ミューズにとどけ追っかけ絵画! ルノワール
‘ソファに横たわるモネ夫人’(1874年 グルベンキアン美)
‘バラ色と青色の服を着た少女たち’(1881年 サンパウロ美)
‘ワァルジュモンの子供たちの午後’(1884年 ベルリン国立美)
‘大きな花瓶’(1866年 フォッグ美)
これまで出会ったルノワール(1841~1919)の女性の絵で‘最高の瞬間‘
を感じたのはオルセーにある‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’とワシントンの
フィリップス・コレクションが所蔵する‘舟遊びの昼食’。ともに日本でも
披露されたのでルノワール好きの方は海外に飛び出さなくてもルノワールの最高
傑作に遭遇するという願ってもない幸運に恵まれたことになる。こういうこと
があるとつくづく日本は美術大国だなと思う。
作品1点ごとの好みの大きさでいうとこの2点が胸に深く刻まれているが、10年くらい前に三菱一号館美にやって来たアメリカのクラークコレクションの中核をなしているルノワールの名画の数々にも200%驚いた。女性画、風景画、
静物画が全部で13点。こんなすばらしいラインナップでルノワールを楽しめたのは一生の思い出である。
いい絵をみると美欲(My造語)がさらに膨らむ。次のターゲットは片手ほどある。ポルトガルの首都リスボンを再訪すると会えるのがグルベンキアン蔵の‘ソファに横たわるモネ夫人’。個人がもっている‘ブロンドの浴女’は別ヴァージョンにお目にかかったが、2つを比べとこちらのほうが断然いい。でも、鑑賞の機会は限りなくゼロに近い。そして、ブラジルまで行こうかとふと考えさせるのがサンパウロ美にある‘バラ色と青色の服を着たカーン・ダンヴェールの少女たち’。図版でも強く惹きこまれるのだから本物の前では体が震えるかもしれない。
ベルリンへまた行くことがあったら見逃したくないのが‘ワァルジュモンの子供たちの午後’。ほかの画家を含めてみたい絵が多くあるベルリンは旅行先の優先順位がだんだん上がっていく。静物画の傑作‘大きな花瓶’は昔訪問したハーバード大のフォッグ美でみたことになっているのに、どういうわけしかと楽しんだという実感がない。だから、もう一回行かなくてはならない。
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