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2020.11.03

美術館に乾杯! 講談社野間記念館 その二

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    上村松園の‘惜春之図’(1933年)

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    土田麦僊の‘春’(1920年)

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    村上豊の‘ひな遊び’(2004年)

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    村上豊の‘月の女’

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          小茂田青樹の‘四季花鳥’(1928年)

上村松園(1875~1949)には徳川美と五島美が所蔵する‘源氏物語絵
巻’をみているのと同じ気分になる絵がある。三の丸尚蔵館の‘雪月花’。これ
をみたら松園が特別の画才を持った画家だということがよくわかる。この
4年前に描かれたのが‘惜春之図’。平安時代にタイムスリップしたようで鮮や
かな衣裳と長い黒髪に吸いこまれていく。

土田麦僊(1887~1936)の回顧展を今から23年前の1997年、
東近美でみた。このころはまだ日本画といっても知っているのは狩野芳崖、
横山大観、菱田春草など限られており、麦僊にもまだ目が慣れていなかった。
そのため、図録に載っている‘春’についてはしかとみたという実感がない。
だから、この額4面の大きな絵を2000年に開館した野間記念館でみる機
会がめぐってきたのはそれから10年以上経ってからのこと。やっと絵の前
に立ったときすぐ頭をよぎったのはルネサンスのボッティチェリの‘プリマ
ヴェ―ラ(春)’。手をのばしあう母子はまるで聖母子像をみているよう。

永青文庫で中村岳陵の最接近したの同じことが野間でもおこった。その画家
は講談社が発売している雑誌‘小説現代’の表紙の原画を描いていた村上豊
(1936~)。まったく情報のなかった人だがその漫画チックな画風にい
っぺんに嵌った。2007年と2010年にあった回顧展ではご本人と話を
することができ購入した画集にサインしてもらった。‘ひな遊び’は俯瞰の視点
がとてもユニークでひな壇もいろりも全部みせないところもおもしろい。
そして、衝撃度200%の絵が‘月の女’、女の肉体描写がシャガールの幻想性
とシュルレアリスムのダブルイメージを合体させたような感じ。これには参
った!

小茂田青樹(1891~1933)の‘四季花鳥’は清々しい花鳥画。右の秋で
は琳派のたらしこみを思わせる木の幹の描き方と銀杏の葉の黄色が菱田春草
の‘落葉’と響き合う。

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