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2021.02.14

美術館に乾杯! 米沢市上杉博物館

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Img_0001_20210214223101      狩野永徳の国宝‘洛中洛外図屏風(上杉本)’(16世紀後半)

Img_0004_20210214223101      ‘祇園会 山鉾巡行’

Img_0005_20210214223201      ‘歳末の風景’

Img_0003_20210214223201     

 ‘鶏合せ’

Img_0002_20210214223201      ‘北野天満宮の梅’

日本絵画に親しむようになるとこの絵とあの絵はなんとしてもみておきたい
という思いがだんだんたまっていく。その一つが狩野永徳(1543~
1590)が描いた‘洛中洛外図屏風(上杉本)’。でも、これを所蔵してい
るのは山形県米沢市の上杉博物館。米沢は福島市と緯度的には同じところに
あるが、やはり遠い。だから、意を決していくでかけるにはきっかけが必要。
博物館のHPをみると特別公開の日時がでていた。こうなるともう行くしか
ない。

上杉本をみたのはこのときと2013年東博で開催された‘洛中洛外図と障壁
画の美’の2回。上杉博では時間がたっぷりあったので腰をすえて屏風の隅か
ら隅までじっくりみた。もちろん単眼鏡のお世話になったことはいうまでも
ない。京の都の街なみが俯瞰の視点から六曲一双の屏風にどどーっと描かれ、
ここに住む人々の日常生活のひとこまを手抜き無しで事細かくみせてくれる。
風俗画は文字ベースの歴史の知識を立体化し身近に感じさせてくれる貴重な
情報媒体。だから、夢中でみてしまう。

どの洛中洛外図でもハイライトのシーンとして‘祗園祭りの山鉾巡行’が
でてくる。本物の祗園まつりにまだお目にかかってない。この年中行事を楽
しめるのはいつになるだろうか、生き物がでてくる場面で引き寄せられるの
は有力武士の屋敷の前で行われている‘鶏合せ(闘鶏)’。竹内栖鳳が軍鶏を
描いたのはこういうのをみたのだろうか。‘歳末の風景’では琵琶法師が犬に吠
えられている。じつにおもしろい。

今も昔も四季折々の草花をめでるのは変わりない。春には‘北野天満宮の梅’に
心をときめかし、秋になると嵐山の紅葉狩りで渡月橋を渡る。こうしたハレ
の体験と日常の楽ではない仕事。武士も町衆も農民も京の街を舞台にそれぞ
れの幸せをもとめて生きていく。想像がいろいろ膨らむ洛中洛外図、その
最高傑作を米沢でみれたことは生涯の思い出である。

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