東博 ‘中尊寺金色堂’!
中尊寺金色堂 国宝‘阿弥陀如来坐像’、‘観音・勢至菩薩像’(12世紀)
東博の賑わいは平成館の‘光悦展’だけでなく本館の正面特別5室で開かれてい
る‘中尊寺金色堂’も大勢の人が押し寄せていた。そのため、入館に20分くら
いかかった。この混雑は予想してなかったが、あの金色に輝く金色堂の国宝
仏像がどどっと東京にやって來るのだから誰しも出かけようかとなる。事前
に織り込むべきだった。
中尊寺を訪問したのはもうずいぶん前のことなので、金色堂の中央壇に安置
されている‘阿弥陀如来坐像’など11体の大きさに抱いていたイメージと実際
が違っていた。現地でみたときの記憶はもっと大きな仏像。でも、よく考え
てみると金色堂自体が一辺約5.5mの小堂なのだから、大きな像であるは
ずがない。気分を鎮めて‘阿弥陀如来坐像’、‘観音・勢至菩薩立像’、‘六地蔵菩
薩立像’、‘持国天立像’、‘増長天立像’をじっくりみた。
日本仏像展とか国宝展でお目にかかる堂内具のなかでとりわけ視線を釘付け
にするのが‘金銅華鬘’。相対する人頭身鳥の迦陵頻伽(かりょうびんが)に
大変惹かれる。こういう人と鳥を合体させた生き物はどういうことがヒント
になって誕生したのだろうか。この金細工の出来栄えの良さにいつも目が点
になる。
2014年東博で開催された日本国宝展に出品された‘金光明最勝王経宝塔曼
荼羅図’はじっくりみていると、この宝塔が仰天のアイデアで描かれているこ
とに気づく。なんと経典の文字で形づくっているのである。この発想は真に
驚かされる。そして、紺地に金字と銀字で交互に書写された‘一切経’も定番の
経典。あまり大きくない部屋に国宝がここにもあそこにもあるというのは有
難い。また出かけるかもしれない。
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