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2020.11.17

美術館に乾杯! 松岡美術館 その二

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         今尾景年の‘柘榴錦鶏図’(1890年頃)

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     小林古径の‘丹頂’(1942年)

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     福田平八郎の‘鯉’(1921年)

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     下村観山の‘長安一片月’(1900年)

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     川合玉堂の‘炭焚く夕山’(1940年)

訪問する美術館が多くなると思わぬ名画にでくわす回数が増えてくる。絵画
の世界はとても広く聞いたことのない名前の画家の作品にいたく感激するこ
とがある。松岡美で大きな収穫だったのは京都生まれで四条派の日本画家、
今尾景年(1845~1924)の描いた‘柘榴錦鶏図’。小さい頃よく動物園
につれていってもらい数多くの鳥をみたが、そのなかに色鮮やかな羽をした
錦鶏がいたかどうかわからない。岩の上に番の錦鶏がおり、目を惹く雄鳥が
くにゃっと曲がった柘榴の木の間に飛んでいる小禽をじっとながめている。
柘榴の枝を結ぶ対角線と鳥たちの対角線がクロスする構図がなかなか冴えて
いる。

小林古径(1883~1957)の‘丹頂’はみる者の心をすぐとらえるモチー
フを描くときはシンプルに表現するのが一番効果的ということを教えてくれる。
首を左に曲げた丹頂をどんと真ん中に立たせ右から梅をのばしてその美しい姿
を浮きだたせる。これだったら、日曜画家でも描けそうな気がするが、余計な
ものを省くことが簡単なようで難しい。鯉を得意する画家ですぐ思いつくのは
円山応挙、川端龍子、福田平八郎(1892~1974)、奥村土牛。平八郎
の鯉はさざ波の描き方が強く印象に残る。

下村観山(1873~1930)の絵ははじめは東近美や東博の平常展でお目
にかかりその画風に目を馴らしていた。次の段階が松岡美、ここには5点くら
い展示されていた。肖像画の‘臨済’(中国唐時代の高僧で臨済宗の開祖)や牛若
丸を描いた‘山寺の春’、‘長安一片月’など。朦朧体による空間表現が目をひく
‘長安一片月’は李白の詩をもとにしたもの。長安の秋の夜景が情趣豊かに描かれ
ている。

川合玉堂(1873~1957)もいくつかあるが、‘炭焚く夕山’に魅了されて
いる。陽が落ちた夕刻、二人の男がまだ炭焚きの仕事を続けている。山歩きをす
る習慣はないが、こういう光景には親近感を覚える。田んぼで働く人や炭焚きに
精をだす人たちを優しくみつめる玉堂。愛すべき日本の農村画家である。

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