)

Img_0006_20240513223301    重文 ‘日吉山王祇園祭礼図屏風’(室町時代16世紀 サントリー美)

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Img_0003_20240513223301    重文 小野竹喬の ‘波切村’(1918年 笠岡市立竹喬美)

東博の平成館で行われている‘法然と極楽浄土’を楽しんだ後、本館の一階の日
本画や二階の浮世絵をみようと移動したが、よくみると前回と同じものがま
だ展示されていた。以前のようにHPで平常展の作品をチェックしてないから
ちょっと時間を無駄にした。そして、なんとはなしに一階正面の右手の部屋
へ行くと、令和6年に国宝・重要文化財に指定されたもののうち重文の仏像
彫刻(一部)が展示してあった(写真撮影はNG)。新聞記事をみたことを思
い出し、案内所でそれらのリストをもらった。

知っている作品をみつけると敏感に反応する。国宝ですぐイメージできたの
はお目にかかったことのある‘和漢朗詠集(雲紙)’。漢詩文や和歌については
知識は薄いが、料紙の上下に対角に藍染の雲形が漉きこまれた雲紙の美しさに
とても魅せられている。これを所蔵する三の丸尚蔵館は‘厩図屏風’や明治時代
につくられた金工の傑作、海野勝珉の‘太平楽置物’、川之邊&海野勝珉の‘菊蒔
絵螺鈿書棚’も重文になった。

サントリー美にある‘日吉山王祇園祭礼図屏風’も今回重文に指定された。これ
は近江坂本の日吉大社山王祭礼と京都八坂神社の祭礼祇園祭とを組み合わせた
もの。これは祇園祭(拡大)の場面。サントリーはどこかで展示すると思わ
れるので、そのときは足を運ぶつもり。賑やかでパワー全開の祭礼図はみてて
元気がでるので見逃せない。

今年の重文でとくに感慨深いのが小野竹喬(1889~1979)の‘波切村’。
京都で新しい日本画を創作しようと一緒に活動した福田平八郎(1892~
1974)の‘漣(さざなみ)’が2016年に重文に指定されたとき、重文の
対象がこの年代の画家たちになったと思い、近い将来ほかの画家の絵が重文に
なるだろうと予想した。だが、それから8年が流れようやく竹喬の番になった。
さて、次は誰だろう?

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2024.05.12

二度目の‘法然と極楽浄土’!

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   国宝‘法然上人絵伝 巻第六’(鎌倉14世紀 知恩院)

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  国宝‘綴織當麻曼陀羅’(唐または奈良8世紀 當麻寺)

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   ‘當麻曼陀羅図’(重文 江戸1686年 當麻寺)

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   ‘刺繍阿弥陀名号’(重文 14世紀 福島・阿弥陀寺)

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   ‘山越阿弥陀図屏風’(重文 鎌倉13世紀 金戒光明寺)

今年出かける展覧会は一度で済まず再度足を運ぶことが多い。現在、東博で
開催中の‘法然と極楽浄土’(4/16~6/9)をまたみてきた。前回同様、
平日にもかかわらず大勢の人がいた。そのなかには明らかに宗教関係者とわ
かる方がいて熱心に作品をみていたのが印象的だった。

何度もお目にかっかっている国宝の‘法然上人絵伝’はやはり巻第六の‘説法の
場面’のところで立ち止まり長くみるのがお決まりの鑑賞になった。いろい
ろバリエーションのある絵伝は説明書きが丁寧に添えてあるので、これらを
頭に入れて横に移動していくと法然がたどった人生がよくイメージできるよ
うになる。

