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2024.03.31

映画‘マルサの女’のDVDゲット!

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練馬区美と東芸大美でお目当ての特別展をみたあと、久しぶりに秋葉原のブ
ックオフに寄ってみた。頭にあったのは先日亡くなったポリーニのCDでいい
ものがあれば買うつもりだったが、その前に日本映画のコーナーで並んでい
るDVDをざぁーっとみていた。すると、伊丹十監督の大ヒット作‘マルサの女’
(1987年)がひょいと出てきた。‘犬も歩けば棒に当たる’である。嬉しさ
が腹の底からこみ上げてくる。値段をみると6800円。即購入した。

3年前、お気に入りの名作映画をできるだけ多く揃えようと中古DVDの購入
をはじめたとき、わりと早く‘マルサの女’が見つかった。でも、値札をみると
なんと8900円!この頃中古DVD相場についての情報がなかったので、手
に入れたい気持ちはすごく強いがこの値段はちょっと高すぎるのでひとまず
パスすることを選択した。あとから考えるとこの選択は悔いが残るものとな
った。それ以降、地元の横浜と都内のブックオフをいろいろまわって二度目
のチャンスが来るのを粘り強く待っていたが、まったく市場にでてこない。
だから、半分諦めていた。

家に帰って、本多俊之が演奏するサックスから流れてくる小気味のいい
テーマソングに酔いしれながら夢中になってみた。おもしろい場面や役者の
セリフはだいたい覚えているが、何度観ても良くできた脚本に感心させられ
る。とくに印象深いのは伊東四朗が扮するパチンコ店の親爺がウソ泣きする
場面と査察官統括の花村(津川雅彦)がラブホテルの経営者、権藤(山崎努)
からお金もうけの極意を教えてもらうところ。

‘○○の女’シリーズでお気に入りは‘マルサの女’と‘マルタイの女’。この2本が
手に入ったので次のターゲットは‘タンポポ’。果たして、いつ幸運の女神が
微笑んでくれるだろうか。

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2024.03.30

東芸大美の‘大吉原展’ 10年に一度の浮世絵展!

Img_0001_20240330223301  歌川広重の‘新吉原五丁町弥生花盛全図’(1831~45年頃 江戸東博)

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Img_0003_20240330223401   喜多川歌麿の‘吉原の花’(1793年頃 ワズワース・アテネウム美)

Img_0004_20240330223401  歌川国貞の‘桜下吉原仲之町賑之図’(19世紀 川崎・砂子の里資料館)

Img_20240330223401   勝川春章の‘吾妻風流図’(1781年頃 東芸大)

Img_0005_20240330223401  菊川英山の‘風流逢身八契 夕きりの暮雪’(1804~18年 たばこと塩博)

開幕4日目に足を運んだ‘大吉原展’(東芸大美 3/26~5/19)は予想の
2倍くらいの浮世絵ファンが押し寄せていた。多くの人が目玉の絵としてア
メリカのワーズワース・アテネウム美から里帰りした喜多川歌麿(1753
~1806)の肉筆美人画‘吉原の花’をお目当てにしているにちがいない。この大作を2017年箱根の岡田美でみたとき、体が震えるくらい感動した。そして、今年上野公園の桜が開花したこの時期に歌麿の最高傑作をまたみることができた。嬉しくてたまらない!展示作品は前期(3/26~4/21)と後期(4/23~5/19)で大幅に変わるが、この絵は通期出ずっぱりなのでご心配なく、終了の日だけをおぼえていればいい。でも、平日でこの混雑だから早めに出動されることをお薦めしたい。

東芸大で浮世絵展に巡りあうとは思ってもみなかったが、浮世絵と密接に
繋がっている吉原にスポットを当てるアイデアを実現させた企画力はたいし
たものである。しかも、これまでお目にかかったことがない絵や質が高い
作品が数多く集まっているので、トータルの評価としては10年に一度クラ
スの浮世絵展であることは間違いない。そのなかで驚かされたのが浮世絵
コレクションで世界的に知られている大英博物館からやって来た歌麿、鳥居
清長、鳥文斎栄之が描いた摺りの状態がとてもいい作品。千葉市で3/3ま
で行われていた‘鳥文斎栄之展’に出品されたものが日本にとどまっていて
東芸大美にふたたび登場している。これは気が利いた対応。

吉原で主役をはる艶やかな花魁が次から次にでてくる。数が多いのは歌麿、歌川国貞(1786~1864)、遊女をいっぱい描いた渓斎英泉。歌川広重(1797~1858)が鳥瞰の視点から描いた‘新吉原五丁町弥生花盛全図’はじつは長く‘追っかけリスト’に載せていたもの。ようやくお目にかかることができた。新規の作品としては一番の収穫。また、歌川豊春は大英博や個人蔵のいい絵があったのも幸運だった。

肉筆の美人画でもっとも人気があった勝川春章(1726~1792)は‘吾妻風流図’をはじめ会期中に全部で4点でてくる。お見逃しなく。渓斎英泉と同様に遊女の浮世絵師として知られる菊川英山(1787~1867)は影がなく華やかなイメージの強い花魁をたくさん描いた。歌麿もいいが英山にはまた別の魅力がある。寅さんの映画にでてくる浅丘ルリ子が演じたリリーみたいな女をいつも思い浮かべている。

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2024.03.29

期待を大きく上回る練馬区美の‘池上秀畝展’!

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    ‘四季花鳥’(1918年 長野県美)

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    ‘盛夏’(1933年 水野美)

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    ‘桃に青鸞’(1928年 オーストラリア大使館)

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    ‘竹林に鷺図’(部分 1913年 伊那市常圓寺)

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    ‘片時雨’(1939年 東京都現美)

つい最近みた美術関連のブログでとても嬉しい展覧会情報にぶちあたった。
それは現在練馬区美で開催されている‘生誕150年 池上秀畝 高精細画人’
(3/16~4/21)。何年か前三の丸尚蔵館で200%KOされた‘国之華’を
描いたのが長野県伊那市出身の池上秀畝(いけがみしゅうほ 1874~
1944)。同じ長野県生まれ(飯田市)の菱田春草とは同い年。

その秀畝の回顧展が練馬区美で行われているというのは降ってわいたような
嬉しいプレゼントをもらったようなものなので、今日は午前中雨が激しく降
り風も強かったけれど、予定通り池袋から西武線に乗り中村橋駅をめざした。
練馬区美はこれまで6回くらい訪問したが、駅から徒歩5分で着くアクセス
の良さがいつも好感度のプラスポイントになっている。ここの企画展はセン
スがなかなかよく過去に日本画家では高山辰雄や松岡映丘や近藤浩一郎を楽
しませてもらった。そして、今回予想もしてなかった池上秀畝。本当にすば
らしい、拍手々!

これまで見た絵でしっかり記憶されているのは‘国之華’と目黒の雅叙園で遭遇
した‘秀畝の間’に飾られている花鳥画くらいしかないので、目の前に現れる
作品に1点々敏感に反応する。そして、だんだんこれはスゴイ画家の作品を
みているという思いが強くなっていった。心をうたれ長くみていたのは
色彩のインパクトに惹きこまれる‘四季花鳥’と‘盛夏’。どちらも長野市にある
美術館が所蔵しているが、一度訪問したことのある水野美で秀畝をみたという
実感がない。

杉戸絵の‘桃に青鸞’がゴージャスな花鳥画で皇室や華族(旧大名家)が好みそうな
出来栄えになっているのはすぐわかる。鳥の画家と呼ばれた真骨頂がここにみ
られる。これに対し、最後の部屋に飾ってある六曲一双の‘竹林の鷺図’はあっ
と驚くような見事な屏風絵。みてのお楽しみ、一見の価値がある傑作で一気に
ビッグネームの仲間入りを果たしたという感じ。そして、川合玉堂を彷彿と
させる‘片時雨’にも魅了された。池上秀畝に乾杯!

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2024.03.28

ミューズにとどけ追っかけ絵画! クノップフ デルヴィル

Img_20240328223501   クノップフの‘私は私自身に扉を閉ざす’(1891年 ノイエ・ピナコテーク)

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‘マルグリットの肖像’(1887年 ベルギー王立美)

Img_0003_20240328223501    ‘見捨てられた町’(1904年 ベルギー王立美)

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デルヴィルの‘サタンの宝物’(1895年 ベルギー王立美)

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 ‘スチュアート・メルルの肖像’(1892年 ベルギー王立美)

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‘魂の愛’(1900年 イクセル美)

日本をとびだして海外にある美術館に足を運ぶとなると、見逃すと一生悔い
が残る作品にあたりをつけておくことが事前の準備として大事になってくる。
手元にある絵画情報をかき集め必見リストができると心はもう展示室へ一歩
手前のところにスタンバっている。果たして、上々の成果となるか消化不良
で終わるか、2度訪問したブリュッセルのベルギー王立美は半々のケースだ
った。

近現代絵画を展示している部屋ではシュルレアリスム絵画のマグリットや
デルヴォーは存分に楽しめたのに、最大のお目当てだったダリの‘聖アントワ
ーヌの誘惑’は最初出会えず、6年後リカバリーを願って意気込んで入館した
のにどこにも飾ってなかった。なんという相性の悪さ。関心の高かったベル
ギー象徴派の中心人物、クノップフ(1858~1921)は代表作の‘愛撫’
と‘メモリー 芝生のテニス’がみれたので大収穫だったが、理想をいえば
‘妹マルグリットの肖像’と小さい頃住んだブルージュを描いた‘見捨てられた
町’とも対面したかった。

