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2020.10.02

美術館に乾杯! 五島美術館 その四

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   直翁の国宝‘六祖挟担図’(南宋時代・13世紀 大東急記念文庫)

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    横山大観の‘水温む’(1954年)

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    小川芋銭の‘夕風’(1924年)

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    川端龍子の‘富貴盤’(1946年)

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       小茂田青樹の‘緑雨’(1926年)

国宝に指定された絵画の価値がすっとわからないときがある。五島美の横に
併設されている大東急記念文庫が所蔵する‘六祖挟担図’をはじめてきたときは
ピンとこなかった。淡い墨でさらっと描かれた中国禅宗の第六祖慧能が真に
迫ってみえてきたのは次の対面のとき。顔の部分をじっくりみると小さな目
ときりっとし端正な口元もなかなかいい。墨の表現に通じるには時間がかか
るので中国の絵とのつきあいは長くなる。

あまり頻繁には公開されないがここには近代日本画が結構な数ある。そのな
かでとくに有名なのが横山大観(1868~1958)の‘水温む’と小川芋銭
(1868~1938)の‘夕風’。大観の水墨画をたくさんみたが、最も魅了
されているのがこの‘水温む’(みずぬるむ)。美術館はいい絵はほかの美術館
に貸したがらないという法則の通り、何度も開催された大観展でこれにお目
にかかったのは一度しかない。以前、ここの学芸員に所蔵名品展を企画する
ときは是非これを入れてと依頼しておいたが、運よくそれが実現し2度目の
対面が叶った。やはり傑作だった。

大観と同じ年に生まれた芋銭の‘夕風’は珍しく色彩の印象が強く残る一枚。
この絵は注意が必要。あまり手前にどんと並ぶ唐黍ばかりに気をとられると
その向こうに描かれている白馬や子どもをふくめた村人の存在を見落として
しまう。でも、風になびく唐黍が目立ちすぎるので視線がどうしてもこっちに
向かう。

派手な牡丹を描くのは大変難しい。だから、並の絵描きはこれに手をださない。
川端龍子(1885~1966)の牡丹は島根県の足立美でもお目にかかった
が、ここの‘富貴盤’もずっとみていたくなる牡丹である。萎れはじめているが、
白い花びらからはまだオーラがでている。

小茂田青樹(1891~1933)の‘緑雨’はお気に入りの絵でMyベスト5
青樹に入れている。この絵もふつうは大きな芭蕉の葉に目がいく。そして、
視線を下に落とすとなんと小さな蛙がいる。この対比のさせ方が意表をつく。
また、降っている雨の描写にとても情感を感じる。

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