もう一回出動する気になったのは5/8~6/9まで飾られる‘當麻曼陀羅図
(貞享本)’がどうしてもみたかったから。一回目のとき遭遇した国宝の‘綴
織當麻曼陀羅’は全体が暗く大きな画面にどういう風な曼陀羅が綴織で描かれ
ているのか単眼鏡を使ってもよくとらえられなかった。図録にそれをはっき
り見せてくれる江戸時代に描かれた原寸大模本が載っており、実物の大きさ
でみようという思いが強くなった。15分くらいかけて隅から隅まで夢中で
みた。明るい色彩のため最大級の仏画を鑑賞する楽しみを真に味わったとい
う感じ。この色彩の輝き、人物の動的描写、目が点になるほど惹きこまれる
細密描写を前にしたら、村上隆の‘五百羅漢’にそう驚くこともないかなと思
ったりした。

綴織の曼荼羅がでてきたので‘刺繍阿弥陀名号’にも目に力が入る。そして、
‘山越阿弥陀図屏風’で心を落ち着かせた。東博のあと巡回する京博では国宝の
‘山越阿弥陀図’が展示される。再会できたら申し分なかったが、これは欲張り
すぎかもしれない。

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2024.05.11

‘画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎’!

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  河鍋暁斎の‘武四郎涅槃図’(重文 1886年 松浦武四郎記念館)

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   ‘地獄極楽めぐり図’(1869~72年 静嘉堂文庫美)

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   ‘野見宿禰図(絵馬)’(1884年 松浦武四郎記念館)

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  雪村の‘壁書図’(重文 室町16世紀 松浦武四郎記念館)

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  周耕の‘猿猴図’(重文 室町16世紀 松浦武四郎記念館)

昨日最初に向かったのは丸の内にある静嘉堂文庫美。世田谷からここに移っ
てきてからははじめてのことなので館内の進み方がぎこちない。現在ここで
‘画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎’(4/13~6/9)が行われている。年初に
立てた‘’気になる展覧会‘には入ってなかったが、河鍋暁斎(1831~89)
のMy図録づくりとタイミングが重なったため、急遽でかけることにした。

新規にお目にかかったのは‘日課天神像’(重文 松浦武四郎記念館)だけで
ほかの絵はこれまであった回顧展(3回)で運よくみることができているの
で、前のめりというほどではない。でも、お目当ての‘武四郎涅槃図’にして
も‘地獄極楽めぐり図’にしても2008年に京博で開催された大回顧展以来
のことなので、暁斎の高い技術に裏付けられた豊かな表現力にあらためて
惹きこまれ時間をかけてじっくりみた。

展示室で最初に出迎えてくれたのが‘地獄極楽めぐり図’。今は京博でお目に
かかった‘賽の河原’など10図がでている。全部で40図あるが会期中展示
替えがあるたびに足を運ぶとコンプリートする。これまで両手くらいみてお
り、今回これに10図が加わった。また来ようかなという気にもなったが、
ミュージアムショップで本物に似せて作られた一冊の折本(5000円)が
あったので購入した。これで極彩色の絵本が楽しめるので、2度目の出動は
なしにした。

事前に美術館のHPで出品作をチェックして驚いたのが探検家で好事家であ
る松浦武四郎(1818~88)が生まれた三重県の松阪市にある記念館が
所蔵するものに重文指定が多いこと。じつはそれらに期待していた。果たし
て、思わず足がとまるいい絵があった。雪村の‘壁書図’と周耕の‘猿猴’。とも
にこれまで回顧展や美術本でお目にかかったことがない。大収穫だった。
まさに‘犬も歩けば棒に当たる’!である。これだから美術館めぐりはやめら
れない。

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2024.05.10

二度目の‘浮世絵の別嬪さん’!