これに対しデルヴィル(1867~1953)については全然ダメ、事前の
情報で前のめりになっていた‘サタンの宝物’と‘スチュアート・メルルの肖像’は
2回とも展示されてなかった。美術館の図録に載っている主要作品がどうして
みれないの? 2005年、Bunkamuraで開催された‘ベルギー象徴派展’でデ
ルヴィルに魅了され、王立美では楽しみしていたのに予想だにしなかった事態
になってしまった。

クノップフはミュンヘンのノイエ・ピナコテークにある‘私は私自身に扉を閉
ざす’が一番のターゲット。ノイエは必見リストがどんどん埋まっていく。デル
ヴィルはやはり3度目の王立美をめざさないと気がすまない。そして、ブリュ
ッセルにあるイクセル美にも足をのばし神秘的な美しさにつつまれた‘魂の愛
(プラトニック・ラブ)’もみてみたい。

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2024.03.27

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ルドン

Img_20240327223801    ‘ヴィオレット・ハイマンの肖像’(1910年 クリーブランド美)

Img_0004_20240327223801    ‘アリ・ルドンの肖像’(1897年 シカゴ美)

Img_0001_20240327223801    ‘緑の花瓶に活けられた花’(1912~14年 ボストン美)

Img_0002_20240327223801    ‘オルフェウス’(1903~10年頃 クリーブランド美)

Img_0003_20240327223801    ‘輪光の聖母’(1897年頃 ゴッホ美)

数多く存在する西洋画の画家たちがいつごろ活躍したかを確かめるため、
生まれた年と死んだ年を画家列伝のファイルにせっせと書き込んでいる。
今日とりあげるルドンは1840年ボルドーで生をうけ、1916年に亡く
なった。同じフランスの同世代の画家にはセザンヌ(1839~1906)、
モネ(1840~1926)、ルノワール(1841~1919)、アンリ
・ルソー(1844~1910)がいる。

こういう画家たちが皆、画壇で勢いを増してくる印象派の絵を描いていたわ
けでなく、ルドンは主流の流れからそれてアニメーションのキャラクター
を連想させるような怪奇的な生き物をモノクロで描いたりして観る者を緊張
させた。そして、画業の後半には作風をがらっと変え鮮やかな色彩がだせる
パステルを使って美しい花の絵や幻想的な神話の世界をモチーフにして象徴
的な表現にむかって進んでいく。

作品の好みとしてはギョッとする一つ目巨人やクモが登場する絵より、やは
り鮮やかな色彩なのにどこか静かな雰囲気につつまれているパステル画のほ
うに関心が向かいあの絵もこれもみたいと強く願うようになる。狙っている
のはアメリカの美術館に結構多くある。一度日本で所蔵名作展が開かれた
クリーブランド美ではもっとも惹かれている‘ヴィオレット・ハイマンの肖像’
とギリシャ神話の題材にした‘オルフェウス’に心が寄っていく。描かれた人物
はぱっとみると女性のようにみえるがじつはルドンの息子だった‘アリ・ルド
ンの肖像’はシカゴ美に行ったとき必見リストに載せていたが、なぜか姿をみ
せてくれなかった。残念!

花の絵はオルセーにある‘長首の壺の草花’をランキング1位にしているが、
ボストン美にある絵もまだ縁がないプティ・パレ美蔵と同様に大変惹かれ
ている。ヨーロッパの美術館でルドンがすぐ浮かんでくるのはオルセーとオ
ランダのクレラーミュラー美。そして、アムステルダムのゴッホ美にも数点
ある。ここをまた訪問するときは深い青が目に沁みる‘輪光の聖母’との対面を
夢見ている。

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2024.03.26

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ベックリーン シュトゥック

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  ベックリーンの‘波間の遊び’(1883年 ノイエ・ピナコテーク)

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  ‘眠るディアナと密かに窺う二匹のパン’(1877年 デユツセルドルフ美)

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    ‘ペスト’(1898年頃 バーゼル美)

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  シュトゥックの‘罪’(1893年 ノイエ・ピナコテーク)

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    ‘ニンフを運ぶファウヌス’(1918年)

海外旅行をかさねていくうちに西洋絵画の全体像が徐々に広がっていく。
出かけた美術館に飾ってあった作品がたとえ1点でも、誰もが知るブランド
術館で遭遇したという体験はずっと記憶に残り、これをきっかけにしてほか
の作品をもっとみたいという思いが膨らんでくる。たとえば、スイスのバー
ゼルに生まれたベックリーン(1827~1901)はこれまで縁があった
のは日本で開かれたドイツ美術館名品展でお目にかかった数点のほかはアメ
リカにある3つの美術館だけ。メトロポリタンにある‘死の島’、ボストン美
で唖然としてみていた‘オデュッセウスとポリュフェモス’、そして、絵の
タイトルをメモするのを忘れたがベックリーンとわかり写真を撮ったワシン
トン国立美に展示してあったもの。

ベックリーンはフランスのモロー(1826~1898)とほど同時代を生
きた画家。時代は印象派が隆盛していくのにベックリーンはイタリアの滞在
が影響して古典絵画の手法を倣い、独創的な神話的幻想を描いた。奇妙な
雰囲気につつまれ、奇怪なパンやケンタウロスなどが登場し美女にちょっか
いをだす。鑑賞欲を強く刺激するのが‘波間の遊び’や‘眠るディアナと密かに
窺う二匹のパン’。波の動的描写が抜群に上手く、岩や背景の風景の描き方も
しっかりしているので思わず絵の中に引きずり込まれる。

スイスの美術館をまわるとき、必見リストに載る作品が多く期待が高いのが
バーゼル美。ここはベックリーンの生まれたところだから、何点もみられそ
う。手元の美術本によるとちょっと怖い‘ペスト’や‘死の島’(最初のヴァージ
ョン)、‘ケンタウロスの闘い’、‘サッフォー’など7点を所蔵している。訪問
が楽しみ。

ベックリーンから影響を受けたシュトゥック(1862~1928)は日本
でみたとても怖い絵が目に焼き付いている。それは12点のヴァージョンが
ある‘罪’。この最初のヴァージョンを所蔵しているのがミュンヘンのノイエ・
ピナコテーク。美形のファム・ファタルは大変惹かれるものの、苦手な蛇が
こちらをじっとみてとびかかってきそうだから、近寄れない。
個人蔵の‘ニンフを運ぶファウヌス’はベックリーンの絵かと見紛うほどよく似
ている。ミュンヘンにある宮殿のような邸宅にも出かけてみたい。

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2024.03.25

大ピアニスト ポリーニ 死去!

Img_20240325221701   ポリーニのベートーヴェンピアノ協奏曲‘4番’&‘5番’

2日前、悲しいニュースが入ってきた。あの大ピアニスト、ポリーニが亡く
なった!享年82。心からご冥福をお祈りしたい。合掌!

世の中にたくさんいるポリーニ通にくらべると演奏を聴いた曲目がまことに
少ないので、この偉大なピアニストの真髄にふれているとはとてもいえない。
以前NHKのクラシック番組で放送された来日公演をビデオ収録したものが1
本あったのだが、テープが劣化し聴きづらくなったので処分した。そのため、
今聴いているのはブックオフで手に入れたベートーヴェンのピアノ協奏曲
‘4番’と‘5番皇帝’だけ。1976年の録音でベーム指揮ウィーンフィルとの
共演だからお宝CDのひとつである。

このCDが見つかり嬉しかったのは2021年頃、You Tubeで息子が指揮する
スペインの交響楽団で親子共演した‘5番’(2014年)を頻繁に聴いていたから。もともとこの‘5番’が大好きでよく聴いていたが、ポリーニの演奏に出会ったらいっぺんにほか人の演奏が楽しめなくなった。それまで誰もが知っている定番の名曲を演奏家を変えて聴くことがなかったので、Tou Tubeにより複数の演奏の出来栄えを比べることができるようになりクラシック音楽の楽しみ方ががらっと変わった。一流のピアニストでもヴァイオリニストでも群を抜く人がいるということがわかってきた。そして、その演奏家だけを聴くようになった。

ピアノではこのすばらしい‘5番’を弾いてくれたポリーニ、ヴァイオリンは
パールマン。ブックオフでCDを集めるようになってわかったのは、やはり
人気のソリストのものは市場に出てこないこと。いいCDはみんな手放さな
い。ポリーニについてもショパンなどを弾いたものがあるはずだが、全然縁が
ない。新品ならそれはない?たとえば銀座の山野楽器に足を運ぶとポリーニ
がいろいろ揃うのだろうか?今週は美術館巡りする予定なので、確認してみ
るつもり。

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2024.03.24

大相撲春場所 尊富士 110年ぶりの新入幕優勝!

