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2020.11.14

美術館に乾杯! 東京都現代美術館 その二

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     小倉遊亀の‘コーちゃんの休日’(1960年)

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        梶原緋佐子の‘夕立’(1967年)

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     岸田劉生の‘武者小路実篤像’(1914年)

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     鶴岡政男の‘重い手’(1949年)

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        池田遙邨の‘錦帯橋’(1980年)

ひとりの画家の作品をたくさん集めた回顧展は好きな画家の世界にどっぷり
つかれるという楽しい面があると同時にその画家の作品の多面的なところに
ふれ分析的な目を養う絶好の場を提供してくれる。小倉遊亀(1895~
2000)の大回顧展では、目を白黒させるほど衝撃的な絵に遭遇した。
‘コ―ちゃんの休日’。モデルは紅白歌合戦の常連でシャンソンを歌って一世
を風靡した越路吹雪(愛称コーちゃん、わかる人はわかる)。小倉遊亀が
こんなマティス風の人物画を描いていたとは! 背景が赤というのも西洋
画っぽい。この女流画家は本当は西洋画をやりたかったのかもしれない。

梶原緋佐子(1896~1988)は遊亀の1年後に京都に生まれた。これ
までお目にかかった作品は片手くらいだからまだ十分に馴染んでないが、
‘夕立’にみられるようにどこか親戚の叔母さんを思わせる存在感のある女性
が登場する。こういう普通の生活感を感じさせる風俗画はなかなか描けない。
深刻的な状況でもないし、かといって楽しさ絶頂でもない。‘どう、ご機嫌
いかが’といって気軽に挨拶できる感じ。

白樺派の武者小路実篤という人物のことがだんだん薄くなっていくが、
岸田劉生(1891~1929)の肖像画をみると若いころはこんな顔をし
ていた。なんだか学校の先生のイメージ。男性のモデルのなかではこれと
‘古屋君の肖像’が一番気に入っている。

鶴岡政男(1907~1979)の‘重い手’は一瞬ぎょっとする作品。手の
お化けが目の前に現れたようで、この手は一体どうなっているのか、とドギ
マギする。ボスの怖い絵に胴体がなく頭と足だけの怪物がでてくるが、鶴岡
はボスの絵から刺激を受けた?

岡山県出身の池田遙邨(1895~1988)は小倉や梶原と同時代を生き
た日本画家。はじめは洋画をやりその後日本画に転向した。こういう経歴の
画家はほかに小杉放菴や山口蓬春らがいる。この画家は視点のとり方がユニ
ークで‘錦帯橋’にもそれがでている。奇橋といわれる錦帯橋の全体をみせない
で橋の下の部分を描き三日月と城との3点セットにしている。おもしろい!

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