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  勝川春章の‘雪月花図’(重文 1787~88年 MOA美)

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  葛飾北斎の‘二美人図’(重文 1801~04年 MOA美)

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  喜多川歌麿の‘納涼二美人図’(1804~06年)

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  歌川豊春の‘花魁と禿図’(1789~1801年 中外産業株式会社)

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  鳥文斎栄之の‘蛍狩美人図’(1803~1810年)

大倉集古館で開催されている‘浮世絵の別嬪さん’は後期(5/8~6/9)に
入り、作品がごそっと入れ替わったので早速出動した。お目当てはズバリ
勝川春章(1743~1792)の‘雪月花図’。前回みたのは2006年に
MOA美(熱海)で公開されたときだから、それから18年ぶりの対面であ
る。つくづく日本画や浮世絵の鑑賞は長期戦だなと思う。3点のなかでぞ
っこん参っているのは真ん中の‘月’に描かれている机に頬杖をついて筆をと
る超別嬪(べっぴん)さん。再度、顔の白の輝きを焼きつけた。

MOAからはもう一点重文の肉筆美人画が出品されている。葛飾北斎
(1760~1849)の‘二美人図’。今回前期とあわせると全部で4点み
れるが、こんな機会は滅多になくその3点がはじめてお目にかかるものだ
から大収穫だった。北斎の肉筆も師匠の春章の技をうけついで紋様をふく
めて衣裳の描き方がとても精緻なのでつい見入ってしまう。

前期に新発見の美人画が登場した喜多川歌麿(1753~1806)は幼い
男の子と兎に視線を奪われる‘雪兎図’と二人の女性のくつろぐ姿に感情移入し
てしまう‘納涼二美人図’。My‘歌麿図録’は5冊もできたのに、この2点は入
ってない。個人が所蔵する肉筆の美人画がひょいとでてくるのだから、浮世
絵の世界は奥が深い。

会期の終了(5/15まで)が近づいている‘大吉原展’とコラボする歌川豊春
(1735~1814)の‘花魁と禿’を息を呑んでみていた。‘登竜門’の模様
が強いインパクトをもっており、思わず足がとまる。これぞ見ごたえ十分の
THE花魁!といった感じ。そして、視線を釘付けにするのが鳥文斎栄之
(1756~1829)の‘蛍狩美人図’。細い白い足をみていたら、あるこ
とがかぶってきた。どうでもいいことだが、それは大相撲春場所で新入幕
優勝して大きな話題になった尊富士(たけるふじ)の異様に細い足。

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2024.05.09

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ロスコ

Img_20240509225301    ‘赤褐色と青’(1953年 ロサンゼルス現代美)

Img_0002_20240509225301    ‘No.9/No.24’(1949年 ハーシュホーン美)

Img_0003_20240509225301    ‘無題’(1953年 ワシントン国立美)

Img_0001_20240509225301    ‘ロスコ・チャペル’(1971年 ヒューストン)

連日マスメディアが伝える大谷翔平の活躍に刺激されて、ロサンゼルスにす
ごく憧れるようになった。NHKの大リーグ中継はドジャースの試合ばかりだ
が、大谷人気が圧倒的なので仕方がないのかもしれない。だから、ドジャー
スの試合がないときはほかの日本人選手が所蔵するチーム、たとえば巧みな
投球術で注目を集めているる今永投手(昨年までDeNA)がいるシカゴ・
カブスの試合を中継してくれることを切望している。

ロサンゼルスに心がぐっと傾いているのは大リーグの観戦のためだけではな
い。それは村上隆の展覧会で火がついた現代アートの傑作をLAにある美術館
でみたいという思いがだんだん膨らんできているから。村上隆にスポットを
あてたNHKの美術番組でLAにザ・ロードという現在アート専門の美術館
があることを知った。これでお目当てのロサンゼルス現代美のほかに有力な
ホットスポットが加わった。

ロサンゼルス現代美の名前を強く焼きつけたのはロスコ(1903~1970)
の‘赤褐色と青’。ほかにどんな作品があるかは情報が極めて薄い。そのため、
ロスコとこの美術館は強く結ばれている。アメリカで現代アートを楽しんだ
美術館としてすご思い浮かぶのはNYのメトロポリタン、MoMA、グッゲンハ
イム、そしてワシントンにあるナショナルギャラリー、ハーシュホーン美、
フィリップス・コレクション。

ロスコで今ターゲットにしているのは鑑賞の可能性がありそうなアメリカにある美術館が所蔵する作品。ワシントンで運悪く姿をみせてくれなかったハーシュホーンとナショナルギャラリー蔵のリカバリーを是非とも果たしたい。もうひとつは実行計画をつくると大旅行となりそうなヒューストンにある‘ロスコ・チャペル’。フィリップス・コレクションでロスコ・ルームを体験したのでテキサス州へも出かけたくなる。   

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2024.05.08

河鍋暁斎の日本神話画!