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   豪ノ山を破り新入幕優勝の偉業を達成した尊富士

大相撲春場所は幕内17枚目の尊富士が千秋楽の取り組みで豪ノ山を破り優
勝した。新入幕の力士が優勝するのは110年ぶりの快挙!拍手々。11日
目まで連勝記録をあの大鵬と並ぶまで続け、大の里とともに話題を独占した
尊富士だが、昨日朝乃山との一戦で敗れ、右足首を負傷してしまった。敗戦
はしょうがないにしても、まさかこのタイミングで足を怪我してまともに歩
けなくなるなんて。尊富士は千秋楽に出場できるのか、休場することになり
優勝を大の里にもっていかれるのか、そうなると何たる不運。

今日は朝起きてからずっとネットで尊富士の休場のニュースが流れてくるか
チェックしていたが、それはでてこない。どうやら出るようなので豪ノ山と
の対戦に期待していた。土俵に姿をみせたとき、普通に歩いていたので一安
心。本当に良かった。でも、あの押しのパワーが強く今場所好調な豪ノ山に
勝てるか。かたずを呑んでみたが、痛みをものともせず見事に豪ノ山を押し
出した。強い!そして、スゴイ精神力。13勝2敗の見事な優勝である。

この優勝をみると尊富士は横綱にかけのぼっていくような気がする。同世代
の大の里とともに相撲界のスター街道を驀進していくにちがいない。所属
する伊勢ケ浜部屋の師匠の元横綱旭富士はスーパー相撲博士。どうしたら勝
てるか、なぜいつも同じような敗け方をするのか、どうしたらこれが改善さ
れて強くなれるか、どんな体の動き方、技を身につけたらいいか、プロ中の
プロといっていいほどの豊富な知識をもっている。だから、尊富士は親方の
アドバイスがマスターできるように精進を重ねればもっともっと強くなれる。

来場所は朝乃山(9勝6敗)と大の里(11勝4敗)が小結にあがり、幕内
の上位は大栄翔(6勝9敗)、熱海富士(8勝7敗)、豪ノ山(10勝5敗)
、尊富士、平戸海(9勝6敗)、高安(11勝4敗)、翔猿(8勝7敗)ら
占める。4大関はしっかり稽古をしないと今場所のようにその地位を脅かさ
れることになりそう。主役交代の流れがどんどん押し寄せてきているのは間
違いない。

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2024.03.23

ミューズにとどけ追っかけ絵画! グロッス ディクス

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   グロッスの‘灰色の日’(1921年 ベルリン国立美)

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   ‘オスカー・パニッツァに捧ぐ’(1917~18年 シュトウツトガルト美)

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   ‘作家マックス・ヘルマン・ナイセ’(1925年 マンハイム美)

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   ディクスの‘大都会’(1927~28年 シュトウツトガルト美)

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    ‘サロンⅠ’(1921年 シュトゥットガルト美)

20世紀に活躍したドイツ出身の画家はすらすらと何人もでてこない。鑑賞
した作品の数が多かったせいで思い浮かぶのは青騎士のマルク、ベックマン、
キルヒナー、ノルデ。このほかでは本物との対面は少ないがその画風のイン
パクトが強いため、目に焼きついているのがグロッス(1893~1959)
とディクス(1891~1969)。二人は亡くなるのはグロッスのほうが
10年早かったが、ほぼ同時代を生きている。

風刺画家グロッスに強い衝撃をうけたのが漫画チックな人物描写。‘灰色の日’
にでてくる人物のように正面向きの丸顔の男性と横向きで動きのある人物が
縦長の画面で組み合わさっている。とくに目に突き刺さるのが赤い鼻と顔に
でている細い赤い血管。ヨーロッパを旅行しているとときどきこういう血管
が浮き出た人物にでくわす。社会を風刺する絵だから、この人物表現はすご
く現実感がある。

ドイツ南部のシュトゥットガルトの美術館が所蔵する‘オスカー・パニッツァ
に捧ぐ’は思わず凝視してしまうほどたくさんの人物が漫画的あるいは怪物幽
霊風に描かれている。左の斜め半分は連続する建物がまるでこの世の終わり
が来たかのように火につつまれぐらぐら揺れている感じ。‘作家マックス・ヘ
ルマン・ナイセ’はギョッとする肖像画。存在感がありすぎて、近くには寄れ
ない。

ディクスの古典的な三幅対の形式で描かれた‘大都会’はベルリンの歓楽さと
悲惨さが混ぜ合わさった刺激的なリアリズム表現にすごく惹きこまれる。これ
は一度みてみたい。‘サロンⅠ’はどこかグロッスの風刺画の匂いがする。右に
座っている3人の女では真ん中のくっきりした目鼻立ちの子が一番人気であ
ることは容易にわかる。

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2024.03.22

尾田栄一郎の漫画がおもしろい!

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   ‘ONE PIECE’

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来月、京博ではじまる‘画聖・雪舟’(4/13~5/26)をどのタイミング
で行くか、今思案している。せっかくの関西旅行なので、ほかの展覧会も
なるべき多くくっつけたい。オプションの候補は2つ、
☆‘村上隆 もののけ 京都’(2/3~9/1 京都市京セラ美)
☆‘福田平八郎展’(3/9~5/6 大阪中之島美)

2015年以来の村上隆の回顧展はどんな作品が登場するのかは情報があ
まりなくよくつかめていない。昨年末手に入れた‘日経おとなのOFF 
2024 絶対見逃せない美術展’をみるとボストン美で展示された‘雲竜
赤変図’が日本で初公開されている。これはボストン美が所蔵する曽我蕭白
の大作‘雲竜図’を村上流に変容して漫画チックに仕上げたもので期待値とし
ては一番高い。

これをながめていて先月お目にかかったおもしろい漫画作品が重なってき
た。それは麻布台ヒルズのガーデンプラザAのなかに設けられている展示
ギャラリーのひとつに飾ってあった‘尾田栄一郎 ONE PIECE/regenesis’
(入場無料 2023.11.24~2024.2.29)。麻布台ヒルズギャラリーでみたオラ
ファー・エリアソン展が20分で終わったため、ほかをぶらぶらしていた
ら、この個展に遭遇した。小さい頃から漫画を楽しむ習慣がないので、
この尾田栄一郎(1975~)という漫画家はまったく知らないが、画面
はすごくにぎやかで美女あり怪獣ありと気を引くキャラクターたちであふ
れている。写真OKというのでぱちぱち撮った。5点で全部かは覚えてな
いが、惹かれたものはスマホのなかに入れた。

隣にいた若い男性に‘ONE PIECEは人気の漫画ですか?’と尋ねると、‘はい、
好きな人多いですよ’とのこと。こういわれるとかすかに‘ONE PIECE
’の評判をどこかで聞いたような気がした。明るい色彩と密度の濃い画面構
成でつくりだす動きのあるモチーフの描写にぐいぐい惹きこまれる。何か
の縁で尾田栄一郎に出会った。またどこかで作品をみてみたい。

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2024.03.21

日本の神話画 大国主命 伊邪那岐命!

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Img_20240321225701     因幡の白うさぎ

Img_0001_20240321225701    青木繁の‘大穴牟知命’(1905年 アーティゾン美)

Img_0002_20240321225701     ‘黄泉比良坂’(1903年 東芸大美)

Img_0003_20240321225801    安田靫彦の‘天之八衢’(1939年 福井県美)

古事記の本を読んでいてもっとも親しみを感じる神様は‘因幡の白うさぎ’で
知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)。広島で仕事をしていたとき鳥
取に出張した際はクルマで白兎海岸を走り、ここが小さいころ親しんだ
昔話‘因幡の白うさぎ’の舞台かとしみじみ日本海をながめていた。

鮫をだまして隠岐の島からぴょんぴょん跳んで因幡の国にやってきた白う
さぎは最後になって悪事がバレて体の毛を1本残らずむしりとられてしま
った。そこに若い出雲の国の神様が大勢通りかかり、意地悪な処方箋を教え
てくれた。それを信じて海の水で体を洗ったところ、これが大ウソ、あま
りの痛さに泣きじゃくった。これをみた心優しい大国主命は‘兄貴たちの
悪ふざけはいつも度がすぎるなあー、まったく!うさぎちゃん、すぐ池の
水で体を洗って蒲の穂わたを体にまぶし、静かに寝ていなさい’。するとた
ちまち体は元の通りに良くなった。そして大国主命に‘あなたは偉いおかたで
す。きっと美しい八上姫(やがみひめ)様と結ばれるでしょう’と予言する。

お目当ての姫に嫌われた兄たち八十神(やそがみ)は頭にきて大国主命を殺める行動に出る。‘ここに赤猪がいる。山の上から追い出すから、下でしっかり捕まえろよ’と言って、猪そっくりの大石を赤々と焼いて頂上から転がり落す。これを受け止めた大国主命は体が焼け押しつぶされて死んでしまった。これを悲しんだ大国主命の母神は天に昇って‘息子を生き返らせてください’と懇願した。青木繁の‘大穴牟知命’(オオアナムチノミコト)は大国主命を生き返らせる場面が描かれている。キサガイヒメ(左 赤貝の女神)が体液をしぼりだし(これが火傷の治療にいい)、ウムガイヒメ(右 蛤の女神)が貝殻に受け、それを大国主命(大穴牟知命のこと)の体に塗ると火傷が治り、生き返った。この絵は数回みているが、青木繁の恋人福田たねがモデルになったウムガイヒメの強い目力に気をとられて、いつも中央で倒れている大国主命に視線が長くとどまらない。

青木にはもう一点、緊張感を強いられる作品がある。それは‘黄泉比良坂’。描かれているのは伊邪那岐命(イザナギノミコト)が亡くなった愛する妻伊邪那美命(イザナミノミコト)のいる死者の住む黄泉の国で体験した恐ろしい場面。その原因は妻から‘私の体を見ないでね’といわれたのにそれが守れず、ウジ虫が群がっている妻の凄惨な姿を目にしてしまった伊邪那岐命にある。怒った妻は醜女や雷神などに追いかけさせる。ほうほうの態で伊邪那岐命は追跡をかわし、光さす地上に帰還する。安田靫彦の‘天之八衢(あめのやちまた)’は天の神が高千穂峰に降臨するとき、随伴していた天鈿女命(アメノウズメノミコト)が地上での先導役を買って出た猿田彦命(サルタヒコノミコト)と対峙する場面が描かれている。二人は後に結婚する。

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2024.03.20

日本の神話画 日本武尊!

