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2020.11.01

美術館に乾杯! 永青文庫 その五

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     小林古径の‘髪’(重文 1931年)

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     中村岳陵の‘摩耶夫人’(1960年)

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        下村観山の‘女’(1915年)

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     安田靫彦の‘聚楽茶亭’(1905年)

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    鏑木清方の‘抱一上人’(1909年)

2005年に東近美で開催された小林古径(1883~1957)の回顧展
はエポック的な鑑賞体験のひとつ。それから15年経ったが、今のところ
2度目の古径展の話は聞いてない。重文に指定されている‘髪’をみたのはこの
ときで一回きり。これも熊本県美への寄託作品なので簡単にみれないのはあ
たりまえかもしれない。視線が集中するのは妹がすいているお姉ちゃんの長
い黒髪。女性にとって髪の手入れが日常生活でとても大事なことをこの絵は
教えてくれる。上村松園の‘序の舞’と同じように絵に品格を感じる。

永青文庫へ足を運んで大きな収穫があったのは中村岳陵(1890~
1969)。4点あったが、とくに魅了されたのは‘摩耶夫人’。みた瞬間女優
の岩下志麻の顔が浮かんだ。岩下志麻って?わかる人はわかる。これが中村
岳陵との距離が縮まるきっかけとなり、そのあと2008年運よく横須賀美
で中村岳陵展に遭遇した。でも、どういうわけか永青文庫蔵は1点も出品され
なかった。やはり‘美術館はいい絵は貸し出さない!’の法則がきいている。

下村観山(1873~1930)の‘女’は二人の女の顔の描き方が浮世絵風に
なっている。菊川英山とか渓斎英泉の美人画を手本にして眉の処理や唇の色
使いを考えたにちがいない。観山には美人画が少ないのでこういう絵には
ハッとさせられる。

男性の肖像画も印象深い。安田靫彦(1884~1978)の豊臣秀吉を描
いた‘聚楽茶亭’と鏑木清方(1878~1972)の‘抱一上人’。関西の逸翁
美に天下人、秀吉を描いたものがあるが、靫彦が画題にしたのは茶を楽しむ
秀吉。清方の酒井抱一もおもしろい趣向。絵を仕上げるあいまに三味線を弾
く抱一が描かれている。

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