Img_0002_20240508225501    ‘日本神話 島々の誕生’(1878年)

Img_0001_20240508225501    ‘須佐男命の追放’

Img_0004_20240508225501    ‘天孫降臨’

Img_20240508225501    ‘海幸と山幸’

Img_0003_20240508225501  

‘惺々狂斎画帖 日本武尊東夷征伐’(1870年以前 河鍋暁斎記念美)

長らく手掛けてきたMy‘浮世絵図録’が完成に近づきつつある。最後に残った
ピースが国芳のDNAをしっかり受け継いだ河鍋暁斎(1831~1889)。
これまで3回遭遇した回顧展で制作された図録をベースにしてダブりを排し
再編集する。そうしてできた余白に市販された河鍋本に掲載されている作品
や解説文をぺたぺた貼っていく。見栄えも気にするのでお化粧も必要で元の
図柄をインク消しや白紙を使ってみえなくする。こうしたことに結構時間
がかかり、エネルギーを消耗するから作業をしているときはクラシックの
ピアノソロとかバロック音楽のCDをずっと流している。

3冊の図録のうち核となるのは2008年京博で開催された大回顧展のとき
につくられたもの。ここに暁斎の描いた傑作がすべてといっていいくらい集
まっている。空白の頁は1頁もない。図版をどんどん追加していくと元の
図録に比べるとずしっと重くなっていくので、最後のほうにある作品の一覧
や英文の頁は削除し重さを調整している。

ここに並んだ作品をみてつくづく感心するのは暁斎がとにかく絵が上手いこ
と。国芳風の戯画も抜群におもしろいし、狩野派にならった技法で描かれた
物語絵なども見惚れてしまう。今回の集中作業でひとつ忘れていた作品がで
てきた。それは日本神話を描いたもの。明治10(1877)年、東京大学
化学教師として来日していたアトキンソンが直接暁斎を訪れて制作を依頼した。

古事記をテーマにした全10図が描かれたが、現在5図が確認されている。3月に神話のふるさと宮崎を旅行し、このあと古事記関連の本を読んだので、ここにとりあげた‘島々の誕生’、‘須佐男命の追放’、‘天孫降臨’、‘海幸と山幸’が物語のイメージをより立体的にしてくれる。もう一点ほかのシリーズのなかで‘日本武尊東夷征伐’が描かれている。これまで日本神話の絵画化は青木繁と安田靫彦ばかりに関心がいって、暁斎のパワフルな絵が消えていた。これで古事記の絵がコンプリートになった。

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2024.05.07

レイチェル・カーソンの‘センス・オブ・ワンダー’!

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拙ブログでは写真の展覧会はわずか片手ほどしかとりあげてない。散歩のと
きたまにでくわすアマチュア写真家のように風景や手が届くようなところに
ある木や花などを写真に撮るという習慣がないので、写真の魅力には縁がな
い生活がずっと続いている。でも、最近数点の写真をみてすごく心に沁みる
ことがあった。

昨年手に入れた新潮文庫からでているレイチェル・カーソン(1907~
1964)の‘センス・オブ・ワンダー’(1965年)を風の知らせで読んで
みた。この作品は上遠恵子氏の訳で1996年7月新潮社より刊行されてお
り、60頁くらい(中くらいの文字で)の文庫本だから1時間も読んでいれ
ば終わる。2021年、文庫化されたとき写真家の川内倫子氏の撮った写真
が表紙を含めて全部で19枚載っている。その3枚をピックアップしたが、
どれもレイチェル・カーソンのすばらしい文章に200%マッチしたとても
いい写真。