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Img_0002_20240320222501    青木繁の‘日本武尊’(1906年 東博)

Img_20240320222501    安田靫彦の‘草薙の剣’(1973年 川崎市市民ミュージアム)

Img_0001_20240320222501     ‘吾妻はや’(部分 1971年 天童市美)

現在大阪で開催中の大相撲春場所は今日が11日目。2ヶ月ごとに行われる
大相撲はわが家の一番の楽しみになっている。いつも5時から幕内の後半戦
をみるのがルーチンで開催中の2週間は飲み会や美術館巡りは特別のことが
ない限り予定に入れない。結び前の取り組みで新入幕の尊富士(たけるふじ、
前頭17枚目 伊勢ケ浜部屋)がなんと新大関の琴ノ若を破り連勝を11に
のばし、あの大横綱大鵬が64年前につくった新入幕の連勝記録に並んだ。
残り4日、尊富士の白星は続きそうで優勝の確率が相当高くなった。頑張れ!

2,3場所くらい前からしこ名に日本武尊(やまとたける)の‘尊’をつけた
関取が気になりだし、成績はずっとチェックしていた。先場所十両優勝し、
1場所で幕内に昇進してきた。おもしろいことにこの大活躍が今月出かけた
神話の故郷、宮崎とシンクロし、古事記の話にでてくるヤマトタケル伝説の
リマインダーになってくれた。ヤマトタケルがどうして悲劇の人になったか
はつい先日ブックオフで手に入れた‘日本神話入門 古事記を読む’(坂下圭八
著 岩波ジュニア新書 2003年)、‘古事記神話の謎を解く かくされた
裏面’(西條勉著 中公新書 2011年)、および以前から手元にあった
阿刀田高の‘楽しい古事記’ を読み込むうちにだんだん記憶がもどってきた。

こうなると情報がいろんなところに動き回り、青木繁(1882~1911)
や安田靫彦(1884~1978)が描いた日本の神話を題材にした絵も浮
き上がらせる。東博にある青木繁の‘日本武尊’で驚かされるのはヤマトタケル
がすごくイケメンでかっこいいこと。顔は青木自身の顔を描いたというが、
青木繁はこんなにいい男だった?というのが正直な感想。

安田靫彦は‘草薙の剣’で相模の国造の計略にはまり周りの野原に火をかけられ
た場面を絵にしている。この火攻めに対してとった策を成功させたのが手に
持っている‘草薙の剣’。周囲の草を伊勢神宮の叔母さんから預かった草薙の剣
でなぎ払い、これも叔母さんからもらった火打ち石でこちらも草に火をつける。
身の回りから燃えるものをなくし、この火の勢いで寄せてくる火を追いやる
作戦。これで国造の一党をみな焼き殺した。

ヤマトタケルの足元に跪ているのが妻のオトタチバナヒメ(弟橘比売命)。‘吾妻はや’は‘ああ、わが妻よ’という意味でこの絵はヤマトタケルが妻を偲んで悲しむところが描かれている。ヤマトタケルは父親の景行天皇から嫌われ、東国の征伐を命じられる。三浦半島から房総半島へむかうつもりだったが、海の神の怒りをかって海が大荒れになって船を進めることができない。そこでオトタチバナヒメが夫の武勲を願って海に入って人身御供となる。すると波はしずまったので、ヤマトタケルは房総半島に渡りはびこる賊たちを平定した。そうして足柄付近まで戻って来て一休み。そこからは相模湾がみえヤマトタケルは‘吾妻はや’と絶叫する。これによりこの地方を‘東(あずま)’と呼ぶようになった。

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2024.03.19

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ベックマン

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  ‘赤いスカーフの自画像’(1917年 シュツゥットガルト国立美)

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   ‘十字架降下’(1917年 MoMA)

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   ‘ベックマン夫妻の二重肖像画’(1941年 アムステルダム市美)

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    ‘誘惑’(1936~37年 ミュンヘン州近美)

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    ‘死’(1938年)

ドイツの画家の作品は印象派などと比べると鑑賞の機会が少ないため、親密
さの点ではそう強くはない。でも、骨太で突き刺さってくるような画風によ
って長く記憶にとどまっている絵が数は少ないがある。たとえば、ドイツ
表現主義のベックマン(1884~1950)は周期的に開催されるドイツ
美術館の名画展にでかける回数を重ねるごとに少しずつ目が慣れてきて、
美術本に載っている未見の作品をいつかこの目でという気持ちになってくる。

画集に載った作品を一番多くみているのが‘赤いスカーフの自画像’。第一次世
界大戦に衛生兵として従軍したベックマンは凄惨な戦場を目の当たりにして、
精神障害をきたし除隊する。その影響で画風が一変し、この自画像ではぴり
ぴりした人物表現になっている。目は大きく見開かれ、思いつめたような眼
差しはゴッホの‘坊主としての自画像’を彷彿とさせる。本物の前に立ってみた
い。これに対し、晩年の妻と一緒に描いた肖像画はぐんと安心して見られる。
この頃のベックマンは有能な経営者のようにもみえる。

ベックマンの描く宗教画‘十字架降下’はキリストだけでなくまわりにいる人物
たちも手足は細く胴体が縦長に伸ばされているので悲哀の深さは古典画でみ
る姿と変わらない。MoMAが所蔵しているのに一度も縁がない。倉庫から出
して展示されることがあるのだろうか。ここでは10点ある三幅対作品の第
1作目‘船出’にお目にかかったが、こちらが有名で人気がありなかなかお呼び
がかからないのかしれない。

ミュンヘン州近美にある‘誘惑’は三幅対の第2作。亡命する以前にベルリンで
完成した。古典的な図像を意識して描かれているので絵に吸い込まれる。
‘死’はタイトル通り、画面の上半分は人物や怪物が逆さまに描かれており、ど
こか神秘的で不気味。秘密の儀式のよう。

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2024.03.18

ミューズにとどけ追っかけ絵画! バルテュス

Img_20240318225701    ‘コメルス・サンタドレス小路’(1952~54年)

Img_0002_20240318225701    ‘部屋’(1952~54年)

Img_0001_20240318225701    ‘アンドレ・ドランの肖像’(1936年 MoMA)

Img_0005_20240318225701    ‘トランプ占い’(1943年 シカゴ美)

Img_0003_20240318225701    

‘ブランシャール家の子どもたち’(1937年 パリ国立ピカソ美)

NHKの日曜美術館は今は関心のある画家が登場するときだけ楽しんでいる
が、以前は毎週欠かさずみてビデオ収録していた。2001年11月に取
り上げられたのがこの年に92歳で亡くなったバルテュス(1908年
パリに生まれる)。番組がスポットをあてていたのは同年ヴェネツィアで
開催された大回顧展。バルテュスの絵の多くはコレクターが秘蔵している
ため、生前バルテュスが直接申し入れたこともあって230点が出品され
た。当時、バルテュスが気になりだした頃だったので、みたくてしょうがなかった。

そこに出品されていたのが縦2.9m、横3.3mの大作‘コメルス・サン
タドレス小路’。美術本でこの絵の存在を知っていたが、大回顧展だから
出品されたという事情を知るとお目にかかれる可能性はまずないが、追っか
け画として頭の片隅にはずっと残しておきたい。同じく個人蔵で同じ時期
に描かれた‘部屋’も強く鑑賞欲を刺激する。カーテンを開ける女性(子ども?大人?)の異様に厳しい目つきが脳裏から離れない。こういう絵はドキッとする。

アメリカの美術館でバルテュスと縁が多くあったのはメトロポリタン。
これまで‘山(夏)’、‘夢見るテレーズ’、‘目を覚ましたテレーズ’、‘窓辺の
少女’と運よく4点みれた。MoMAでは美術館の図録に載っている有名な
‘街路’と日本にやって来た‘居間’はお目にかかったが、ちょっと怖い顔をし
た‘アンドレ・ドランの肖像’とは相性がよくない。

2008年に訪問したシカゴ美で期待していた‘トランプ占い’も姿をみせてくれなかった。ミュージアムショップで手に入れた値の張るハードカバーの図録に掲載されていたので残念でならなかった。バルテュスを高く評価していたピカソが買い上げた‘ブランシャール家の子どもたち’は、パリ旅行が実現しまたピカソ美に足を運ぶことがあったら対面できるかもしれない。

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2024.03.17

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ワイエス

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    ‘オルソン嬢’(1952年)

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   ‘ウィンター・フィールド’(部分 1942年 ホイットニー美)

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   ‘競売’(1943年 フィラデルフィア美)

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   ‘テールス島’(1954年)

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    ‘スノーヒル’(1989年)

