美術館に乾杯! 日光東照宮
美術の教科書に登場するお寺、神社などの建築物は一度はみておきたいもの。
そのなかで絢爛豪華な黄金の輝きに圧倒されるものは一生目に焼きつく。
西では京都の金閣寺がその筆頭であり、東だと日光東照宮。東洋のバロック
建築と呼ばれる東照宮へは3回でかけた。ディズニーランドの熱狂的なファ
ンなら年間のうちかなりの日数を園内のアトラクションで楽しむのだろうが、
日光が1時間くらいで到着するのなら東照宮でも同じような行動をとるかも
しれない。
終日ながめていても飽きないため‘日暮門’とも呼ばれる‘陽明門’はありとあら
ゆる彫刻装飾で覆い尽くされている。獅子、莫、龍の彫物、組物の間や花頭
窓の羽目板などにパネル状に組み込まれた仙人像、牡丹などの植物、雲が漆
や胡粉、鮮やかな色によって塗り立てられている。全国から集められた最高
レベルの技をもった職人たち、大量に投入された木材、顔料、漆、、
徳川幕府の権力、財力をこれでもかとみせつけられる。ここでは政治と美術
が密接につながっている。
東照宮へ来たら見逃せない彫刻が二つある。欄間に彫刻された三猿、‘見ざる、
聞かざる、言わざる’のユーロラスな姿は都合が悪くなったらこれがすぐ頭に
浮かぶほど日本人にとってはリスク回避の常套手段になっている。もうひと
つ有名なのが眠猫。名匠、左甚五郎の作といわれている。目を閉じる猫とい
うのがおもしろい。
陽明門の左手にある本地堂の内陣天井に描かれた雲なしの龍。頭の下で拍手
をすると龍が鳴いているような金鈴の音が響きわたるので‘鳴龍’と呼ばれてい
る。最初に和尚さんが完璧な拍手で手本をみせてくれるから、それに続いて
2回はやってみる。びんびん響くので調子に乗ってさらに2回。楽しい思い
出である。
| 固定リンク
コメント