心に響くレイチェルの言葉を上遠氏の名訳で
「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激に
みちあふれています。残念なことにわたしたちの多くは大人になるまえに澄
みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直観力をにぶらせ、
あるときはまったく失ってしまいます。

 もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける
力をもっているとしたら、世界中の子どもに生涯消えることのない‘センス・
オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性’を授けてほしいとたの
むでしょう。

この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然
という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になるこ
となどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです。」

本当にいい本に出会った!  

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2024.05.06

ロサンゼルス サンフランシスコの美術館!

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Img_0002_20240506225601   ザ・ロード (4/23放送のNHK BS‘フロンティア’より)

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サンフランシスコ・アジア美の村上隆の個展(‘フロンティア’より)

現在、京都市京セラ美で開催中の‘村上隆 もののけ 京都’(2/3~9/1)が
大盛況らしい。4/21に放送された日曜美術館や4/23のNHK BS‘フロンティ
ア’では村上隆の工房にカメラが入り、作品が完成にいたる制作現場での奮闘
ぶりを密着取材していた。おかげで8年ぶりの国内で開かれる回顧展にどん
な作品がでてくるのかおおよそ頭に入った。

会期は9/1までなのでわが家は7月に出かけ、大阪のあべのハルカス美で行
われる‘広重ー摺の極みー’(7/6~9/1)も一緒に楽しむことに決めた。
番組のなかで初日に若い人たちを中心に長い行列ができていたのにびっくり
仰天!これほど混雑していると美術館で入館料を払っていたら大変な時間が
かかりそうなので事前にチケットを購入し、観客情報をしっかりチェックす
るつもり。

‘フロンティア’に興味深い情報がいろいろでてきた。それはロサンゼルスと
サンフランシスコにある美術館の話。まだこの西海岸にある2つの大都市に
足を踏み入れていないので、こうしたこれまで知らなかった美術館情報に接
すると敏感に反応する。LAで紹介されたのはザ・ロードという現代アートの
美術館。ロサンゼルス近代美術館は手元のロスコの本にでてくるから、LA
での美術館巡りはここからと思っていたが、このザ・ロードも楽しそう。
村上隆、ウォーホル、リキテンスタイン、バルーンアートのジェフ・クーン
ズ(知らない)らの作品を展示している。

サンフランシスコ・アジア美では村上隆の個展が数年前開かれたそうだ。
浮世絵などをコラージュした25mの新作品を中年の夫婦が熱く語っ
ていた。ここにはほかにも現代アートが飾ってあるのだろうか?そして、
有名なサンフランシスコ近代美術館にはマティスの‘帽子の女’がある。
村上隆の個展をきっかけに西海岸の美術館に心が急速に向かっている。

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2024.05.05

歌川国芳の子ども絵!

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   ‘雅遊五節句之内 端午’(1839年頃)

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   ‘雅遊五節句之内 菊月’(1839年頃)

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   ‘新板子供遊びのうち ぼんぼんうた’(19世紀)

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   ‘新板子供遊びのうち 春のあそび’(19世紀)

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   ‘子供あそびのうち 川がり’(19世紀)

今日は‘こどもの日’だから子どもたちを描いた絵をとりあげたい。するとすぐ
思い浮かぶのが浮世絵。浮世絵は風俗画だから美人画や役者絵、風景画だけ
でなく、子どもを描いたものもたくさんある。なかでも鳥居清長(1752
~1815)と歌川国芳(1797~1861)が子ども絵の名手。清長の
お気に入りは元気いっぱいの金太郎。一方、国芳はいろんなバリエーション
があり、みてると頬がゆるみっぱなしになる。5点選ぶのにちょっと時間が
かかった。