画家の作品をどっと集めた回顧展は3回遭遇するのが理想。アメリカの国民
的画家といわれたワイエス(1917~2009)はもう一回運がいいと
これに達する。ワイエスが大変気になる画家になったのはNYのMoMAでみ
た‘クリスティ―ナの世界’が大きく影響している。目が点になったのは大地の
草や髪の毛1本々が丹念に描かれていたこと。そして、絵に現実感がありす
ぐ入れるのがいい。まるで足が悪いため腰から下を地面につけて手だけで進
もうとしているクリスティ―ナをすぐ後ろでみている感じである。

最初のワイエス展は2008年Bunkamuraで開催されたものだった。驚いた
ことに国内の美術館、たとえば、福島県美や丸沼芸術の森がワイエスを所蔵
していた!ワイエスはてっきり日本ではみられないと思っていたから、すご
く得した気分。このときフィラデルフィア美やワシントン国立美が所蔵する
作品も出品されたが、アメリカの美術館巡りをしてもどういうわけかワイエ
スの絵は一度もめぐりあったことがない。これはどうしてなのだろう? 
ワイエスに真に開眼したのは2016年、マドリードのティッセン=ボルネ
ミッサ美で偶然出会った回顧展。まったく情報がなかったので天にも昇る気
持ちだった。

お陰でワイエスの主要作品がだいぶ目の中に入った。もうこんな機会はない
かもしれないが、まだまだ追っかけ気分は消えてない。‘オルソン嬢’は‘クリ
スティ―ナの世界’の4年後に制作されたリアル・クリスティ―ナ。彼女の父
は船乗りとしてやってきたスウェーデンからの移民で、ワイエスの妻と彼女
は友人だった。この絵は個人の所蔵だが、本物をみてみたい。

鑑賞欲がぐんと増すのがホイットニーにある死んだ鴉を描いた‘ウインター・
フィールド’と一見するとブリューゲルの農民画を思い起こさせる‘競売’。
風景画では海をイメージさせる‘テールス島’にも魅了される。‘スノーヒル’は
ワイエス72歳のときの作品。この絵はティッセン=ボルネミッサで購入し
た回顧展図録にも載っており、2017年アメリカの2ヶ所で開かれた生誕
100年記念の特別展に展示された。マドリードにも出品されればよかった
のに、残念! 

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2024.03.16

ミューズにとどけ追っかけ絵画! リキテンスタイン

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   ‘ボールをもつ少女’(1961年 MoMA)

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   ‘溺れる少女’(1963年 MoMA)

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   ‘窓辺の少女’(1961年 ホイットニー美)

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   ‘クリスタル・ボウルのある静物’(1973年 ホイットニー美)

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   ‘赤い納屋Ⅱ’(1969年 ルートヴィヒ美)

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   ‘赤の騎士’(1974年 ウィーン近代美)

国内の美術館でも海外で出かけた美術館でも求めていた作品と即対面できた
らその美術館との相性度がぐんと上がる。そういう嬉しい体験がある一方で、
ほかの画家とは逆にとても相性が悪かったりする。たとえば、NYのMoMAで
は未来派はいっぱい目を楽しませてくれたのに、アメリカのポップアートを
代表するリキテンスタイン(1923~1997)は必見リストに載せてい
た作品はいずれも姿をみせてくれなかった。

美術館のミュージアムショップに寄ると絵柄が各種商品に使われていた
‘ボールをもつ少女’がみれないのはまったくの想定外、残念でならない。そし
て、どのリキテンスタイン本にも登場する‘溺れる少女’も縁がなかった。次回
の訪問ではこの2点のリカバリーが最大の関心事だが、願いが叶うだろうか。
同じくNYにあるホイットニー美にも少女を描いたとてもいい絵がある。はち
きれんばかりの若さが強い磁力を放っている‘窓辺の少女’。この絵をみている
と、なぜかあの大歌手ホイットニー・ヒューストンがダブってくる。

ホイットニー美にはすばらしい静物画もある。それは背景の白と黒のストラ
イプによって大胆な輪郭線と平面的なタッチで描かれたリンゴやブドウなどが
リアルにイメージされる‘クリスタル・ボウルのある静物’。この美術館がやっ
かいなのはこういう美術本に載っている作品が常設展示されてないこと。
一度、お目当てのオキーフの絵がみれず面食らったことがあったので、訪問
意欲がどうしてもネガティブ・マインドになる。

ヨーロッパにある美術館ではケルンにあるルートヴィヒ美に心がはやる。ここ
は‘赤い納屋Ⅱ’などみたくてたまらない作品をたくさん所蔵している。そして、
ウィーンの近代美にも足を運びたい。1974年に描かれた‘赤い騎士’は昨日
とりあげたボッチョーニの‘伸縮性’を彷彿とさせる。リキテンスタインはこの
絵を意識したのだろうか。

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2024.03.15

ミューズにとどけ追っかけ絵画! バッラ ボッチョーニ

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   バッラの‘アマツバメ’(1913年 MoMA)

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 ‘リードにつながれた犬のダイナミズム’(1912年 オルブライト=ノックス美)

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  ボッチョーニの‘都市は立ち上がる’(1910年 MoMA)

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   ‘通りは家に侵入する’(1911~12年 スプリンゲル美)

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   ‘伸縮性’(1912年 ブレラ美)

イタリアで生まれた未来派の絵画と密接に結びついているのはNYにある
近代美術館(MoMA)。1993年、上野の森美で開催された‘ニューヨ
ーク近代美術館展’でバッラ(1871~1958)やボッチョーニ
(1882~1916)、セヴェリーノ(1883~1966)が描く
濃密な色彩が印象的でスピード感とエネルギーにあふれるダイナミックな
作品に200%圧倒された。これがきっかけになり未来派に魅了され続け
ている。

MoMAは未来派をもっとみたいという‘美欲’(My造語)に現地でも応え
てくれ、2013年に訪れたときは5点くらい展示してあった。もう天に
も昇る気持ちで夢中になってみた。グッゲンハイムの未来派関連のコレク
ションは日本でも公開されたが、ヴェネツィアにあるグッゲンハイムでも
ボッチョーニやバッラが出迎えてくれた。イタリアではもうひとつ嬉しい
鑑賞の機会があったのがローマの近代美術館。未来派の地元だからご機嫌
な作品がずらっと揃っていた。

キュビスムの影響を強く受けている未来派の様式は分解されたモチーフの
フォルムを連続的に繰り返すことでスピード感や動きを強く印象づける抽象
画を生み出した。もっともみたいのがMoMAにあるバッラの‘アマツバメ
:動線と動きの反復’。次回のNY旅行でこの絵とボッチョーニの‘都市は立
ち上がる’にお目にかかれると最高なのだが、果たして。アメリカにはも
う一点みたくてしょうがないのがある。犬の足とドレスの足下が連続撮影
したようにいくつも描かれている‘リードのつながれた犬のダイナミズム’。

イタリアのミラノにあるブレラ美にはマンテーニャなど有名な古典絵画が
たくさん飾られているが、未来派もけっこう楽しめる。だが、ボッチョー
ニがキュビスムの描き方で中央に馬と騎士を描き込んだ‘伸縮性’は姿をみせ
てくれなかった。図版でもじっとみていると人馬一体となって疾走してい
る姿がイメージできるから、本物との対面が待ち遠しい。そして、ドイツ
のハノーヴァーにある‘通りは家に侵入する’も興味津々。

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2024.03.14

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ピカビア レジェ

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ピカビアの‘ウドニーと再会’(1913~17年 MoMA)

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 ‘キャッチ・アズ・キャッチ・キャン’(1913年 フィラデルフィア美)

Img_0004_20240314224701    ‘頭部と風景’(1930年 シカゴ美)

Img_0001_20240314224701    レジェの‘青い服の女’(1912年 バーゼル美)

Img_20240314224701      ‘円盤’(1918年 ティッセン=ボルネミッサ美)

パリのポンピドーが所蔵する近現代絵画は過去に2度ビッグイベントのよう
な形で披露され大きな話題となった。最初は2011年に国立新美で開催さ
れた‘シュルレアリスム展’、そして、昨年の10月から今年の1月末まで
西洋美で‘キュビスム展 美の革命’があり多くの美術ファンを楽しませて
くれた。一級の作品によって美術史における革命的な運動の全貌を知り、新
たな絵画の可能性を感じられるのだから、まさに美術鑑賞の醍醐味である。

キュビスム展では大収穫の絵があった。それはパリではお目にかかる機会が
なかったレジェ(1881~1955)の‘婚礼’。ここにキュビスム様式で
描かれた人物が何人いるかパズルを解くように時間をかけて探した。その答
えは10人。この絵がきっかけとなってレジェのターゲットなクリアになっ
た。この絵の1年後に制作された‘青い服の女’。絵を所蔵しているバーゼル美
はスイス美術館めぐりが具体化したときはベルン美やチューリヒ美同様、
感動の袋が爆発するコアの美術館となりそう。

レジェの絵はオランダのクレラー=ミュラー美にあるコレクションも有名で
‘トランプ遊びをする人々’や密度の高いキュビスムのイメージがする‘森の中の
裸婦’などと運良く遭遇した。そのため、今はマドリードにあるティッセン=
ボルネミッサ蔵の‘円盤’に関心がむかっている。この美術館はこれまで2度足
を運んだが、縁がなかった。次はミューズのアシストを期待している。

