美術館に乾杯! 国立歴史民俗博物館
酒井抱一の‘小袖 白絖地梅樹下草模様’(重文 18~19世紀)
佐倉市には川村のほかにもうひとつ大きな博物館がある。それはJR佐倉駅
の北に位置する国立歴史民俗博物館。2009年に開催された企画展を
みるため出かけた。どう行ったか記憶が薄れているが、駅からバスに乗っ
たような気がする。国立の博物館だから民俗関連の文物や資料に関心が
あると好奇心がいたく刺激される。
この博物館の名前がインプットされたのは最古の洛中洛外図といわれる
‘洛中洛外図屏風 歴博甲本’に出会ったから。たしかこれは2度見ている。
一時期洛中洛外図に嵌り、美術本に載っているものは全部みてやろうと
山形の米沢までクルマを走らせ狩野永徳の‘米沢本’に会ったり、東博に
連日通い‘舟木本’を単眼鏡で隅から隅までなめつくしたこともあった。洛中
洛外図をみるのは相当なエネルギーがいるので今はその元気はない。
豊臣秀吉の花見の様子を描いた‘醍醐花見図’はたばこと塩の博物館であっ
た特別展でお目にかかった。貴重な鑑賞体験であり、歴博はこれによって
も印象づけられている。件の企画展は古道具の妖怪が登場する‘百鬼夜行の
世界’、大徳寺真珠庵にある‘百鬼夜行絵巻’が出品されたので喜び勇んで出
かけた。狩野洞雲(1625~1694)の絵はこれをベースにして描い
たもの。ユーモラスな妖怪たち動きは一度見たら忘れられない。
伊藤若冲(1716~1800)の描いた‘伏見人形図’はいくつもヴァー
ジョンがあり、これはその一枚。インバウンドが多かった2年前は伏見稲荷
大社は外人客で大賑わいだった。まだここは行ってないのでコロナ騒動が
静まったら訪問することにしている。酒井抱一(1761~1828)が梅
をモチーフにして描いた見事な小袖もここの自慢のお宝。着物が琳派のキャ
ンバスになっているが、着物の形と絵柄がうまくマッチしている。この品の
いいデザインセンスは抱一ならではのもの。
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