江戸時代になると五節句が定められ端午(五月五日)が祝日となり、男子の
健康と出世を願う祭りが行われた。国芳の絵で男の子がもっている鯉のぼり
は出世のシンボル。描かれているのは菖蒲を編んで地面に打ちつけ、音の高
さを競って遊ぶ‘菖蒲打ち’の場面。活気があり音が聞こえてきそう。

‘こどもの日’がとても楽しかった頃を思い出してみると、町内の行事で‘子ど
も相撲大会‘が行われたような記憶がある。小学校、中学校の生徒で相撲の強
いのが参加していた。大相撲が全盛のころだから大勢の大人たちも熱心に応
援していた。だから、優勝でもすると祝いの品がもらえみんなから祝福され
るのでちょっとした町のヒーローだった。‘雅遊五節句之内 菊月’をみると
相撲のおもしろさが思い出される。

‘新板子供遊びのうち ぼんぼんうた&春の遊び’、‘子供あそびのうち 川が
り’では子どもたちが家の中や外でどんなことをして遊んでいたのか生き生き
と描かれている。川の傍で女の子たちが手をつなぎ歌を歌い、それに合わせ
て男の子が上手に踊っている。家のなかでは男女一緒にカルタやすごろくで
遊んでいる。‘川がり’はすごく懐かしい。大きな亀が採れたときは嬉しくて
たまらなかった。

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2024.05.04

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ブーシェ フラゴナール

Img_0002_20240504230601   ブーシェの‘ヴィーナスの勝利’(1740年 スウェーデン国立美)

Img_20240504230601    ‘ポンパドゥール夫人’(1756年 アルテ・ピナコテーク)

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‘ソファに横たわる裸婦’(1752年 アルテ・ピナコテーク)

Img_0003_20240504230601   フラゴナールの‘水浴の女たち’(1765~70年 ルーヴル美)

Img_0005_20240504230601   ‘アルミダの園のリナルド’(1761~65年 ピカール・コレクション)

Img_0004_20240504230601    ‘犬と戯れる少女’(1770~75年 アルテ・ピナコテーク)

先月出かけたSONPO美の‘北欧の神秘’にストックホルムのあるスウェーデ
ン国立美から出品されたいい絵が何点も展示してあった。これをみて
2018年ストックホルムを訪問したとき残念だったことがよみがえって
きた。それは自由時間を利用して足を運ぶことにしていた国立美術館が改修
のため休館だったこと。

事前に準備した必見リストの最上位に載せていたのが爛熟した18世紀の
フランス宮廷を彩ったロココ絵画のブーシェ(1703~1770)の傑作
‘ヴィーナスの勝利’。この絵を知って長い年月が経つが、鑑賞の機会にあと
一歩のところで肩透かしを食らった。世の中いつも々思い通りにはいかない。
北欧の美術館から作品がやって来たのだから、この先‘スウェーデン国立美名品
展’があるかもしれないとふと思った。

これに比べるとお目にかかれる可能性があるのはミュンヘンのアルテ・ピナ
コテークが所蔵する‘ポンパドゥール夫人’と‘ソファに横たわる裸婦’。若い頃
ジュネーブに住んでいて、クルマでミュンヘンに旅行しアルテ・ピナコテー
クのなかにも入った。でも、当時は西洋絵画の初心者でルーベンスとデュー
ラーくらいしたみたという実感が残ってない。だから、ブーシェがパトロン
のポンパドール侯爵夫人を気品と知性のある女性として描いた肖像画も若い
女のコケティッシュな裸体画もまったく知らなかった。

ブーシェに絵画を教えてもらったフラゴナール(1732~1790)はロンドンのウォレスコレクションで有名な‘ぶらんこ’と‘恋文を読む娘’をみたから満ち足りた状態にある。プラスアルファで気になっているのはなぜかルーヴルでまだみてない‘水浴の女たち’、タッソの叙事詩を題材にして物語性を演出して描いたことがみてとれる‘アルミダの園のリナルド’、愉快だがちょっとザワザワする‘犬と戯れる少女’。一番近いのは犬と少女かもしれない。