レジェとほぼ同時代を生きたピカビア(1879~1953)は以前から気
になっているアーティストだが、作品に出会うことがとても少ない。‘最高の
瞬間’だった‘ウドニー’(ポンピドー)のキュビスムのインパクトはレジェに
比べると柔らかく、洒落た感じがする。これは曲線と直線の絡みがほどよく
融合しており立体的な形態に求心力があることと関係している。次に狙って
いるのはMoMA蔵の‘ウドニーと再会’とフィラデルフィア美で展示されてな
かった‘キャッチ・アズ・キャッチ・キャン’。同じくアメリカのシカゴ美に
ある具象画に回帰した作品‘頭部と背景’にも興味が膨らんでいる。

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2024.03.13

ミューズにとどけ追っかけ絵画! モンドリアン

Img_0004_20240313224301    ‘進化’(1910~11年 ハーグ市美)

Img_0003_20240313224301    ‘楕円形のコンポジション’(1914年 ハーグ市美)

Img_20240313224301    ‘作品Ⅰ’(1921年 ルートヴィヒ美)

Img_0001_20240313224301    ‘コンポジション、ロンドン’(1942年 オルブライト=ノックス・アート・ギャラリー)

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‘ニューヨーク・シティⅠ’(1940年)

美術館巡りは複数の美術館をまわると結構エネルギーを消費する。だから、
大都市でもあまり広くない空間に美術館が集まっていると快適に美術鑑賞
ができる。たとえば、パリだとルーヴルやオルセーのまわり。アメリカで
はNYが楽しい、メトロポリタン、グッゲンハイム、ホイットニー、MoMA、
フリックコレクション、クリムトの絵がみれるノイエギャラリーが縦に
ぽんぽんと並んでいるので、アクセスで疲れることなく古典絵画から近現
代アートまで幅広く満喫できる。

MoMAにはエポック的な鑑賞体験となる名画がたくさんある。抽象絵画を
切り開いたモンドリアン(1872~1944)の‘ブロードウェイ・ブギ
ウギ’もそのひとつ。軽快なジャズは聴こえてくるような感じで心がとても
軽くなる。抽象絵画とはいえここには緊張感や重苦しさはみじんもない。
この夜のNYで高層建築の窓を連想させる代表作にお目にかかれたので、
モンドリアンは大仕事をしたような気分ではある。でも、こういう水平線
と垂直線だけによるシンプルな空間構成と明るい色彩が胸に強く刻まれる
抽象画はイメージが似たような作品でもひとめ見れば楽しさのプラトー状態
は保たれる。

当面のターゲットはオランダのハーグ市美。この街ではフェルメールや
レンブラントの有名な絵がたくさんみれるマウリッツハイス美には入館した
が、市立美術館にはまだ縁がない。美術本には所蔵するモンドリアンの具象
画、初期のころの抽象画がずらっと揃っている。彫刻のような人物表現に
はっとさせられる‘進化’と‘楕円形のコンポジション’を必見リストに登録して
いる。

‘ブロードウエイ・ブギウギ’へ進んでいく過程でうまれる抽象画はシリーズ
I、Ⅱというふうに変遷していく。‘作品Ⅰ’とかロンドンで描きはじめたが
戦争が勃発したためNYに移ってから完成させた‘コンポジション、ロンドン’
、そして、幾何図形的な景観が抽象芸術にはうまくマッチするNYに完璧に嵌り込んで描いた‘ニューヨーク・シティⅠ’などをいつかみてみた
い。

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2024.03.12

ミューズにとどけ追っかけ絵画! マレーヴィチ

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   ‘麦刈り’(1912年 アムステルダム市美)

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   ‘モスクワの英国人’(1914年 アムステルダム市美)

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   ‘研磨工’(1912年 イェール大美)

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   ‘黄、オレンジ、緑’(1915年)

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 ‘シュプレマティスト・ペインティング’(1915年 アムステルダム市美)

海外の美術館を訪問したとき、改築工事などが進行中で鑑賞を予定していた
作品が全部パーになることがよくある。何度目かのオランダのアムステルダ
ムでそれに遭遇したのは多くの観客を集めるゴッホ美のすぐ近くにある市立
美術館。全館工事中のため、一部の作品が別の会場で展示されていたが、
必見リストに載せていた絵はどれもヒットしなかった。

この美術館で狙っていたのはロシアの抽象画家マレーヴィチ(1878~
1935)の作品。抽象画家ではカンディンスキーと同様大変魅了される
作品がいっぱいあるのに、残念ながら日本で行われる展覧会ではほどんどお
目にかかれない。主要作品の多くを所蔵しているのがアムステルダム市美。
コレクションの経緯はわからないが、アムスにはエルミタージュの分館があっ
たりするから、ロシアの画家とのコネクションがあるのかもしれない。

農民画をキュビスム風に描いた‘麦刈り’に大変惹かれている。円筒形と球形
で表現された動きのある人物と麦畑は違和感なく融合しており、農作業の
忙しさを見事にとらえている。ピカソがはじめた文字などが画面にはいり
こむコラージュのイメージが重なるのが‘モスクワの英国人’。なぜここに描
かれているのかにわかには消化できない鋏、のこぎり、サーベルがでてきた
り、帽子を被った英国人の顔の前にはシャガールの絵を連想させるような白
い魚が描かれている。

イタリアの未来派の傑作かと錯覚してしまう‘研磨工’も鑑賞欲を強く刺激す
る。ナイフを磨く職人の手の指が連続的に動く描写が写実表現ではないのに
現実感があるのがスゴイ。リズミカルな作業により研磨の精度がどんどん上
がっていく感じ。
マレーヴィチが創出した幾何学抽象システム、シュプレマティスムは40点
くらいあるが、これまでお目にかかったのは少ない。はじめは正方形の画面
に種類の違う長方形や正方形を数を少なくして表現していたが、だんだん‘黄、
オレンジ、緑’や‘シュプレマティスム・ペインティング’のように色彩を豊かに
し洗練度を上げ抽象絵画の美を進化させている。いつかアムステルダム
でマレーヴィチを堪能したい。

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2024.03.11

日本神話の楽しさ!

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神々の系図(鵜戸神宮の案内板より)

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Img_0002_20240311230401    青島神社の‘日向神話’の解説書より

日本の作家で愛蔵している本が多いのは司馬遼太郎と阿刀田高。今回、
神話の故郷宮崎県を旅行したので帰ってから阿刀田高の‘楽しい古事記’
(角川文庫 2000年)をまた読んでみた。この本を手に入れたのは
ずいぶん前だが、書かれていることで記憶に残っているのは一部の箇
所にとどまっているだけで、最初から終わりまで全部は頭に入ってな
かった。で、古事記の上中下巻の上巻にあたる‘国の始まり’、‘岩戸の
舞’、‘神々の恋’、‘領土問題ーオオクニヌシの治世’、‘海幸彦山幸彦’を
じっくり読んだ。

さらに神話の情報としてフルに活用したのが青島神社で100円を払
って手に入れた‘日向神話 誰でもわかる解説書’や高千穂でみつけた
‘高千穂の神話と伝説’。いずれもイラストや漫画を使ってわかりやすく
書かれているので神々の系図と物語の流れが整理されて理解できた。
とくに役立ったのが青島と鵜戸神宮の案内板に貼ってあった漫画で表
現された神々の系図。神々が急に人間くさくなり親しみが湧いてくる。

最初にでかけた青島でインプットされた‘海幸彦山幸彦’の物語に衝撃的なことがでてきた。それによりこれまで抱いてきたイメージががらっと変わった(しっかり読んでなかっただけのことだが)。それは山幸彦と恋に落ち子どもを産んだ豊玉姫はじつは鮫だったこと。青木繁の絵に登場するあの美形の豊玉姫の本当の姿は鮫だったとは!そんな話だったの!?

山幸彦は兄の海幸彦が大事にしていた釣針を海でなくしてしまうが、海の神様のアシストによりこれを鯛の口に見つけ取り戻した。そして、兄を制して豊玉姫が子どもを産むための部屋をつくった。さあー、これで子どもが産まれてくるぞという段になると、豊玉姫は‘私が赤ちゃんを産むときに絶対見たりしないでくださいよ’と懇願する。でも、山幸彦はこれが守れず、部屋のなかに入ってしまった。すると、なんとそこには赤ちゃんを産んでいる大きな鮫がいた! グロテスクな鮫とはねえ、豊玉姫は見られてしまった以上ここにはとどまれないので赤ちゃんを残して海の世界に帰っていった。これ、どこか似たような話がある。そう、日本昔話の‘鶴の恩返し’。約束を守らないと仰天することが起こる!赤ちゃんは豊玉姫の妹の玉依姫(たまよりひめ)が育てることになるが、豊玉姫は鵜戸神宮本殿のある岩窟に両乳房をくっつけることにした。日本神話もなかなかおもしろい。

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2024.03.10

鵜戸神宮と大迫力の奇岩!