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2024.05.03

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ヴァトー

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   ‘シテール島への船出’(1719年頃 シャルロッテンブルク宮殿美)

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   ‘牧人たち‘(1717年頃 シャルロッテンブルク宮殿美)

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   ‘雅な娯しみ’(1717~18年 ベルリン絵画館)

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   ‘イタリア芝居の愛’(1718年頃 ベルリン絵画館)

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   ‘二組の男女’(1713年頃 サンフランシスコ美)

ドイツの美術館巡りを計画するときは心のなかで長く気になっている美術館
がどうしても優先順位が高くなる。そのひとつがベルリンのシャルロッテン
ブルク宮殿美。なぜこの宮殿かというとここにフランスのロココ絵画を代表
する画家、ヴァトー(1684~1721)の代表作‘シテール島への船出’
が飾られているから。

絵の存在を知ったのはだいぶ昔にロココ絵画を連続的にとりあげたNHKの
日曜美術館。ヴァトーは雅宴画という新たなジャンルを創出し、雅な衣装の
人物たちが樹木の生い茂る田園を散策する牧歌的な情景を滑らかな色彩で表
現した。めざすのは恋の島シテール、8組の男女がくりひろげる恋の駆け引
きが画面のそこかしこで繰り広げられている。この絵は二枚描かれルーヴル
にある初めの一枚はお目にかかったが、遠いベルリンの宮殿にあるヴァージ
ョンはまだ縁がない。こちらもやぱりみたい。

手元のヴァトー本によるとシャルロッテンブルク宮殿には‘牧人たち’もあり、
ベルリン絵画館を訪問すると2年前国立新美で開催されたビッグな‘メトロポ
リタン美展’に出品された‘メズタン’と同じようにギター奏者が登場する‘雅な
娯しみ’や‘イタリア芝居の愛’とも遭遇できる。これまでヴァトーを楽しんだ
という思いが強い美術館は数がもっとも多いルーヴルを筆頭に、ロンドンの
ナショナルギャラリー、そしてアメリカのメトロポリタンとワシントン国立
美。ベルリンの美術館もヴァトーコレクションの質が高そう。

アメリカでは西海岸のサンフランシスコにも鑑賞欲を刺激する‘二組の男女’が
ある。流石アメリカ人コレクターはロココ絵画もしっかり集めている。ワシ
ントンにある‘イタリア喜劇の俳優たち’に大変魅了されているが、この絵も
なんとしてもみたい。

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2024.05.02

ポール・エクマンの‘暴かれる嘘’&‘顔は口ほどに嘘をつく’!

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  顔面表情にみられる感情

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   ニューギニア人の顔の表情と感情

海外でつくられた映画を鑑賞するとき俳優がみせる顔の表情からすぐに内面
の感情がどんなものかはつかまえるのはなかなか難しい。日頃つきあいのな
い外国人だから、日本人のようには理解できないのは仕方がないのは当たり
前のことでもある。サスペンスや裁判もの映画などをみていると顔の表情と
か身振り手振りによりその人物が嘘をついているのがすぐわかるケースがあ
る一方で、心の動揺を微塵もみせず嘘をつき続け追及を逃れる犯人や悪党が
いろいろでてくる。

映画をみればみるほど俳優業というのは大変な仕事だなと思う。一体どうや
って監督が求めている演技をすることができるのか、いろんな人をただ観察
するだけではそう上手くは真似られないだろう。どんな訓練をしてるのか、
そんな関心事についてすこし応えてくれる本を最近読んだ。だいぶ前に手に
入れたのに積ん読のままだった‘暴かれる嘘 虚偽を見破る対人学’(1985
年)と‘顔は口ほどに嘘をつく’(2003年)。著者は感情研究の世界的権威
とみなされているアメリカ人のポール・エクマン。