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Img_0006_20240310224501    鵜戸神宮本殿

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Img_0004_20240310224501   本殿前の奇岩怪礁

Img_0005_20240310224501   飫肥藩出身の小村寿太郎

Img_0002_20240310224501    宮崎牛

Img_0001_20240310224501    宮崎県産マンゴージャムを使った人気No.1クッキー

3日目(最終日)にでかけた鵜戸神宮についての情報がまったくなく、あま
り期待してなかった。ところが、バスの駐車場から20分くらい歩いて到着
した本殿がある場所の前にサプライズの光景が広がっていた。日向灘に面し
た岩窟内に建てられた本殿に祭られている神様は海幸彦と豊玉姫命のあい
だにできた‘うがやふきあえずのみこと’(神武天皇の父親)。ぐるっと本殿を
まわると途中に‘おちちいわ’というのがあり、安産・育児を願う人々の信仰の
拠り所になっている。

‘おちちいわ’の由来がおもしろい。ここの主祭神の母親の豊玉姫が子どもの
育児のため、両乳房をご神窟につけられたという。添乗員さんに言われると
たしかに乳房にみえる。岩窟を出るとパワフルな姿をみせる奇岩の塊に目を
奪られた。白波がときおりどどーっと岩に砕け散る様を時が経つのを忘れて夢中になってみていた。こんな迫力のある自然の景観を宮崎でみれるとは。大収穫!

鵜戸神宮に来る前、昼食をふくめて2時間くらいいたのが飫肥城下町(おび)。九州の小京都と呼ばれているらしい。飫肥藩の武家屋敷のなかに紛れ込んだ感じになるのは山口県の萩と似ている。立派な飫肥城大手門など城の跡をみたが、もっとも関心があったのは飫肥藩出身とは知らなかった小村寿太郎(1855~1911)。生まれた場所や小村記念館などをまわって、歴史の授業で習った日露戦争後のポーツマス条約の締結や条約改正に活躍した外交官、小村寿太郎の話がよみがえってきた。歴史好きだから、敏感に反応する。

最後に宮崎牛とお土産のことをすこしばかり。この旅行の楽しみは名所観光のほかにもうひとつあった。それは都城で宮崎牛を食べること。これまで宮崎牛にまったく縁がなかった。期待していたが、とても美味しいステーキだった。肉のオプションに加えることにした。旅行ツアーでは定番のお土産店まわりでいろいろ購入した。お薦めは人気のNo.1の宮崎産マンゴージャムを使ったクッキー。どこの店でもどさっと積んである。お菓子の全国コンテストで4年連続金賞をとったというだけあって、本当に美味しい。

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2024.03.09

神々の故郷 宮崎県! 天照大神 海幸彦・山幸彦

Img_0005_20240309223901      天岩戸神社 拝殿

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天安河原

Img_0003_20240309224001      天鈿女命像

Img_0006_20240309224001      手力男命像

Img_0001_20240309224001    小杉放菴の‘天のうづめの命’(1951年 出光美)

Img_0002_20240309224001    安田靫彦の‘木花之佐久夜毘売’(1953年)

Img_20240309224001    青木繁の‘わだつみのいろこの宮’(重文 1907年 アーティゾン美)

海外でも国内でも旅行中はでかけた名所観光地では案内パンフレットは必ず
手に取り、有料のガイド本や小冊子、絵葉書なども関心が深いものはぬかり
なく購入している。今回は神々の故郷、宮崎県にきたので‘日向神話 青島
神社’(100円)、‘高千穂の神話と伝説’(600円)、‘高千穂の昔ばなし
(漫画入り)’(550円)を手に入れた。

宮崎県の北部にある天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)、天安河原(あまのやすかわら)、そして高千穂峡が近くなってきたとき、驚いたことがあった。それはこのあたりは谷がすごく深いこと。川は鋭く切り込まれたV字の遠い底を流れている感じ、ということはバスはとても高い所を走っていることになる。こういう光景をみたのははじめて。高千穂峡を堪能したあと向かったのは天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れてしまわれた天岩戸を御神体として奉っている天岩戸神社と八百万の神々がその対策を相談するために集った天安河原(強いパワースポットとしても知られている)。

神社の人の説明を聞きながら拝殿をみてそのあと遙拝殿に進む。ここからあの‘天岩戸’を川の向こうにみるのだが、写真撮影はNGとなっているので残念ながらその光景は案内パンフレットでしかリマインドできない。この天岩戸からどうして天照大神が出てくることになったかは、日本の神様の話に興味がある人は一度は聞いたことがあるにちがいない。岩戸のかげに一番の力持ちの天手力命(あまのたちからおのみこと)が身を隠したところで、天鈿女命(あまのうずめのみこと)が登場して滑稽かつちょっと卑猥なふりも加えて踊りまくる。これが集まった神様たちにおお受けであちこちで高い笑い声がおきる。天照大神にしてみれば自分がいなくなり太陽の火が消えてみんな困っているはずなの一体何がおこったのか、とても気になる。で、大きな岩の扉をそっと開けたら、それを待ってましたとばかり、天手力命が一気に扉を押し開けた。作戦は大成功!

この現場を再現したような絵がある。今、NHKの朝ドラの主人公になっている笠置しづ子をモデルにして小杉放菴が描いた‘天のうづめの命’。以前から大好きな絵だったが、‘天岩戸’を実際にみたのでさらに惹かれることになった。駐車場の前にとても笑える愛嬌のある天鈿女命の石像が設置してあった。神話でもうひとつ興味深い話がでてくる。初日に行った青島では‘海幸彦・山幸彦’の話を添乗員さんがじつに上手を語ってくれた。それを聞きながら兄弟の母親である木花佐久夜姫(このはなさくやひめ)や山幸彦と豊玉姫(とよたまひめ)の恋物語を夫々描いた安田靫彦と青木繁の絵を思い出していた。

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2024.03.08

宮崎旅行で‘最高の瞬間!’ 青島 高千穂峡

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Img_0001_20240308224201   青島の‘鬼の洗濯板’

Img_0004_20240308224201    堀切峠からみえる絶景‘鬼の洗濯板’

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人気の観光スポット‘高千穂峡’

Img_0002_20240308224201    日本の滝百選に選ばれた‘真名井の滝’

Img_0003_20240308224201   圧倒的な存在感をみせる‘柱状節理’

はじめて宮崎県を訪れ、人気の観光スポット、青島や高千穂峡を楽しんでき
た。A社から送られてくる旅行案内にすぐ食いつき申し込んだのは、昨年放
送されたNHKの‘ブラタモリ’で高千穂峡の柱状節理や青島の有名な‘鬼の洗濯
板’がどのようしてできたかを知り宮崎への関心がぐんと深まっていたから。
果たして、成果はどうだったか、毎日感動の連続だった!

青島は宮崎空港からバスで15分くらいで着いた。岩の奇形に惹きつけられ
る俗称‘鬼の洗濯板’は堅さの違う砂岩と泥岩の堆積物が波の浸食により凸凹が
でき、これがずっと遠くまで平行に並んで洗濯板のようになっている。この
光景は最終日にでかけた青島から南へ少し行った所にある堀切峠からも
規模が大きなものとなって目にとびこんできた。こういうのはほかでみたこ
とがないから長く記憶にとどまりそう。

ここ10年くらいBSプレミアムの科学番組‘体感!グレートネイチャー’を毎月熱心にみたお陰で、火山活動の話がだいぶわかるようになった。そこで知ったのが‘柱状節理’。火山が大量の溶岩を噴き出し、大地を覆った火砕流は空気中で冷やされると体積が収縮するため縦に幾筋もの亀裂が入る。これが柱状節理。これを実際にみたことは過去でかけて名所観光地にもあったかもしれないが、知識不足のためおもしろい形をした岩にみえただけで終わりだったはず。その柱状節理を高千穂峡谷でみるチャンスがめぐってきた。

高千穂峡は阿蘇山が27万年前から9万年前までの間に4回にわたって大噴火したことによってできた。峡谷の高さは平均80m、高いところでは100mの断崖やV字峡谷が東西7㎞も続いている。1kmの遊歩道を存在感のある柱状節理の姿に感動しながら、30分くらい歩いた。最後のところにハイライトの‘真名井の滝’が現れた。‘最高の瞬間!’を味わえたのは生涯の思い出である。これから、まわりの知人・友人に会うたびに薦めることになりそう。

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2024.03.04

ミューズにとどけ追っかけ絵画! クレー

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   ‘ゼネツィオ(野菊)’(1922年 バーゼル美)

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   ‘黄色い鳥のいる風景’(1923年)

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   ‘大通りと脇道’(1929年 ルートヴィヒ美)

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   ‘計画’(1938年 パウル・クレー・センター)

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   ‘ドゥルカマラ島’(1938年 パウル・クレー・センター)

クレー(1879~1940)の大回顧展が1993年愛知県美で開催され
たときちょうど名古屋で仕事をしていたため、代表作の‘パルナッソスへ’を
みることができた。クレーとのつきあいはここからはじまった。それから
回顧展は川村記念美や東近美などで3回巡り合ったような記憶がある。最後
にみてから10年くらい経っている感じなので、来年あたりそろそろかなと
秘かに期待している。

今、頭にあるクレーの追っかけ絵画はスイスのベルン美、2005年の開館し
た‘パウル・クレー・センター’(ベルン)、そしてバーゼル美が所蔵するもの
に多く集中している。一番みたいのは‘ゼネツィオ(野菊)’。ぱっとみると
子どものお絵描きのよう。頬っぺたのピンクは女の子ならすごく上手に描く
にちがいない。これはクレー流の人物画なのだろうが、ポイントの目の印象
が人より猫とか梟のイメージ。これでずっと固定している。

スイス在住の個人コレクターがもっている‘黄色の鳥のいる風景’に魅了され
続けている。鳥の黄色をはじめとして画面全体が、豊かな色彩につつまれて
おり、森のパラダイスに紛れ込んだような気分になる。この絵と遭遇するこ
とがあるだろうか。クレーの天性のカラリストぶりが強烈に印象づけられる
のがドイツケルンにあるルートヴィヒ美が所蔵する‘大通りと脇道’。ここに
描かれているのはエジプト、ナイル河畔の輝く光景。クレーが生み出した
直球抽象画の爽やかなこと!是非みてみたい。

スイス美術館巡りの楽しみのひとつがパウル・クレー・センターの訪問。
お目当ては‘計画’と‘ドゥルカマラ島’。センターがオープンして2年後くらい
にコレクションの一部が日本で披露された。でも、残念ながらこの2点は
入ってなかった。‘計画’は画面の中央、線で描かれた人物が強い磁力を放っ
ている。そして、空想上のドゥルカマラ島で視線を釘付けにする太い黒線が
気にかかってしょうがない。

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2024.03.03

ミューズにとどけ追っかけ絵画! マルク

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    ‘青い馬Ⅰ’(1911年 レンバッハハウス美)

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   ‘大きな青い馬’(1911年 ミネアポリス ウオーカー・アート・センター)

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   ‘修道院の庭の鹿’(1912年 レンバッハハウス美)

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    ‘鳥’(1914年 レンバッハハウス美)

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   ‘戦うフォルム’(1914年 ミュンヘン国立近美)

絵画鑑賞を続けているとそれまで知らなかった画家の作品が雷が落ちてくる
ような感じで目の前に現れることがある。そういうエポック的な体験はよく
覚えている。たとえば、1991年池袋のセゾン美(現在は無し)で開催さ
れた‘グッゲンハイム美術館名品展’に衝撃的な絵が飾られていた。それは
ミュンヘン出身のフランツ・マルク(1880~1916)が描いた‘黄色い
牝牛’。この絵によってマルクとのつきあいがはじまった。

マルクは牛だけでなくいろいろな動物や鳥を強い色調で描いている。数が多
いのが馬と鹿で、ほかにはカモシカ、ロバ、羊、猫、犬、虎も登場する。
その表現がとても刺激的なのは色彩の使い方が自在であること。マルクは青
が好きなので、青い馬になり牛だって鹿だって青一色になる。この色彩の力
と生命力と動きを表現する曲線の繰り返しによって動物たちは神秘的でかつ
力強い存在となって自然と調和する。だから、大人しい動物画をみるのと違
って、かなり緊張する。

ミュンヘンのレンバッハをなんとしても訪問したいのは日本で公開されなか
った作品がいっぱいあるから。‘青い馬Ⅰ’は図録をみているだけで馬の精神性
を感じてしまう。本物の前では体がフリーズしそう。アメリカのミネアポリ
スにある‘大きな青い馬’も鑑賞欲を刺激する。‘修道院の庭の鹿’は集中してみ
ないと鹿は見つからない。中央で体を大きく曲げた鹿の描き方はシュルレア
リストの代名詞ともなっている‘ダブルイメージ‘のソフト版。そして、まわり
の垂直に伸びる線や半円の重なりなどでつくられる空間表示はキュビスム風
になっている。

‘鳥’は水晶の結晶あるいはガラスの破片の中からでてきた鳥のイメージ。鳥は
どこかシャガールの絵にでてくる鳥を彷彿とさせる。一体何が起こっている
のかと思わせるのが‘戦うフォルム’。ここには馬や鹿はみえず赤と黒の渦巻が激
しい戦いをしているという感じ。抽象画といってしまって終わりの絵ではなく、
悪魔と悪魔の闘いを想像させる。

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2024.03.02

ミューズにとどけ追っかけ絵画! カンディンスキー

Img_20240302225301    ‘多彩な生活’(1907年 レンバッハハウス美)

Img_0003_20240302225301    ‘即興 峡谷’(1914年 レンバッハハウス美)

Img_0004_20240302225301    ‘コンポジションⅨ’(1936年 ポンピドー)

Img_0005_20240302225301    ‘コンポジションⅩ’(1939年 ノルトライン=ヴァストファーレン美)

Img_0001_20240302225301    ‘相互和音’(1942年 ポンピドー)

スイスでの美術館巡りが実現したときはチューリヒを滞在拠点にしてスイス
の街をまわるだけでなく、可能であればドイツのミュンヘンまで足をのばし
たいと思っている。それは若い頃ジュネーブから訪問した際は美術鑑賞は
まだ普通の関心くらいしかもってなかったため、近現代絵画が展示してある
ノイエ・ピナコテークとレンバッハハウス美はまったく縁がなかったから。

青騎士のカンディンスキー(1866~1944)やマルク(1880~
1916)のコレクションで有名なレンバッハハウスは過去に何度か所蔵作
を披露し目を楽しませてくれた。でも、まだみたいのはいくつか残っている。
初期の作品‘多彩な生活’はぱっとみるとブリューゲルの農民画を思い起こさ
せる。鳥瞰図法を用いて手前から後方奥まで中世ロシアの様々な人々の生活
が生き生きと描かれており、そこには旗手、巡礼、司祭、少女を追っかける
少年がいる。

抽象絵画に挑戦したカンディンスキーが4年目後に制作したのが‘即興 峡谷’。
それは1914年の第一次世界大戦勃発直前で、ドイツからの国外退去を命
じられる1ヶ月前という激動の最中だった。作品の舞台は恋人のミュンター
と出かけたバイエルンアルプス山中にある‘地獄の峡谷’。本物をまじかでじっ
くりみてみたい。絵の中央下に二人の人物が滝を眺めているが、、、

カンディンスキーは画業の後半、‘究極の抽象絵画の美!’に進化した絵をたくさん描いた。200%痺れるそのシリーズが‘コンポジション’。ポンピドーやNYのグッゲンハイムで心がハイになったのを強く記憶している。まだ縁がないのが‘Ⅸ’とその3年後に描かれ最後の作品となった‘Ⅹ’。年をとるにつれ直線や曲線や幾何学模様を自在に操り全体の造形を美しく見せる作品が生まれてくるのはカンディンスキーの色彩感覚がすばらしいから。だから、抽象画なのに親しみが湧き長くみていようという気になる。

亡くなる2年前に描かれた‘相互和音’とポンピドーで遭遇できることを夢見ている。妻のニーナはカンディンスキーが死亡したとき、この絵をアトリエの棺の横に置いたという。最晩年にこんなに優しくて可愛い感じのする絵に到達したことを、マティスの切り紙絵がみせる明快さやすっきり感とつなげてみたくなる。

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2024.03.01

麻布台ヒルズ ‘オラファー・エリアソン展’!

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麻布台ヒルズ

Img_20240301223701  エリアソンの‘相互に繋がりあう瞬間が協和する周期’(2023年)

Img_0001_20240301223801    ‘蛍の生物圏(マグマの流星)’(2023年)

Img_0002_20240301223801    ‘瞬間の家’(2010年)

Img_0003_20240301223801   

奈良美智のパブリックアート‘東京の森の子’(2023年)

昨年11月にオープンした麻布台ヒルズへでかけ、麻布台ヒルズギャラリーで
開催中の‘オラファー・エリアソン展’(~3/31)や現在日本で最も高い森JPタワーのオフィスビルに設置されたパブリックアートなどを楽しんできた。東京のど真ん中に今話題の街が出現したというので、平日なのに大勢の人であふれかえっていた。予想通り外国人が非常に目につく。昼食時とかさなったため、ガーデンプラザA、B、Dにあるフードショップには長い列ができていた。タイ料理の店をみて東京ミッドタウンに出店しているベトナム料理がすぐ思い浮かんだ。また、森JPタワーの入口横には‘将軍ハンバーガー’あった。アメリカにはこんなハンバーガー店があったの、西海岸、ハワイ?

オラファー・エリアソン(1967~)の序章は昨年7~10月にかけて行
われた‘テート美術展’(国立新美)だった。はじめてお目にかかった‘星くず
の素粒子’によって関心に火がつき、年末には麻布台ヒルズで新作が登場する
という流れになった。ガーデンプラザAにできた麻布台ヒルズギャラリーで
作品がお目見え。2000円の入館料を払って展示会場のイメージがつか
めないまま足を進めた。まず現れたのは国立新美でみたのと同じタイプの
オブジェ‘蛍の生物圏(マグマの流星)’。つかみは上々。そのあとぐっと気分
がハイになったのは水を使った大型インスタレーション‘瞬間の家’。暗闇の
空間にストロボの光がとびかい作品が自在に動き回るよう映るように演出している。みてのお楽しみ!作品の数は全部で8点くらい、部屋は3つだから20分もあれば十分。いつものように図録(2750円)を購入して、次の作品パブリックアートへ向かった。

作品があるのは麻布台ヒルズの象徴である森JPタワーのオフィスロビー。高い天井から吊り下げられているのが‘相互に繋がりあう瞬間が協和する周期’。上をみあげてすぐ連想したのがDNAの二重らせん模型。エリアソンの作品には‘素粒子’、‘マグマ’、、など量子力学、地球科学、生命科学に関連するフレーズがいろいろでてくる。アートとサイエンスの次元をこえた絡みによって超ミクロから宇宙空間へと世界が大きく広がっていく。

パブリップアートにビッグなオマケがあった。それは人気の作家、奈良美智の‘東京の森の子’、後ろにいた女性が‘ここに奈良智があるんだ!’と喜んでいた。‘同じ気分です!’と言いそうになったが、それはやめといた。土日は大混雑しているにちがいない。お楽しみスポットがまたひとつ増えた。

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