読んでいるうちにこの2冊をマスターしたら、刑事や裁判官になれるかなと
思ったりした。‘暴かれ嘘’に演技法として有名なスタニスラフスキー演技術と
いうのがでてきた。感情が顔の表情にあらわれるが、これは筋肉が司ってい
る。この作用の仕方は悲しみ、恐怖、怒り、驚きで夫々異なる。筋肉がいろ
いろ組み合わされて表情が生まれてくるが、この動きを意識して行うのは
大変難しい。たとえば、実験に参加した人たちのなかで恐怖の表情をつくる
ことができたのは10%足らずだった。

スタニスラフスキー演技術は俳優にある感情を想起させ追体験させ、筋肉を
動かせるやり方を覚え込ませることによって、感情を正しく表現できるよう
にもっていく技法。こういうテクニックを俳優というのは訓練している。
俳優でなくても詐欺師や極悪人だって、これを身につければ偽りの表情をみ
せることができる。

2003年に書かれた‘顔は口ほどに嘘をつく’も小説を読んでいるようでと
てもおもしろいし役に立つ。大きな収穫は顔の表現が万国共通、普遍的であ
るということ。ニューギニアの人たちが装ってくれた4つの顔の表情をみる
と、どこに住んでいようと喜び、怒り、悲しみ、嫌悪の表情はそうかわらな
いなとつくづく思う。

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2024.05.01

映画‘屋根の上のバイオリン弾き’!

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ブロードウェイやロンドンの劇場で公演されたミュージカルが大人気になり、
映画がつくられたものは数多くある。本場のミュージカルをみたのは3回し
かないので、世の中にたくさんいるミュージカル通には足元にも及ばないが、
映画になったものはずっと追っかけてきた。それがここ数年のブックオフ通
いで一気に増えてこれまで楽しんだのはトータルで20作品くらいになった。
なにか景気をつけたくなると、ご機嫌のミュージカル映画を観ている。

オペラと同様にミュージカルも心に響くいい歌がどれだけ多くでてくるかで
人気の有無が決まる。1年くらいのスパンで聴いたものでMy‘好きなミュー
ジカㇽナンバー’に加わったのが3曲ある。‘美女と野獣’の同名の主題歌、
‘ライオン・キング’の‘愛を感じて’、‘屋根の上のバイオリ弾き’の‘サンライズ・
サンセット’。‘ライオン・キング’はミュージカルも映画もみてないが、エㇽ
トン・ジョンが作曲した主題歌に200%痺れている。

2週間前、わが家のホームシアターに映画‘屋根の上のバイオリン弾き’
(1971年)が登場した。だいぶ前に手に入れたのに時間がとれず観るの
が延び々になっていた。ロシア映画シリーズのひとつとしてようやく観るこ
とになったが、劇中に歌われる曲はオムニバスCDとして購入した‘ボストン
・ポップス・スクリーン&ミュージカル・ベスト’(ジョン・ウイリアムズ指
揮ボストン・ポップス 録音1980~85年)でよく聴いていた。このな
かでもっとも好きなのが‘サンライズ・サンセット’。

この曲は前からときどき耳にしていたが、今回どんなシーンで歌われ奏でら
れるのかわかった。そして、バイオリンを弾いているのは名手アイザック・
スターンだった。手元にあるクラシックCDではスターンのチャイコフスキー
の‘バイオリン協奏曲’は絶品で心を癒されている。このユダヤ人バイオリ
ン奏者についてはおもしろい話がある。帝国劇場で上演された‘屋根の上の
バイオリン弾き’でテヴィエ役を900回にわたってつとめた森繁久彌が
高倉健との対談のなかでこんなことを語っている。

「楽屋にあのアイザック・スターンがやって来て、‘本当にあなたのテヴィエ
はすばらしい。一緒に食事でもしませんか’と誘われたんです。ですが、私は
彼が同性愛者であるということを知ってましたから、丁重にお断りしたんで
すよ」。へえー!そうなの?くすくすと笑いそうになる話だった。

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